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第四章 学園に行くケモナー
クラスメート
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しっかり者と好奇心旺盛な者が一緒に目的地を目指した場合どうなるか。
結論からいうと、迷った。
ただ、これは俺やケルンが悪いわけではない。
地図には道があると書いてあっても、区画整理なのか、工事をしていて、行き止まり多すぎるし、人波についていけば、つくかも!と思えば、北棟に行く人が多いという始末。
「くたびれたぁ」
頑張ったなぁ。
「申し訳ありません…まさか地図が古いとは」
「ミルディは悪くないよー。ね?お兄ちゃん」
だな。たまたまそういったもんを引いちまっただけだろうしな。気にすんなっていっておいてくれ。
「お兄ちゃんも気にするなって」
「本当に申し訳ありません…」
ミルディがそういって軽く落ち込んでしまったけれど、何人かお付きの人たちらしき人に案内されている入学者の子供たちとでくわしたりしてわかったのが、持っていた地図が古いものだったということだ。
彼らと少し話をしたりして、学園の手違いに気づけたのは幸いだった。
「お友達になれたかな?」
だといいな。
入学者の子供たちは、なかなかいい子たちで、クラスは違ったが仲良くなれそうだった。
そんなちょっとしたミスもあったが、ようやく西様の三階、0クラス前に到着した。
入学者の数も多いが、それ以上に教室がたくさんある。
教室の生徒数を合わせていないのもあるが、講義の数が多いのもある。
まだ、がやがやと、人の声がしているので、入学者全員が、クラスに入るまでまだ時間がかかるだろうな。
入学式の開場と同じ魔法がかけられているようで、中の空間の広さは一定ではない。と、入学案内には書いてあった。
「坊っちゃま…お一人で大丈夫ですか?」
「うん…ミルデイ…僕、頑張る!ミルデイも勉強頑張ってね!」
使用人の教養講義は、入学式でもやっている。そして、ミルデイは教室には入ることができない。他の、図書館や食堂などは利用できるのだけど、教室に入ることはできないのだ。
誰がどこのクラスにいるのかを秘密にする為に、クラス記章を襟元に隠すようにつけ、この記章で、クラスに入室ができるようになると、紙に書いてある。
記章、まぁ、クラスが書いたバッジだな。
このバッジをもらう時に、簡単な説明が書いている紙をもらったので、迷子になってる時に、二人で読んだのだ。
口頭では、時間がかかるから、書面なのだろうけど、読む人ちゃんといたのか?というほど、わざわざ見せびらかすように、バッジをしている人もいたんだけど。Aだった!とかSだった!とか。
ケルンのも0ではなく、Oだったのかと思ったが、学園の人に確認したが、Oクラスはないとのことだ。
だとしても、数字ではないことに、少し違和感があったが、たぶん、数字とかランクとかで分けてあるんだろうな。
少しだけ不思議なことなんだが、クウリィエンシアには冒険者がいる。その冒険者はランクがあって、SやAといったランクがあるそうだ。
ただ、このランクというのは、冒険者だけに使われる。
例えば、普段の会話では『一級品』や『特級品』という言葉を使う。『A級品』とか『S級品』なんて使わない。
もっと世間一般に浸透していてもおかしくないんだが、なんというか、限定的な使われ方をしている。
まぁ、今はそんなことを気にしても仕方がないか。
ミルデイが、人波に消えていくのを見送って、ドアノブに手をかけて、深呼吸した。
「…友達…たくさん作って、サンドウィッチ!」
おう!仲良くなろうな!
よし、男は度胸!
ドアノブをまわして、教室に入る。
「…あれ?」
なんか?教室せまくね?
