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勇者が驚愕する話
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「出ろ。」
牢屋に捕らわれていた勇者にそう呼びかけられた。
彼は異世界から召喚された勇者だ。
「釈放する。」
「なんだと・・・?人類側はどうなった?」
「魔皇帝陛下に全面降伏した。慈悲により立て直してる最中だ。」
「そ・・・そんな。」
なんのために無理矢理召喚されて頑張ってきたのか。
「殿下たちは・・・?」
「お前の仲間なら今日、釈放される。陛下に感謝するんだな。
戦争が終わった以上、無駄な血を流すことを好まられない。」
魔人はそう言った。
そこに別の魔人がやってきて耳打ちした。
それを聞いた魔人は勇者に言葉をかけた。
「勇者パーティーに敬意を表して陛下がお会いになられたいそうだ。」
「・・・わかった。」
これは殺すチャンスかもしれない。
武装解除されていなければ、一矢報いることが出来るかもしれない。
「ユウト!!」
勇者パーティーの仲間であったレミア王女が駆け寄って抱きついてきた。
「良かった!!無事で!!」
「殿下。」
勇者はそっと彼女に耳打ちする。
「転移魔法を準備しておいて・・・。」それが何を意味するか察した王女は頷く。
謁見は暗殺する絶好のチャンスなのだ。
いざという時は刺し違える。
そして王女を逃がす。
ユウトはそう思った。
「ようこそ。レミア王女殿下。それに勇者殿。」
魔皇帝は女だった。
結構でかい。
身長10メートルはあるかもしれない。
勇者は密かに絶望する。
彼女の前までに想像を絶する量の魔法術式が組み込まれている。
自爆攻撃を含め、いかなる攻撃をも防ぐことが出来る量だった。
そして、それ以上に驚愕する事実があった。
今、彼女が話したのは日本語だった。
「ん。」
彼女は動きを止めたかと思うと、体が開いた。
それはもうパカっと。
まるで某シュワルツェネッガー主演の映画みたいにだ。
いや、むしろ某モビルスーツと言った方が正しいかもしれない。
そして中からセーラー服を着た少女が出てきて、飛行術式で飛び降りたのだった。
「改めて魔皇城へようこそ。レミア=カレルシア王女殿下。勇者の吉井悠人さん。」
「な・・・。」
「私は魔皇帝をやってます桜井美里といいます。よろしくお願いします。
ちなみに吉井先輩と同じ高校で一学年後輩です。」
「・・・に・・・日本人なのか?」
「魔皇と日本人の混血なんですよ。
先代の魔皇が夫婦そろって父方の実家の佐賀市に引きこもっちゃいまして。」
自分の地元は魔皇の巣窟だった?と勇者はさらに愕然とした。
「私が統治してるわけです。」
そういいながら彼女は右手を挙げた。
テーブルが出現し、侍従が茶を持ってきた。
「まあ、座って下さいな。」
抵抗する気も失せた2人は大人しく席につく。
お茶請けにはカステラなどが入っていた。
この世界には存在しないお菓子である。
「まず、レミア王女殿下に言わなければならないことがあります。
あなた方の王制は解体されました。」
「父上や母上も処刑されたということですか?」
「いいえ。象徴になっていただきます。詳しくは勇者殿にお尋ねになってください。
象徴天皇制を知ってるはずですので。」
「それは日本の・・・。」
「そうです。何だかんだ言って一番なじみ深いですからね。
まあ、私は魔皇帝として絶対の力を持ってないといけませんが。」
そういって一息ついた彼女はさらに言った。
「民主主義を導入し、奴隷制度を全廃します。金本位制に基づいて資本主義を導入させていただきます。」
「私どもの国はすでに負けてしまっていて、異論を挟めるはずもございません。」
レミア王女は深く頭を下げて言った。
「しかしながら我が民は苦しんでいる事でしょう。どうかよしなに。」
「ご安心を。勇者殿の故郷でもありますが、父方の国は戦争の荒廃からわずかな期間で大国に返り咲きました。きっとあなた方の国もそうなるでしょう。」
「ユウトの国・・・。」レミア王女はユウトを見た。
彼はまだ動揺している。
「陛下。お願いがございます。」
意を決したらしく王女は言った。
「何でしょう?」
「私はその国を見てみたいと思います。」
「王女!?」ユウトは我に返って王女を見た。
「なるほど、それもいいかも知れませんね。」美里は愉快そうに同意する。
