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第三章 運命の出会いとケモナー
塔の中
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鐘楼のある塔に入ると、不思議なことに外から見たよりも何倍も中が広くなっていた。
外からみた塔の大きさは普通の一軒屋程度の大きさだった。そこから繋がる王城へも繋がっていたから、そちらに抜けるもんだとおもったのだが、どうもエレス様の目的地である、父様の職場はこの塔内らしい。
吹き抜けの塔内では、どこからか風が入ってきているようで、肌寒い風を感じる。
上階に繋がる階段のそこかしこに扉があり、壁には窓が備え付けられ、その先にも部屋があるようだ。
ざっと見渡しても…五十人以上が塔内で仕事をしているみたいだ。部屋の中がどれほどの広さかはわからないが、外にいる人間だけでも、普通の塔内ではせまくなるだろうが、気にならならいほどだ。
「中が広いねー」
外よりも広いって…なんか魔法でもかかっているのか?
ふわふわと荷物や書類がそこかしこに浮かんでは、窓に飛び込んでいったり、扉が開いて入っていく。
時々、ポンっと軽い爆発音や異臭もする。
研究機関もかねているのだろうか?
エレス様が、ケルンの肩をたたいて指をさす。
「ほらぁ、あれを、みてごらんよぉ」
指差した先には塔の入り口でみかけた包帯を巻いている一団がいた。彼らは揃いのローブをはためかせ塔の中心へとむかっている。
「なにかあるんですか?」
怪我の治療にむかっているのだろうか?しかし、それが俺たちと関係があるとは思えないんだけど。
「凄いからぁ。ほら、始まったよぉ」
エレス様がそういうと、塔の中心へと彼らはたどり着いた。
次の瞬間、ガラスのような透明な壁が彼らを包み込み、そのまま浮き上がっていった。
もしかして、エレベーターか?
「すごーい!浮いてるよ!」
「ねぇ?凄いでしょぉ?原理はわからないんだけど、王城内の吹き抜けはみんなあんな風になってるんだよぉ。しかも、ちゃんと目的の扉の前まで運んでくれるんだよぉ、便利だよねぇ」
ケルンが喜んでいるが、確かに浮いているように見えるな。まぁ、高い所がダメな人間からすれば、地獄のような物だろうけど、どうもこの世界の人たちは空を飛ぶことに強い憧れがあるようだ。
飛行魔法もあるが、とても難しくて、満足に使えるのは五人も以内らしい。
本に書いてあったある逸話だが、飛行魔法を使って意中の相手とデートをした魔法使いがいるとか。モテポイントなんだろうな。
「わぁー!いいなぁ!僕も乗ってみたいー!」
いや、父様に会いにきたんだからな?まずは、父様に会うのが先だろ?
そして、ケルンもこういう飛んだりするのが嫌いじゃない。二階から投げられてからも、まったく恐怖を覚えることもなく、逆にペギン君で空が飛べると知ってから、ペギン君にお願いをしては、断られている。
案外、ペギン君は常識のある子なのかもしれない。
ケルンはすっかりあのお腹の痛みを忘れているからな。俺は遠慮したいのだ。
かわりに、果樹を採取するときに、ペギン君は大活躍をした。
最近、俺に対しては変に気を使っているが、わがままもいってくるようになったからか、ケルンがごねている。
「えー!お兄ちゃんも好きじゃないの?」
…興味はある。
「ほらぁ!乗っても」
「陛下!」
エレス様に尋ねてもしも上階なら乗せてもらえるか頼もうと思ったときに、前から急ぎ足でやたらと豪華な服をきた男性がやってきた。
金糸とかをあれほどすれば、重くなると思う。案の定、汗だらけだし。
「ちっ…めんどうなのがきた…何用であるか?」
エレス様が舌打ちをして、口調ががらりと変わった。にこにことした顔も今はきりっとしている。
「お探ししましたぞ!…これ、小間使い。王の御前で頭が高いぞ?控えよ!」
顔を振ったから、汗がびちゃっと床に飛び散っていった。すごく、汚いです。
で、小間使いって誰のことだ?ケルンのことをいってんのか?あ?そのヅラめくりとんぞ?