きょろきょろと見渡しても、席は…十席…?って…少なっ!だいぶ座って…なんだ、あの子。
「ケルン、入り口で止まるな」
「ケルン様…ご一緒ですわね」
少々、目立つ生徒に目を奪われていたが、後ろから声をかけられた。
「え?ミケ君、メリアちゃん?一緒なの!やったー!」
ケルンは喜んで思わず二人の間に体をいれて、抱きついた。モフモフはしてないけど、さっきまで、香水臭い中にいたから、この花の香りが癒しになるな。
香水も、色々混ざると悪臭になるからな…ケルンは香水とはほぼ無縁だからきつかった。
ランディが前に偽マルメリーの香水で苦しんでいたが、あのときのランディの気持ちがよくわかった。あれは無理。
「どうしたの?二人とも?」
あれ?二人とも固まってる?あ、そうか。急に抱きついたら驚くよな。
「そこの三人!遅刻です。早く席に座りなさい!」
あ、先生がもう来て…あれ?この声。
「ほら、早く座ってください!時間ですよ!」
ぱっとみ、学園の生徒かと思うほど若い男性だ。どうやら担任の先生らしい。
先生が指さす方へ座ろうと思い、席に向かうと、すっと椅子がひかれ、そのまま、椅子に触れることすらなく、座らされた。先生は、教壇の前にいく。
「いいですか?先生は、王族や貴族であろうと、遠慮なく叱りますからね!特別扱いなど、期待しないでくだい!」
おい、先生。今の行動は、何だよ。
と、クラスの雰囲気が語っているのだけど…はぁ、仕方ないか。
「ナザド」
ナザドは先生なんだから、先生をつけろよー。
「はーい…先生。特別扱いしないんですよね?」
「もちろんです!坊ちゃま!」
「いや、してるだろ」
うん、ミケ君。ツッコミは、あとにして。ナザドの瞳がハイライトない時に、ツッコミいれると、怖いから。
ちゃんとしてくださいって、ナザドにいってくれ。
「ちゃんとしてくだいさいねってお兄ちゃんがいってるから、ちゃんとしてね?先生」
「はい!坊ちゃま」
あ、うん。ごめん。舞い上がってて、聞こえてないな。あとで、時間作って叱るとしよう。
学園で働いているのは知っていたけど、もしかして、ケルンの担任になるために働いていたとかない…ともいえないな。
ナザドはケルンが関わると本当に常識がなくなるからな。
ちょっと病んでる疑惑のナザドは、言葉とは裏腹に、光のない瞳をしつつ、笑顔で自己紹介をしている。
「僕は、ナザドです。気軽にナザド先生と呼んでください。魔法系の講義を受けるのであれば、僕の講義を受けることになるだろから、よろしくね。卒業まで、よほどのことがない限り、クラスを変えることも、担当が変わることもありません。僕の仕事は組分け後の、この場と、班行動の決定、みなさんの講義全般の相談役です。それと、組での旅行や、学園祭など、みなさんが行動を供にする時には関わりますが、基本的には、みなさんの学園生活は、みなさんで決めてください。どんな相談でも乗りますから、安心してください。自由に決めれるのは、良い点ですが、一年の間で、取れる最低単位は落とさないようにしてください。落とせば、上の学年や上位の講義に進めないので、卒業が遅れます。決して、遊びすぎないようにしてくださいね!」
おおー。ナザドが先生らしい。
「先生みたいだね!」
いや、先生だからな?
ナザドは生き生きとしているな。意外と先生があっているかもしれない。
「それから、勧誘活動を勤しむ生徒が多くいます。自国へ戻る時に、優秀な生徒を引き抜いていくことも、問題ではありません。ですが、同意がなければいけませんよ?あと、講師の先生を引き抜こうとする生徒もいますが、ほぼ無理なので、辞めておいた方がいいです。ちなみに、先生もいくら勧誘されようとも、学園を辞めたあとの勤め先が決まっているので、声をかけないでください。不愉快です。しつこい場合は潰します」
勤め先って、うちだよな…本当にいいのかな。掃除って、メイドの仕事じゃなかったかな?
ってか、物騒だな。
「それでは、自己紹介をしてください。名前と趣味や特技、尊敬している人などをお願いします。そこの君から!」
ほら、ツッコミいれたから…ミケ君から自己紹介することになった。
「私はミケだ。特技は…そうだな…身体を動かすことと、頭を使うことかな。尊敬しているのは、父と。法王ティストール様だ」
あっさりとミケ君が自己紹介を終えると、席順になるのかな?
