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弐章・選ばれし勇者編
2-8 40 大地の涙視点 血濡れ
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…久しぶりね。世界をやり直した人は。
かの者たちも…二つ名を持つ事になるのかしら?
フフ…緋色。その道は…地獄が微温く感じるわよ。
私もその道を…辿ったからね。
「なぁ、お母さん。今日もお父さん帰ってこねぇのか?」
「…そうねぇ…遅いわねぇ…」
夫は外の世界に行ってから3日経った。
まぁ、あの人は直ぐ帰ると言う割に全くその言葉が本当にならない。
仕方無いわ。そういう人だもの。
それに、私はブレインダイブだから助けにも行けない。
…裕貴と待つしか無いわね。
三人でいる時が一番楽しいのは勿論だけど、裕貴と一緒にいれたら…幸せね。
ある日、帰ってきたと思えばまた行くらしい。
本当に冒険が好きな人だ。
「…ちょっと、面白い物を見つけたんだ!」
初めて見るワクワクした顔。本当に子どものようね。
「…分かったわよ。気を付けてね。」
「ああ!」
そんな一週間後のことだった。
家族が…死んだ。
…夫じゃなかった。
裕貴が…自殺した。
意味が分からなかった。
理解が出来なかった。
ただ死んだ。その亡骸がその証拠だった。
何で?どうして?
私を…何で一人に…?私に…何で教えてくれなかったの…?
一人で死んだ。
すると、声が聞こえた。私に限りなく近い声だ。
「諦める?」
諦めなくていいのなら、諦めない。
すると、微かに残った裕貴の精神世界に入った。
消えかけだ。
肉体が死んでいるから、そこには無機質な魂が存在しているだけだ。
入った理由が分かってしまった。
試されているのか。
私は。
「どうする?」
自分がその声の主だった。
「決まっているでしょう。」
その声のまま、そう言った。
短刀を生成する。
そのまま魂を突き刺した。
「愛しているわ…裕貴。貴方を救ってみせる。」
魂は声にならない悲痛を叫び消えた。
「はっ……!」
自分のベッドで目覚めた。
「夢…?」
カレンダーを見て、嘘では無いと気付く。
「…あれ?まだ、この日?」
もう既に時間は過ぎ去っているかと思われたが違った。
違和感のある日が続いたある日気付いてしまった。
何の為に息子を殺したのか。
彼は居ない。どうやら、魂を消してしまうと存在が消えてしまうらしい。
……彼が復活したのは本来死ぬ1ヶ月前だった。
私は深い喜びに包まれた。
これで、もう一度楽しく暮らせると私は思った。
1ヶ月後の夜…
ガタン!
ある部屋が少し大きな音を立てた。
「……まさか…?」
急いで行くと、そこには彼が吊られていた。
悟った。死ぬ原因を解決しなければ、何度も何度も死に続けると。
(させないわ…!)
やっとの事で生成出来るようになった銃を生成した。
「………貴方を救ってみせる。」
裕貴が物理的に死ぬ前に撃ち込んだ。
「はっ…!」
目覚めたのは前と同じ時刻。彼が死ぬ丁度2年前。…しかし今回は違う。
ちゃんと裕貴の事を覚えている。そして、存在している。
ここから…色んな事を調べた。
今は3回目の世界。大体、何が起こるかを知っている。
色々なことを調べているうちに色々分かった。
彼はイジメを受けていると。
許せなかった。
親として、小学園に頼んだ。報告した。
…学園のせいで、4回目の世界に行くことになった。
今回は違う。学園はゴミだ。
何をしてくれないのならと、学園の関係者を出来る限り洗脳してみた。
…裕貴にバレてその次の日に首を吊ったので5回目に移行する。
誰にもバレない方法は…?
イジメから救う方法は?
何もしなければ…彼は死んでしまう…!!!
