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参章・昇りし太陽編
3-3 60 緋色視点 完全に緋色は問題児
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「………人生5回目の外の世界………」
外の世界への扉に緋色は立っている。
「悪い悪い。待たせたな。」
何回も外の世界へ行っているだろう橋本は装備が様になっている。
「ううん、大丈夫。……行こう。」
外の世界に足を踏み出し、細心の注意を払いながら進む。
「今回は何のモンスターを殺るんだ?」
「狼と、出来れば大型モンスターかなぁ…今回は武器より防具重視でやらないと。」
「そういえば有り合わせだな。樫妻の装備は。」
「そうそう。ほぼほぼサルと狼の革装備。」
「よくそれで何回も外に行けるよな………」
「いやぁ…褒められても…」
「心の底から褒めてないから安心しろ。心配この上ない。」
「えぇ…………あ。……来る。」
すると、気配察知に引っかかる。2人は武器を構えた。
「この感じは………中型かな…?」
「そうだろうな。」
「最小限にちゃっちゃとやりますか。」
緋色は武器生成で銃を作り出す。
(来い。尊大の緋色…撃ち抜け。)
当分の目標は精神世界の緋色の繋がりを上手くすること。
位が上がれば上がるほど、言う事を聞いてくれずに元に戻るのが遅くなってしまう。
「浚いの風(中)…」
狼達は緋色達の視界が入る前に頭を潰された。
「うっわ…グッロ…まぁ、こういう殺り方したのは私達だけど。」
そう言いながら素材を回収した。
「ケロッとしてんなぁ…樫妻。」
そう呟きながら、橋本も素材も鞄に突っ込む。
「前回のスタックは無いのかよ?」
「無い。そんな暇無かったくらいモンスター大量発生した。そのせいで、あんまり回収できなかったんだよね~…」
「それは…大変だったな…じゃあ、キャニバル・ラビッツもか?」
奏恵ちゃんの怪物化したモンスターの名前が、いつの間にかキャニバル・ラビッツになっていた。
………人食い兎よりはマシか。意味は同じだが。
「全部殺った直後に世界が壊れた。…そんな暇ない。」
それに…元は後輩だ。
可愛い後輩を殺しの素材にはしたくなかった。
只のエゴだ。…分かっていても嫌だった。
…まあ…普通は緋色と同じ考えか。
「ふ~ん。大変だったんだな。」
「ま、なんでもいいよ…そっちは学校に届け出出したんでしょ?」
簡単に言えば外の世界に行くから休みまーすっていう許可を貰うための紙だ。
「おう。当たり前だろ?」
「私出してないんだよね。」
「はぁ!?」
「問題児を決め込んだ方が何かと都合が良いんだよ。私は。…まだ誰にも資格所持者なんて知らないしさ。失われてる信用は適当に学力で補っとくから大丈夫、大丈夫。」
大体上位20位を切ってる。…国語以外。
「不良の癖して成績優秀は先生可哀想だ…それに…安全上の為もあるんだぞ…………」
更に気配を察知する。今度はさっきと違う気配だ。
「なんか…でかい…んだけど?」
「ああ…そうみたいだな。」
土が盛り上がりながらモンスターらしき何かが迫ってくる。
緋色とモンスターが対面すると、緋色は心の底から呟いた。
「…キッッッッッッモ!キモい!キモいキモいキモいキモい!」
「初めてか?…こういう時だけ女々しくなりやがって…やっぱり、女の子は変わらず女の子になるもんだな。」
「いや、無理でしょ!?生理的に無理!」
すると口らしきものが開く。
「いや…俺も無理だわ。」
何かの液体が緋色目掛けて飛んできた。
「うわぁ!?」
植物がジュージュー言っている。どうやら、酸性の体液を吐かれたようだ。
「いかにも蟲だね…!」
「しかも、武器が傷むから止めたほうが良いなこれ…ウィザードとかの遠距離系がいて欲しいわ…」
そうして、橋本は武器を収納し、武器生成でチャクラムを作った。
「私も作らなきゃね。」
更に酸を吐き出してくる。
水鉄砲ならぬ酸鉄砲だろうか。全くもって迷惑極まりない。
「唐傘(小)!…ああもう…!一瞬で溶ける…!使い物にならないじゃん!」
防御なんてこいつの前では役に立たない。
「秋嵐(大)!」
柔らかい身体には逆に切り裂けないようだ。
「嘘だろ!無傷かよ!うわ!お前嫌いだ!」
すると、生理的に気持ち悪過ぎる蟲は怒り始めたようにクネクネし始めた。
その見た目はモザイクをかけたいくらいだ。
すると地面が歪み出した。
「引き込まれる………!縮地(中)…!」
急いで緋色は逃げだして近くの木に乗り移った。
「橋本!」
「俺は大丈夫だ!」
今度は地面が槍となって橋本を貫こうとした。
「マジ…かよ……!」
間一髪で防いだが、更に大量に地面の槍が生えてくる。
「キモいだけじゃ飽き足らず強いの…!?」
「キモいのは別にこいつの能力じゃないだろ!?」
すると、緋色は地面の槍に避けきれず当たってしまった。
「いっ…!たく無いけど…飲み込まれ…!」
どうやら刺す為ではなくその中で圧力をかけるつもりだ。
「こ……のまま………じゃあ………腕が…折れ…!?」
「花嵐(大)…!!!」
優しい風が大地を切り裂き緋色を包む。
「大丈夫か!?」
「…うん。…助かった。」
手をブラブラさせながら言う。ちょっとズキズキするけど折れてはない。
槍が更に襲いかかってきた。
「触れても駄目…か。縮地(中)…!」
(来い…精神世界の緋色…拒否の緋色…!)