「お兄ちゃん…怒っちゃだめだよ?」
怒ってないぞ?ただ、暑そうだから脱がしてやろうとな。
開口一番の態度が気に入らない。
確かに王の御前でっていわれたら、そうだ。本当はひれ伏していないといけないし、まだ爵位を得ていないような子供では顔を合わせるなんてありえないだろう。
でもな、これだけはいいたい。
お前がいうな!
その豪華な服を汚したくないのか知らないけど、他の人が片膝をついて頭を下げている中で、堂々と頭をあげたままだ。
忙しそうに仕事をしていた人たちもエレス様に気づいてみな作業を止めて片膝をついていく。
「よいのだ。それと…みな、顔をあげ仕事に励め」
エレス様の言葉に片膝をついていた人は立ち上り少しペースを上げて動いている。
これ、絶対、この男のせいだよな…エレス様は正体を隠したかったのか、気付いた人がいてもなにもしないように、手で指示を出していたからな。
「陛下…このような小間使いにまで慈悲を与えるとはこのガネリアガル!感涙に」
「誰が口を開いてよいといった?余は一言足りとも許しておらぬ」
ガネリアガルとかいう男の表情の変化は一瞬だった。蒼白をこして、土色になっている。
「我が娘の婚約者候補に対しての無礼は余に対する侮辱である。ガネリアガル…頭が高いぞ、控えよ!」
「は、ははぁ!」
エレス様が、目を見開いてものすごい威圧をあてている。つられて他の人までも再度片膝をついてしまっていた。
気持ちはわかる。ケルンはやり方を聞いていなかったからできなかったが、おろおろしつつ、どうしようとエレス様をちらりとみる。
「ケルン君はいいんだよぉ…俺の将来の息子だものぉ」
よしよし、と頭をなでられていると、ガネリアガルや他にも何人かが信じれないといったように俺たちをみている。
「お、おそれながら陛下!」
汗を再度吹き出しながらガネリアガルがすがりつくようにエレス様に近づいてくる。
「ちっ…なんだガネリアガル。許可する、申せ」
「こ、婚約者候補とは!そこな子供が!」
「そうだ。まだ候補であるが、余も皇太后様や余の后も知っておる」
婚約者。誰が?って、ケルンが。
お茶のときとか冗談かと思ったけど、こんな人前で王様が話していいことじゃないだろ!
いや、でも…候補だってことだし、貴族の婚約とかあってないもんだろ。
リディ様はわかるが、ミケ君とメリアちゃんのお母さんとは会っていないな。どんな人なんだろうか?サナギッシュ出身だってことだから…二人はどちらかというとエレス様と目元が似ているけど、残りが王妃様なのかな?
「わ、私の息子はどうなるのですか!?」
ガネリアガルがそう叫ぶ。
は?メリアちゃんの婚約者の相手だったりするのか?いやいや…それなら、父様を全力で説得してガチでケルンを婚約者にさせる所存だぞ?ん?
「貴様の息子と我が娘は二十ほど離れていたが?」
「お、王族と貴族では珍しくないはずですぞ!」
あ、父様を全力で説得しよう。大丈夫。ちょっと思考加速して、母様に頼んで、他の家族も説得してしまえばいいんだろ?
