魔王はお帰り下さい

くろやん

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1,勇者の帰還とストーカー魔王

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自分を包んでいた淡い光が晴れ渡る。
ここは俺の部屋だ。
やっと帰ってきたのだ。
本当に大変だった。
勇者として異世界召喚されたかと思ったら、裏切られて殺された1回目。
魂が時間遡行して召喚直後からやり直し出来て、ちょうど良い機会だったから裏切った奴を粛清してOSHIOKIしまくり、国ごとぶっ潰して帝国を建設した2回目。
魔王にストーカーされぶっ飛ばしてきた3回目。
その後も何回かその世界で転生した。
異世界召喚と異世界転生の※エンドレスエイトに危機感を覚え、神に肉体的お願い()してやっと地球に帰ることが出来たのだ。
自慢では無いが、異世界系ラノベの要素を全て網羅したんじゃ無いだろうかと思う。
何だかんだ言いながら、あの世界には1000年ほど関わったような気がする。
まあ、2回目の人生で建国した帝国が、長続きしているようでなによりだった。
ちなみにその帝国の名は、大日本帝国にしてやった。もちろん本家本元とは何の関係もない。

※エンドレスエイト:涼宮ハルヒ・シリーズより

神いわく、異世界召喚された時点に戻れているはずである。
「・・・・て、まてまてまてまて!!!!!」
異世界召喚される前は確かに男だった。
が、今、鏡の中にいる女は何だ!?
3回目の人生で、あのクソ魔王にストーカーされまくった女勇者じゃないか!?(自分だけど)
つまり、3度目の人生の体で地球に帰還したのだった。

その時、部屋に入ってきた者がいた。
「・・・・・。」
「・・・・あ・・・歩・・・・?」
有坂歩、俺の妹である。
歩は不審そうにしている。
ああ、そりゃ不審がるだろう。
兄貴の部屋にボンキュボンの銀髪美女がいるのだから。
勇者ルクシア・フォル・アムレシア・・・・・3度目の人生の俺である。
あのクソバカストーカー魔王に呪いみたいなのをかけられた人生だった。

その呪いというのも非常に腹立たしい。
自分の物になるまで、自分とは異性に生まれ変われっていうものだった。
つまり奴が男だった場合は、俺は女に。
奴が女だった場合、俺は男に。って具合だ。(もちろん、後でボコっておいた)
生まれ変わりを幾度か経験するうちに、蓄積された魔法技術によってその呪いを解呪することに成功したはずだったのだが・・・・・。
何で俺はこの姿なのだろう?
そう結構、混乱している俺だったが、ここで意外な事を妹様が言ったのだった。
「何をしてらっしゃるの?忍お姉様?」
「は?何言ってんの?お前。俺はお前の兄貴だろうが。」
「は?」歩はますます不審そうにした。
「・・・忍お姉様?熱でもありそうですわね。」そう言って歩は混乱する俺に近づいて額に手を当てる。
「は?」
「熱は無いみたいだけど・・・・。」そう言いながら歩は俺を無理矢理ベッドに寝かせる。
「今夜はもうお休みになってください。」
そう言いながら歩は部屋の電気を消し出て行った。

解せぬ。
何?あの妹。
お姉様?
紅●薇様(ロサ・キ●ンシス)かっての。
無意識だったらしい。魔法を発動させて灯りを灯す。
そしてふと、魔法も使えることに気が付くのだった。
意を決した俺は現状を把握するためステータスを開く。

       有坂 忍(ありさか しのぶ)
           17歳 ♀
       私立ルクシア学園高等部生徒会長 
       尊称「白銀のソリスト」

       魔法レベル:2987
             属性:水火風土無属性重力時空
       多重転生者
       異世界版大日本帝国初代皇帝 アレイサカール・シノブ・アムレシア
       白銀の勇者
                   魔王から愛されし者 

「白銀のソリスト」(笑)
我ながら中二にも程がある尊称だな。
それになんで俺の前世の名前が学校名になってる?
分からん事だらけだ。

その日の晩。
夢を見た。
女としての有坂忍の今までの人生を。
ひとつだけ分かったことがある。
この世界は限りなく元の世界に近いが、別の世界線らしいことを。

ある意味、別世界の俺に異世界転生したことになるのかね?これ。
朝起きて一番に思い至ったことはそれである。
体はかつての俺じゃなく、非常・・に思い出深い3度目の転生の時の白銀の勇者のままだった。
にも関わらず、妹は自分の姉と認識しているようだった。
かつての自分の時はしがない1軒屋だったはずなのに、家は大金持ちらしく、豪邸になっていた。
もっとも帝国初代皇帝の時に、散財させるつもりで徳川家康の真似をして全ての豪族に命じて作らせた城はもっとすさまじいものだったが

これもパラレルワールドだからだろう。
親父もお袋も遠い記憶にある通りだったが、自分の銀髪を見ても何も言わなかった。
余計な波風も立てるのもアレなので、こちらも何も突っ込みたくは無かったんだよ。
家族が一同に集まり朝食となった。
おかしいなあ。俺は朝飯は抜きで学校に行ってたんだよ。
この世界の俺は健康的な生活をしてきたらしい。
その記憶に引きずられた格好になるが、ともかく俺も席につく。

「大丈夫なのか?君の様子が変だったと聞いたが。」
親父のその心配そうな言動に吹き出しそうになる。
全くもってガラにもない。
遠い記憶のかつて男だった頃の俺の親父は脳筋だったはずである。

「はい。大丈夫ですわ。お父様。」
無難にそう答える。
「実は学校に行く前に君に紹介したい人がいてだね。」やや不機嫌そうに親父は行った。
「まだ、婚約者とか早いと思うのだが。」
「ということは婚約者を紹介したいのですか?お父様。」
「ああ。入りたまえ。」
親父はそう言うとドアから入ってきた男がいた。
その時、俺は瞬間的に間合いをつめていた。
はっきり言って人の能力を完全に超越していた。
「お久しぶりですお嬢様。私があなたのふぃえうろば。」

奴は最後まで言い切ることが出来ずに俺にぶっ飛ばされる。
両親や妹やメイドさんたちは呆然としたが、俺はぶっ飛ばされて倒れてたそいつのエリをつかんで引きずりあげて言った。

「魔王!!!!!!てめえ!!!!」

客観的に見れば今の自分の体格的にはこんな真似は不可能である。
だが魔法で強化すれば話は別だ。
「ひさしぶりだな。嬉しそうでなにより。」魔王はキラキラとした表情でいった。
ちょっとブチッと切れる。
「・・・・・。」
「あれ?軽い冗談なのだが?」
魔王の戯れ言を軽く聞き流しながら、無限収納からすらりとした剣を取り出す。
これこそかつて白銀の勇者ルクシア・フォル・アムレシアが使っていた代物である。
勇者と魔王の最終決戦を異空間で行った。
後にそれは『神魔戦争』と呼ばれ伝説となった。

「まて!こんな所で神魔戦争を再現する気か!?」
魔王は慌てていった。
「ここは地球だぞ!?地球!まともにやったら滅びるぞ!マジで!」
そこまで言われてふと回りを見回した。
あ然としてる家族やメイドさんたちがいる。
もしかしてやらかした?
あー、どう言い訳するかなあ。
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