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12巻
12-1
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今日は休日。
外出する予定を入れず、昼過ぎまで眠り、とにかくダラダラゴロゴロと寝ながら読書をし、怠惰な休日にしようと決めていた。
洗濯機を回さなくてもいい。部屋も汚れていない。食事は適当に何かをつまめばそれでいい。寝ながら酒を飲んじゃう。
貴重な時間を無駄に消化し、無駄に眠り、無駄に呆けるそんな無駄な時間。なんて贅沢なのだろうか。
たまにはそんな休日を過ごしてもいいじゃないのと思っている、至極一般的な社会人としての感覚を忘れていませんタケルです。皆さまお元気でしたか? 俺は、元気です。たぶん。
いろいろとあったんだ。
本当に、いろいろと。
北の大陸に拉致されてからというもの、俺は朝から晩まで時には徹夜して、できることならばと奔走した。
一難どころか二難、三難越えて、九十七難くらいあったんじゃなかろうか。九十七という数字に意味はないけども。
見知らぬ土地、仲間はいない、鞄がない、喉は渇く、何故かわめく鋼鉄イモムシ――
という難題、漫画の主人公ならそれでも勇気と希望で乗り越えていけるのだろうが、俺に難題なんて必要ないんだよ頼むよゴロゴロぐうたらさせて。
魔法を巧みに操る一族、略して魔族のユグル族種族間抗争に巻き込まれた俺は。
いや、巻き込まれたんじゃなくて自ら首を突っ込んでぐるんぐるんかき回した俺は、封印された古代竜、炎神リウドデイルスの解放に成功。北の大陸に失われつつあった魔素を取り戻すことができた。
説明すると簡単なのだが、実際はむちゃくちゃ大変でした。ほんともう、思い出すと泣いちゃうくらい。
マデウスに来てから初めての重傷を負った。前世でも経験のない激痛。盲腸の手術した時よりも痛かった。
肉体の痛みよりも、魂というか、俺という根源そのものが掠れたような、そんな感覚だった。
この痛みがなくなるのならば、肉体なんて必要ないと思うほどに。
痛みはヘスタスの魔力のおかげですぐに引いたのだけども、生涯忘れることができないだろう。
それよりも鞄ですよ。俺の、鞄。
あの、ちぎれてただの布と化した鞄を見た時の衝撃のほうが酷かった。
鞄がちぎれて最初に思ったのが、魔素水飲めないどうしよう、だったからな。
魔素水はビーの栄養源でもある。魔素水がなければミスリル魔鉱石を舐めさせればいいのか? なんて、そんなことも考えました。人間って切羽詰まっているのに余計なこと考えるよね。
とにもかくにも俺と鞄は無事で、自爆したと思ったヘスタスも炎神リウドデイルスに魂を救われた。魔王の暴走を抑えられたし、ハヴェルマとゾルダヌという種に分かたれてしまったユグルの民も、平穏と平和を手に入れた。
小人族のスッスが蒼黒の団の新たなる仲間となり、トルミ村に帰って朝から晩まで食っちゃ寝三昧するんだと意気込んでいたのに。
使えるものなら何でも使いましょうがモットーのトルミ村。偉そうにふんぞり返るだけの大人は一人もいない。飲んだくれの親父が仕事もせずにフラフラしていたら、村人全員から働けゴラァとタコ殴りにされる。辺境にある村では、誰もが働かなければ明日の糧は得られないのがマデウスの常識。
幼い子供ですら親の手伝いをするのは当たり前。子供が赤ん坊の面倒を見て、家畜の世話をして、店番をする。朝から飲んでいる鍛冶職人のグルサス親方を叱咤するのも子供で、グルサス親方の行方を弟子のリブルにチクるのも子供の仕事。
辺境の村では誰もが貴重な労働力なのだ。
たとえ移住者が増加しても、ネコミミシメジやキノコグミ、エペペ穀といった特産品があっても、生きるのに必死だったトルミ村の住人たちは決して怠けたりしない。
そんな働き者が闊歩するトルミ村で、怠惰な休日なんて過ごせるわけがなかったんだ。
いやでも、一日ぐらい。
一日でいいから。
半日。
午後からは働くから。
えっ? ダメなの?