そうだ。簡単な事。直接聞けばいい。
…な訳がなかった。何も無いの一点張り。
母である私を頼ってくれないのか。
悲しみと怒りでヤケになって資格を取った。
個人で、洗脳しまくってそのまま脳天をぶち抜いた。
案外簡単だった。洗脳がいつの間にか上手くなっていた。
夫が帰って来て同じ事を言う。
「面白い物を見つけたんだ!」
「……何を?」
「建物さ!色んな噂があるんだよ!」
「…面白そうね。私も行くわ。」
その噂の中に願いが叶う噂があった。
これ以上、進展の方法が分からかいなら1度藁をも縋ってやろうと思った。
建物を見つけた。割と直ぐに近くにあった。
夫曰く、こんな近く無かった気がすると言っていたが。
モンスターを大量に洗脳しまくった。
夫はそれをバッサバッサと斬り倒す。
建物の中は図書館だった。
明らかに天井の高さが違う。まるで、次元が違うようだ。
本を読み倒したが、一向に叶う方法が書かれていない。
「…なあ、葵里。」
私の名前を呼ばれる。
「何?貴方。」
「俺が、前来たとき、図書館じゃなかったんだよ。」
突然おかしな事を言い出した。でも、嘘では無い。
「…フフ。だから面白いのでしょう?」
時間が経つのを忘れて全ての本を読んでしまった。
しかし、勿論書かれてはいない。
夫と一緒に帰った。
家に帰る。おかしい。
時間が経ちすぎている。
図書館に居ただけで1年も過ぎるのは可笑しい。
だって……私は飲まず食わずだったじゃない。
彼は?
すると、窶れた裕貴が居た。生きていた。良かった。
「…………何で…?」
はっきりと分かってしまった。
次元が違うみたいだと思ったけれど、次元が違ったのね。
それに、夫と一緒に帰ったって思ったけど、私がさっきから引きずってるのは骨じゃない。
「ああ…勿論、貴方を殺す為よ。」
綺麗に撃ち込んだ。
今回は6回目。今度は、遠回しな方でやってみる。
夫が帰って来たときに、裕貴のイジメについて話した。
「…一緒に解決して欲しいの。…冒険が楽しいって事は分かるけど…」
思っていた以上に簡単に承諾してくれた。
もしかしたら、簡単かもしれない。
裕貴にイジメを受けている事を知っていると話した。
夫が代わりに話してくれた。誰よりも、優しい声でゆっくりと話した。
少し希望が持てた。
本の知識を今活用できているのではないかって思った。
学園に何回も何回も訴えた。
洗脳されたくなけりゃあさっさとやれ。
そんな目で見つめていたら、簡単にやってくれた。
舐めないで。私は何回も息子を殺したの。
また殺させたいの?
普通にイジメは解決した。
裕貴はありがとう。って感謝された。
家族の時間はやっぱり大事ね。夫と再認識させられたわ。
でもそれで終わらなかった。
…そう、また死んだ。
肉体が死んでしまったから、また魂を壊さなきゃならなくなった。
「アハハハハハハハ!何で!何で!このクソ野郎!何で!死んだの!裕貴!本当にゴミね!この世界は何度、裕貴を殺したら気が済むの!何度、裕貴を殺させたら気が済むの!!!!」
銃を生成し魂を撃ち込んだ。
勿論の事存在が消えたので、裕貴を復活させるのに一周を使ってしまった。
自分の不甲斐なさに悲しくなる。
8週目の朝、時計を見た。
「あれ…1年…過ぎてる。」
どうやら、イジメは解決したようだ。
別の問題を引き起こしているのだろう。
…思ったより簡単な話だった。
裕貴は無能力者だった。それが彼にとって最大の苦痛だった。
簡単な原因だ。そして一番大変な問題だった。
開眼出来る方法等今の所存在していない。
お陰で、また建物に向かう事にした。
今度は夫を置いて行った。何があっても良いように。
裕貴は夫に慕ってる。
当たり前だろう。好きな冒険よりも息子の方を優先してイジメを止めたのだから。
彼は知らない。自分が何回もやり直してまで息子の自殺を止めようとしていることを。
知ってしまえば、同時に自分が息子を殺している事を知ってしまう。
だから言えない。
夫が息子を救っている事でも良い。
私は何も裕貴に出来ていない事でも良い。
