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6章 神に愛された子
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「とうとう明日かあ…と言ってもすることねえな…」
トーラスは、宿屋の一階にあるハンモックでゆらゆら揺れていた。
「そうだね…うーん、何をしようか。」
エウルも揺れる椅子に座っている。
「…旅の方。」
宿屋のおばちゃんが、四人に話しかけて来た。
「暇なら、ちょっと手伝ってくれない?」
「どうしました?」
「ちょっと魔物を倒してほしいのよ。畑に魔物が入ってきて荒らされて…」
「防護魔法はかけて無かったのか?」
「そんな大層なものを、宿屋のおばちゃんが出せる訳が無いでしょ。」
「…なら、俺がかけよう。魔物退治に何度も行くのは面倒だ。」
「あら、良いの?ありがとうね。」
ということで四人で魔物討伐をする事になった。
「トーラスがこんなお人好しな事をするなんてな。」
「ずっと文句言ってる割にちゃんとするものね。」
エレストとエウルは少しニヤつく。
「…暇潰しと気分でやってるだけだ。お前らと変わらねえよ。」
「…とか言って実は…?」
彼女も一緒になってニヤついている。
「だから違うって!ここぞとばかりにノるな!」
そんな感じでふざけていたら、直ぐに畑に来れた。
「うわ…」
「これは酷いな。」
「魔物はどの位なのかしら?」
「……足跡見たら、二足歩行、小型だが中級魔物かもしれないな。魔物の魔力が強めに残ってるし。」
「流石トーラス。魔法系はトーラスの仕事だな。」
「私とエレストは魔力を殆ど探知出来ないし、そこはやっぱり、トーラスのお陰よね。」
「そりゃあ、魔法使いだからな。…あっち方向に同じ魔力を感じれたし、行ったら分かるだろ。」
「分かった。行くか。」
そうして、再び進み始める。
「…そういえば、皆さんはどこから来たんですか?」
「俺とエウルは同じ王国からだよ。そこから、亜人国と吸血鬼の国経由してここから来た。トーラスとは吸血鬼の国で会ったんだ。」
「変なところで出会ったんですね…」
「やっば、おかしいよな。」
「ええ、おかしいわね。」
「一番イカれてるのはお前ら二人だよ。」
「…まあ、だが、そう考えると、もう四つ目の国にいるのか。」
「私達結構進んだわねー」
「ああ。」
「和の国に向かって、そのあと何処に行くかも考えて無いし、行き当たりばったりだな。」
「…ああ。そうだな。それはそうと…敵を察知した。」
「中級か?」
「ああ。ハイゴブリンだ。面倒だな。ゴブリンを相手しないといけないのか。」
「魔物のくせして、統率しやがって…」
「ホント、嫌いなのよね。」
「どうやって倒しますか?」
「…エレストと君で、奇襲攻撃を仕掛けるか?」
「…何故疑問形なんだ…」
「でも、まあそれでいいんじゃないん?私とトーラスが後から、攻撃しましょう。」
「じゃ、それで。」
「魔物を倒すのにそんな緩くて良いんですか…」
「さ、やってくれ。」
「え、ええ!?」
「さ、行くぞ!」
観念した彼女は、ヤケクソで左手に宿る紋章を光らせた。
「…どうとでもなれ!!!」
「その意気だ。」
エレストの雷撃と、彼女の力でハイゴブリンたちに奇襲を仕掛ける。
全滅は出来なかったが、弓矢を持っているゴブリンは殆ど倒した。
「こっちに気付いたぞ!」
「ああ、分かってる!」
ゴブリンが魔法を撃ってくる。
「土煙を煙幕代わりに使いやがってる…!」
「トーラス!俺達に、敵の配置を教えてくれ!」
「分かった!」
トーラスはゴブリンたちの配置を教えていく。
「了解!斬り裂け。魔導・鎌鼬!」
エウルがその方向に鎌鼬を撃った。
土煙も同時に晴れる。
「よし、ゴブリンに挟まれないように気を付けつつ倒すぞ!」
「分かりました!」