教壇の右手から、三、三、四の十席。
ミケ君が、教壇の右手奥だから、その前に座っている子をナザドは指差した。
「はい!俺はマティいいます!よろしゅう!好きなことは商売や!尊敬してるんは、うちのおとんや!」
隣の席の子だけど…前に絵を描いてあげた人と同じ関西弁の子か。ひょろりと背が高いんだけど、役者みたいに顔が整ってて、モデルさん?うん。目も茶色で、髪は金髪で、肌が白くて…やっぱり、モデル?商売人っていうのと、関西弁がまったく合ってないんだけど。
「自分は、フラクタル。よろしくお願いいたす。尊敬しているのは、鉄塊のヴェルム殿です」
マティ君の前に座っている。えっと、フラクタル君?さん?はそういって、頭を下げた。
ガチャって音がした。
まぁ、甲冑着たままだからな。この子を見ていてケルンもじっとしていたのだ。
「鎧かっこいいねー。僕も着たらかっこいい?」
重いからやめような。
「私は、メリアと申します。趣味は…魔導書を少々。尊敬しているのは、母と、ディアニア様ですわ」
メリアちゃんは、流石だな。母様を尊敬していても、頼むから、あの張り手だけは、真似ないで欲しい。
おっ!次はケルンだな!頑張れよ!
「僕はケルンです!趣味は動物さんの図鑑を読むことで、特技は…えっと…絵を描くことです。よろしくおねがいします!尊敬してるのは…んーと…父様と母様?あ、お兄ちゃんもすごいんだよ!」
おい、ナザド、拍手するな。みんなにしてないんだから、するなよ。
後ろに座っている女の子が次か。女の子に挟まってるな。
「あ、あの…クラリスです。読書が好きです。クラトス・ザクス様を尊敬しいています」
大人しい感じの…ミルデイみたいな銀髪に…赤紫の瞳?赤紫の瞳って初めてみたな。
「おいら、ルーディー。家族はルーと呼んでる…みんなもそう呼んでいいよ…尊敬してるのは…ルワント猊下」
黒魔術同好会とかあったらいそうだな。真っ黒な髪を伸ばしていて、目元が見えないんだけど、ちゃんとみえているのかな?そのうち、目が悪くなると思うんだけどな…で、司祭様…ゲカーって、司祭様の名字なのかな?
「皆様、私はファンファンといいますわ!よろしくお願いするわね!趣味はおしゃれよ!尊敬しているのは、麗しのディアニア様よ!」
かなりインパクトのある子だ。
短髪でムキムキなのに、言葉使いは、女の子そのもの。
いや、…どうみても男の子…いや、本人の生き方だからな。うん。
例え、発達した足の筋肉がフリフリスカートから見えても、ふくらはぎが、ぱっつんぱっつんやないかーい!って思っても、本人の自由だからな。
あと、君なら母様の力強さを真似できると思うよ。
「あー…俺の番?めんどくせぇー。ベルウォレアス。ウォレスでいいぜー。間違ってもベルって呼ぶなよ?嫌いなんだよ。趣味は寝ることだ。尊敬してるのは、ベッドを考えた人と、安眠枕を考えた奴」
枕をしたまま自己紹介していて、栗毛しかみえない男の子。顔を見せないままなのに、声を響かせるとは、なかなか声量があるようだが、音楽とかやってんのか?聖歌隊とか。
「尊敬してるって!お兄ちゃんはやっぱりすごいね!」
ケルンが小声で嬉しそうにしている。
その枕は…俺が作ったやつだ。安眠できるだろ。だって、そば殻の代わりに、物体が柔らかくなるという『マッド』の魔石の粉を混ぜた硝子玉を詰め込んでるからな。泥のように沈む枕だからな、それ。
たまたま思い付きで作って、売っているのだけど、愛用者がいるとはな…嬉しいけど、真面目にしろよ。
「私は、アシュトール。アシュでいい。趣味は観察だ。尊敬しているのは、宰相補佐殿だ」
眼鏡をかちゃって、キャスみたいな子だな。アシュ君ね…ん?ミケ君とメリアちゃんを見てる?
