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しおりを挟む「……ノエル」
「え、あ……、セドリックさん……?」
「ああ、馬車の中か。移動中だったのかな」
宝石のような紫色の瞳が、真っ直ぐに私を見つめる。
サラサラの銀色の髪。こんな状況であるにも拘らず落ち着いている、低くて柔らかい声。
今日はプライベートなのか、仕事中にかけている眼鏡は着けていないけれど、間違いなく私が通っていた図書館の司書であるセドリックさんだ。
この場にいるはずのない人物の登場に、さぁっと血の気が引いていく。
――こんなところに一人でいるのは不安だった。
――ここから出るために扉を壊せる男手が欲しいと思った。
そのせいで無意識に、召喚魔法が発動してしまったのだろうか。
女生徒ばかりの学校に通っていた私にとって、セドリックさんは数少ない異性の知人だ。話しやすくて物知りで、いつも落ち着いていて優しい。ほんのりと好感を抱いていた歳の近い男性を、きっと私はこの場所に呼んでしまった。
「っあ……ごめんなさい、あの……もしかしたら、私がここにセドリックさんを魔法で召喚してしまったかもしれなくて……」
「え? ああ……いや、どういうことか説明してもらえるかな?」
私を落ち着かせるように優しく笑いかけてくれ、不安が溶けて泣きそうになった。
慌てた様子も怒る様子もなく、ただゆっくりとセドリックさんは尋ねてくれる。
図書館で話をしてくれた時となにひとつ変わらない態度に、こんなことに巻き込んでしまったのに――と、申し訳ない気持ちが増した。
急に馬車が止まって暗闇に包まれたこと。ここから脱出できないこと。魔法が使えるか試そうとした瞬間にセドリックさんが召喚されたこと。
ここまでの状況を簡潔に説明すると、ふむと頷きながら、セドリックさんが真鍮の取っ手に触れる。男性の力で押しても、扉はびくともしない。
「出られないね」
「……そう、ですね」
「ノエルが魔法で僕を召喚したのは分かったよ。ずっと練習していたし、魔法が使えるようになったのは喜ばしいね」
私が望んだ魔法ではなかったけれど、確かに力が発動したことは喜ばしいことだ。
ここから力をコントロールできるように訓練すれば……と考えて、今さらそんなことをしても何も意味がないことを思い出す。
無事にここから出たあと、私が向かう場所は決まっているのだ。今から頑張って訓練したところで、自立できるほどの力を持とうと思ったら、五日ではとても間に合わない。
「それで、僕は何をすればいいの?」
「え……?」
暗い顔で俯きかけたところで問われ、顔を上げると真っ直ぐに見つめられる。
巻き込んでしまった彼のことより、これからの自分の身を案じてしまったことを、見透かされている気分になった。
「あ……ごめんなさい。その、私……」
「何かして欲しいことがあるから、ノエルは魔法で僕を呼んだんだよね?」
「えっ……?」
そう言われたところで、どう答えればいいのか分からない。
彼を召喚した魔法は無意識に発動したもので、事故のようなものなのだ。
彼にして欲しいことなんて何も思い浮かばない。強いて言うなら謝らせて欲しい。
もう一度謝ろうと口を開きかけた時、風も吹いていないのにトランクから手帳が飛び出し床に落ちた。
偶然開かれたページには「セックスをしないとここから出られない」と、私の筆跡で記されている。
もちろん私は、そんな言葉を手帳に書いた覚えはない。
「……っあ、」
「へぇ」
ゆっくりと手帳を拾い上げたセドリックさんが、「これは口では言いにくいよね」と言いながら、そのページをまじまじと見つめている。
「え、え……? 違う。ほんと、違います……! 書いてない、私……」
絶対に書いていない。それは断言できる。
しかし、無意識にそれに近いことを考えていた可能性を、私は強く否定できなかった。
――初めての相手があんな男では嫌だ。
――不貞がバレたら婚約を取り消してもらえるかもしれない。