初めて拒否の緋色と繋がる。
奥底に垣間見える自身の醜さを長々と晒すわけにはいかない。
「死んで。死線誘導・殺戮(大)。」
蟲の上から攻撃を仕掛けていく。
第一位の緋色と繋がった攻撃で蟲はバラバラになった。
「嘘…だろ……」
橋本も驚いている。当たり前だけどね。
「……殺した。」
ゆっくりと繋がりを切っていく。
「……よし…終わった。」
「さっきのは…」
「私の切り札…的な?」
「昇華でも無いし、ステータス以上の攻撃だったぞ?…お前、攻撃値は俺よりも低いんだよな?速度値は俺の倍以上あるけど…」
「切り札だから教えないー。」
サイコロステーキの様に切られた見た目が年齢制限がかけられそうな程の蟲の素材を回収した。
勿論、鳥肌が止まらなかった。気色悪い事ありゃしない。
「はぁ…散々だよ…」
「ずっと、独り言のようにキモいキモい言ってたな…」
「そりゃあキモいから…」
「……そういえば、言うの忘れてたけどよ…この時期…外の世界で流行る事があるんだよ。」
何故だろう。
こういう時の言い忘れほど大事な事であることが大半な気がする。
「………それって?」
「…………これ。」
すると気配察知に急速に此方に来ている何かを察知した。
人間だ。モンスターじゃない。
「…まさか……!」
「龍神之破(大)!」
「電光石火(小)…!」
緋色は急いで避けた。もう少し遅ければ食らっていた。
「………能力者狩りか!?」
「おうよ…分かっていて、外の世界に来たのが運のつき。カバンを寄越しゃあ命は許すぜ?」
(ああ…こいつこんな事してたから資格剥奪されたんだ…馬鹿だな。)
前回と前々回の世界線ではこいつはお世話になった。
そう、このドラゴンスレイヤーはあの禿だ。
前々回の緋色と前回の香露音が禿を倒したのだが、今回ではまだ剥奪されていないらしい。
多分もう少し先だろう。
「…どうする?」
「拒否る。」
「だろうな。」
即答で2人は何をするか決まった。
2人は武器を構える。
「さっきの攻撃を避けたのは褒めてやるが、俺に勝てると思うなよ?」
「ああ…そうだろうね。」
「フン!命からがらの抵抗か?」
「違う。」
圧倒的な力でねじ伏せれば殺さずに済むのだが、まぁ無理な話だ。
「…不可抗力、正当防衛。……コイツと一緒にお前を殺しにいくが…許してくれよな。」
「フン…てめぇはどうやら外の世界に慣れてるようだな。ただ人を殺した事が無いだろう?」
「お前みたいな人間と会わなかっただけだよ。…今まではね。」
そして緋色の方を見る。
「お前は如何なんだ?」
「…さあ?」
「…………人を殺した事があるだろ?その目はそういう目をしてるぞ?」
「少なくとも…お前よりはそんな目してない。」
一応この世界線は殺してないから嘘ではない。
しかし、人を殺せば目が変わるようだ。これからは気をつけよう。
「…おっさんの方がもっと殺してる。…溝鼠の方がよっぽど綺麗な目をしてる。」
「…………お前はどういう状況か分かってんのか…?」
「殺し合い開始直前ですが?」
「………じゃあなんで何も無かったかのように、駄弁れる?何で笑ってる…!?」
「それはね?フフ。」
すると死線が禿の周りに至る所に張った。
時間稼ぎ完了。
「……は?」
「どっちだと思う?命乞いをするのは。」
「そちらにとって何も接点は無いけど、私は貴方に接点がある。」
更に禿の周りに死線が攻め寄る。
