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23 イリアの隠し事
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ルーナ、ジョシュア専用の子供部屋。
「圭人、今から下の研究室へ一緒に来てくれる?」
「うん、いいよ。この子たちもようやく寝てくれたし」
イリアはベッドの上ですやすやと眠るルーナとジョシュアにキスをし、名残惜しそうに部屋から出た。
その後、2人はミラの研究室へ向かった。
*
研究棟、廊下。
「——あれ? ここじゃないの?」
アイリスはミラの研究室の扉を指差したが、イリアは首を横に振った。
「別室があるの。私とミラ、兄さんしか入れない部屋なんだけど……」
イリアは何もない壁の前に立ちどまり、目の前の壁に手を当てた。
その直後、壁に魔法陣が浮かび上がり、1つの扉が出現する。
「入って」
「うん!」
アイリスは秘密基地を見つけたような気分になり、ワクワクしながら中へ入っていった。
「え……」
アイリスは入るとすぐ顔を強張らせ、立ち止まった。
中にミラはいなかったが、それはどうでもよかった。
「イリア、アレはなに?」
アイリスの視線の先には大きな縦長の水槽。
その中には、1人の女性——イリアとそっくりな人物が目を瞑った状態で水の中に浸かっていた。
「あれは私の複製人体。私自身も……複製なんだけどね」
イリアは眉根を寄せた。
「それはどういう……こと?」
アイリスはSF映画の中に入り込んだような気分になり、混乱していた。
「私のオリジナルは数百年前に死んでるわ。複製体は一般の人の寿命に合わせて名前を変えたり、変身しているの。とにかく魔術で隠すことは容易なのよ。私の今の顔や名前はもう忘れ去られてるから、オリジナルと同じ。ちなみに、アレックスには偶然知られてね。忘却魔術を使うつもりだったけど、こういう状況になっちゃった」
アイリスは呆然としていた。
「圭人は前に質問したよね、『ハミルトン家はどうやって魔術師の子供を維持しているのか?』って。これがその方法よ。ミラも兄さんも複製体なの。私は保有魔力量が多いせいか、寿命が特に短くて……」
「なんで急に言う気になったの? ずっと内緒にしてたのに」
アイリスは声を震わせながら聞いた。
「この体、そろそろ限界なの。体調が悪かったのはそれが原因。今の私が死んだら、次はこの子がイリアとして生きていくの」
イリアは寂しそうに微笑んだ。
「この子は全く同じ? 今のイリアのまま?」
「体は全く同じ。記憶はずっと記録媒体に保存しているから、それも同じ。でも……今の感情や性格とかは保存できない。圭人を愛している、という感情もなくなる……」
アイリスの目からポロポロと涙が零れ落ちる。
「それはイリアとは別人だよ! やだ! イリア、どこにも行かないで!」
アイリスは大声をあげてイリアを抱きしめる。
「圭人、ごめんね……。圭人の世界でいろいろ技術を盗んできてミラが頑張ってくれたけど……今のところ、これが限界なの」
イリアは目に涙を浮かべる。
「今晩、この体は終了するの。それまではずっと一緒にいて。圭人で私を満たして。圭人、愛してる」
イリアは強くアイリスを抱きしめた。
「……わかった。イリアへ愛をいっぱい注ぐよ……イリア、愛してる」
なぜこんなギリギリに言ったのか、どうしてもっと頼ってくれなかったのか——イリアに言いたいことは山ほどあった。
しかし、それは何の意味もなさないことはイリアの様子で察していた。
今日が最後ならば、イリアの願いを叶えることに専念するほかない——アイリスは自分にそう言い聞かせた。
アイリスは涙を拭き、2人の寝室へ向かった。
*
寝室。
アイリスとイリアはベッドの中にいた。