何だろう…まさか、二人の正体に気づいたとか?いや…そんなはず…ないよな?
・・・・・・・・・・・・・・・
明日は複数更新しますので良ければ読んでください。
結論からいうと、迷った。
ただ、これは俺やケルンが悪いわけではない。
地図には道があると書いてあっても、区画整理なのか、工事をしていて、行き止まり多すぎるし、人波についていけば、つくかも!と思えば、北棟に行く人が多いという始末。
「くたびれたぁ」
頑張ったなぁ。
「申し訳ありません…まさか地図が古いとは」
「ミルディは悪くないよー。ね?お兄ちゃん」
だな。たまたまそういったもんを引いちまっただけだろうしな。気にすんなっていっておいてくれ。
「お兄ちゃんも気にするなって」
「本当に申し訳ありません…」
ミルディがそういって軽く落ち込んでしまったけれど、何人かお付きの人たちらしき人に案内されている入学者の子供たちとでくわしたりしてわかったのが、持っていた地図が古いものだったということだ。
彼らと少し話をしたりして、学園の手違いに気づけたのは幸いだった。
「お友達になれたかな?」
だといいな。
入学者の子供たちは、なかなかいい子たちで、クラスは違ったが仲良くなれそうだった。
そんなちょっとしたミスもあったが、ようやく西様の三階、0クラス前に到着した。
入学者の数も多いが、それ以上に教室がたくさんある。
教室の生徒数を合わせていないのもあるが、講義の数が多いのもある。
まだ、がやがやと、人の声がしているので、入学者全員が、クラスに入るまでまだ時間がかかるだろうな。
入学式の開場と同じ魔法がかけられているようで、中の空間の広さは一定ではない。と、入学案内には書いてあった。
「坊っちゃま…お一人で大丈夫ですか?」
「うん…ミルデイ…僕、頑張る!ミルデイも勉強頑張ってね!」
使用人の教養講義は、入学式でもやっている。そして、ミルデイは教室には入ることができない。他の、図書館や食堂などは利用できるのだけど、教室に入ることはできないのだ。
誰がどこのクラスにいるのかを秘密にする為に、クラス記章を襟元に隠すようにつけ、この記章で、クラスに入室ができるようになると、紙に書いてある。
記章、まぁ、クラスが書いたバッジだな。
このバッジをもらう時に、簡単な説明が書いている紙をもらったので、迷子になってる時に、二人で読んだのだ。
口頭では、時間がかかるから、書面なのだろうけど、読む人ちゃんといたのか?というほど、わざわざ見せびらかすように、バッジをしている人もいたんだけど。Aだった!とかSだった!とか。
ケルンのも0ではなく、Oだったのかと思ったが、学園の人に確認したが、Oクラスはないとのことだ。
だとしても、数字ではないことに、少し違和感があったが、たぶん、数字とかランクとかで分けてあるんだろうな。
少しだけ不思議なことなんだが、クウリィエンシアには冒険者がいる。その冒険者はランクがあって、SやAといったランクがあるそうだ。
ただ、このランクというのは、冒険者だけに使われる。
例えば、普段の会話では『一級品』や『特級品』という言葉を使う。『A級品』とか『S級品』なんて使わない。
もっと世間一般に浸透していてもおかしくないんだが、なんというか、限定的な使われ方をしている。
まぁ、今はそんなことを気にしても仕方がないか。
ミルデイが、人波に消えていくのを見送って、ドアノブに手をかけて、深呼吸した。
「…友達…たくさん作って、サンドウィッチ!」
おう!仲良くなろうな!
よし、男は度胸!
ドアノブをまわして、教室に入る。
「…あれ?」
なんか?教室せまくね?
