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ルシューランにて
ハーノパル
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先に来た男がつけたのだろう、壁面の燭台に並ぶローソクに火が灯されていた。塔の中は気まぐれに空いた窓があるものの、やはり夜なので光が入ってくることもなく、足元より下は暗闇に染まっている。
「落ちたら一溜まりもないだろうな」
カルが不気味なことを呟く。
「やめてよ、ちょっと想像しちゃったじゃないか」
「わっ、わるい」
大袈裟に口を覆う。
「それにしても、中にも階段があるとは思ってなかった」
下へと伸びる螺旋階段が光が届かなくなったところから闇に吸い込まれるように途切れている。どこまで続いているのか定かではないが、二人が立つ場所より下の燭台にはまともなローソクが置かれていないことからして、しばらく使われてはいないのだろう。欠けたローソクが燭台の上で散っている。
「この階段は外のと何が違うんだろう」
「さぁな」
特に考える様子もない声が返ってきたので、見るとカルはさっさと上り始めていた。
二つの影は揺れながら上へと上って行く。足をつく度澄みきった音が響いて塔の壁に溶けていく。たまに頭の高さに現れる窓はどれも木の板で蓋がされ、風が入ってくるのを防いでいた。そのせいか上へ行くにつれ、炎の揺れもだんだんと収まり安定した暖色系の明かりを供給し続けていた。同じ景色と暖かな雰囲気の光にだんだんと心は緩み、瞼がその存在を感じさせ始める。
しばらく上ると入り口とよく似た木製の扉が目の前を塞いだ。隙間からはローソクとは対照的な白い光が漏れ出ており、向こうには人の気配もする。この向こうに男はいる。
「いくぞ」
カルが扉を引く。ギィと音をたてて思ったより重みのある扉が開いた。
最初に目に飛び込んできたのは狭い部屋いっぱいに描かれた魔方陣。どうやら床に彫り込んであるようで、影の落ちた溝がその相貌を黒く浮かばせる。
部屋のどこにも階段がないことから見てここが最上段だろう。天井がやけに高く、上を見ると先に向かって更に狭くなり、天辺は銀の縁取りの円い天窓が塞いでいる。
「誰だ」
魔方陣の奥にある男の背が低く唸るような声を発した。しゃがんでいたので気がつかなかったが男は魔方陣から顔を上げるとすぐのところにいた。男の前にある、楽器だろうか。たくさんの鍵が平面上に半楕円形を描くように並び、音を通すためのものと思われる幾つもの金属製のパイプが束状に伸びた大きな機械が厳かな雰囲気と共にたたずんでいる。
機械の箱形の部分、鍵より下の土台のような場所をのぞき込んでいる男は何やら作業をしているようだ。壁が外され、中の歯車が幾つか側に転がっている。隙間からうかがえる機械内部は、上に伸びたパイプの先端が収まっており、その下にはピストンがそれぞれについている。
「あっ、怪しい者ではないです」
サリュがいかにも怪しい言葉を口にする。
「その、広場で貴方のことを見かけたので、何を焦っていらっしゃるのかなぁと思いまして。勝手に入ってしまったことは謝ります。でも、何か手伝えることはありませんか?」
「退け、そこにいられると邪魔だ」
「でも、」
「違う、魔方陣の上から退けと言ってるんだ」
あぁ、なんだ。そんな顔をしてサリュは引き下がる。魔方陣の届かない部屋の隅へと移動し、その後も追い出される気配はないので少しの間様子を見てみる。
「いや、ここはこうで、、繋がって、、、」
ぶつぶつと呟きながらレンチを振り回しパイプを叩いている姿は壊そうとしているようにも見えなくはない。
そんな作業を見ながら、特に面白いこともなくぼんやりと待っていると
「で、何の用だって?」