イリアは向かい合うようにアイリスに抱かれ、幸せそうな笑みを浮かべている。
「——私は幸せ者だわ。違う世界の人との恋が叶うわけがない、と思ってたからなおさらよ」
「俺も同じ思いだよ」
アイリスはイリアの額にそっとキスをする。
「歴代のイリアはね、一度も恋をしたことがなかったの。恋でこんなにも心が揺さぶられるんだ、と知れて本当によかった。もしかしたら、この感情が奇跡を起こして次の新しい体も圭人を好きになってくれるんじゃないかな」
——でも、それは俺の知るイリアではないよ? 俺は君以外のイリアを好きになれるかわからない……。
「そういえば、なんで俺はあのゲームを始めたらこの世界に召喚されたの?」
イリアはクスクス笑い始めた。
「ふふふっ、言うの忘れてたね。召喚のタイミングは本当に偶然だよ。でも、あのゲームの原作は私が考えたの」
「え!?」
「ふふふ、その時は1番長く圭人の世界にいてね。学生演じてた時間があまりにも暇で暇で……。時間潰すために書いたんだよ。賞金目当てに『ゲーム原作大賞』に応募したら、選ばれちゃって」
「すげーなー。あのゲーム結構人気あったはず」
アイリスは目を丸くしていた。
「実在する人物だったから描きやすかったなー」
「だとすると……なんでアイリスの体に俺が入り込んだんだ?」
イリアは顔を曇らせた。
「それも本当に偶然なんだけど……。本物のアイリスが死んだからかもしれない」
「え!?」
アイリスは顔を真っ青にする。
「確証は得られないけど……たぶんそう。私が圭人を召喚した時、時空が歪んでね……実は、時間が1日戻ったの。アイリスが死ぬ1日前に。予想でしかないけど、いないはずの人物が1人増えることになってしまうから、帳尻合わせでアイリスの体に圭人が入り込んだ……という結論を私は出した」
「頭が混乱してきた……。アイリスの死因は何?」
「事故死だよ。馬車でアレックスの婚約者面談に行く途中、飛び出した子供に馬が驚いて暴走してね……。私も婚約者候補だったから、すぐに知らされたの。当然、その日の面談は中止になった。その後私は屋敷に戻って、圭人の召喚を実行したの」
イリアは悲しそうに答えた。
「えっと……俺が召喚されたすぐ後は確か……、俺が混乱してたせいで準備に手間取って……出発予定時刻を過ぎてた……。本当は俺も死んでたかも?」
「わからないわ」
「それもそうか。でも……結果的にアイリスの体を乗っ取ってしまったんだよな。人生をやり直せたかもしれない……」
辛い表情を浮かべるアイリスの頭をイリアは優しく撫でた。
「それについて証明できないから、そう考えて自分を責める必要はないと思う。本物のアイリスが亡くなったことはねじ曲げられたけど、私だけは真実を知ってる。時間が戻ったのも、アイリスの体に圭人が入り込んだのも、偶然でしかない」
「そっか……」
——俺が自分を責めると、召喚したイリアを責めることになるか……。
「あの……相談もなしに異世界に召喚してごめんね」
「いいよ。だってすごく幸せだから。イリアのおかげで」
「圭人、ありがとう」
2人はキスをした。
「そうだ、イリアが作ったゲームの5人目の隠れキャラは誰?」
「ふふふっ、実は圭人なの。異世界へ迷い込んだ謎のイケメン設定で」
「マジか!」
「うん。特別感出したくてね。圭人はアレックスと並んで人気キャラだったよ」
「脚色し過ぎたんじゃない?」
イリアは首を振った。
「生い立ちとかは想像で書いたけど、性格とかの本質は私の知る圭人そのままだったよ」
「なんか、照れるな……」
「圭人、本当に最高の人生をくれてありがとう。新しいイリアのことお願いね」
「うん。イリアがどれだけ俺のことが好きだったか、教えるよ」
「圭人、愛してる」
「俺も、イリアのこと愛してる」
2人は強く抱き合った。
*
そして1時間後。