ドルド街道の整備? 長屋の建築? ベラキア大平原の開拓? レインボーシープの毛刈り祭りを提案したのは俺でした。
そもそも朝からビーの生臭い顔面ベロベロモーニングコールと朝飯の催促で、俺に寝坊という贅沢は許されない。
起きたら二度寝して、まだ眠れたら三度寝て、起きて寝ながら何か食って飲んで、本を読みながら何か食って飲んで、疲れたら寝て、なんて。
一日だけでいいからそんな贅沢な休日をくださいと言える日は来るのだろうか。
来てお願い。
1 旅の土産と、トマトのスープ
「なっ」
ベルカイムのギルドエウロパにて、受付主任であるグリットの目が丸くなった。
滅多に取り乱さないグリットであるが、俺が申請した書類の内容に目を剥き、保証人の署名に口が開き、これを許可しないとこの人が不機嫌になっちゃうから気をつけての忠告文に似た推薦状に、とうとう声が出てしまったようだ。
心地のいい初夏の風が吹くなか、俺はビーとスッスを伴ってベルカイムに来ていた。
雪が降るようになり冒険者業をお休みしようとトルミ村で過ごしていたから、ベルカイムに来るのは何か月ぶりになるだろうか。
トルミ村から転移門でベルカイムまであっという間。転移門は俺が年間借りきっている定宿の一室にある。そろそろ領主屋敷の庭にでも転移門を移すべきだな。あの広い屋敷にはでっかい庭があるのだから、端っこに納屋でも造らせてもらって設置しよう。
エウロパの応接室に通された俺たちは、しばらくぶりの職員たちとの再会に挨拶をした後、オゼリフ半島で入手した王様の眉毛の粉末と、北の大陸で拾った溶岩とごぼうサラダを机に広げた。ごぼうは現物の枝よりも、美味しく調理してみました。
遠出をした蒼黒の団がエウロパにお土産を渡すのは恒例のこと。グリットは遠慮するが、ギルドマスターが期待しているとのこと。
無事に全員トルミ村の拠点に戻っていますと伝え、本題に入った。
スッスの、蒼黒の団加入についての書類を出したのだ。
「タケ、ル、さん」
「はいはい」
「こ、こ、これ、は」
「ピュ」
「お宅の職員であるスッス君をですね、蒼黒の団にスカウト……勧誘、しております」
「いや、その、いや、ええ、それはなんと言いますか、それよりも、この、こちらは……」
「ピュ?」
「はいはい」
気の毒なほど震えるグリットを穏やかな目で眺めつつ、冷静に頷く。
俺は鞄の中から人数分のスープマグとごぼう茶の入った魔法瓶を取り出した。黒い漆のようなものが塗られた木製のスープマグは、エルフ族の木工職人見習いがたくさん造ってくれたのだ。熱いものは適温で、冷たいものは冷たいまま維持してくれる魔法付与がされている優れもの。
大きなスープマグは飲み物でも食べ物でも入れられるため、とても重宝している。俺の手の大きさだと市販のカップでは小さいのだ。
温かなごぼう茶をスープマグに注ぐと、応接室には独特なごぼうの香りが漂う。
「スッスを蒼黒の団に勧誘する理由と、スッスの身元保証人書類と、推薦者の証明書類ですね、はい」
グリットが手にする書類を指さして説明すると、グリットはそういうこっちゃないと首を横に振る。
「俺は勧誘理由とスッスの故郷の村長さんの保証書だけでいいって言ったんですよ? だけどほら、今トルミ村に滞在している貴い方々がそれだけじゃ足りん、って言いだしましてね、はい」
スッスはギルド職員だ。
現役職員を冒険者チームに勧誘した場合、どうなるのかがわからない。スッスによれば前例がないらしいから。
ギルド職員になる者はある程度の教養が必要であり、知識に見合った給料が出る。公共機関に勤める職員のように、固定給。役職に就けば役職手当が出るし、定められた時間以上に働けば、残業手当も出る。