「どうする?それでも殺し合い…する?」
「わ、分かったよ。悪い悪い。」
「………………………」
緋色は黙って見つめている。
「な…なんだよ………しないって言ってるだろう?」
「殺す事を?それとも殺し合いを?貴方がしないという言葉をするなんて到底思えないけど。」
「じゃあ、俺を殺すのか?今ここで?何もしていないのに?」
急に被害者面をし始める。
「……はぁ、面倒くさ…」
死線を解いた。
「………恐怖に慄けば…良かったんだけどねー」
「は?舐めてるのか…?」
「…舐めてるのは其方でしょう。私は、私達は…少なくとも貴方より強いですよ?」
音を一つも立てずに禿に近づきナイフを突き立てる。
「本当に殺しますよ。…最初に目を刳りましょうか。」
「…………!」
やっとビビったみたいだ。
「おい、樫妻。此奴に構ってる暇はないぞ。」
橋本は生成した武器を構えている。
またアイツだ。
「ッチ。…おい、禿。」
緋色は禿に背中を向いて彼を呼んだ。
「ああん!?」
「分かんないのか?モンスター来るんだよ。…この状況を理解出来ない馬鹿だとは思っていけど間違いなのか?」
チャクラムを構え叫ぶ。もうすぐで気持ち悪いあれが来る。
「ああ、ああ!知ってるよ!」
禿は剣を構える。
急に地面から土の槍が伸びていく。
「っ…!急に来るのね…!」
「フン………閃律(中)!」
大地が壊れる。
蠢く蟲は酸弾を撃ち始めた。
「木が溶けてるじゃん…」
緋色は避けていく。
「おい、小娘!」
禿に呼ばれて緋色は振り向く。
「何!」
すると突き飛ばされた。禿の顔はニヤついている。
前を向くと、目の前には酸の液体が広がっていた。
外の世界への扉に緋色は立っている。
「悪い悪い。待たせたな。」
何回も外の世界へ行っているだろう橋本は装備が様になっている。
「ううん、大丈夫。……行こう。」
外の世界に足を踏み出し、細心の注意を払いながら進む。
「今回は何のモンスターを殺るんだ?」
「狼と、出来れば大型モンスターかなぁ…今回は武器より防具重視でやらないと。」
「そういえば有り合わせだな。樫妻の装備は。」
「そうそう。ほぼほぼサルと狼の革装備。」
「よくそれで何回も外に行けるよな………」
「いやぁ…褒められても…」
「心の底から褒めてないから安心しろ。心配この上ない。」
「えぇ…………あ。……来る。」
すると、気配察知に引っかかる。2人は武器を構えた。
「この感じは………中型かな…?」
「そうだろうな。」
「最小限にちゃっちゃとやりますか。」
緋色は武器生成で銃を作り出す。
(来い。尊大の緋色…撃ち抜け。)
当分の目標は精神世界の緋色の繋がりを上手くすること。
位が上がれば上がるほど、言う事を聞いてくれずに元に戻るのが遅くなってしまう。
「浚いの風(中)…」
狼達は緋色達の視界が入る前に頭を潰された。
「うっわ…グッロ…まぁ、こういう殺り方したのは私達だけど。」
そう言いながら素材を回収した。
「ケロッとしてんなぁ…樫妻。」
そう呟きながら、橋本も素材も鞄に突っ込む。
「前回のスタックは無いのかよ?」
「無い。そんな暇無かったくらいモンスター大量発生した。そのせいで、あんまり回収できなかったんだよね~…」
「それは…大変だったな…じゃあ、キャニバル・ラビッツもか?」
奏恵ちゃんの怪物化したモンスターの名前が、いつの間にかキャニバル・ラビッツになっていた。
