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6章 神に愛された子
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決戦場の場所に一番近い村に辿り着いた。
「あゝ!足が痛いわ!」
「うるさいな、エウル。これだから…」
「はいはい、宿屋に行くぞー」
四人は宿屋に向かった。
部屋は二人で分かれ、泊まることにした。
「流石に今日は疲れたな…」
「ああ、敵と戦う事を極力避けたとはいえ、この一日で、5回は中級魔物と会敵したからな。」
すると、トーラスが急に声を荒げた。
「うわっ!気持ち悪い!」
「どうした?」
「『精神感応』だよ、魔法に慣れてる俺からしたら、魔導って気持ち悪いんだ。」
「魔導…ってエウルだな。」
「ああ、『またどっか行ったわああ』ってさ。」
「真似するなら、もうちょっとマシな真似をしろよ…」
二人は立ち上がった。
あれから更に一週間ほど経った。
ロディは体調を崩すようになった。
よく吐くようになったのだ。
(やっぱり、この村の全員を抹殺すべきか…?)
親友のリーレンはロディが偽物と呼ばれ、自分が本物と呼ばれていることの異常さに流石に気付いていた。
「うーん?私が神の紋章を持っているからってだけで、神に愛されている者っていわれてるけど、ロディが最初に神に愛されている者って言われたんだったらロディの方が本物じゃないの?」
と、言われた。
まあ、そういう反応が割と普通だと思うが、何故、自分はよく敵にされるのだろう。
(最初から、嫌われてる説はある…)
「でも、私はロディが本物の神に愛されている者だと思うよ!皆が私のことを本物だって言っても!」
「うん、ありがと。」
(私が本物である証明をしてくれるわけじゃないのね。所詮、神に愛されている者としての甘い汁を啜りたくて、私を本物にするメリットがさほどないんだろうさ。)
そんな言葉を言っても、特に何か行動で示してくれるわけでもなく、要は口だけ。
心のどこかで、自分のことを偽物だと思っているに違いない。と、ロディは思った。
(やっぱり、こんな何も考えていない知性の無いゴミ共なんて、この世界から消した方が世の為では…?)
ここ最近、村の皆殺しをすることについてしか考えていない。
もう自分の精神はおかしくなってしまったのだろうか。
(いや、そう疑問が出てくるまでは私は普通なんだ。まだ…やれる。我慢できる。そして…まだ私は皆殺し出来るほど、強くない…)
ロディは初めて、神に祈った。
「私の神よ…私の信じる神よ…私を愛する神よ…私に…神と言う概念を都合良く考えている無能共を…ぶっ殺すための力を…早く私に寄越せ…」
ロディは笑った。
「馬鹿馬鹿しいな。神なんて、私なんかを助けてくれるわけが無いのに。というか、要らないし。」
そう呟きながら、ロディは村のはずれで背を木に預けた。
その時に、リーレンに聞かれていたことに気付かなかった。
あれから、数日が経ち、リーレンがしきりに遊びに誘ってきた。
「ねえ、ねえ!私ね、ロディを見て思ったんだけど、私も自分の紋章について考えてみようと思ったの!」
「ふーん、そう。」
(なんで、私がリーレンのままごとに付き合ってやらないといけないんだ…)
「でね?見て!!」
すると、炎の形のような氷が生まれた。
「綺麗でしょ?」
(ただの彫刻…じゃない。炎の様にちゃんと動いてる。)
ロディ程の素人でも分かった。
神の紋章をすでに制御できていると。
「綺麗だね。」
(ここまでくると、私に対する嫌味だな。そんなに私が偽物であると、皆に言いふらしたいのか?)
