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第三章の裏話
追話 ????
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それに意識はなかった。
ただヘドロのような存在だった。
切り捨てられ、誰の目にも触れられず、親ともいえる存在もなかった。
それは幾万もの欠片の集合体。
それは幾万もの怨嗟の集合体。
それは幾万もの肉片の集合体。
それは幾万もの魔力の集合体。
産声すらあげず、ただ闇の中で脈動している。
森の奥深く。誰も訪れない暗い洞窟で意識もなくヘドロはどこからか与えられるそれらを食むだけの存在だった。
それにはただ知識がなく、自我もない。
しかし、ときおり訪れる衝動は少しずつそれを確立していく。
けれど目覚めのときはまだ先になる。
それはまたどこからか投げ込まれたなにかの肉片を取り込む。
ゆらり、ゆらりとヘドロのような体を揺らし、何かの姿を真似ようとしている。
誰に見守られることがなく、それはゆるりと胎児のように丸くなる。そうすることが当然であるかのように。
そして何者かの力か洞窟の奥へと運ばれていく。
深く、深く、深く。
誰にも知られないように隠すかのごとく。
それはまだ眠っている。
ただヘドロのような存在だった。
切り捨てられ、誰の目にも触れられず、親ともいえる存在もなかった。
それは幾万もの欠片の集合体。
それは幾万もの怨嗟の集合体。
それは幾万もの肉片の集合体。
それは幾万もの魔力の集合体。
産声すらあげず、ただ闇の中で脈動している。
森の奥深く。誰も訪れない暗い洞窟で意識もなくヘドロはどこからか与えられるそれらを食むだけの存在だった。
それにはただ知識がなく、自我もない。
しかし、ときおり訪れる衝動は少しずつそれを確立していく。
けれど目覚めのときはまだ先になる。
それはまたどこからか投げ込まれたなにかの肉片を取り込む。
ゆらり、ゆらりとヘドロのような体を揺らし、何かの姿を真似ようとしている。
誰に見守られることがなく、それはゆるりと胎児のように丸くなる。そうすることが当然であるかのように。
そして何者かの力か洞窟の奥へと運ばれていく。
深く、深く、深く。
誰にも知られないように隠すかのごとく。
それはまだ眠っている。
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