きょろきょろと見渡しても、席は…十席…?って…少なっ!だいぶ座って…なんだ、あの子。
「ケルン、入り口で止まるな」
「ケルン様…ご一緒ですわね」
少々、目立つ生徒に目を奪われていたが、後ろから声をかけられた。
「え?ミケ君、メリアちゃん?一緒なの!やったー!」
ケルンは喜んで思わず二人の間に体をいれて、抱きついた。モフモフはしてないけど、さっきまで、香水臭い中にいたから、この花の香りが癒しになるな。
香水も、色々混ざると悪臭になるからな…ケルンは香水とはほぼ無縁だからきつかった。
ランディが前に偽マルメリーの香水で苦しんでいたが、あのときのランディの気持ちがよくわかった。あれは無理。
「どうしたの?二人とも?」
あれ?二人とも固まってる?あ、そうか。急に抱きついたら驚くよな。
「そこの三人!遅刻です。早く席に座りなさい!」
あ、先生がもう来て…あれ?この声。
「ほら、早く座ってください!時間ですよ!」
ぱっとみ、学園の生徒かと思うほど若い男性だ。どうやら担任の先生らしい。
先生が指さす方へ座ろうと思い、席に向かうと、すっと椅子がひかれ、そのまま、椅子に触れることすらなく、座らされた。先生は、教壇の前にいく。
「いいですか?先生は、王族や貴族であろうと、遠慮なく叱りますからね!特別扱いなど、期待しないでくだい!」
おい、先生。今の行動は、何だよ。
と、クラスの雰囲気が語っているのだけど…はぁ、仕方ないか。
「ナザド」
ナザドは先生なんだから、先生をつけろよー。
「はーい…先生。特別扱いしないんですよね?」
「もちろんです!坊ちゃま!」
「いや、してるだろ」
うん、ミケ君。ツッコミは、あとにして。ナザドの瞳がハイライトない時に、ツッコミいれると、怖いから。
ちゃんとしてくださいって、ナザドにいってくれ。
「ちゃんとしてくだいさいねってお兄ちゃんがいってるから、ちゃんとしてね?先生」
「はい!坊ちゃま」
あ、うん。ごめん。舞い上がってて、聞こえてないな。あとで、時間作って叱るとしよう。
学園で働いているのは知っていたけど、もしかして、ケルンの担任になるために働いていたとかない…ともいえないな。
ナザドはケルンが関わると本当に常識がなくなるからな。
ちょっと病んでる疑惑のナザドは、言葉とは裏腹に、光のない瞳をしつつ、笑顔で自己紹介をしている。
「僕は、ナザドです。気軽にナザド先生と呼んでください。魔法系の講義を受けるのであれば、僕の講義を受けることになるだろから、よろしくね。卒業まで、よほどのことがない限り、クラスを変えることも、担当が変わることもありません。僕の仕事は組分け後の、この場と、班行動の決定、みなさんの講義全般の相談役です。それと、組での旅行や、学園祭など、みなさんが行動を供にする時には関わりますが、基本的には、みなさんの学園生活は、みなさんで決めてください。どんな相談でも乗りますから、安心してください。自由に決めれるのは、良い点ですが、一年の間で、取れる最低単位は落とさないようにしてください。落とせば、上の学年や上位の講義に進めないので、卒業が遅れます。決して、遊びすぎないようにしてくださいね!」
おおー。ナザドが先生らしい。
「先生みたいだね!」
いや、先生だからな?
ナザドは生き生きとしているな。意外と先生があっているかもしれない。
「それから、勧誘活動を勤しむ生徒が多くいます。自国へ戻る時に、優秀な生徒を引き抜いていくことも、問題ではありません。ですが、同意がなければいけませんよ?あと、講師の先生を引き抜こうとする生徒もいますが、ほぼ無理なので、辞めておいた方がいいです。ちなみに、先生もいくら勧誘されようとも、学園を辞めたあとの勤め先が決まっているので、声をかけないでください。不愉快です。しつこい場合は潰します」
勤め先って、うちだよな…本当にいいのかな。掃除って、メイドの仕事じゃなかったかな?
ってか、物騒だな。
「それでは、自己紹介をしてください。名前と趣味や特技、尊敬している人などをお願いします。そこの君から!」
ほら、ツッコミいれたから…ミケ君から自己紹介することになった。
「私はミケだ。特技は…そうだな…身体を動かすことと、頭を使うことかな。尊敬しているのは、父と。法王ティストール様だ」
あっさりとミケ君が自己紹介を終えると、席順になるのかな?