今度は見つけるのに少し時間がかかった。
何で一々場所が変わるのだろうか。
それに大型モンスターと戦う羽目になり、傷だらけだ。
「はぁ…はぁ…あんたのせいで、傷だらけよ…!」
洗脳がほとんど効かず精神掌握をかけまくり、悪夢殺しで押し切った。
…ともあれ………。
建物の中に入っていった。
「え?嘘でしょ?」
そこには中の世界が広がっていた。
「ここは……時計台の屋上ね。」
この街には一番大きく目立つ時計台が存在する。
もうボロボロで、廃墟になるのも時間の問題かもしれないけれど。
「…時間は今じゃ無いのね。」
どうやら少しだけ後の時間らしい。
「私が二人いるなんて不思議ね。…二人も要らないわ。」
何か目的があってこの世界に建物は連れ込んだ。
ある本に書いてあった事を思い出す。
死を覚悟したその時…能力が開眼し、悪魔を倒した。
「ああ…私って最低ね。狂ってるわ。そんな事を思いつくなんて。……そんな事を実行しようとするなんて。」
もう既に、自分は狂っていたと悟った瞬間かもしれない。
「………良いわ。狂ってやるわよ。」
さっきより若干弱く、洗脳できる奴をとっ捕まえてきた。
やはり、少々難しい。死なない程度に殺そうとするのはあまりにも難しい。
それに、強い人が裕貴に会う前に倒してはいけない。
……………町の人、洗脳しましょう。
全員、やってしまいましょう。
「……私の言う通りなさい。………大地を掌握し、貴方達の血と涙で潤して。」
洗脳を強くする為にそんな事を言っていると、いつの間にか大地の涙と呼ばれるようになってしまった。
洗脳しているのをバレないように、適当に理由を、
大地を創造した涙を流す女神のようだ…と言う由来にしてみた。
だから、皆、私の二つ名の由来がそう認知されている。
…ともかく。それを実行した。
最初は洗脳が甘く、私が街にモンスターを解き放ったとバレてやり直した。
私を捕まえようとした奴らは全員殺したわ。
息子を殺せるのだもの。もう、他人なんて平気なのね。
これでは、結局、意味が無い。裕貴に接触できない。
それに直ぐに死んだ。死ぬ前に撃ち殺したけど。
9周目は、ただただ洗脳が強すぎた。
薬漬けみたいになってしまったわ。
それに、モンスターがちょっと強過ぎて、裕貴が死にかけてしまった。
本来の時間軸の私が助けに行ってくれたわ。流石ね。
だけれど、私は、私の犯行に気付いたのか、裕貴をわざと殺させようと、傷口を塞いでいるふりをして、急所を見せつけてきたわ。
中々のクズね。流石だわ。
10週目。
(絶対に成功させてやるわ。)
目覚めた時から色々な人をゆっくりと洗脳させた。
あるトリガーだけを残して、そこをいじれば私の犬になる仕掛けね。
3ヶ月も経てば、必要最低限の数は洗脳出来た。
…あの時から、こんなにも強くなったとは思わなかったわ。
それに、洗脳してこんな罪悪感の欠片も感じないなんて。
ウフフ。これで終わりにするから。
そして、自分に対し、精神掌握をかけられやすくした。
この時刻に本来はモンスターがやって来る。
今の私はモンスターを簡単に倒してしまう。
それでは意味が無い。私に教える為に精神掌握を使うのだ。
いわば保険。
約束の時間になった。
建物の中へモンスターをぶち込む。
裕貴は無能力者ながらも、必死に戦っている。
死なない程度に、私が裕貴に教えておいたわ。
本の知識のお陰で、教えやすかったわ。
傷だらけだ。
しかし、彼は開眼した。美しい雷鳴を轟かせていた。
彼は能力を使い倒した。
洗脳で弱体化を実行していないのにも関わらず。
「ああ…終わったのね。最高だわ。………その稲妻、美しいわね。」
この時から、彼が自殺する事は無くなった。
…全てが終わった。
しかし、待っていたのは息子への罵倒だった。
私もそれを望んでいた。
私は嫌われないといけない。殺した事をバレない為に。
私が、今まで重ねてきた罪を貴方だけにはバレたくないの。
だから、自らを偽って貴方に嫌われて生きていく。
かの者たちも…二つ名を持つ事になるのかしら?