そんな浅ましい考えが、自分の中になかったとは言い切れない。
もしも、そんな深層心理に反応して魔法が発動していたら……。そう考えると泣きそうになる。
(こんな私の身勝手な都合に、彼を巻き込むつもりはないのに)
ギシリと音を立て、セドリックさんが腰を上げる。
天井の低い馬車の中で、普通に立つことはできないのだろう。屈んだままで近づかれ、その近さに「ひっ」と間抜けな声を出してしまった。
「ま、待ってください。違うんです、こんな……。こういうのは……」
「必要なことなら僕はいいよ。拒否する理由もないしね」
「っや……! 絶対に駄目です。セドリックさんにそんな汚いことはさせられない。きっと、他にも方法が……」
「他の方法があるとして、それが見つかるまでどのくらいかかると思う? 僕としてはここから出られない方が困るんだよね」
「でも……」
「命を奪われるわけでもないし、それで済むなら手っ取り早いよ」
私が巻き込んでしまった。私が彼を召喚してしまった。私がここから出る条件を設定した。
目覚めたばかりの力を自分でコントロールできず、手帳に書かれた行為以外に出る方法が分からない。
ここで渋っても、セドリックさんに迷惑をかけるだけだろう。
「……っ、ごめんなさい。もう私じゃ、方法が分からなくて……。書いてあること、……その、お願いしてもいいですか?」
「いいよ。ノエルこそ、僕が相手で嫌じゃない?」
「そんなの……全然。私が選んだのに……」
私が答えると、セドリックさんの表情がふっと緩む。
こんな時まで優しくて、無意識のうちにセドリックさんを選んだ自分が嫌になった。
こんなに優しい人を犠牲にしてはいけないのに、どうすればこの状況を切り抜けられるのか分からない。
どんな状況でも受け入れてくれる。我を忘れて暴言を吐いたりしない。そういう人だと思っていたから、私はこの人を選んでしまったのだろう。
セドリックさんからしたらいい迷惑だ。
仕事中に話していただけの私に気に入られ、その結果こんな面倒なことに巻き込まれているのだから。
「……ごめんなさい」
泣きそうになるのをぐっと堪え、もう一度深く頭を下げる。申し訳なくて顔を見ることもできない。
「ノエル、顔を上げて」
「え? あ……、っ⁈」
言われた通りに顔を上げると、思っていたよりも近い場所にセドリックさんの顔があった。触れそうな距離に驚いてしまい、勢いよく身体を引いて顔を逸らす。
「どうして避けるの」
セドリックさんの言葉で、今の距離がわざとであったことを悟る。
セックス前の礼儀として、キスをしようとしていたのだろう。真面目すぎてびっくりする。
「そっ、そういうのは、しなくてもいいと思います……」
「今から身体を繋げるのに、こんなことで恥ずかしがっていたらもたないよ」
「恥ずかしいわけではなくて、そんなことしなくてもセッ……性行為……は、できるから。必要ないことは無駄だし、そういうの何もしなくていいです……」
セドリックさんが私に気を使う必要などないのだ。ここから出る方法がセックスなら、煩わしいことは無しにして最短で済ませてくれればいい。
恋人のように優しく抱いてもらう資格など、私にはないのだから。
「それじゃあ何が必要なの?」
少しだけ冷めた声で問われ、心臓がぶるりと震える。
いつも話しているセドリックさんとは別人みたいだ。しかし、面倒臭い私の態度に腹を立てるのは、彼にとって当然の権利だろう。
「し……下着だけ脱ぐので、そのまま挿れてもらえませんか……?」
経験はないけれど、どういう行為なのかくらい私も知っている。
私のそこにセドリックさんのを挿れてもらうだけならば、そうするのが一番手っ取り早いはずだ。
「へぇ。随分と簡単に言うんだね。経験はあるの?」
「そ、それはない、ですけど……」
「それじゃあ無理だと思うけど、一応確かめてみようか」
何を――と質問する前に、ロングスカートの裾からセドリックさんの手が入り込む。
ドロワーズを掴まれて困惑している私の耳元で、「お尻浮かせて」と低い声が囁いた。
「うっ……」