………人食い兎よりはマシか。意味は同じだが。
「全部殺った直後に世界が壊れた。…そんな暇ない。」
それに…元は後輩だ。
可愛い後輩を殺しの素材にはしたくなかった。
只のエゴだ。…分かっていても嫌だった。
…まあ…普通は緋色と同じ考えか。
「ふ~ん。大変だったんだな。」
「ま、なんでもいいよ…そっちは学校に届け出出したんでしょ?」
簡単に言えば外の世界に行くから休みまーすっていう許可を貰うための紙だ。
「おう。当たり前だろ?」
「私出してないんだよね。」
「はぁ!?」
「問題児を決め込んだ方が何かと都合が良いんだよ。私は。…まだ誰にも資格所持者なんて知らないしさ。失われてる信用は適当に学力で補っとくから大丈夫、大丈夫。」
大体上位20位を切ってる。…国語以外。
「不良の癖して成績優秀は先生可哀想だ…それに…安全上の為もあるんだぞ…………」
更に気配を察知する。今度はさっきと違う気配だ。
「なんか…でかい…んだけど?」
「ああ…そうみたいだな。」
土が盛り上がりながらモンスターらしき何かが迫ってくる。
緋色とモンスターが対面すると、緋色は心の底から呟いた。
「…キッッッッッッモ!キモい!キモいキモいキモいキモい!」
「初めてか?…こういう時だけ女々しくなりやがって…やっぱり、女の子は変わらず女の子になるもんだな。」
「いや、無理でしょ!?生理的に無理!」
すると口らしきものが開く。
「いや…俺も無理だわ。」
何かの液体が緋色目掛けて飛んできた。
「うわぁ!?」
植物がジュージュー言っている。どうやら、酸性の体液を吐かれたようだ。
「いかにも蟲だね…!」
「しかも、武器が傷むから止めたほうが良いなこれ…ウィザードとかの遠距離系がいて欲しいわ…」
そうして、橋本は武器を収納し、武器生成でチャクラムを作った。
「私も作らなきゃね。」
更に酸を吐き出してくる。
水鉄砲ならぬ酸鉄砲だろうか。全くもって迷惑極まりない。
「唐傘(小)!…ああもう…!一瞬で溶ける…!使い物にならないじゃん!」
防御なんてこいつの前では役に立たない。
「秋嵐(大)!」
柔らかい身体には逆に切り裂けないようだ。
「嘘だろ!無傷かよ!うわ!お前嫌いだ!」
すると、生理的に気持ち悪過ぎる蟲は怒り始めたようにクネクネし始めた。
その見た目はモザイクをかけたいくらいだ。
すると地面が歪み出した。
「引き込まれる………!縮地(中)…!」
急いで緋色は逃げだして近くの木に乗り移った。
「橋本!」
「俺は大丈夫だ!」
今度は地面が槍となって橋本を貫こうとした。
「マジ…かよ……!」
間一髪で防いだが、更に大量に地面の槍が生えてくる。
「キモいだけじゃ飽き足らず強いの…!?」
「キモいのは別にこいつの能力じゃないだろ!?」
すると、緋色は地面の槍に避けきれず当たってしまった。
「いっ…!たく無いけど…飲み込まれ…!」
どうやら刺す為ではなくその中で圧力をかけるつもりだ。
「こ……のまま………じゃあ………腕が…折れ…!?」
「花嵐(大)…!!!」
優しい風が大地を切り裂き緋色を包む。
「大丈夫か!?」
「…うん。…助かった。」
手をブラブラさせながら言う。ちょっとズキズキするけど折れてはない。
槍が更に襲いかかってきた。
「触れても駄目…か。縮地(中)…!」
(来い…精神世界の緋色…拒否の緋色…!)
