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参章・昇りし太陽編
3-22 79 香露音視点 失われた記憶
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「………でな、色々あったんだ。」
「へぇ~そうなんだね。」
香露音は彼氏の拓哉と一緒に帰っていた。
普通の日常。
そして、その生活が愛おしい。
何も苦痛を考えなくて良いこの時間が香露音にとって心地良かった。
「ここでお別れだな、香露音。じゃあな…また明日。」
「うん。バイバイ。」
彼はすぐに曲がり香露音の視界に消えた。
「……………。」
ふと、あの人の言葉を思い出す。
先生は今どこで何をしているのだろうか。
何故、香露音にあんな事を言ったのだろうか。
何が香露音にあんな事を言わせたのか。今でも分からない。
帰る道が何時もより不穏を感じた。
「……はぁ…ちょっと…寄り道しよう…」
いつもなら絶対にしないような寄り道をし始めた。
ガジュ…!!
「ひっ…」
血肉を裂くような痛々しい音がふと聞こえ、香露音は小さな悲鳴を上げる。
体の奥から恐怖で震えている。
空耳の様だ。周りには何も起きてない。
(何…?この…何とも言えない…言葉にできない何かは…!?)
しかし、あまりにも現実的だった。
よく分からない何かの感情を原型を留めていない位までにグチャグチャに磨り潰したような感覚が香露音にあった。
あてもなく歩いていたらいつの間にか外の世界への扉に辿り着いた。
「…何で…こっちは私の家の反対方向なのに…」
ため息をつく。
すると、香露音と同じ様に制服の子が2人扉の前に立っていた。
2人は呆然として立ちすくんでいた。その影は物凄く暗い。
この2人は誰だろうか。
何故そこにいるのだろうか。
すると、緋色の髪の毛をした女の子が全速力で走ってその2人に話しかける。
「はあ…はあ…!!ねえ!そこのお嬢さん達!」
その女の子は必死だった。
しかし、何故かぎこちない。
「…ねえ…!外の世界へ行った私と同じ制服の男子知らない!?…えっとね、私より背が高いの!いやまあ、私身長低い方だけど…じゃなくて、ああ、疾風の旅人で…!」
「あっ………」
「知ってる感じ!?」
すると、同じ制服の男子がやって来る。
しかし、緋色の髪型の女の子が探しているのは彼じゃないようだ。
「…お前速えよ…!」
完全に息を切らしている。
「仕方ないでしょ?やっぱり何かあったんだって!」
「一体何なんだよ、樫妻!なんで分かるんだ?」
「一番最初に言ったのは出野でしょ…!?」
どうやら、緋色の髪型の女の子は樫妻さんと言うらしい。
それを知ったら、胸の鼓動が耳に刺すように聞こえる。
「…で、知ってるの?」
1人は頷く。
「…外の世界に……私達の友達を探しに…」
「っ…!?あの馬鹿…!」
そう言って、樫妻さんは外の世界の扉に急いで手にかける。
「出野!じゃ!」
「嘘だろ!?おい!それに、お前まともな装備無いじゃねえか!」
「一応最低限はあるから!」
どうやら樫妻さんは個人の資格を持っているらしい。
小学園の生徒らしいし、大分若い筈なのに余程才能があるのだろう。
それに比べて、香露音はどうだろうか。
未だに昔の事を引き摺っている。
無駄に虚勢を張っても、その影は拭えない。
夜の騎士として強くなっても、強くはなれない。
(私は一体なんの為に……ここにいるんだろう。)
「クッソ!樫妻の野郎!…俺にどうしろってんだよ!」
出野君という男子は頭を抱えている。
(私はここにいたって何も出来ない。資格を持ってない。)
一人にさせないって言ったのは誰?
また声が聞こえた。
周りには香露音に対してそんな事を言う人は居ない。
それでも誰かが私に言っている様に聞こえる。
(貴方は誰なの………?)
「ああもう面倒くせえ!」
そう言い彼は走っていった。
何をしに走ったのか分からないが、少なくとも見捨てた訳ではなさそうだ。
私は何が出来るだろうか。
出野君という人は何かをしようと行動している。
私は何を行動する事が出来るだろうか。
私のやろうとする気力も、努力も…全てが先生の言葉で無意味に更地にされる。
積み重ねた全てを無かった事にされる様な虚無感をいつ埋めれるのだろう。
私には到底出来るとは思えない。
他の人から見たら昔の話を未だに引き摺っているのかと言われるだろう。
私でもそう思っている。
私には、この姿勢が。この自信が。この正義が一番似合っている。
私以上に似合わない人など存在させない。
誰?