ケルンによい案を渡すぐらい余裕だ。
「忠臣ならばそれもよかろう」
「でしたら!」
「貴様が忠臣…ならばな…」
エレス様はひどく冷たい目でガネリアガルを睨み付けた。
「わ、私は」
「ちょうどよい。婚約者候補の父上と話がある。貴様も同席せよ」
「か…かしこまりました…」
ガネリアガルがそういうと、エレス様は再びケルンをなではじめた。
あ、わかった。こう、目をスッと細めたときはミケ君そっくりだ。
「ミケ君のお父さんだから、似てるねぇーかっこいいー」
「うれしいことをいうねぇ…先生に頼んで本当に息子にしよぉ」
温度差が激しい人だ。
・・・・・・・・・・・・・・・
もう一話あげます
外からみた塔の大きさは普通の一軒屋程度の大きさだった。そこから繋がる王城へも繋がっていたから、そちらに抜けるもんだとおもったのだが、どうもエレス様の目的地である、父様の職場はこの塔内らしい。
吹き抜けの塔内では、どこからか風が入ってきているようで、肌寒い風を感じる。
上階に繋がる階段のそこかしこに扉があり、壁には窓が備え付けられ、その先にも部屋があるようだ。
ざっと見渡しても…五十人以上が塔内で仕事をしているみたいだ。部屋の中がどれほどの広さかはわからないが、外にいる人間だけでも、普通の塔内ではせまくなるだろうが、気にならならいほどだ。
「中が広いねー」
外よりも広いって…なんか魔法でもかかっているのか?
ふわふわと荷物や書類がそこかしこに浮かんでは、窓に飛び込んでいったり、扉が開いて入っていく。
時々、ポンっと軽い爆発音や異臭もする。
研究機関もかねているのだろうか?
エレス様が、ケルンの肩をたたいて指をさす。
「ほらぁ、あれを、みてごらんよぉ」
指差した先には塔の入り口でみかけた包帯を巻いている一団がいた。彼らは揃いのローブをはためかせ塔の中心へとむかっている。
「なにかあるんですか?」
怪我の治療にむかっているのだろうか?しかし、それが俺たちと関係があるとは思えないんだけど。
「凄いからぁ。ほら、始まったよぉ」
エレス様がそういうと、塔の中心へと彼らはたどり着いた。
次の瞬間、ガラスのような透明な壁が彼らを包み込み、そのまま浮き上がっていった。
もしかして、エレベーターか?
「すごーい!浮いてるよ!」
「ねぇ?凄いでしょぉ?原理はわからないんだけど、王城内の吹き抜けはみんなあんな風になってるんだよぉ。しかも、ちゃんと目的の扉の前まで運んでくれるんだよぉ、便利だよねぇ」
ケルンが喜んでいるが、確かに浮いているように見えるな。まぁ、高い所がダメな人間からすれば、地獄のような物だろうけど、どうもこの世界の人たちは空を飛ぶことに強い憧れがあるようだ。
飛行魔法もあるが、とても難しくて、満足に使えるのは五人も以内らしい。
本に書いてあったある逸話だが、飛行魔法を使って意中の相手とデートをした魔法使いがいるとか。モテポイントなんだろうな。
「わぁー!いいなぁ!僕も乗ってみたいー!」
いや、父様に会いにきたんだからな?まずは、父様に会うのが先だろ?
そして、ケルンもこういう飛んだりするのが嫌いじゃない。二階から投げられてからも、まったく恐怖を覚えることもなく、逆にペギン君で空が飛べると知ってから、ペギン君にお願いをしては、断られている。
案外、ペギン君は常識のある子なのかもしれない。
ケルンはすっかりあのお腹の痛みを忘れているからな。俺は遠慮したいのだ。
かわりに、果樹を採取するときに、ペギン君は大活躍をした。
最近、俺に対しては変に気を使っているが、わがままもいってくるようになったからか、ケルンがごねている。
「えー!お兄ちゃんも好きじゃないの?」
…興味はある。
「ほらぁ!乗っても」
「陛下!」
エレス様に尋ねてもしも上階なら乗せてもらえるか頼もうと思ったときに、前から急ぎ足でやたらと豪華な服をきた男性がやってきた。
金糸とかをあれほどすれば、重くなると思う。案の定、汗だらけだし。
「ちっ…めんどうなのがきた…何用であるか?」
エレス様が舌打ちをして、口調ががらりと変わった。にこにことした顔も今はきりっとしている。
「お探ししましたぞ!…これ、小間使い。王の御前で頭が高いぞ?控えよ!」
顔を振ったから、汗がびちゃっと床に飛び散っていった。すごく、汚いです。
で、小間使いって誰のことだ?ケルンのことをいってんのか?あ?そのヅラめくりとんぞ?