教壇の右手から、三、三、四の十席。
ミケ君が、教壇の右手奥だから、その前に座っている子をナザドは指差した。
「はい!俺はマティいいます!よろしゅう!好きなことは商売や!尊敬してるんは、うちのおとんや!」
隣の席の子だけど…前に絵を描いてあげた人と同じ関西弁の子か。ひょろりと背が高いんだけど、役者みたいに顔が整ってて、モデルさん?うん。目も茶色で、髪は金髪で、肌が白くて…やっぱり、モデル?商売人っていうのと、関西弁がまったく合ってないんだけど。
「自分は、フラクタル。よろしくお願いいたす。尊敬しているのは、鉄塊のヴェルム殿です」
マティ君の前に座っている。えっと、フラクタル君?さん?はそういって、頭を下げた。
ガチャって音がした。
まぁ、甲冑着たままだからな。この子を見ていてケルンもじっとしていたのだ。
「鎧かっこいいねー。僕も着たらかっこいい?」
重いからやめような。
「私は、メリアと申します。趣味は…魔導書を少々。尊敬しているのは、母と、ディアニア様ですわ」
メリアちゃんは、流石だな。母様を尊敬していても、頼むから、あの張り手だけは、真似ないで欲しい。
おっ!次はケルンだな!頑張れよ!
「僕はケルンです!趣味は動物さんの図鑑を読むことで、特技は…えっと…絵を描くことです。よろしくおねがいします!尊敬してるのは…んーと…父様と母様?あ、お兄ちゃんもすごいんだよ!」
おい、ナザド、拍手するな。みんなにしてないんだから、するなよ。
後ろに座っている女の子が次か。女の子に挟まってるな。
「あ、あの…クラリスです。読書が好きです。クラトス・ザクス様を尊敬しいています」
大人しい感じの…ミルデイみたいな銀髪に…赤紫の瞳?赤紫の瞳って初めてみたな。
「おいら、ルーディー。家族はルーと呼んでる…みんなもそう呼んでいいよ…尊敬してるのは…ルワント猊下」
黒魔術同好会とかあったらいそうだな。真っ黒な髪を伸ばしていて、目元が見えないんだけど、ちゃんとみえているのかな?そのうち、目が悪くなると思うんだけどな…で、司祭様…ゲカーって、司祭様の名字なのかな?
「皆様、私はファンファンといいますわ!よろしくお願いするわね!趣味はおしゃれよ!尊敬しているのは、麗しのディアニア様よ!」
かなりインパクトのある子だ。
短髪でムキムキなのに、言葉使いは、女の子そのもの。
いや、…どうみても男の子…いや、本人の生き方だからな。うん。
例え、発達した足の筋肉がフリフリスカートから見えても、ふくらはぎが、ぱっつんぱっつんやないかーい!って思っても、本人の自由だからな。
あと、君なら母様の力強さを真似できると思うよ。
「あー…俺の番?めんどくせぇー。ベルウォレアス。ウォレスでいいぜー。間違ってもベルって呼ぶなよ?嫌いなんだよ。趣味は寝ることだ。尊敬してるのは、ベッドを考えた人と、安眠枕を考えた奴」
枕をしたまま自己紹介していて、栗毛しかみえない男の子。顔を見せないままなのに、声を響かせるとは、なかなか声量があるようだが、音楽とかやってんのか?聖歌隊とか。
「尊敬してるって!お兄ちゃんはやっぱりすごいね!」
ケルンが小声で嬉しそうにしている。
その枕は…俺が作ったやつだ。安眠できるだろ。だって、そば殻の代わりに、物体が柔らかくなるという『マッド』の魔石の粉を混ぜた硝子玉を詰め込んでるからな。泥のように沈む枕だからな、それ。
たまたま思い付きで作って、売っているのだけど、愛用者がいるとはな…嬉しいけど、真面目にしろよ。
「私は、アシュトール。アシュでいい。趣味は観察だ。尊敬しているのは、宰相補佐殿だ」
眼鏡をかちゃって、キャスみたいな子だな。アシュ君ね…ん?ミケ君とメリアちゃんを見てる?
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