血の紋章で槍を何本も作り、ゴブリンに投擲する。
「てやあ!!!」
先ずは一体の首を刎ねる。
「前に行きすぎだ、下がれ!」
トーラスは魔法で彼女を補助しながら叫ぶ。
「すみません!」
ゴブリンが突き刺さった血の槍を折り、エレストに向けて投げようとする。
その瞬間、血は再び液体に戻り、ゴブリンは空を投げた。
「!?」
「ばーか。」
楽しそうに笑いながら弓を引き、矢を放つ。
綺麗に脳天を貫いた。
「調子バッチリだな。」
エレストは微笑み、左手をゴブリンに向け、雷撃を放ち、右手に持っている剣で、また違うゴブリンの首を刎ねた。
「よし、あとはハイゴブリンだけだ。」
「あいつが面倒なんだよな。」
「すばしっこいのが嫌なのよね。」
「遠距離の攻撃を避けてましたね。」
ハイゴブリンはニヤァと悪辣に笑っている。
「ウッザ…早くぶっ殺すか。」
「ああいう奴がいっちばん…!嫌いです。」
「猶更早く殺さないとな。」
「さ、行くぞ!」
「はい!」
ハイゴブリンは逃げ始める。
「深追いはしたくないが…!」
「挟み撃ちにするぞ!」
エレストは高速でハイゴブリンの近くまで飛んだ。
「早っ!?」
彼女もそれに追いかけるように高速で移動する。
「あれもしかして…」
「補助魔法か。あれは自己強化のみで他人を強化できないタイプだな。」
「そんなことわかるものなの?私は逆算しかできないから分からないけど。」
「俺は逆にそれは出来ないが…まあ、術の呪文が何でこれで魔法として機能するんだ?って言いたいくらいの滅茶苦茶なものだからな。」
(そうまるで…神に魔法を授かったように…なんてな。)
ゴブリンを二人で挟む。
それを待っていたかのようにゴブリンが笑う。
その瞬間、二人の真下から鎖が伸びて拘束された。
「えええええ!?」
「これが狙いか…!」
「これが『束縛の鎖』…初めての経験です!」
「堪能してる場合じゃないからな…」
トーラスとエウルは勿論焦っている。
「ちょ…!?」
「非常にまずいわねー」
ハイゴブリンは余裕そうに笑っている。
エレスト達を人質にするつもりだ。
トーラスたちに向けて、彼女の首に刃を向ける。
「おっと…」
これ以上動くと切り裂くぞと言わんばかりに、刃を押し当てる。
すると、彼女の首に僅かに血が滴った。
「お。」
「これは…」
エウルとトーラスは勝ちを確信した。
「助けて…って私が呼ぶとでも…?」
彼女はハイゴブリンを睨みつける。
その瞬間、血が伸び、ハイゴブリンの目に刺さる。
エウルの逆算魔法によって鎖が崩壊する。
「そのまま抑えとけ!」
後ろからエレストが剣で突き刺した。
「本当に逆算使えるんだな。」
「大抵は一度聴いたら出来るわ。」
「なんでだよ…こわ…」
エウルとトーラスはエレスト達のもとに寄った。
「怪我はないか?…と、君はあるか。首以外は?」
「無いです!」
「分かった。」
「畑荒らし野郎も退治したことだし、戻るか。」
「そうね。」
四人は怪我の治療も終えてから、宿屋に戻った。
「ホント!?ありがとうねえ!」
「まだ防護魔法をかけて無いから、感謝の言葉はそのあとにしてくれ。」
「分かったわ。よろしくね。」
畑に行き、トーラスが防護魔法をかけ始める。
「トーラスが大活躍だな。」
「ええ。口が悪いけど、ちゃんとお人好しなのね。」
「文句言いながらも全部やってくれるからな。」
「全部聞こえてるし、俺は面倒事が嫌いだ。お人好しじゃない。」
「今やってることはじゃあ何?」
「魔物にまた荒らされるのは面倒だからやってることだ。」
「…」
「…そういう事にしとくよ。」
トーラスがようやく防護魔法をかけ終わった。
「よし、終わったぞ。」
「流石魔法使いねえ!これで魔物から畑を守れるわ!」
「ちょうどいい暇潰しになったから、構わないよ。」
「そ?でも、今日の宿泊代、タダにしてあげるから!ゆっくりして頂戴!」
「本当か?そうしてくれるなら甘えさせていただく。」