初めて拒否の緋色と繋がる。
奥底に垣間見える自身の醜さを長々と晒すわけにはいかない。
「死んで。死線誘導・殺戮(大)。」
蟲の上から攻撃を仕掛けていく。
第一位の緋色と繋がった攻撃で蟲はバラバラになった。
「嘘…だろ……」
橋本も驚いている。当たり前だけどね。
「……殺した。」
ゆっくりと繋がりを切っていく。
「……よし…終わった。」
「さっきのは…」
「私の切り札…的な?」
「昇華でも無いし、ステータス以上の攻撃だったぞ?…お前、攻撃値は俺よりも低いんだよな?速度値は俺の倍以上あるけど…」
「切り札だから教えないー。」
サイコロステーキの様に切られた見た目が年齢制限がかけられそうな程の蟲の素材を回収した。
勿論、鳥肌が止まらなかった。気色悪い事ありゃしない。
「はぁ…散々だよ…」
「ずっと、独り言のようにキモいキモい言ってたな…」
「そりゃあキモいから…」
「……そういえば、言うの忘れてたけどよ…この時期…外の世界で流行る事があるんだよ。」
何故だろう。
こういう時の言い忘れほど大事な事であることが大半な気がする。
「………それって?」
「…………これ。」
すると気配察知に急速に此方に来ている何かを察知した。
人間だ。モンスターじゃない。
「…まさか……!」
「龍神之破(大)!」
「電光石火(小)…!」
緋色は急いで避けた。もう少し遅ければ食らっていた。
「………能力者狩りか!?」
「おうよ…分かっていて、外の世界に来たのが運のつき。カバンを寄越しゃあ命は許すぜ?」
(ああ…こいつこんな事してたから資格剥奪されたんだ…馬鹿だな。)
前回と前々回の世界線ではこいつはお世話になった。
そう、このドラゴンスレイヤーはあの禿だ。
前々回の緋色と前回の香露音が禿を倒したのだが、今回ではまだ剥奪されていないらしい。
多分もう少し先だろう。
「…どうする?」
「拒否る。」
「だろうな。」
即答で2人は何をするか決まった。
2人は武器を構える。
「さっきの攻撃を避けたのは褒めてやるが、俺に勝てると思うなよ?」
「ああ…そうだろうね。」
「フン!命からがらの抵抗か?」
「違う。」
圧倒的な力でねじ伏せれば殺さずに済むのだが、まぁ無理な話だ。
「…不可抗力、正当防衛。……コイツと一緒にお前を殺しにいくが…許してくれよな。」
「フン…てめぇはどうやら外の世界に慣れてるようだな。ただ人を殺した事が無いだろう?」
「お前みたいな人間と会わなかっただけだよ。…今まではね。」
そして緋色の方を見る。
「お前は如何なんだ?」
「…さあ?」
「…………人を殺した事があるだろ?その目はそういう目をしてるぞ?」
「少なくとも…お前よりはそんな目してない。」
一応この世界線は殺してないから嘘ではない。
しかし、人を殺せば目が変わるようだ。これからは気をつけよう。
「…おっさんの方がもっと殺してる。…溝鼠の方がよっぽど綺麗な目をしてる。」
「…………お前はどういう状況か分かってんのか…?」
「殺し合い開始直前ですが?」
「………じゃあなんで何も無かったかのように、駄弁れる?何で笑ってる…!?」
「それはね?フフ。」
すると死線が禿の周りに至る所に張った。
時間稼ぎ完了。
「……は?」
「どっちだと思う?命乞いをするのは。」
「そちらにとって何も接点は無いけど、私は貴方に接点がある。」
更に禿の周りに死線が攻め寄る。
「どうする?それでも殺し合い…する?」
「わ、分かったよ。悪い悪い。」
「………………………」
緋色は黙って見つめている。
「な…なんだよ………しないって言ってるだろう?」
「殺す事を?それとも殺し合いを?貴方がしないという言葉をするなんて到底思えないけど。」
「じゃあ、俺を殺すのか?今ここで?何もしていないのに?」
急に被害者面をし始める。
「……はぁ、面倒くさ…」
死線を解いた。
「………恐怖に慄けば…良かったんだけどねー」
「は?舐めてるのか…?」
「…舐めてるのは其方でしょう。私は、私達は…少なくとも貴方より強いですよ?」
音を一つも立てずに禿に近づきナイフを突き立てる。
「本当に殺しますよ。…最初に目を刳りましょうか。」
「…………!」
やっとビビったみたいだ。
「おい、樫妻。此奴に構ってる暇はないぞ。」
橋本は生成した武器を構えている。
またアイツだ。
「ッチ。…おい、禿。」
緋色は禿に背中を向いて彼を呼んだ。
「ああん!?」
「分かんないのか?モンスター来るんだよ。…この状況を理解出来ない馬鹿だとは思っていけど間違いなのか?」
チャクラムを構え叫ぶ。もうすぐで気持ち悪いあれが来る。
「ああ、ああ!知ってるよ!」
禿は剣を構える。
急に地面から土の槍が伸びていく。
「っ…!急に来るのね…!」
「フン………閃律(中)!」
大地が壊れる。
蠢く蟲は酸弾を撃ち始めた。
「木が溶けてるじゃん…」
緋色は避けていく。
「おい、小娘!」
禿に呼ばれて緋色は振り向く。
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