自分が何をしたというのだろう。
勝手に神に愛されて、そのせいで外に出れないのに。
偽物だと罵倒されてるのに、実際は本物だからここを抜け出せない。
なのに、村を皆殺しにするほどの力はない。
ロディは許せなかった。
何もかも。
死ぬにしても、すべて殺してからでないと気が済まない。
「あ、良い事思いついた!これをさ、ロディが隠して、それを私が見つけるっていう遊びをしよう!」
「ええー…それ面白いの?」
「絶対面白いって!先ずはやってみよ!」
下らない遊びを何度も何度もさせられた。
「あ、見つからなくても、どうせ消えるから気にしなくても良いよ!あと、燃えないし!」
「それはそうだけど…」
全く面白くも無いのに、何故させられるのだろう。
しかし、この遊びはリーレンの虐殺に加担していることに、後で気付くことになるとはロディは思わなかった。
悲劇の終わりまで、あと2週間前。
ロディは静かに夜空を見上げていた。
(やはり死ねなかった…だけど、少しずつ私の望んでいる結末に繋がっている。)
一番大きいところは、村から出れたところか。
全員死んだ最初は、それでも村の外に出ることが出来なかった。
神の紋章である、『氷結の紋章』の力を以ってしても、結局古い魔法の方が上回った。
だから、自力で建物を破壊した。
魔法の綻びを何とかして、たった一人で作り上げた。
なんとか、『氷結の紋章』、『血鬼の紋章』、『雷撃の紋章』の三つの馬鹿火力で強引に魔法を破壊することが出来た。
誓約魔法はある意味解けない呪い。
それを、神の紋章二つの力が無いと壊せなかった。
(最初はただの雷の紋章かと思ったけど、村には雷の紋章よりも上位互換である『雷鳴の紋章』を使える人がいた…それよりも速く、そして闇をも穿つ程の美しい稲光は『雷撃の紋章』以外ありえない…というか、神に愛されている者の能力でなんとなく分かるし。)
神は手段を選ばなくなってきた。
だから、ロディに対して、リーレンの居場所が分かる。
魔法でも何でもない。
いえば、ただの超能力。
そして、異常なまでの魔法の発達。
出せる魔法が急にたくさん増えた。
今更、村の人間を殺せるほどの力を手に入れた。
それに、弓矢の命中率。
百発百中の精度なのは、昔からの才能ではない。
寧ろ、下手糞だった。
努力しても、無意味だった。
今更、その努力を踏みにじるような力を手に入れても嬉しくない。
ただ、リーレンを殺す。
それが出来たら、後は簡単。
「リーレンを殺して、私のしたいことをしたら…私の物語は…ようやく悲劇でなくなる。」
他人から見たら、きっと悲劇だろう。
三人にはきっとつらいところを見せてしまうかもしれない。
だが、やっとのチャンスだ。
神を殺して、神に愛された者に変わる。
そうしたら、ただの人だ。
「もしかしたら、私はただの人に、なりたかったのかな…」
この世界に自分の名前を呼んでくれる人はいない。
あの旅人に、自分の名前を言いたい気持ちは実はある。
忘れないでほしい。と。
だけど、それは呪いだ。
一番ロディが恨んだものだ。
それを押し付けてはいけない。
「私の信じる神よ…あの三人は…私の我儘で殺さないで…私の最初で最期の願いは叶えてください。」
ロディは祈った。
どんなことも自分の力だけで成そうとしたロディが初めて、神に助けを求めた。
力も要らない。
ただ…関係ない人は死んでほしくなかった。
今まで、散々殺したいと思っているのに、恩着せがましいのかもしれないが。
「最初で最期の私がやろうとしていること…絶対に成す。やり始めた時期が遅くても…!!最後に神が選ぶのは私だ…!」
「死にそうにないわよ。」
「流石にな。」
エレスト達は彼女を見ていた。
「まあ、帰ってくるだろ。」
「それもそうね。」
「じゃあ、俺達は、部屋に戻るか?」
「それがいいんじゃないか?」
「…あの子が満足する結果になったら良いわね。」
「ああ。そうだな。」
「じゃあ、帰ろう。」
エレスト達は宿屋に戻っていった。
無事に、何事もなく次の日となった。
決戦はとうとう次の日になった。
「あゝ!足が痛いわ!」
「うるさいな、エウル。これだから…」
「はいはい、宿屋に行くぞー」
四人は宿屋に向かった。
部屋は二人で分かれ、泊まることにした。
「流石に今日は疲れたな…」
「ああ、敵と戦う事を極力避けたとはいえ、この一日で、5回は中級魔物と会敵したからな。」
すると、トーラスが急に声を荒げた。
「うわっ!気持ち悪い!」
「どうした?」
「『精神感応』だよ、魔法に慣れてる俺からしたら、魔導って気持ち悪いんだ。」
「魔導…ってエウルだな。」
「ああ、『またどっか行ったわああ』ってさ。」
「真似するなら、もうちょっとマシな真似をしろよ…」
二人は立ち上がった。
あれから更に一週間ほど経った。
ロディは体調を崩すようになった。
よく吐くようになったのだ。
(やっぱり、この村の全員を抹殺すべきか…?)