とういうことで、一日の宿屋分が安くなった。
「もう自分の部屋に戻るか。」
「…そうだな。」
明日、氷結の紋章の使い手と戦う事になる。
トーラスは、宿屋の一階にあるハンモックでゆらゆら揺れていた。
「そうだね…うーん、何をしようか。」
エウルも揺れる椅子に座っている。
「…旅の方。」
宿屋のおばちゃんが、四人に話しかけて来た。
「暇なら、ちょっと手伝ってくれない?」
「どうしました?」
「ちょっと魔物を倒してほしいのよ。畑に魔物が入ってきて荒らされて…」
「防護魔法はかけて無かったのか?」
「そんな大層なものを、宿屋のおばちゃんが出せる訳が無いでしょ。」
「…なら、俺がかけよう。魔物退治に何度も行くのは面倒だ。」
「あら、良いの?ありがとうね。」
ということで四人で魔物討伐をする事になった。
「トーラスがこんなお人好しな事をするなんてな。」
「ずっと文句言ってる割にちゃんとするものね。」
エレストとエウルは少しニヤつく。
「…暇潰しと気分でやってるだけだ。お前らと変わらねえよ。」
「…とか言って実は…?」
彼女も一緒になってニヤついている。
「だから違うって!ここぞとばかりにノるな!」
そんな感じでふざけていたら、直ぐに畑に来れた。
「うわ…」
「これは酷いな。」
「魔物はどの位なのかしら?」
「……足跡見たら、二足歩行、小型だが中級魔物かもしれないな。魔物の魔力が強めに残ってるし。」
「流石トーラス。魔法系はトーラスの仕事だな。」
「私とエレストは魔力を殆ど探知出来ないし、そこはやっぱり、トーラスのお陰よね。」
「そりゃあ、魔法使いだからな。…あっち方向に同じ魔力を感じれたし、行ったら分かるだろ。」
「分かった。行くか。」
そうして、再び進み始める。
「…そういえば、皆さんはどこから来たんですか?」
「俺とエウルは同じ王国からだよ。そこから、亜人国と吸血鬼の国経由してここから来た。トーラスとは吸血鬼の国で会ったんだ。」
「変なところで出会ったんですね…」
「やっば、おかしいよな。」
「ええ、おかしいわね。」
「一番イカれてるのはお前ら二人だよ。」
「…まあ、だが、そう考えると、もう四つ目の国にいるのか。」
「私達結構進んだわねー」
「ああ。」
「和の国に向かって、そのあと何処に行くかも考えて無いし、行き当たりばったりだな。」
「…ああ。そうだな。それはそうと…敵を察知した。」
「中級か?」
「ああ。ハイゴブリンだ。面倒だな。ゴブリンを相手しないといけないのか。」
「魔物のくせして、統率しやがって…」
「ホント、嫌いなのよね。」
「どうやって倒しますか?」
「…エレストと君で、奇襲攻撃を仕掛けるか?」
「…何故疑問形なんだ…」
「でも、まあそれでいいんじゃないん?私とトーラスが後から、攻撃しましょう。」
「じゃ、それで。」
「魔物を倒すのにそんな緩くて良いんですか…」
「さ、やってくれ。」
「え、ええ!?」
「さ、行くぞ!」
観念した彼女は、ヤケクソで左手に宿る紋章を光らせた。
「…どうとでもなれ!!!」
「その意気だ。」
エレストの雷撃と、彼女の力でハイゴブリンたちに奇襲を仕掛ける。
全滅は出来なかったが、弓矢を持っているゴブリンは殆ど倒した。
「こっちに気付いたぞ!」
「ああ、分かってる!」
ゴブリンが魔法を撃ってくる。
「土煙を煙幕代わりに使いやがってる…!」
「トーラス!俺達に、敵の配置を教えてくれ!」
「分かった!」
トーラスはゴブリンたちの配置を教えていく。
「了解!斬り裂け。魔導・鎌鼬!」
エウルがその方向に鎌鼬を撃った。
土煙も同時に晴れる。
「よし、ゴブリンに挟まれないように気を付けつつ倒すぞ!」
「分かりました!」
血の紋章で槍を何本も作り、ゴブリンに投擲する。
「てやあ!!!」
先ずは一体の首を刎ねる。
「前に行きすぎだ、下がれ!」