いや…私…?
私はそんな事を言える人間だったの?
絶対に……殺してやる…!!!何で…!!!!殺すの!
何で……!また…皆を…殺すの………!!!!
皆が何をしたって言うの!?奏恵ちゃんが何をしたって言うの!!!!
(止めて…!嫌…!!!止めて!!!!!)
香露音は頭の激痛のあまりしゃがみこむ。
「…大丈夫ですか?」
すると、2人の中の片方が心配そうに見つめていた。
「…如何しましたか?体調悪いんですか?」
もう片方も香露音と同じ目線で聞いた。
その女の子は青と緑の髪型をしていた。
(…私は………この子を知らない…訳じゃ無い…?)
ガブッ…!
うううああああああああ!痛い!痛い!!!!!
光ちゃんを殺したのに!まだ殺し足りないの!
ねえ!戻ってよ!奏恵ちゃん!!
声にならない痛みと、声にならない声を香露音はずっと叫ぶ。
消えかけた意識の中、最後に見たのは友の死。
夏希が食われた直後なのか如何かは知らないが、香露音はその後を追うように死んだ。
能力としての耐久力があるせいで痛みと苦しみがずっと続いていた様な気がする。
あの後…如何なった?
光ちゃんは死にかけた。…でも、助けられた可能性は低い。
智花ちゃんは死んだ。奏恵ちゃんも死んだと言ってもいい。
夏希も死んだ。
…少なくとも生きていたのは…
緋色と鶴ちゃんと…………………………この2人と……………
あと誰?
名前を忘れたの?
違う。消えたんだ。名前すら全て。
緋色はこの世界に行く為に…そして彼はこの世界に希望を託したんだ。
夏希の時が偶然だったのかもしれないのに。
それでも、最後の望みに縋って…
そして、香露音は目の前に居るのが夏希だと確信する。
夏希はまだ思い出していない。
「…ええ。大丈夫。…もう良くなったわ。」
香露音は自分の荷物を漁り始める。
絶対にある筈だ。
「あった…」
香露音は鞄の中から個人の資格を取り出す。
「馬鹿は貴方もよ。緋色…」
独り言のようにそう言って、外の世界に出た。
比較的見つけるのは簡単だった。
何故ならモンスターが殆ど居なかったからだ。
そして、悍ましい殺意と吐きそうな位の血の匂いを感じた。
「騎士の喝采(中)…!」
そして…今に至る。
死神を倒したあと、早々に帰り中の世界に戻った。
「ぶえええええん…何でどっかに行くのお………」
夏希は号泣している。
死神に殺されたかと思うとゾッとする。
「……悪いな。………俺の勝手だったのに…」
どうやら緋色が探していたのはこの人だったようだ。
「…あ?私に一人にさせない癖に橋本は一人でもいいの?こういう時は馬鹿になるの?あぁ?」
緋色が物凄く口悪い。
「…………悪い…」
完全な正論を叩きつけられ、何も言えないようだった。
「…んまぁ……うん…助かったよ……お陰で、誰も死なずに済んだからさ。」
彼は暗い目で3人を見た。
「とまあ、帰ろ帰ろ…疲れた…」
そう緋色は言い帰ろうとすると、誰かが止めた。
「…ぐすっ………ま、待って…」
夏希が来た。
「………私の大切な友達を助けてくれてありがとう。…あと…」
夏希は少し詰まる。
「……あと…私達って………何処かで会いました?」
「………!」
3人とも声が出ない。皆知っているのだろう。
彼も香露音と緋色の同じ様に。
「………もしかしたらね。」
緋色はそう言い、後ろを振り向く。
「香露音。…如何して来たのか教えてー。」
「良いよ。」
「あと橋本。覚えとけ。」
「お、おう…」
そう言って、3人で帰って行った。
「…ねえ…そういえば…もう一人どっか行ったよね…?」
「出野の事?……あ。…あー…まあいいや。」
彼の扱いがどことなく悪い気がした。
「へぇ~そうなんだね。」
香露音は彼氏の拓哉と一緒に帰っていた。
普通の日常。
そして、その生活が愛おしい。
何も苦痛を考えなくて良いこの時間が香露音にとって心地良かった。
「ここでお別れだな、香露音。じゃあな…また明日。」
「うん。バイバイ。」
彼はすぐに曲がり香露音の視界に消えた。
「……………。」
ふと、あの人の言葉を思い出す。
先生は今どこで何をしているのだろうか。
何故、香露音にあんな事を言ったのだろうか。
何が香露音にあんな事を言わせたのか。今でも分からない。
帰る道が何時もより不穏を感じた。
「……はぁ…ちょっと…寄り道しよう…」
いつもなら絶対にしないような寄り道をし始めた。
ガジュ…!!