イリアは魔術でアイリスを深い眠りにつかせた後、寝室から去った。
その後の詳細については、イリアの希望でアイリスは知ることができなかった。
「圭人、今から下の研究室へ一緒に来てくれる?」
「うん、いいよ。この子たちもようやく寝てくれたし」
イリアはベッドの上ですやすやと眠るルーナとジョシュアにキスをし、名残惜しそうに部屋から出た。
その後、2人はミラの研究室へ向かった。
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「——あれ? ここじゃないの?」
アイリスはミラの研究室の扉を指差したが、イリアは首を横に振った。
「別室があるの。私とミラ、兄さんしか入れない部屋なんだけど……」
イリアは何もない壁の前に立ちどまり、目の前の壁に手を当てた。
その直後、壁に魔法陣が浮かび上がり、1つの扉が出現する。
「入って」
「うん!」
アイリスは秘密基地を見つけたような気分になり、ワクワクしながら中へ入っていった。
「え……」
アイリスは入るとすぐ顔を強張らせ、立ち止まった。
中にミラはいなかったが、それはどうでもよかった。
「イリア、アレはなに?」
アイリスの視線の先には大きな縦長の水槽。
その中には、1人の女性——イリアとそっくりな人物が目を瞑った状態で水の中に浸かっていた。
「あれは私の複製人体。私自身も……複製なんだけどね」
イリアは眉根を寄せた。
「それはどういう……こと?」
アイリスはSF映画の中に入り込んだような気分になり、混乱していた。
「私のオリジナルは数百年前に死んでるわ。複製体は一般の人の寿命に合わせて名前を変えたり、変身しているの。とにかく魔術で隠すことは容易なのよ。私の今の顔や名前はもう忘れ去られてるから、オリジナルと同じ。ちなみに、アレックスには偶然知られてね。忘却魔術を使うつもりだったけど、こういう状況になっちゃった」
アイリスは呆然としていた。
「圭人は前に質問したよね、『ハミルトン家はどうやって魔術師の子供を維持しているのか?』って。これがその方法よ。ミラも兄さんも複製体なの。私は保有魔力量が多いせいか、寿命が特に短くて……」
「なんで急に言う気になったの? ずっと内緒にしてたのに」
アイリスは声を震わせながら聞いた。
「この体、そろそろ限界なの。体調が悪かったのはそれが原因。今の私が死んだら、次はこの子がイリアとして生きていくの」
イリアは寂しそうに微笑んだ。
「この子は全く同じ? 今のイリアのまま?」
「体は全く同じ。記憶はずっと記録媒体に保存しているから、それも同じ。でも……今の感情や性格とかは保存できない。圭人を愛している、という感情もなくなる……」
アイリスの目からポロポロと涙が零れ落ちる。
「それはイリアとは別人だよ! やだ! イリア、どこにも行かないで!」
アイリスは大声をあげてイリアを抱きしめる。
「圭人、ごめんね……。圭人の世界でいろいろ技術を盗んできてミラが頑張ってくれたけど……今のところ、これが限界なの」
イリアは目に涙を浮かべる。
「今晩、この体は終了するの。それまではずっと一緒にいて。圭人で私を満たして。圭人、愛してる」
イリアは強くアイリスを抱きしめた。
「……わかった。イリアへ愛をいっぱい注ぐよ……イリア、愛してる」
なぜこんなギリギリに言ったのか、どうしてもっと頼ってくれなかったのか——イリアに言いたいことは山ほどあった。
しかし、それは何の意味もなさないことはイリアの様子で察していた。
今日が最後ならば、イリアの願いを叶えることに専念するほかない——アイリスは自分にそう言い聞かせた。
アイリスは涙を拭き、2人の寝室へ向かった。
*
寝室。
アイリスとイリアはベッドの中にいた。
イリアは向かい合うようにアイリスに抱かれ、幸せそうな笑みを浮かべている。