「吉井先輩はどう思われますか?」
いろいろと悩んだあげく、彼は首を縦に振った。
牢屋に捕らわれていた勇者にそう呼びかけられた。
彼は異世界から召喚された勇者だ。
「釈放する。」
「なんだと・・・?人類側はどうなった?」
「魔皇帝陛下に全面降伏した。慈悲により立て直してる最中だ。」
「そ・・・そんな。」
なんのために無理矢理召喚されて頑張ってきたのか。
「殿下たちは・・・?」
「お前の仲間なら今日、釈放される。陛下に感謝するんだな。
戦争が終わった以上、無駄な血を流すことを好まられない。」
魔人はそう言った。
そこに別の魔人がやってきて耳打ちした。
それを聞いた魔人は勇者に言葉をかけた。
「勇者パーティーに敬意を表して陛下がお会いになられたいそうだ。」
「・・・わかった。」
これは殺すチャンスかもしれない。
武装解除されていなければ、一矢報いることが出来るかもしれない。
「ユウト!!」
勇者パーティーの仲間であったレミア王女が駆け寄って抱きついてきた。
「良かった!!無事で!!」
「殿下。」
勇者はそっと彼女に耳打ちする。
「転移魔法を準備しておいて・・・。」それが何を意味するか察した王女は頷く。
謁見は暗殺する絶好のチャンスなのだ。
いざという時は刺し違える。
そして王女を逃がす。
ユウトはそう思った。
「ようこそ。レミア王女殿下。それに勇者殿。」
魔皇帝は女だった。
結構でかい。
身長10メートルはあるかもしれない。
勇者は密かに絶望する。
彼女の前までに想像を絶する量の魔法術式が組み込まれている。
自爆攻撃を含め、いかなる攻撃をも防ぐことが出来る量だった。
そして、それ以上に驚愕する事実があった。
今、彼女が話したのは日本語だった。
「ん。」
彼女は動きを止めたかと思うと、体が開いた。
それはもうパカっと。
まるで某シュワルツェネッガー主演の映画みたいにだ。
いや、むしろ某モビルスーツと言った方が正しいかもしれない。
そして中からセーラー服を着た少女が出てきて、飛行術式で飛び降りたのだった。
「改めて魔皇城へようこそ。レミア=カレルシア王女殿下。勇者の吉井悠人さん。」
「な・・・。」
「私は魔皇帝をやってます桜井美里といいます。よろしくお願いします。
ちなみに吉井先輩と同じ高校で一学年後輩です。」
「・・・に・・・日本人なのか?」
「魔皇と日本人の混血なんですよ。
先代の魔皇が夫婦そろって父方の実家の佐賀市に引きこもっちゃいまして。」
自分の地元は魔皇の巣窟だった?と勇者はさらに愕然とした。
「私が統治してるわけです。」
そういいながら彼女は右手を挙げた。
テーブルが出現し、侍従が茶を持ってきた。
「まあ、座って下さいな。」
抵抗する気も失せた2人は大人しく席につく。
お茶請けにはカステラなどが入っていた。
この世界には存在しないお菓子である。
「まず、レミア王女殿下に言わなければならないことがあります。
あなた方の王制は解体されました。」
「父上や母上も処刑されたということですか?」
「いいえ。象徴になっていただきます。詳しくは勇者殿にお尋ねになってください。
象徴天皇制を知ってるはずですので。」
「それは日本の・・・。」
「そうです。何だかんだ言って一番なじみ深いですからね。
まあ、私は魔皇帝として絶対の力を持ってないといけませんが。」
そういって一息ついた彼女はさらに言った。
「民主主義を導入し、奴隷制度を全廃します。金本位制に基づいて資本主義を導入させていただきます。」
「私どもの国はすでに負けてしまっていて、異論を挟めるはずもございません。」
レミア王女は深く頭を下げて言った。
「しかしながら我が民は苦しんでいる事でしょう。どうかよしなに。」
「ご安心を。勇者殿の故郷でもありますが、父方の国は戦争の荒廃からわずかな期間で大国に返り咲きました。きっとあなた方の国もそうなるでしょう。」
「ユウトの国・・・。」レミア王女はユウトを見た。
彼はまだ動揺している。
「陛下。お願いがございます。」
意を決したらしく王女は言った。
「何でしょう?」
「私はその国を見てみたいと思います。」
「王女!?」ユウトは我に返って王女を見た。
「なるほど、それもいいかも知れませんね。」美里は愉快そうに同意する。
「吉井先輩はどう思われますか?」
いろいろと悩んだあげく、彼は首を縦に振った。
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