フフ…緋色。その道は…地獄が微温く感じるわよ。
私もその道を…辿ったからね。
「なぁ、お母さん。今日もお父さん帰ってこねぇのか?」
「…そうねぇ…遅いわねぇ…」
夫は外の世界に行ってから3日経った。
まぁ、あの人は直ぐ帰ると言う割に全くその言葉が本当にならない。
仕方無いわ。そういう人だもの。
それに、私はブレインダイブだから助けにも行けない。
…裕貴と待つしか無いわね。
三人でいる時が一番楽しいのは勿論だけど、裕貴と一緒にいれたら…幸せね。
ある日、帰ってきたと思えばまた行くらしい。
本当に冒険が好きな人だ。
「…ちょっと、面白い物を見つけたんだ!」
初めて見るワクワクした顔。本当に子どものようね。
「…分かったわよ。気を付けてね。」
「ああ!」
そんな一週間後のことだった。
家族が…死んだ。
…夫じゃなかった。
裕貴が…自殺した。
意味が分からなかった。
理解が出来なかった。
ただ死んだ。その亡骸がその証拠だった。
何で?どうして?
私を…何で一人に…?私に…何で教えてくれなかったの…?
一人で死んだ。
すると、声が聞こえた。私に限りなく近い声だ。
「諦める?」
諦めなくていいのなら、諦めない。
すると、微かに残った裕貴の精神世界に入った。
消えかけだ。
肉体が死んでいるから、そこには無機質な魂が存在しているだけだ。
入った理由が分かってしまった。
試されているのか。
私は。
「どうする?」
自分がその声の主だった。
「決まっているでしょう。」
その声のまま、そう言った。
短刀を生成する。
そのまま魂を突き刺した。
「愛しているわ…裕貴。貴方を救ってみせる。」
魂は声にならない悲痛を叫び消えた。
「はっ……!」
自分のベッドで目覚めた。
「夢…?」
カレンダーを見て、嘘では無いと気付く。
「…あれ?まだ、この日?」
もう既に時間は過ぎ去っているかと思われたが違った。
違和感のある日が続いたある日気付いてしまった。
何の為に息子を殺したのか。
彼は居ない。どうやら、魂を消してしまうと存在が消えてしまうらしい。
……彼が復活したのは本来死ぬ1ヶ月前だった。
私は深い喜びに包まれた。
これで、もう一度楽しく暮らせると私は思った。
1ヶ月後の夜…
ガタン!
ある部屋が少し大きな音を立てた。
「……まさか…?」
急いで行くと、そこには彼が吊られていた。
悟った。死ぬ原因を解決しなければ、何度も何度も死に続けると。
(させないわ…!)
やっとの事で生成出来るようになった銃を生成した。
「………貴方を救ってみせる。」
裕貴が物理的に死ぬ前に撃ち込んだ。
「はっ…!」
目覚めたのは前と同じ時刻。彼が死ぬ丁度2年前。…しかし今回は違う。
ちゃんと裕貴の事を覚えている。そして、存在している。
ここから…色んな事を調べた。
今は3回目の世界。大体、何が起こるかを知っている。
色々なことを調べているうちに色々分かった。
彼はイジメを受けていると。
許せなかった。
親として、小学園に頼んだ。報告した。
…学園のせいで、4回目の世界に行くことになった。
今回は違う。学園はゴミだ。
何をしてくれないのならと、学園の関係者を出来る限り洗脳してみた。
…裕貴にバレてその次の日に首を吊ったので5回目に移行する。
誰にもバレない方法は…?
イジメから救う方法は?
何もしなければ…彼は死んでしまう…!!!