危険な冒険者稼業とは違い毎月一定の給与が出るとなれば、ギルド職員が冒険者になることはほぼない。
冒険者がギルド職員にスカウトされることは稀にある。
スッスはもともとが冒険者であり、隠密技能を持っていたので事務主任のウェイドに勧誘されたと言っていた。ベルカイム内での諜報……とまでは言わないが、必要な情報を探るために冒険者という肩書が必要だったのだ。ギルドにとってご町内の噂話も貴重な情報と言えるし。
ギルドはあくまでも独立機関。だが国や領主とも協力関係を結んでいるため、後ろ暗いことがあるヤツはギルド職員とお喋りしようなどとは思わない。
しかし、情報を扱う冒険者ですよーと名乗って三百レイブでも掴ませれば、たいていの者は口を開く。
ギルドはスッスのような情報を扱う冒険者を数多雇用しているらしく、正確な兼業職員の数はスッスにもわからないそうだ。
そんな貴重な人材を俺たちは引き抜こうとしている。そのため、グリットに渡した申請書類に「お墨付き」を貰ったのだが。
「ピュピュ」
「ん? お菓子は五つまで。昼飯を買って帰るんだろ?」
「ピューゥ……」
「ビー、おいらのぶんを食べるといいっすよ」
「ピュ!」
「スッス、ビーを甘やかしたらダメだ」
「いや、でも兄貴、こんな顔で見られたらいくらでも食わせたくなるっすよ」
「ピュゥ~イ」
「わかるけどそこは心を鬼にして……あれ? グリットさん?」
呆けたまま微動だにしないグリットに、俺は声をかける。
書類に書かれた流麗な署名に多少は驚くかなと思っていたが、固まるとは。
ギルド職員で冒険者であるスッスを蒼黒の団に入れたい、スッスの人となりはこの人が保証しますから大丈夫ですよ、という書類にはスッスの故郷の村長の名前と、鍛冶師グルサス親方の名前。
スッスを蒼黒の団に入れたほうが後々良いと思いますよ、という推薦状にはエルフ族執政であるアーさんの名前。
この時点で異常なことはわかっていた。
スッスの故郷の村長はともかく、グルサス親方はドワーフ族だ。他種族であるスッスを保証する意味がわからない。そもそも偏屈で頑固で見た目も怖いグルサス親方が、誰かの保証人になるなんて、という驚きもある。
グルサス親方はスッスが片手間に作った酒の肴にえらく感動し、料理が上手い奴に悪い奴はいねぇんだと保証人として名乗りを上げたのだ。なにそれ。そんなんでいいのか保証人。
アーさんは蒼黒の団がスッスを仲間にと望むのならば、いくらでも私が推薦致しましょうと微笑んで署名してくれた。アーさんもスッスの料理に感動したらしい。
いくらトルミ村を自由に闊歩しているエルフ族であっても、ベルカイムでは滅多に見かけない神秘の種族。その種族の執政の名前が書かれてあるんだから、グリットが驚愕に固まるのは納得だ。
そして。
「……タケ、ル、さん」
「はい」
「ここ、この、いえ、こちらの、お名前を、いた、だい、たの、は」
「はい。グランツ卿ですね。大公閣下のお名前をいただきました。わざわざハンコを押してくれたのはいいんですけど、立派な印章に紙が破れかかったのには困ります。あはは」
俺はなんでもないように笑って答えたのだが、グリットの顔は真剣そのもの。
スッスを蒼黒の団に入れたまえよ。
なんて、軽い脅しにも似た推薦状に署名されたグランツ卿の名前。やたらと長い立派な名前に、やたらと複雑なグラディリスミュール家の印章がクッキリと。
アルツェリオ王国唯一の大公家の署名捺印がされた公文書に、グリットの手が震える。
