君は私であり、逆も然り

ユア教 教祖ユア

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私は私のままいたい

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「あーあ、イケメンの彼氏が欲しいー!」

自分はくだらない言葉を言う。

「男は居るんだけどね。あーあ。」

「ギターの奴でいいじゃん。」

友達はそう言う。

ギター弾いてる知り合いなんて、自分には一人しかいない。

「ん?あの人?」

ギター弾いてる知り合い、通称ギター。

知り合った理由は先輩の気分による紹介だ。

自分も気分で振り回すこともあるから、たまには振り回されておこうと思って、会う事を承諾した。

因みに3回ほどデートっぽいものをしている。

「あんだけ県外行ってクソほどつまらない奴は早々いないよ。」

「カワイソー」

あれは、友達にもなろうとすら思わない。

理由は、都合の悪いことになると、直ぐ逃げる性格が鬱陶しい。

自分に甘いとかのレベルじゃない。

グダった子供と関わっている感じが、多少のレベルというものを超えている。

あとシンプルに話が面白くない。

ヤニ、酒、パチンコ、気休め程度の車しか会話が無い。

誰が3カスの話を聞くんだって話だ。

自分は酒は飲むが、それ以外はしたことすらない。

「正直な話、人としておもんないだけやったら、良かったんやけど。」

最初からあんまり楽しくなかったがそれなのに何故数回デートに行ったか。

まあ、先輩の強制もあったが、それよりも大きいのは車を持っていて、奢ってくれるからだ。

要は金と足。

間違いなくこれに関して自分は人としてゴミである。勿論自覚してやっている。

「面白くねえ、って思ってから、金と足要因でしか一緒に痛いと思わんもん。」

問題はそこじゃない。

「あの人、ギターより先に私の元カレが告白したからって、毛嫌いしてんだよ。」

毛嫌いする理由もまあギリギリ理解できる。

それを自分の前であからさまに出すのが迷惑だ。

時折出る、ギターの元カレに対する殺意(ある意味他の男にとられた嫉妬)が滅茶苦茶怖い。

逆恨みが過ぎる。

「あれ、付き合ったら、確実に私にあの目が向けられる自信しかないんだけど。キッショ。無理。」

最初から自分に殺意を向けていれば、まだよかったりする。

その人と会わなければいいのに、会う自分が悪い。

殺されても、ある意味自己責任。

だけど、他人は違う。

流石に自分がいくら人に喧嘩を売り買いして勝てる気があったとしても、他人までは守れない。

「元カレが、私の元カレって気付いたら、ギター、殴りかかりそうだよ全く。」

「そうまでしなくても、睨みつけるよね。」

「それな。」

昼ご飯を食べ終わった。

今日の授業はもう無い。

「じゃ、またねー」

「ういっす、じゃ、またー」

自分は家に向かう。

「あー、死にたい。」

ああ、また聞こえる。

友達といる内は聞こえないのに。

死にたい理由なんて、無い。

「生きる理由もないでしょ。ハハッ、馬鹿だなー。」

鼻息を荒く吐く。

ふと、誰かと目が合った。

「…よ。」

「ういっす。」

元カレだ。

どの顔で彼と喋ればいいんだろう。

今も好きだ。

そして、憎たらしい。

お前のせいで私の心は壊れたんだ、って思ってしまう。

でも結局自分がすべて悪い。

元カレ出会って鳥籠から出れたと思ったら、別の鳥籠の中に移動するためだったみたいな、クソみたいな茶番の様な時間だった。

元カレの楽観的な部分が好きだ。

お陰で何を考えているか分からない。

「ああ、お前のせいでな。」

元カレに言えるわけがない。

「私を死にたくなるほど地獄に叩き落として、嘸かし嬉しかろう。」

君の発言は、誰も幸せになれない。

「どうした?」

自分は首を横に振った。

「ううん、なにも。」

「死んでくれよ。お前の知り合いみたいにさ。」

もう、勘弁してほしい。

何故この言葉が思いつく?

人間じゃない。

人間性が欠けている。

だからこう思う。

自分は、私だけでいい。
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