これ以上、彼の手を煩わせるわけにはいかない。
そう思って腰を上げると、太腿まで下着がずり下ろされる。そのまま遠慮なく脚の間に伸ばされた指は、私の中心をなぞって中をこじ開けようと動いた。
あまりにも性急な動きに、「ひっ」と悲鳴のような声が漏れ、肩が震える。
中途半端に下ろされた下着はそのままに、セドリックさんはいったん、私のスカートの中から手を抜いてくれた。
「ほら、狭そうだし全然濡れてなかったよ。そのまま挿れるなんて無理そうだね」
身体を強張らせている私と視線を合わせるように、セドリックさんが屈み、私の顔を覗き込む。
この程度で怯えている私を、見ないで欲しかった。
「そんな……」
「こんなに狭い場所に捩じ込むなんてできないし、ここ以外をじっくり触ることも必要なんだよ。キスもそのうちのひとつ。無駄なことじゃないって分かるよね?」
まるで幼子に言い聞かせているようだ。
経験も知識も、私は全然足りていない。セドリックさんの言うことに従った方が、スムーズに行為は進むだろう。
喉の奥が張り付いていて声を出すことができず、ゆっくりと首を縦に動かす。
私が頷いたことを確認すると、再びセドリックさんの顔が近づけられた。
「ん……」
一度唇が潰され、すぐに離れる。
一瞬の触れ合いなのに心臓がバクバクと騒ぎ出し、二回目に口付けられた瞬間には、緊張を誤魔化すようにぎゅっとスカートの布地を握っていた。
「少しだけ口を開けてくれる?」
「は……っあ」
「はは、上手」
薄らと開いた口の間から舌を差し込まれ、丁寧に口内を撫でられていく。
舌を舐められ、軽く吸われる。上顎をなぞられるとくすぐったくて、くぐもった声が私の口から漏れた。
(変かもしれない、私)
腰の辺りがぞくぞくして、身体の中心から熱が上がっていくみたいだ。触れているのは口の中だけのはずなのに、他のところにまで響いている気がする。
気持ち良いキスが一度終わり、二人分の唾液で濡れたセドリックさんの唇が首筋へと下降する。
座席にもたれたまま動けずにいると、セドリックさんの手が私の胸元に伸ばされた。
ボタンを四つ外したところで、セドリックさんが私の耳元に顔を寄せる。
「今日、こういうことをされるって想定して服を選んだの?」
「……? 服……?」
「上も下も、驚くほど乱しやすい格好してるよね。ドレスだったら手を出せなかったのに」
言われた意味を理解して、かぁっと顔が熱くなる。
移動中は楽な服装の方がいいと思い選んだ、普段着のワンピース。面倒臭い装飾はなく、胸元のボタンを外すだけで簡単に脱ぐことができる。
地味な紺色で、どう見ても結婚相手に会うための服ではない。
侍女がいない私が一人でも脱ぎ着しやすいように、コルセットすら着けていないのだ。
真っ白なシミーズとドロワーズを脱がされたら、一番恥ずかしいところが簡単に見えてしまう。
結婚相手の屋敷に着く直前に着替えようと思っていて、ドレスは荷台の方に積んであるのだ。
しかし、そんなことを知らないセドリックさんの目には、ここで脱ぐことを計画していたように映るだろう。
「……っち、違うんです。今日は移動をするだけだと思っていたから、だから本当に偶然で……! ご、ごめんなさい。そんな風に、いやらしい女だと思わないでください……!」
こんな行為を強制させている時点でいやらしいことに変わりないのだが、意味のない言い訳を重ねてしまう。
そんな私をセドリックさんは可哀想に思ったのだろう。「そんなことは思っていないよ」と言いながら、優しく頭を撫でてくれた。
「中断してごめんね。改めて続きをしようか」
「ん……っ、は、はい……」
首筋に直接息が当たり、びくびくと震えている間に全てのボタンが外されていた。
服に付いていたボタンは六つ。大きく前を開かれると、隠していた上半身が露わになる。
カフスボタンがそのままのため袖は抜けず、布に引っ張られて腕が動かしづらい。
恥ずかしいのに肌を隠すことも出来ず、今度はシミーズが胸の上まで捲り上げられた。私のお臍から胸までが、セドリックさんの目の前に晒される。