いくらギルドは独立機関とはいえ、王家の、しかも現王の叔父である大貴族の名前を無視するわけにはいかない。その推薦状とは名ばかりの指示書が荒唐無稽で非道なものならともかく、スッスは役職なしの平職員だ。隠密技能は貴重だが、小人族の冒険者ならばほとんどその技能を持っている。ギルドとしてはスッスを蒼黒の団に入れることに反対はしないだろう。
スッス個人の危険を案じるのならば、それはほら、Aランクの冒険者が二人もいることだし、実は馬の神様と緑の化け物、じゃなくて精霊王も憑いているし、俺とビーだってスッスを守ることができるのだ。
もしもこの書類に「ギルドの有能職員は全員王都ギルドに寄越せ」なんて書かれてあろうものなら、ギルドマスターがなんだとこの野郎ちょっとツラ貸せや、と噛みつく。その権利をギルドは持っているのだ。
「兄貴、兄貴、やっぱりおいらには勿体ない話だったんすよ。大公閣下のご署名をいただけるなんて」
俺の隣の椅子に遠慮がちに腰掛けるスッスは、そんなことを言う。
「グランツ卿が嬉々として書くって言ったんだから、黙って甘えておけばいいんだよ。それに、推薦状を出せって提案したのはグルサス親方だろ? 何かあったらあのオッサンに全部責任取ってもらおう」
「ピュイピューィ」
「そんな、そんなことできないっすよ!」
スッスは慌てるが、グランツ卿とグルサス親方は顔見知りなのだ。顔見知りというか、酒飲み友達のような気安い関係。
俺が個人的に受注した鉱石採取の依頼で手にしたイルドライト。あの石で素晴らしい剣を鍛えたグルサス親方は、王都で開かれた品評会で最優秀賞を獲得した。
そのさい大絶賛したのがグランツ卿。
ドワーフはアルツェリオ王国に技術提供をしている身であるからして、ある一定の身分と発言力を持っている。法を破らなければドワーフは国に保護される種族だ。
グルサス親方はドワーフ王の覚えもめでたい鍛冶職人。グルサス親方自身だって、自分の名前の重さくらい自覚しているはずだ。
「これは……ギルドマスターの指示を仰がなくてはなりません。今ここで即決するわけにはならないのです」
重苦しく申し訳なさそうにグリットは言うが、そんなの想定内だ。
「ギルドマスターの返事はいつ貰えるかな。日にちと時間を指定してくれれば、また来るから」
「いえ、いいえ! そんな、何日もお待たせするわけには参りません! ギルドマスターは所用で街に出ているだけですので、戻り次第すぐにでも!」
「そんな急がなくても」
「急ぎますとも! 大公閣下のお名前をいただいた書類ですよ!」
怒らなくてもいいのに、なんて言い返さなくて良かった。
「タケルさん、貴族の、それも王国唯一の大公閣下のご署名入りの書類なんて、真っ先に優先させなければならない案件なんですよ!」
「えっ」
「何を驚いているんですか……」
グリットに呆れられたが、俺は貴族社会には疎い。
貴族の知人は大勢いるが、その立場の重要性を理解していないのだ。
一番身近な貴族はベルカイムがあるルセウヴァッハ領の領主、ベルミナント。彼は庶民であり冒険者である俺にも気安く接してくれるが、そもそも由緒ある伯爵家の当主だ。
ブロライトの兄であるグラン・リオ・エルフ族執政のアーさんも貴族といえば貴族だな。ハイエルフ族はエルフ族のなかでも王族、もしくはそれに近しい種族である証拠。それに、ドワーフ国の王様とも面識あるな。あのちまこい王様。何か困ったことがあれば儂を頼るのだぞ! って言ってくれたし、お言葉に甘えて何か困ったことがあったらクレイの伝手ってことで頼る気満々。
最近ではユグル族の王に即位する王子様とも知り合いましたね。そのお妃様も。何代か前の王様とも。
……俺って貴族の知り合い多いんだな。