そうだ。簡単な事。直接聞けばいい。
…な訳がなかった。何も無いの一点張り。
母である私を頼ってくれないのか。
悲しみと怒りでヤケになって資格を取った。
個人で、洗脳しまくってそのまま脳天をぶち抜いた。
案外簡単だった。洗脳がいつの間にか上手くなっていた。
夫が帰って来て同じ事を言う。
「面白い物を見つけたんだ!」
「……何を?」
「建物さ!色んな噂があるんだよ!」
「…面白そうね。私も行くわ。」
その噂の中に願いが叶う噂があった。
これ以上、進展の方法が分からかいなら1度藁をも縋ってやろうと思った。
建物を見つけた。割と直ぐに近くにあった。
夫曰く、こんな近く無かった気がすると言っていたが。
モンスターを大量に洗脳しまくった。
夫はそれをバッサバッサと斬り倒す。
建物の中は図書館だった。
明らかに天井の高さが違う。まるで、次元が違うようだ。
本を読み倒したが、一向に叶う方法が書かれていない。
「…なあ、葵里。」
私の名前を呼ばれる。
「何?貴方。」
「俺が、前来たとき、図書館じゃなかったんだよ。」
突然おかしな事を言い出した。でも、嘘では無い。
「…フフ。だから面白いのでしょう?」
時間が経つのを忘れて全ての本を読んでしまった。
しかし、勿論書かれてはいない。
夫と一緒に帰った。
家に帰る。おかしい。
時間が経ちすぎている。
図書館に居ただけで1年も過ぎるのは可笑しい。
だって……私は飲まず食わずだったじゃない。
彼は?
すると、窶れた裕貴が居た。生きていた。良かった。
「…………何で…?」
はっきりと分かってしまった。
次元が違うみたいだと思ったけれど、次元が違ったのね。
それに、夫と一緒に帰ったって思ったけど、私がさっきから引きずってるのは骨じゃない。
「ああ…勿論、貴方を殺す為よ。」
綺麗に撃ち込んだ。
今回は6回目。今度は、遠回しな方でやってみる。
夫が帰って来たときに、裕貴のイジメについて話した。
「…一緒に解決して欲しいの。…冒険が楽しいって事は分かるけど…」
思っていた以上に簡単に承諾してくれた。
もしかしたら、簡単かもしれない。
裕貴にイジメを受けている事を知っていると話した。
夫が代わりに話してくれた。誰よりも、優しい声でゆっくりと話した。
少し希望が持てた。
本の知識を今活用できているのではないかって思った。
学園に何回も何回も訴えた。
洗脳されたくなけりゃあさっさとやれ。
そんな目で見つめていたら、簡単にやってくれた。
舐めないで。私は何回も息子を殺したの。
また殺させたいの?
普通にイジメは解決した。
裕貴はありがとう。って感謝された。
家族の時間はやっぱり大事ね。夫と再認識させられたわ。
でもそれで終わらなかった。
…そう、また死んだ。
肉体が死んでしまったから、また魂を壊さなきゃならなくなった。
「アハハハハハハハ!何で!何で!このクソ野郎!何で!死んだの!裕貴!本当にゴミね!この世界は何度、裕貴を殺したら気が済むの!何度、裕貴を殺させたら気が済むの!!!!」
銃を生成し魂を撃ち込んだ。
勿論の事存在が消えたので、裕貴を復活させるのに一周を使ってしまった。
自分の不甲斐なさに悲しくなる。
8週目の朝、時計を見た。
「あれ…1年…過ぎてる。」
どうやら、イジメは解決したようだ。
別の問題を引き起こしているのだろう。
…思ったより簡単な話だった。
裕貴は無能力者だった。それが彼にとって最大の苦痛だった。
簡単な原因だ。そして一番大変な問題だった。
開眼出来る方法等今の所存在していない。
お陰で、また建物に向かう事にした。
今度は夫を置いて行った。何があっても良いように。
裕貴は夫に慕ってる。
当たり前だろう。好きな冒険よりも息子の方を優先してイジメを止めたのだから。
彼は知らない。自分が何回もやり直してまで息子の自殺を止めようとしていることを。
知ってしまえば、同時に自分が息子を殺している事を知ってしまう。
だから言えない。
夫が息子を救っている事でも良い。
私は何も裕貴に出来ていない事でも良い。
今度は見つけるのに少し時間がかかった。