「——私は幸せ者だわ。違う世界の人との恋が叶うわけがない、と思ってたからなおさらよ」
「俺も同じ思いだよ」
アイリスはイリアの額にそっとキスをする。
「歴代のイリアはね、一度も恋をしたことがなかったの。恋でこんなにも心が揺さぶられるんだ、と知れて本当によかった。もしかしたら、この感情が奇跡を起こして次の新しい体も圭人を好きになってくれるんじゃないかな」
——でも、それは俺の知るイリアではないよ? 俺は君以外のイリアを好きになれるかわからない……。
「そういえば、なんで俺はあのゲームを始めたらこの世界に召喚されたの?」
イリアはクスクス笑い始めた。
「ふふふっ、言うの忘れてたね。召喚のタイミングは本当に偶然だよ。でも、あのゲームの原作は私が考えたの」
「え!?」
「ふふふ、その時は1番長く圭人の世界にいてね。学生演じてた時間があまりにも暇で暇で……。時間潰すために書いたんだよ。賞金目当てに『ゲーム原作大賞』に応募したら、選ばれちゃって」
「すげーなー。あのゲーム結構人気あったはず」
アイリスは目を丸くしていた。
「実在する人物だったから描きやすかったなー」
「だとすると……なんでアイリスの体に俺が入り込んだんだ?」
イリアは顔を曇らせた。
「それも本当に偶然なんだけど……。本物のアイリスが死んだからかもしれない」
「え!?」
アイリスは顔を真っ青にする。
「確証は得られないけど……たぶんそう。私が圭人を召喚した時、時空が歪んでね……実は、時間が1日戻ったの。アイリスが死ぬ1日前に。予想でしかないけど、いないはずの人物が1人増えることになってしまうから、帳尻合わせでアイリスの体に圭人が入り込んだ……という結論を私は出した」
「頭が混乱してきた……。アイリスの死因は何?」
「事故死だよ。馬車でアレックスの婚約者面談に行く途中、飛び出した子供に馬が驚いて暴走してね……。私も婚約者候補だったから、すぐに知らされたの。当然、その日の面談は中止になった。その後私は屋敷に戻って、圭人の召喚を実行したの」
イリアは悲しそうに答えた。
「えっと……俺が召喚されたすぐ後は確か……、俺が混乱してたせいで準備に手間取って……出発予定時刻を過ぎてた……。本当は俺も死んでたかも?」
「わからないわ」
「それもそうか。でも……結果的にアイリスの体を乗っ取ってしまったんだよな。人生をやり直せたかもしれない……」
辛い表情を浮かべるアイリスの頭をイリアは優しく撫でた。
「それについて証明できないから、そう考えて自分を責める必要はないと思う。本物のアイリスが亡くなったことはねじ曲げられたけど、私だけは真実を知ってる。時間が戻ったのも、アイリスの体に圭人が入り込んだのも、偶然でしかない」
「そっか……」
——俺が自分を責めると、召喚したイリアを責めることになるか……。
「あの……相談もなしに異世界に召喚してごめんね」
「いいよ。だってすごく幸せだから。イリアのおかげで」
「圭人、ありがとう」
2人はキスをした。
「そうだ、イリアが作ったゲームの5人目の隠れキャラは誰?」
「ふふふっ、実は圭人なの。異世界へ迷い込んだ謎のイケメン設定で」
「マジか!」
「うん。特別感出したくてね。圭人はアレックスと並んで人気キャラだったよ」
「脚色し過ぎたんじゃない?」
イリアは首を振った。
「生い立ちとかは想像で書いたけど、性格とかの本質は私の知る圭人そのままだったよ」
「なんか、照れるな……」
「圭人、本当に最高の人生をくれてありがとう。新しいイリアのことお願いね」
「うん。イリアがどれだけ俺のことが好きだったか、教えるよ」
「圭人、愛してる」
「俺も、イリアのこと愛してる」
2人は強く抱き合った。
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