親友のリーレンはロディが偽物と呼ばれ、自分が本物と呼ばれていることの異常さに流石に気付いていた。
「うーん?私が神の紋章を持っているからってだけで、神に愛されている者っていわれてるけど、ロディが最初に神に愛されている者って言われたんだったらロディの方が本物じゃないの?」
と、言われた。
まあ、そういう反応が割と普通だと思うが、何故、自分はよく敵にされるのだろう。
(最初から、嫌われてる説はある…)
「でも、私はロディが本物の神に愛されている者だと思うよ!皆が私のことを本物だって言っても!」
「うん、ありがと。」
(私が本物である証明をしてくれるわけじゃないのね。所詮、神に愛されている者としての甘い汁を啜りたくて、私を本物にするメリットがさほどないんだろうさ。)
そんな言葉を言っても、特に何か行動で示してくれるわけでもなく、要は口だけ。
心のどこかで、自分のことを偽物だと思っているに違いない。と、ロディは思った。
(やっぱり、こんな何も考えていない知性の無いゴミ共なんて、この世界から消した方が世の為では…?)
ここ最近、村の皆殺しをすることについてしか考えていない。
もう自分の精神はおかしくなってしまったのだろうか。
(いや、そう疑問が出てくるまでは私は普通なんだ。まだ…やれる。我慢できる。そして…まだ私は皆殺し出来るほど、強くない…)
ロディは初めて、神に祈った。
「私の神よ…私の信じる神よ…私を愛する神よ…私に…神と言う概念を都合良く考えている無能共を…ぶっ殺すための力を…早く私に寄越せ…」
ロディは笑った。
「馬鹿馬鹿しいな。神なんて、私なんかを助けてくれるわけが無いのに。というか、要らないし。」
そう呟きながら、ロディは村のはずれで背を木に預けた。
その時に、リーレンに聞かれていたことに気付かなかった。
あれから、数日が経ち、リーレンがしきりに遊びに誘ってきた。
「ねえ、ねえ!私ね、ロディを見て思ったんだけど、私も自分の紋章について考えてみようと思ったの!」
「ふーん、そう。」
(なんで、私がリーレンのままごとに付き合ってやらないといけないんだ…)
「でね?見て!!」
すると、炎の形のような氷が生まれた。
「綺麗でしょ?」
(ただの彫刻…じゃない。炎の様にちゃんと動いてる。)
ロディ程の素人でも分かった。
神の紋章をすでに制御できていると。
「綺麗だね。」
(ここまでくると、私に対する嫌味だな。そんなに私が偽物であると、皆に言いふらしたいのか?)