何で一々場所が変わるのだろうか。
それに大型モンスターと戦う羽目になり、傷だらけだ。
「はぁ…はぁ…あんたのせいで、傷だらけよ…!」
洗脳がほとんど効かず精神掌握をかけまくり、悪夢殺しで押し切った。
…ともあれ………。
建物の中に入っていった。
「え?嘘でしょ?」
そこには中の世界が広がっていた。
「ここは……時計台の屋上ね。」
この街には一番大きく目立つ時計台が存在する。
もうボロボロで、廃墟になるのも時間の問題かもしれないけれど。
「…時間は今じゃ無いのね。」
どうやら少しだけ後の時間らしい。
「私が二人いるなんて不思議ね。…二人も要らないわ。」
何か目的があってこの世界に建物は連れ込んだ。
ある本に書いてあった事を思い出す。
死を覚悟したその時…能力が開眼し、悪魔を倒した。
「ああ…私って最低ね。狂ってるわ。そんな事を思いつくなんて。……そんな事を実行しようとするなんて。」
もう既に、自分は狂っていたと悟った瞬間かもしれない。
「………良いわ。狂ってやるわよ。」
さっきより若干弱く、洗脳できる奴をとっ捕まえてきた。
やはり、少々難しい。死なない程度に殺そうとするのはあまりにも難しい。
それに、強い人が裕貴に会う前に倒してはいけない。
……………町の人、洗脳しましょう。
全員、やってしまいましょう。
「……私の言う通りなさい。………大地を掌握し、貴方達の血と涙で潤して。」
洗脳を強くする為にそんな事を言っていると、いつの間にか大地の涙と呼ばれるようになってしまった。
洗脳しているのをバレないように、適当に理由を、
大地を創造した涙を流す女神のようだ…と言う由来にしてみた。
だから、皆、私の二つ名の由来がそう認知されている。
…ともかく。それを実行した。
最初は洗脳が甘く、私が街にモンスターを解き放ったとバレてやり直した。
私を捕まえようとした奴らは全員殺したわ。
息子を殺せるのだもの。もう、他人なんて平気なのね。
これでは、結局、意味が無い。裕貴に接触できない。
それに直ぐに死んだ。死ぬ前に撃ち殺したけど。
9周目は、ただただ洗脳が強すぎた。
薬漬けみたいになってしまったわ。
それに、モンスターがちょっと強過ぎて、裕貴が死にかけてしまった。
本来の時間軸の私が助けに行ってくれたわ。流石ね。
だけれど、私は、私の犯行に気付いたのか、裕貴をわざと殺させようと、傷口を塞いでいるふりをして、急所を見せつけてきたわ。
中々のクズね。流石だわ。
10週目。
(絶対に成功させてやるわ。)
目覚めた時から色々な人をゆっくりと洗脳させた。
あるトリガーだけを残して、そこをいじれば私の犬になる仕掛けね。
3ヶ月も経てば、必要最低限の数は洗脳出来た。
…あの時から、こんなにも強くなったとは思わなかったわ。
それに、洗脳してこんな罪悪感の欠片も感じないなんて。
ウフフ。これで終わりにするから。
そして、自分に対し、精神掌握をかけられやすくした。
この時刻に本来はモンスターがやって来る。
今の私はモンスターを簡単に倒してしまう。
それでは意味が無い。私に教える為に精神掌握を使うのだ。
いわば保険。
約束の時間になった。
建物の中へモンスターをぶち込む。
裕貴は無能力者ながらも、必死に戦っている。
死なない程度に、私が裕貴に教えておいたわ。
本の知識のお陰で、教えやすかったわ。
傷だらけだ。
しかし、彼は開眼した。美しい雷鳴を轟かせていた。
彼は能力を使い倒した。
洗脳で弱体化を実行していないのにも関わらず。
「ああ…終わったのね。最高だわ。………その稲妻、美しいわね。」
この時から、彼が自殺する事は無くなった。
…全てが終わった。
しかし、待っていたのは息子への罵倒だった。
私もそれを望んでいた。
私は嫌われないといけない。殺した事をバレない為に。
私が、今まで重ねてきた罪を貴方だけにはバレたくないの。
だから、自らを偽って貴方に嫌われて生きていく。
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