トーラスは魔法で彼女を補助しながら叫ぶ。
「すみません!」
ゴブリンが突き刺さった血の槍を折り、エレストに向けて投げようとする。
その瞬間、血は再び液体に戻り、ゴブリンは空を投げた。
「!?」
「ばーか。」
楽しそうに笑いながら弓を引き、矢を放つ。
綺麗に脳天を貫いた。
「調子バッチリだな。」
エレストは微笑み、左手をゴブリンに向け、雷撃を放ち、右手に持っている剣で、また違うゴブリンの首を刎ねた。
「よし、あとはハイゴブリンだけだ。」
「あいつが面倒なんだよな。」
「すばしっこいのが嫌なのよね。」
「遠距離の攻撃を避けてましたね。」
ハイゴブリンはニヤァと悪辣に笑っている。
「ウッザ…早くぶっ殺すか。」
「ああいう奴がいっちばん…!嫌いです。」
「猶更早く殺さないとな。」
「さ、行くぞ!」
「はい!」
ハイゴブリンは逃げ始める。
「深追いはしたくないが…!」
「挟み撃ちにするぞ!」
エレストは高速でハイゴブリンの近くまで飛んだ。
「早っ!?」
彼女もそれに追いかけるように高速で移動する。
「あれもしかして…」
「補助魔法か。あれは自己強化のみで他人を強化できないタイプだな。」
「そんなことわかるものなの?私は逆算しかできないから分からないけど。」
「俺は逆にそれは出来ないが…まあ、術の呪文が何でこれで魔法として機能するんだ?って言いたいくらいの滅茶苦茶なものだからな。」
(そうまるで…神に魔法を授かったように…なんてな。)
ゴブリンを二人で挟む。
それを待っていたかのようにゴブリンが笑う。
その瞬間、二人の真下から鎖が伸びて拘束された。
「えええええ!?」
「これが狙いか…!」
「これが『束縛の鎖』…初めての経験です!」
「堪能してる場合じゃないからな…」
トーラスとエウルは勿論焦っている。
「ちょ…!?」
「非常にまずいわねー」
ハイゴブリンは余裕そうに笑っている。
エレスト達を人質にするつもりだ。
トーラスたちに向けて、彼女の首に刃を向ける。
「おっと…」
これ以上動くと切り裂くぞと言わんばかりに、刃を押し当てる。
すると、彼女の首に僅かに血が滴った。
「お。」
「これは…」
エウルとトーラスは勝ちを確信した。
「助けて…って私が呼ぶとでも…?」
彼女はハイゴブリンを睨みつける。
その瞬間、血が伸び、ハイゴブリンの目に刺さる。
エウルの逆算魔法によって鎖が崩壊する。
「そのまま抑えとけ!」
後ろからエレストが剣で突き刺した。
「本当に逆算使えるんだな。」
「大抵は一度聴いたら出来るわ。」
「なんでだよ…こわ…」
エウルとトーラスはエレスト達のもとに寄った。
「怪我はないか?…と、君はあるか。首以外は?」
「無いです!」
「分かった。」
「畑荒らし野郎も退治したことだし、戻るか。」
「そうね。」
四人は怪我の治療も終えてから、宿屋に戻った。
「ホント!?ありがとうねえ!」
「まだ防護魔法をかけて無いから、感謝の言葉はそのあとにしてくれ。」
「分かったわ。よろしくね。」
畑に行き、トーラスが防護魔法をかけ始める。
「トーラスが大活躍だな。」
「ええ。口が悪いけど、ちゃんとお人好しなのね。」
「文句言いながらも全部やってくれるからな。」
「全部聞こえてるし、俺は面倒事が嫌いだ。お人好しじゃない。」
「今やってることはじゃあ何?」
「魔物にまた荒らされるのは面倒だからやってることだ。」
「…」
「…そういう事にしとくよ。」
トーラスがようやく防護魔法をかけ終わった。
「よし、終わったぞ。」
「流石魔法使いねえ!これで魔物から畑を守れるわ!」
「ちょうどいい暇潰しになったから、構わないよ。」
「そ?でも、今日の宿泊代、タダにしてあげるから!ゆっくりして頂戴!」
「本当か?そうしてくれるなら甘えさせていただく。」
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