貴族の知人を指折り数えていると、冒険者としては多いなと改めて気づく。
Aランク冒険者ならば貴族との関わりもあるんだろうけど、それにしても多い。しかも種族に富んでいる。
もともとはクレイの顔が広いっていう理由もあることだし。ブロライトはアレでももともとがハイエルフ族だし。
ご縁って大事だねえ。
元営業マンとしては、このご縁を大切にしたい。
唸るグリットに書類を託し、俺とスッスはエウロパを出た。
+ + + + +
高い天井まで届く書棚には、ぎっしりと本が並べてある。
背表紙の題名だけ読むと、専門書が主であり、ここに娯楽向けの文学小説などは保管されていない。
ルセウヴァッハ領主であるベルミナントは、先代である父親からこの屋敷まるごと継ぎ、先祖代々共通の趣味である「貴重な文献の収集」を続けている。
壁一面に本棚が並ぶこの領主執務室は、領主邸のなかでも一番の自慢だと執事のレイモンドが嬉々として教えてくれた。
ベルカイムにある図書館の蔵書は、全て歴代ルセウヴァッハ伯爵が収集した本だ。あの図書館を利用するのはごく限られた少人数のみなのだが、様々な種類の本が対価を支払えば庶民でも読めるのは有難い。汚したら処罰されるけども。
ベルミナントは読書家で、やたらと難しそうな歴史書から大衆で流行している恋愛小説まで読む。
初めは庶民向けの恋愛小説に興味はなかったらしいが、娘のティアリスが王都の寄宿学校に通うようになり、学校の友人に面白いからと勧められたら沼に落ちたらしく。
ティアリスが元気になった母親に最新の恋愛小説を贈ったら、ベルミナントも興味を持ち読むようになった。
今では奥様との共通の話題として恋愛小説の感想を言い合っているらしい。家族揃って仲良しだな。良いことだ。
「ユグル族の歴史書はポトス爺さんから。俺も同じのを持っているから、こっちはあげる。エルフ族の神話集はアーさんがカルフェ語に翻訳してくれた。表紙の魔法陣みたいなやつに血を一滴垂らすと読めるようになるって。貴重な文献だから当主のみが読めるようにしているってさ。えーとそれからこれは」
鞄の中から次々と本を取り出し、ベルミナントの執務机の上に置く。
少し時間を遡るが、俺はエウロパを出たあと、ビーとスッスに調味料の仕入れを頼んだ。
調味料は北の大陸でほぼ使い果たしたため、新たに購入しなければならない。いつ何時必要になるかわからないから、塩と砂糖と酢と胡椒は買えるだけ買っておく。スッスの目利きは確かなものなので、俺が適当に買うより安く済む。ビーは買い物についてくるとオマケをたくさん貰えるのだ。オマケが目当てといういやらしさはあるが、久々のビーちゃんに皆も会いたいだろう。
醤油の実はあとで俺がアシュス村に直接仕入れに行って、オゼリフ半島の小人族・オグル族合同村では王様の眉毛ことワサビを買わせてもらうのだ。王都でバターと石鹸も買えたらいいな。
ビーとスッスが買い物を済ませる間、俺は領主邸へと赴いてお土産を渡すことにした。
ベルミナントにお土産を渡すのは、クレイの助言。
チーム蒼黒の団はあれやこれやと長期間ベルカイムを離れることが多い。ギルドエウロパにしばらく依頼を受けられませんよという届出が出せない場合もある。依頼先で俺が拉致されたりすると、エウロパに戻って俺を捜しに出かけます、なんて届出を出す暇はないわけだ。
そんな時に天下の領主様。
チーム蒼黒の団は時々突拍子もなく長期間戻らないことがありますが、無事ですから大目に見てください、という気持ちを込めてのお土産を渡すのだ。賄賂って言わないで。
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