自分が何をしたというのだろう。
勝手に神に愛されて、そのせいで外に出れないのに。
偽物だと罵倒されてるのに、実際は本物だからここを抜け出せない。
なのに、村を皆殺しにするほどの力はない。
ロディは許せなかった。
何もかも。
死ぬにしても、すべて殺してからでないと気が済まない。
「あ、良い事思いついた!これをさ、ロディが隠して、それを私が見つけるっていう遊びをしよう!」
「ええー…それ面白いの?」
「絶対面白いって!先ずはやってみよ!」
下らない遊びを何度も何度もさせられた。
「あ、見つからなくても、どうせ消えるから気にしなくても良いよ!あと、燃えないし!」
「それはそうだけど…」
全く面白くも無いのに、何故させられるのだろう。
しかし、この遊びはリーレンの虐殺に加担していることに、後で気付くことになるとはロディは思わなかった。
悲劇の終わりまで、あと2週間前。
ロディは静かに夜空を見上げていた。
(やはり死ねなかった…だけど、少しずつ私の望んでいる結末に繋がっている。)
一番大きいところは、村から出れたところか。
全員死んだ最初は、それでも村の外に出ることが出来なかった。
神の紋章である、『氷結の紋章』の力を以ってしても、結局古い魔法の方が上回った。
だから、自力で建物を破壊した。
魔法の綻びを何とかして、たった一人で作り上げた。
なんとか、『氷結の紋章』、『血鬼の紋章』、『雷撃の紋章』の三つの馬鹿火力で強引に魔法を破壊することが出来た。
誓約魔法はある意味解けない呪い。
それを、神の紋章二つの力が無いと壊せなかった。
(最初はただの雷の紋章かと思ったけど、村には雷の紋章よりも上位互換である『雷鳴の紋章』を使える人がいた…それよりも速く、そして闇をも穿つ程の美しい稲光は『雷撃の紋章』以外ありえない…というか、神に愛されている者の能力でなんとなく分かるし。)
神は手段を選ばなくなってきた。
だから、ロディに対して、リーレンの居場所が分かる。
魔法でも何でもない。
いえば、ただの超能力。
そして、異常なまでの魔法の発達。
出せる魔法が急にたくさん増えた。
今更、村の人間を殺せるほどの力を手に入れた。
それに、弓矢の命中率。
百発百中の精度なのは、昔からの才能ではない。
寧ろ、下手糞だった。
努力しても、無意味だった。
今更、その努力を踏みにじるような力を手に入れても嬉しくない。
ただ、リーレンを殺す。
それが出来たら、後は簡単。
「リーレンを殺して、私のしたいことをしたら…私の物語は…ようやく悲劇でなくなる。」
他人から見たら、きっと悲劇だろう。
三人にはきっとつらいところを見せてしまうかもしれない。
だが、やっとのチャンスだ。
神を殺して、神に愛された者に変わる。
そうしたら、ただの人だ。
「もしかしたら、私はただの人に、なりたかったのかな…」
この世界に自分の名前を呼んでくれる人はいない。
あの旅人に、自分の名前を言いたい気持ちは実はある。
忘れないでほしい。と。
だけど、それは呪いだ。
一番ロディが恨んだものだ。
それを押し付けてはいけない。
「私の信じる神よ…あの三人は…私の我儘で殺さないで…私の最初で最期の願いは叶えてください。」
ロディは祈った。
どんなことも自分の力だけで成そうとしたロディが初めて、神に助けを求めた。
力も要らない。
ただ…関係ない人は死んでほしくなかった。
今まで、散々殺したいと思っているのに、恩着せがましいのかもしれないが。
「最初で最期の私がやろうとしていること…絶対に成す。やり始めた時期が遅くても…!!最後に神が選ぶのは私だ…!」
「死にそうにないわよ。」
「流石にな。」
エレスト達は彼女を見ていた。
「まあ、帰ってくるだろ。」
「それもそうね。」
「じゃあ、俺達は、部屋に戻るか?」
「それがいいんじゃないか?」
「…あの子が満足する結果になったら良いわね。」
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