「ひっ…」
血肉を裂くような痛々しい音がふと聞こえ、香露音は小さな悲鳴を上げる。
体の奥から恐怖で震えている。
空耳の様だ。周りには何も起きてない。
(何…?この…何とも言えない…言葉にできない何かは…!?)
しかし、あまりにも現実的だった。
よく分からない何かの感情を原型を留めていない位までにグチャグチャに磨り潰したような感覚が香露音にあった。
あてもなく歩いていたらいつの間にか外の世界への扉に辿り着いた。
「…何で…こっちは私の家の反対方向なのに…」
ため息をつく。
すると、香露音と同じ様に制服の子が2人扉の前に立っていた。
2人は呆然として立ちすくんでいた。その影は物凄く暗い。
この2人は誰だろうか。
何故そこにいるのだろうか。
すると、緋色の髪の毛をした女の子が全速力で走ってその2人に話しかける。
「はあ…はあ…!!ねえ!そこのお嬢さん達!」
その女の子は必死だった。
しかし、何故かぎこちない。
「…ねえ…!外の世界へ行った私と同じ制服の男子知らない!?…えっとね、私より背が高いの!いやまあ、私身長低い方だけど…じゃなくて、ああ、疾風の旅人で…!」
「あっ………」
「知ってる感じ!?」
すると、同じ制服の男子がやって来る。
しかし、緋色の髪型の女の子が探しているのは彼じゃないようだ。
「…お前速えよ…!」
完全に息を切らしている。
「仕方ないでしょ?やっぱり何かあったんだって!」
「一体何なんだよ、樫妻!なんで分かるんだ?」
「一番最初に言ったのは出野でしょ…!?」
どうやら、緋色の髪型の女の子は樫妻さんと言うらしい。
それを知ったら、胸の鼓動が耳に刺すように聞こえる。
「…で、知ってるの?」
1人は頷く。
「…外の世界に……私達の友達を探しに…」
「っ…!?あの馬鹿…!」
そう言って、樫妻さんは外の世界の扉に急いで手にかける。
「出野!じゃ!」
「嘘だろ!?おい!それに、お前まともな装備無いじゃねえか!」
「一応最低限はあるから!」
どうやら樫妻さんは個人の資格を持っているらしい。
小学園の生徒らしいし、大分若い筈なのに余程才能があるのだろう。
それに比べて、香露音はどうだろうか。
未だに昔の事を引き摺っている。
無駄に虚勢を張っても、その影は拭えない。
夜の騎士として強くなっても、強くはなれない。
(私は一体なんの為に……ここにいるんだろう。)
「クッソ!樫妻の野郎!…俺にどうしろってんだよ!」
出野君という男子は頭を抱えている。
(私はここにいたって何も出来ない。資格を持ってない。)
一人にさせないって言ったのは誰?
また声が聞こえた。
周りには香露音に対してそんな事を言う人は居ない。
それでも誰かが私に言っている様に聞こえる。
(貴方は誰なの………?)
「ああもう面倒くせえ!」
そう言い彼は走っていった。
何をしに走ったのか分からないが、少なくとも見捨てた訳ではなさそうだ。
私は何が出来るだろうか。
出野君という人は何かをしようと行動している。
私は何を行動する事が出来るだろうか。
私のやろうとする気力も、努力も…全てが先生の言葉で無意味に更地にされる。
積み重ねた全てを無かった事にされる様な虚無感をいつ埋めれるのだろう。
私には到底出来るとは思えない。
他の人から見たら昔の話を未だに引き摺っているのかと言われるだろう。
私でもそう思っている。
私には、この姿勢が。この自信が。この正義が一番似合っている。
私以上に似合わない人など存在させない。
誰?