終わったのか腰を叩きながら立ち上がった男がこちらを振り返った。
「何か手伝いたいです」
「報酬ありで」
抜けていた箇所をカルが補い要点を伝えると男はじろじろと二人を頭から爪先まで観察し、ため息と共に言葉を吐き出した。
「お前達には無理だ」
再び機械へ向き直りぶつぶつと独り言を始める。
「何かないのかよ、何でもするよ。おっさん困ってたんじゃないのか」
「、、、」
返事はない。答える気がないということか。少し待ったということもあって手ぶらで帰るのは抵抗があった。
「見たところまだ治っていませんね」
サリュの言葉に男の呟きが止まる。首だけでこちらを振り返り、横目で睨むように見上げてくる。
「先程から同じ場所を叩いてばかりです。そこ、手を置いてある場所はもう三回目でしょうか」
男は不満げな声をあげる。
「お前に何がわかる」
男に若干の微笑みを返しながらサリュは言葉を続けた。
「原因は別の場所にある。それも貴方にはどうしようもないところに。僕らに話してみませんか、報酬さえいただけるなら僕らは何でも」
どうでしょう? と小首を傾げる。男は黙ったまま、二人の隙間に視線の先を置き固まった。
静止画のように止まってしまった息のつまる環境に我慢ができなくなった頃、それほど時間も経っていなかったろうが男が口を開いた。
「石だ」
その口から飛び出た言葉はどうも状況とは噛み合わない。カルが眉を潜める。
「石?」
「石だ。それも、大きいのがな」
「石ってなんだよ」
「魔鉱石だ」
そんなことも知らないのかとでも言いたげに面倒くさそうに答える。疲れたのかこちらに回していた上半身を戻し背中で向き合う。
カルは男の少し気にさわる言い方に口調が尖ることを感じながらも押さえられない。
「なんで魔鉱石が」
「この機械は魔鉱石を動力としているんですね」
サリュがカルの質問に答えるように男に問う。気を使っているのだ。面倒そうな振る舞いの男に簡単な返事で返せるように。
「機械じゃない、ハーノパルだ」
男は食い気味に叫んだ。
「ハーノパルとは?」
「この塔の名だ。この塔自体が楽器なんだよ」
「へぇ、楽器ですか」
「まぁ、そうは言っても高い場所に本体を置くためのものだからほとんど土台と言っても差し支えないが」
「ではこの楽器自体には名前がないということですか」
「あぁ、そうだ。いちいち聞くな」
男がまた黙ろうと口を閉じるのをカルは見逃さなかった。
「それで、魔鉱石がどうしたんだよ」
ため息代わりの鼻息が聞こえた。
「効力が切れた。それだけだ」
なげやりな、諦めたような言い方。男の言葉にサリュは不思議そうな顔をした。
「この部屋の明かりは魔鉱石のようですが」
確かにこの部屋に入った瞬間から光の種類は変わっていた。空間に溶け込む白い光。もの本来の色を引き出し、けして主張しない魔鉱石特有の光。この部屋には計五つの拳大の魔鉱石が設置されている。それらをローソクに置き換えて集めれば、大きなひとつには敵わないにせよそこそこのエネルギーを得られるのではないだろうか。
「駄目だ、大きさが足りん。力不足だ」
「そんなにも強い魔力が?」
「最低でもそこにあるものの六つ分は大きさのあるものでないと、そもそも型にはまらない」
男は燭台のひとつを指差した。カルの瞳はそれを映し爛々と輝く。魔鉱石は通常の石より比較的軽いため、その大きさであればまだ荷物に入れて運ぶこともできる。
「じゃあその魔鉱石を━━━━」
「必要ない!」
カルの言葉は男に遮られた。
「何でだよ」
カルの声が僅かに苛立ちを含み揺れる。
「お前らの力なんぞ借りなくとも発注すれば商人が持ってくるだろう。それで終わりだ。お前らに仕事なんてない」
男はレンチを握り直し、また新たなネジを外しにかかる。
「俺達じゃ不満か」