「綺麗だね。少し震えていて、可愛い」
「あっ、あ……ふっ、ん」
ぱくりと胸の先を喰まれ、甘えた息が鼻から漏れた。
舌でくすぐるように丁寧に胸を舐められ、腹の奥がきゅうっと疼く。逃せない熱が身体の中心を駆けていき、無意識のうちに膝を擦り合わせてしまう。
「あっ、あっ、うぅ……っん、あっ」
「大丈夫。そのまま感じてて」
「ふっ……ん、あ、はぁ……っ」
座席に背を預けながら身体を捩る。後ろに身体を逃すことも出来ず、自分のいやらしい声が外にまで聞こえていそうで恥ずかしい。
ブーツの中で足先にぎゅっと力を入れた瞬間に、重みでギッと床板が軋んだ。
「そろそろこっちも慣らそうか。狭いから、ノエルも協力してね」
「あ……え? 協力……?」
「そう。スカートをたくし上げたまま、触りやすいように脚を開いて」
ギシリと音を立て、セドリックさんが床板に片膝をつく。
座っている私の脚の間に視線が注がれ、その意味を理解した瞬間にひどい羞恥に襲われた。
「え……? あ、スカートを自分で……?」
「うん。そのくらい出来るよね?」
出来るか出来ないかで言えばもちろん出来るが、それはとても恥ずかしい行動なのではないだろうか。
簡単に頷くことが出来ずに戸惑っていると、「早く」と急かされてしまい、スカートの裾をきゅっと握る。
恥ずかしさから目を逸らし、唇を引き結んだ。スカートをたくし上げながら、ゆっくりと脚を左右に広げる。
私は早急に、この状況からセドリックさんを解放してあげなければいけないのだ。
「脱がせるよ」
座席の間となる狭い床でセドリックさんが屈み、私のスカートの中に手を差し込む。中途半端に下ろされていたドロワーズを足から抜き取ると、今度は私を開脚させるように左右の内腿に触れた。
持ち上げたスカートの中がどうなっているのか、私からでは見ることが出来ない。しかし、私の中心に触れた感覚が、最初に触られた時とはまったく違う。
「……っ、ん」
「さっきより濡れてる。分かるかな?」
「あっ……やだ、そんなとこ、音が……」
浅いところを指が往復し、くちくちといやらしい音が鳴る。スカートを持つ手が震え、どんどん息が荒くなる。
「ふっ……ん、んあっ!」
窪みの上の小さな芽をセドリックさんに爪で弄られた瞬間、大袈裟にびくりと腰が跳ねた。
今まで一番、頭の中がビリビリする。
「ここも反応してるね。触って欲しそうで、すごいことになってる」
そう言いながら、その突起をくにくにと弄るのだから堪らない。
身体を捩りながら声を出し、直接的な刺激に分かりやすく反応してしまう。
そこに顔を近付けられるが止める隙もなく、濡れた感触が敏感な芽を包んだ。
「あ、やっ、ああ、っく……ふぁ、っん」
気持ち良いところを舐められ、同時に膣内に指を入れられている。
いろんな刺激が下腹部に集中していて、自分が何に感じているのか分からない。ただ、気持ち良いことをしてもらっているのだという意識は辛うじて残っていて、一人で喘いでいる現状が恥ずかしくて仕方なかった。
(こんなの、全然セックスじゃない)
嫌々だけど仕方なく、少しだけ勉強した夜の営み。
女の初めては痛みが伴い、快楽を拾うことは難しい。初夜では男側が一方的に気持ち良くなって終わることが多い。
そんな絶望的な情報を知った瞬間から、私はそれ以上のことを調べるのをやめた。
好きでもない男に手篭めにされるのだと毎晩一人で泣き、今朝は不安に震えながら迎えの馬車に乗り込んだのである。
――それがどうして、こんなことになっているのだろうか。
「だめっ、そこだめ、っひん……あっ、あぁっ」
「もう指を二本入れても痛くないね。可愛い。上手だよ」
「あっ、やぁ……も、なんかくる、んっ、きちゃう……! あっ、あっ、ひぁっ、ンッ――!」
びくりと身体が震え、頭の中が真っ白に染まる。
手足から一気に力が抜け、ふわふわとした思考の中で指が抜かれたことだけが分かった。
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