イケメンエリート、愛に跪く【イケメンエリートシリーズ第三弾】

便葉

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Rescue2 過去は捨てようか

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 今はネットで何でも見れるという便利な時代になっている。
 舟のEOCはIT関連事業として、映像ストリーミング配信も手掛けていた。世界的に有名なアメリカの映像ストリーミング配信会社は、今、三社に絞られている。その三社に、追いつけ追い越せとEOCの配信事業は飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進していた。


「Canhuuという映像配信コンテンツを知ってますか?」


 年寄りばかりの重鎮の中で、比較的若い局長だけが首を縦に大きく振る。


「そのCanhuuは僕達EOCが手掛けている動画配信サービスコンテンツです。
 大手の動画配信会社は、先進国のテレビ業界ともコラボレーションしている。 
 あなた方の会社ではないテレビ局も、優秀な人材がいるのでしょうね。
 そういう大手と手を組んでいる日本のテレビ局が二社ほどある」


 重鎮には少々難しい話かもしれないが、局長はちゃんと理解してくれているようだ。


「今回、僕達Canhuuは、コラボレーションする日本のテレビ局を探しています。
 日本に五社あるテレビ局で、もうすでに二社は他のコンテンツと契約を交わしているので、残り三社でCanhuuと手を組みたいと強く賛同してくれる社から選定していきたいと思っています」


 舟はもうこれ以上話す事はないと思っている。 
 Canhuuは、EOCの中で映像に興味がある人間が趣味で立ち上げた動画配信サービス事業と言っても過言ではない。そのメンバーの中にはあの凪も入っている。思った以上に規模が大きくなり、一つのちゃんとした個体事業として舟が代表に就任したばかりだった。


「興味がなければここで断って下さい。
 興味があれば、日本のドラマや映画を日本オリジナル作品として共同制作し配信していく考えなので、どういうプランをお持ちか、資料にして僕の方まで提出してください。
 期限は三日後とします。
 他のテレビ局にも同様の提案をしていきますので、そこはお間違いなく」


 局長はいつの間にか立ち上がっていた。 
 局長に釣られて他の重鎮も立ち上がる。


「高市様、是非ともわが社を一番に考えていただきたいと思っています。
 三日後、いやできるだけ早く、Canhuuと手がけたい映画やドラマの案を、そしてどういう形で共同制作をしていきたいか、高市様にご報告させていただきます」


 舟は日本独特の謙譲語や尊敬語にチンプンカンプンだ。 
 でも、祖父母がいつも丁寧な言葉を使ってくれていたせいで、少しは理解できた。


「じゃ、僕はこれで…」


 舟は要件だけを伝えるとその場を後にした。

 舟はビルの外に出ると時計を見た。 
 まだ愛が退社する時間まで、一時間ほどの時間がある。
 舟は車で待っているタロウに頼んで、高級アクセサリーの店に連れて行ってもらった。

 舟は愛の誕生日がクリスマスだった事を思い出した。舟の誕生日は八月一日で、その時期は舟はいつも日本に居て、祖父母と愛に果物がたっぷりのったケーキでお祝いしてもらったのを覚えている。


「私も夏に生まれればよかった。 
 そしたら舟君がいる時に一緒にお祝いできたのに」


 その時、僕はクリスマスが誕生日なんて素敵だよって言った記憶がある。
 クリスマスはとうの昔に過ぎているが、僕がいるこの二月の日本で、愛ちゃんの過ぎてしまった誕生日を一緒に祝ってあげたい。

 舟は小さなダイヤモンドがあしらわれたハートの形のネックレスを買った。 時期外れの誕生日プレゼントを愛が喜んでくれればいいのだけど…

 舟はまた愛の会社の入るビルまで急いだ。そして、車の中で愛にメッセージを送る。

“またあの公園の前で待ってる  
残業とかしないで、さっさと帰って来て”

 舟は車から降りて公園の入口で愛を待った。こんな他愛もない時間がとても素敵に思える僕は、やっぱり愛を失いたくない。
 こんなに執着の塊みたいな僕が僕自身の中にいたなんて本当に人生って不思議だ。






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