商人に頼めば十日、もしくはそれ以上かかるだろう。塔の異変に一目散に駆け出した男にしては暢気なことを言っているように思えた。二人に任せればもっと早く手に入る。それなのにそうしない理由はいったい何か。
「仕事なんて町に降りれば幾らでもあるだろう。他を当たれ」
「落ちたら一溜まりもないだろうな」
カルが不気味なことを呟く。
「やめてよ、ちょっと想像しちゃったじゃないか」
「わっ、わるい」
大袈裟に口を覆う。
「それにしても、中にも階段があるとは思ってなかった」
下へと伸びる螺旋階段が光が届かなくなったところから闇に吸い込まれるように途切れている。どこまで続いているのか定かではないが、二人が立つ場所より下の燭台にはまともなローソクが置かれていないことからして、しばらく使われてはいないのだろう。欠けたローソクが燭台の上で散っている。
「この階段は外のと何が違うんだろう」
「さぁな」
特に考える様子もない声が返ってきたので、見るとカルはさっさと上り始めていた。
二つの影は揺れながら上へと上って行く。足をつく度澄みきった音が響いて塔の壁に溶けていく。たまに頭の高さに現れる窓はどれも木の板で蓋がされ、風が入ってくるのを防いでいた。そのせいか上へ行くにつれ、炎の揺れもだんだんと収まり安定した暖色系の明かりを供給し続けていた。同じ景色と暖かな雰囲気の光にだんだんと心は緩み、瞼がその存在を感じさせ始める。
しばらく上ると入り口とよく似た木製の扉が目の前を塞いだ。隙間からはローソクとは対照的な白い光が漏れ出ており、向こうには人の気配もする。この向こうに男はいる。
「いくぞ」
カルが扉を引く。ギィと音をたてて思ったより重みのある扉が開いた。
最初に目に飛び込んできたのは狭い部屋いっぱいに描かれた魔方陣。どうやら床に彫り込んであるようで、影の落ちた溝がその相貌を黒く浮かばせる。
部屋のどこにも階段がないことから見てここが最上段だろう。天井がやけに高く、上を見ると先に向かって更に狭くなり、天辺は銀の縁取りの円い天窓が塞いでいる。
「誰だ」
魔方陣の奥にある男の背が低く唸るような声を発した。しゃがんでいたので気がつかなかったが男は魔方陣から顔を上げるとすぐのところにいた。男の前にある、楽器だろうか。たくさんの鍵が平面上に半楕円形を描くように並び、音を通すためのものと思われる幾つもの金属製のパイプが束状に伸びた大きな機械が厳かな雰囲気と共にたたずんでいる。
機械の箱形の部分、鍵より下の土台のような場所をのぞき込んでいる男は何やら作業をしているようだ。壁が外され、中の歯車が幾つか側に転がっている。隙間からうかがえる機械内部は、上に伸びたパイプの先端が収まっており、その下にはピストンがそれぞれについている。
「あっ、怪しい者ではないです」
サリュがいかにも怪しい言葉を口にする。
「その、広場で貴方のことを見かけたので、何を焦っていらっしゃるのかなぁと思いまして。勝手に入ってしまったことは謝ります。でも、何か手伝えることはありませんか?」
「退け、そこにいられると邪魔だ」
「でも、」
「違う、魔方陣の上から退けと言ってるんだ」
あぁ、なんだ。そんな顔をしてサリュは引き下がる。魔方陣の届かない部屋の隅へと移動し、その後も追い出される気配はないので少しの間様子を見てみる。
「いや、ここはこうで、、繋がって、、、」
ぶつぶつと呟きながらレンチを振り回しパイプを叩いている姿は壊そうとしているようにも見えなくはない。
そんな作業を見ながら、特に面白いこともなくぼんやりと待っていると
「で、何の用だって?」
終わったのか腰を叩きながら立ち上がった男がこちらを振り返った。
「何か手伝いたいです」
「報酬ありで」
抜けていた箇所をカルが補い要点を伝えると男はじろじろと二人を頭から爪先まで観察し、ため息と共に言葉を吐き出した。
「お前達には無理だ」
