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一章 第一部
一章 第一部 魔法解説
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「そうですね…… 先ほどの時雨さんのあれは、まあ、簡単に言うと『魔法を覚えた』っていう行為なんですよ」
「……? でも、そんな感じは全くしなかったぞ? 僕は石を普通に受け取って、普通に投げ返したつもりだったんだけどな」
「……ま、何かを覚えるなんて大体そんな感じですよ。魔法は覚えられるスピードが異様に早いからそう感じるだけです」
僕の心からの疑問に、アヌビスはあっけらかんと答えた。
分かるような…… 分からないような……
「そんなことよりも時雨さん、せっかくの機会ですし、この世界の魔法、ちょっと体験しておきますか?」
確かに…… 正直、『魔法』という単語には心が躍る。
それが今覚えられるのなら、教えてもらっておいた方がいいだろう。
「よっしゃ! 教えてくれ。この世界にはどんな魔法があるんだ?」
努めて柊のことを意識し、冷静に振る舞おうとしたつもりだったが、全然駄目だった。
「は…… はい…… だったらまずは基本の種類からです!」
僕の予想以上の食いつきにアヌビスは若干後ろに身を引いたが、それでも楽しそうに口を開いた。
「魔法には大まかに三つの種類があります。えっと…… 『攻撃系魔法』と『治癒系魔法』と『強化系魔法』ですね。ま、大体想像はついてると思いますが、代表的なのを説明すると、相手にダメージを与えるものが『攻撃系魔法』、筋肉的疲労や精神的疲労、身体の傷の治癒を早めたりするのが『治癒系魔法』、身体能力を高めるのが『強化系魔法』ですね。ちなみに治癒系魔法を覚えている冒険者はまずいません。詠唱に時間がかかるので、町の安全な部分でポーションでも造っていた方がいいんですね。あとは……種族的な固有魔法ですかね。 時雨さんはデュラハンなので、『死の宣告』とかがいい例でしょうか。
他にも、『契約魔法』などの例外もありますが…… 今はいいです」
そこでアヌビスは言葉を句切り、僕の顔を見つめてくる。
どうやら質問を待っているようだった。
ふむ…… 何が分からないかすら分からないこの状況で何を質問すればいいのかは知らないが…… それでも強いて言うならば……
「なあ、新しい魔法を創り出すのは可能なのか? 代表的なのだと…… 炎属性っぽい魔法と雷っぽい魔法を組み合わせてみたりとか……」
「え…… ああ…… できることには…… できます。ただちょっと難しいというか、なんというか……」
「あまりおすすめはしない、と?」
言葉を濁すアヌビスに、僕はしっかりと確認する。
無理、か。してみたいことはあったが、駄目なのなら仕方が無い。
既存の魔法で我慢しよう。
「じゃあアヌビス、僕にも最低限の魔法、教えてくれよ。さっきの『ストップ』って唱えてたの、練習にいるからさ」
「ふむ…… そうですね…… ちょっと待ってください」
アヌビスは少し悩んだ後、僕にそう言い残すと、何かを風呂敷から探し始めた。
「……? でも、そんな感じは全くしなかったぞ? 僕は石を普通に受け取って、普通に投げ返したつもりだったんだけどな」
「……ま、何かを覚えるなんて大体そんな感じですよ。魔法は覚えられるスピードが異様に早いからそう感じるだけです」
僕の心からの疑問に、アヌビスはあっけらかんと答えた。
分かるような…… 分からないような……
「そんなことよりも時雨さん、せっかくの機会ですし、この世界の魔法、ちょっと体験しておきますか?」
確かに…… 正直、『魔法』という単語には心が躍る。
それが今覚えられるのなら、教えてもらっておいた方がいいだろう。
「よっしゃ! 教えてくれ。この世界にはどんな魔法があるんだ?」
努めて柊のことを意識し、冷静に振る舞おうとしたつもりだったが、全然駄目だった。
「は…… はい…… だったらまずは基本の種類からです!」
僕の予想以上の食いつきにアヌビスは若干後ろに身を引いたが、それでも楽しそうに口を開いた。
「魔法には大まかに三つの種類があります。えっと…… 『攻撃系魔法』と『治癒系魔法』と『強化系魔法』ですね。ま、大体想像はついてると思いますが、代表的なのを説明すると、相手にダメージを与えるものが『攻撃系魔法』、筋肉的疲労や精神的疲労、身体の傷の治癒を早めたりするのが『治癒系魔法』、身体能力を高めるのが『強化系魔法』ですね。ちなみに治癒系魔法を覚えている冒険者はまずいません。詠唱に時間がかかるので、町の安全な部分でポーションでも造っていた方がいいんですね。あとは……種族的な固有魔法ですかね。 時雨さんはデュラハンなので、『死の宣告』とかがいい例でしょうか。
他にも、『契約魔法』などの例外もありますが…… 今はいいです」
そこでアヌビスは言葉を句切り、僕の顔を見つめてくる。
どうやら質問を待っているようだった。
ふむ…… 何が分からないかすら分からないこの状況で何を質問すればいいのかは知らないが…… それでも強いて言うならば……
「なあ、新しい魔法を創り出すのは可能なのか? 代表的なのだと…… 炎属性っぽい魔法と雷っぽい魔法を組み合わせてみたりとか……」
「え…… ああ…… できることには…… できます。ただちょっと難しいというか、なんというか……」
「あまりおすすめはしない、と?」
言葉を濁すアヌビスに、僕はしっかりと確認する。
無理、か。してみたいことはあったが、駄目なのなら仕方が無い。
既存の魔法で我慢しよう。
「じゃあアヌビス、僕にも最低限の魔法、教えてくれよ。さっきの『ストップ』って唱えてたの、練習にいるからさ」
「ふむ…… そうですね…… ちょっと待ってください」
アヌビスは少し悩んだ後、僕にそう言い残すと、何かを風呂敷から探し始めた。
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