「お兄ちゃん…怒っちゃだめだよ?」
怒ってないぞ?ただ、暑そうだから脱がしてやろうとな。
開口一番の態度が気に入らない。
確かに王の御前でっていわれたら、そうだ。本当はひれ伏していないといけないし、まだ爵位を得ていないような子供では顔を合わせるなんてありえないだろう。
でもな、これだけはいいたい。
お前がいうな!
その豪華な服を汚したくないのか知らないけど、他の人が片膝をついて頭を下げている中で、堂々と頭をあげたままだ。
忙しそうに仕事をしていた人たちもエレス様に気づいてみな作業を止めて片膝をついていく。
「よいのだ。それと…みな、顔をあげ仕事に励め」
エレス様の言葉に片膝をついていた人は立ち上り少しペースを上げて動いている。
これ、絶対、この男のせいだよな…エレス様は正体を隠したかったのか、気付いた人がいてもなにもしないように、手で指示を出していたからな。
「陛下…このような小間使いにまで慈悲を与えるとはこのガネリアガル!感涙に」
「誰が口を開いてよいといった?余は一言足りとも許しておらぬ」
ガネリアガルとかいう男の表情の変化は一瞬だった。蒼白をこして、土色になっている。
「我が娘の婚約者候補に対しての無礼は余に対する侮辱である。ガネリアガル…頭が高いぞ、控えよ!」
「は、ははぁ!」
エレス様が、目を見開いてものすごい威圧をあてている。つられて他の人までも再度片膝をついてしまっていた。
気持ちはわかる。ケルンはやり方を聞いていなかったからできなかったが、おろおろしつつ、どうしようとエレス様をちらりとみる。
「ケルン君はいいんだよぉ…俺の将来の息子だものぉ」
よしよし、と頭をなでられていると、ガネリアガルや他にも何人かが信じれないといったように俺たちをみている。
「お、おそれながら陛下!」
汗を再度吹き出しながらガネリアガルがすがりつくようにエレス様に近づいてくる。
「ちっ…なんだガネリアガル。許可する、申せ」
「こ、婚約者候補とは!そこな子供が!」
「そうだ。まだ候補であるが、余も皇太后様や余の后も知っておる」
婚約者。誰が?って、ケルンが。
お茶のときとか冗談かと思ったけど、こんな人前で王様が話していいことじゃないだろ!
いや、でも…候補だってことだし、貴族の婚約とかあってないもんだろ。
リディ様はわかるが、ミケ君とメリアちゃんのお母さんとは会っていないな。どんな人なんだろうか?サナギッシュ出身だってことだから…二人はどちらかというとエレス様と目元が似ているけど、残りが王妃様なのかな?
「わ、私の息子はどうなるのですか!?」
ガネリアガルがそう叫ぶ。
は?メリアちゃんの婚約者の相手だったりするのか?いやいや…それなら、父様を全力で説得してガチでケルンを婚約者にさせる所存だぞ?ん?
「貴様の息子と我が娘は二十ほど離れていたが?」
「お、王族と貴族では珍しくないはずですぞ!」
あ、父様を全力で説得しよう。大丈夫。ちょっと思考加速して、母様に頼んで、他の家族も説得してしまえばいいんだろ?
ケルンによい案を渡すぐらい余裕だ。
「忠臣ならばそれもよかろう」
「でしたら!」
「貴様が忠臣…ならばな…」
エレス様はひどく冷たい目でガネリアガルを睨み付けた。
「わ、私は」
「ちょうどよい。婚約者候補の父上と話がある。貴様も同席せよ」
「か…かしこまりました…」
ガネリアガルがそういうと、エレス様は再びケルンをなではじめた。
あ、わかった。こう、目をスッと細めたときはミケ君そっくりだ。
「ミケ君のお父さんだから、似てるねぇーかっこいいー」
「うれしいことをいうねぇ…先生に頼んで本当に息子にしよぉ」
温度差が激しい人だ。
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