再び機械へ向き直りぶつぶつと独り言を始める。
「何かないのかよ、何でもするよ。おっさん困ってたんじゃないのか」
「、、、」
返事はない。答える気がないということか。少し待ったということもあって手ぶらで帰るのは抵抗があった。
「見たところまだ治っていませんね」
サリュの言葉に男の呟きが止まる。首だけでこちらを振り返り、横目で睨むように見上げてくる。
「先程から同じ場所を叩いてばかりです。そこ、手を置いてある場所はもう三回目でしょうか」
男は不満げな声をあげる。
「お前に何がわかる」
男に若干の微笑みを返しながらサリュは言葉を続けた。
「原因は別の場所にある。それも貴方にはどうしようもないところに。僕らに話してみませんか、報酬さえいただけるなら僕らは何でも」
どうでしょう? と小首を傾げる。男は黙ったまま、二人の隙間に視線の先を置き固まった。
静止画のように止まってしまった息のつまる環境に我慢ができなくなった頃、それほど時間も経っていなかったろうが男が口を開いた。
「石だ」
その口から飛び出た言葉はどうも状況とは噛み合わない。カルが眉を潜める。
「石?」
「石だ。それも、大きいのがな」
「石ってなんだよ」
「魔鉱石だ」
そんなことも知らないのかとでも言いたげに面倒くさそうに答える。疲れたのかこちらに回していた上半身を戻し背中で向き合う。
カルは男の少し気にさわる言い方に口調が尖ることを感じながらも押さえられない。
「なんで魔鉱石が」
「この機械は魔鉱石を動力としているんですね」
サリュがカルの質問に答えるように男に問う。気を使っているのだ。面倒そうな振る舞いの男に簡単な返事で返せるように。
「機械じゃない、ハーノパルだ」
男は食い気味に叫んだ。
「ハーノパルとは?」
「この塔の名だ。この塔自体が楽器なんだよ」
「へぇ、楽器ですか」
「まぁ、そうは言っても高い場所に本体を置くためのものだからほとんど土台と言っても差し支えないが」
「ではこの楽器自体には名前がないということですか」
「あぁ、そうだ。いちいち聞くな」
男がまた黙ろうと口を閉じるのをカルは見逃さなかった。
「それで、魔鉱石がどうしたんだよ」
ため息代わりの鼻息が聞こえた。
「効力が切れた。それだけだ」
なげやりな、諦めたような言い方。男の言葉にサリュは不思議そうな顔をした。
「この部屋の明かりは魔鉱石のようですが」
確かにこの部屋に入った瞬間から光の種類は変わっていた。空間に溶け込む白い光。もの本来の色を引き出し、けして主張しない魔鉱石特有の光。この部屋には計五つの拳大の魔鉱石が設置されている。それらをローソクに置き換えて集めれば、大きなひとつには敵わないにせよそこそこのエネルギーを得られるのではないだろうか。
「駄目だ、大きさが足りん。力不足だ」
「そんなにも強い魔力が?」
「最低でもそこにあるものの六つ分は大きさのあるものでないと、そもそも型にはまらない」
男は燭台のひとつを指差した。カルの瞳はそれを映し爛々と輝く。魔鉱石は通常の石より比較的軽いため、その大きさであればまだ荷物に入れて運ぶこともできる。
「じゃあその魔鉱石を━━━━」
「必要ない!」
カルの言葉は男に遮られた。
「何でだよ」
カルの声が僅かに苛立ちを含み揺れる。
「お前らの力なんぞ借りなくとも発注すれば商人が持ってくるだろう。それで終わりだ。お前らに仕事なんてない」
男はレンチを握り直し、また新たなネジを外しにかかる。
「俺達じゃ不満か」
商人に頼めば十日、もしくはそれ以上かかるだろう。塔の異変に一目散に駆け出した男にしては暢気なことを言っているように思えた。二人に任せればもっと早く手に入る。それなのにそうしない理由はいったい何か。
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