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三
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夢を取り替えるという呪いの話は他言できません。呪いは他人に言うと効力をうしなうと言われておりますし、真面目なキリスト教徒はこういったことに手出しするべきではない、という教育を受けていたからでございます。
「いいえ、あれはルビーじゃないわ。ルビーとダイヤモンドを間違えたりするものですか。あれはダイヤモンドよ。あんな娘が持つにはふさわしくないぐらい上等なものだったわ。きっと盗品よ!」
憤然とフランセスカが言い放ちます。
「あの……、聞いてみます。マリアさんの言うとおり、誰かからもらったものだということもあり得ますので」
ルシアのことを疑いたくなかったわたくしは、マリアの言葉をふりかざしてみました。
せっかく親しみを覚えたルシアを泥棒だとは思いたくありませんし、なにより、そんなことになれば、彼女に声をかけ、形の上で身元引き受け人になったわたくし自身の立場もこまったものになってしまいます。
「盗んだに決まっているわ。あんなダイヤモンドを与えられるほどの親なら、子どもを手ばなすことなんてないじゃない?」
せせら笑うフランセスカに、ベアトリックスがなだめるように言いました。
「何か理由があったとか? たとえば、裕福な女性の不倫でできた子で側に置いておくことが出来ないとか。ぎゃくに貴族の父親がよその女に産ませた子だとか」
一瞬、全員黙り込んでしまいました。
たしかに貴族の男や女があやまちから身分の低い相手とのあいだに子を成すということはどこの国でもよくあることでございました。
夫がよその女とのあいだにもうけた子なら庶子としてその愛人のもとで育てることはよくございまして、その場合は我が子とは呼ばず甥・姪と言葉をにごして、世間に伝えるものでございます。妻が別の男とのあいだにもうけた子は、表向きは夫の子として育てるか、それが無理なら人知れず養子に出すか修道院にあずけたりすることも珍しくはありません。
「いいえ、あれはルビーじゃないわ。ルビーとダイヤモンドを間違えたりするものですか。あれはダイヤモンドよ。あんな娘が持つにはふさわしくないぐらい上等なものだったわ。きっと盗品よ!」
憤然とフランセスカが言い放ちます。
「あの……、聞いてみます。マリアさんの言うとおり、誰かからもらったものだということもあり得ますので」
ルシアのことを疑いたくなかったわたくしは、マリアの言葉をふりかざしてみました。
せっかく親しみを覚えたルシアを泥棒だとは思いたくありませんし、なにより、そんなことになれば、彼女に声をかけ、形の上で身元引き受け人になったわたくし自身の立場もこまったものになってしまいます。
「盗んだに決まっているわ。あんなダイヤモンドを与えられるほどの親なら、子どもを手ばなすことなんてないじゃない?」
せせら笑うフランセスカに、ベアトリックスがなだめるように言いました。
「何か理由があったとか? たとえば、裕福な女性の不倫でできた子で側に置いておくことが出来ないとか。ぎゃくに貴族の父親がよその女に産ませた子だとか」
一瞬、全員黙り込んでしまいました。
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