いや…私…?
私はそんな事を言える人間だったの?
絶対に……殺してやる…!!!何で…!!!!殺すの!
何で……!また…皆を…殺すの………!!!!
皆が何をしたって言うの!?奏恵ちゃんが何をしたって言うの!!!!
(止めて…!嫌…!!!止めて!!!!!)
香露音は頭の激痛のあまりしゃがみこむ。
「…大丈夫ですか?」
すると、2人の中の片方が心配そうに見つめていた。
「…如何しましたか?体調悪いんですか?」
もう片方も香露音と同じ目線で聞いた。
その女の子は青と緑の髪型をしていた。
(…私は………この子を知らない…訳じゃ無い…?)
ガブッ…!
うううああああああああ!痛い!痛い!!!!!
光ちゃんを殺したのに!まだ殺し足りないの!
ねえ!戻ってよ!奏恵ちゃん!!
声にならない痛みと、声にならない声を香露音はずっと叫ぶ。
消えかけた意識の中、最後に見たのは友の死。
夏希が食われた直後なのか如何かは知らないが、香露音はその後を追うように死んだ。
能力としての耐久力があるせいで痛みと苦しみがずっと続いていた様な気がする。
あの後…如何なった?
光ちゃんは死にかけた。…でも、助けられた可能性は低い。
智花ちゃんは死んだ。奏恵ちゃんも死んだと言ってもいい。
夏希も死んだ。
…少なくとも生きていたのは…
緋色と鶴ちゃんと…………………………この2人と……………
あと誰?
名前を忘れたの?
違う。消えたんだ。名前すら全て。
緋色はこの世界に行く為に…そして彼はこの世界に希望を託したんだ。
夏希の時が偶然だったのかもしれないのに。
それでも、最後の望みに縋って…
そして、香露音は目の前に居るのが夏希だと確信する。
夏希はまだ思い出していない。
「…ええ。大丈夫。…もう良くなったわ。」
香露音は自分の荷物を漁り始める。
絶対にある筈だ。
「あった…」
香露音は鞄の中から個人の資格を取り出す。
「馬鹿は貴方もよ。緋色…」
独り言のようにそう言って、外の世界に出た。
比較的見つけるのは簡単だった。
何故ならモンスターが殆ど居なかったからだ。
そして、悍ましい殺意と吐きそうな位の血の匂いを感じた。
「騎士の喝采(中)…!」
そして…今に至る。
死神を倒したあと、早々に帰り中の世界に戻った。
「ぶえええええん…何でどっかに行くのお………」
夏希は号泣している。
死神に殺されたかと思うとゾッとする。
「……悪いな。………俺の勝手だったのに…」
どうやら緋色が探していたのはこの人だったようだ。
「…あ?私に一人にさせない癖に橋本は一人でもいいの?こういう時は馬鹿になるの?あぁ?」
緋色が物凄く口悪い。
「…………悪い…」
完全な正論を叩きつけられ、何も言えないようだった。
「…んまぁ……うん…助かったよ……お陰で、誰も死なずに済んだからさ。」
彼は暗い目で3人を見た。
「とまあ、帰ろ帰ろ…疲れた…」
そう緋色は言い帰ろうとすると、誰かが止めた。
「…ぐすっ………ま、待って…」
夏希が来た。
「………私の大切な友達を助けてくれてありがとう。…あと…」
夏希は少し詰まる。
「……あと…私達って………何処かで会いました?」
「………!」
3人とも声が出ない。皆知っているのだろう。
彼も香露音と緋色の同じ様に。
「………もしかしたらね。」
緋色はそう言い、後ろを振り向く。
「香露音。…如何して来たのか教えてー。」
「良いよ。」
「あと橋本。覚えとけ。」
「お、おう…」
そう言って、3人で帰って行った。
「…ねえ…そういえば…もう一人どっか行ったよね…?」
「出野の事?……あ。…あー…まあいいや。」
彼の扱いがどことなく悪い気がした。
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