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最終章 決別と終幕
12-14
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優しい光が差し込む病室。
悪魔が与えてくれた存在するはずのない時間。
俺と結菜は強くお互いの身体を抱き締める。
もうけして離れることがないように。
離れていた長い時間を消し去るように。
「結菜…。
ひとつ聞いてもいい?」
「…なに?」
「俺といて…
幸せだった?」
「なにそれ?」
「だってさ…
こんなことになって、
本当は後悔してるんじゃないかなって…」
「うーん。
じゃぁ歩は?」
「え??」
「歩は幸せだった?」
「それは…」
結菜が俺の口を人差し指でとめる。
「言わなくていいよ。
それが私の答えだし。」
「結菜…。」
二人は真っ赤な目をした、くしゃくしゃな顔で笑った。
またこうやって結菜と笑い合えるとは思わなかったな…
「結菜…。
愛してるよ。」
「私も…。
歩。」
俺たちはそっとキスをした。
なぜだろう。
涙が溢れる。
嬉し涙なのか。
それとも死に対する恐怖感からなのか。
もうわからない。
3年という長い時間は、
本当に人の想いを簡単に変化させてしまう。
これはきっと想いの強さとか、
気持ちが足りないってことじゃぁないと思う。
人にとって恋愛は、
本当に儚いもので。
出会った頃の気持ちを持ち続けることは不可能だと今でも思う。
でも、
だからこそ人は、何を捨ててでも愛そうとするのかもしれない。
たとえ、いつの日かお互いの気持ちがなくなってしまうとしても。
いまこの瞬間に、
気持ちの通じあった人と過ごせる奇跡を噛み締めたい。
恋愛には必ず困難が待ち受けている。
前を向いて歩いて行くのもいいかもしれない。
でも俺は、今という幸せが敷き詰められた足下を、
しっかり見つめながら踏みしめていきたい。
困難を見据えて不安になるよりも、
困難に差し掛かった時にお互いを信じられるだけの愛を、
自分が信じた[最愛の人]としっかりと育んでいければいいと思う。
もしも…
もしも死後の世界が本当にあるとするのなら…
どうか…
この先もずっと、
二人離れずにいられますように。
=おわり=
悪魔が与えてくれた存在するはずのない時間。
俺と結菜は強くお互いの身体を抱き締める。
もうけして離れることがないように。
離れていた長い時間を消し去るように。
「結菜…。
ひとつ聞いてもいい?」
「…なに?」
「俺といて…
幸せだった?」
「なにそれ?」
「だってさ…
こんなことになって、
本当は後悔してるんじゃないかなって…」
「うーん。
じゃぁ歩は?」
「え??」
「歩は幸せだった?」
「それは…」
結菜が俺の口を人差し指でとめる。
「言わなくていいよ。
それが私の答えだし。」
「結菜…。」
二人は真っ赤な目をした、くしゃくしゃな顔で笑った。
またこうやって結菜と笑い合えるとは思わなかったな…
「結菜…。
愛してるよ。」
「私も…。
歩。」
俺たちはそっとキスをした。
なぜだろう。
涙が溢れる。
嬉し涙なのか。
それとも死に対する恐怖感からなのか。
もうわからない。
3年という長い時間は、
本当に人の想いを簡単に変化させてしまう。
これはきっと想いの強さとか、
気持ちが足りないってことじゃぁないと思う。
人にとって恋愛は、
本当に儚いもので。
出会った頃の気持ちを持ち続けることは不可能だと今でも思う。
でも、
だからこそ人は、何を捨ててでも愛そうとするのかもしれない。
たとえ、いつの日かお互いの気持ちがなくなってしまうとしても。
いまこの瞬間に、
気持ちの通じあった人と過ごせる奇跡を噛み締めたい。
恋愛には必ず困難が待ち受けている。
前を向いて歩いて行くのもいいかもしれない。
でも俺は、今という幸せが敷き詰められた足下を、
しっかり見つめながら踏みしめていきたい。
困難を見据えて不安になるよりも、
困難に差し掛かった時にお互いを信じられるだけの愛を、
自分が信じた[最愛の人]としっかりと育んでいければいいと思う。
もしも…
もしも死後の世界が本当にあるとするのなら…
どうか…
この先もずっと、
二人離れずにいられますように。
=おわり=
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