選ばれたのはケモナーでした

竹端景

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第四章 学園に行くケモナー

クラスの意味

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 自己紹介を終えたら、ナザドは次の講義の準備があるとかで、退室した。

 入学式を終えて説明を受けたら解散!とはならない。
学園は寄宿舎もある学びの場なのだ。
午後からは、カリキュラムを組んだり、体験講義を受けたりして、来週から本格的な講義が始まる。

 ただ、明日は、魔法に関する必修講義があるとかで、時間も決められている。

「緊張したー」
 頑張ったな。
「…お友だち作りも頑張る!」

 教室に残ってる子達のほとんどが、お互いが知り合いなのか、何組か固まっている。

 とりあえず、ミケ君たちと午後のことを話そうか。
「そうだね!メリアちゃん、ミケ君とこ、行こ?」
「はい、参りましょう」

 カリキュラムとかの相談をしようと思って、斜め後ろをにいるミケ君のところに向かうと腕を組んで、ミケ君は何か考え込んでいる。

「ミケ君、どうしたの?」
「ん?ああ。まさか組分けで、こうなるとはな…」

 そのことはメリアちゃんも考えているようだった。
 なにか気になるクラス分けだったか?

「そうですわね…今回は特別なのかしら?精霊様の導きとはいえ…少し不安ですわ」

 二人揃って、何だか疲れているようだな…しかし、精霊様の導きってのは、運命的なことか?

「ねぇ、二人とも、何でそんなに疲れてるの?あ!もしかして、友達作るのが難しいとか悩んでる?大丈夫だよー!笑顔でいたら、すぐにできるよー!お兄ちゃんが笑顔が大事って!」

 何事も笑顔が大事だからな。

 そういって、フォローしたら、ミケ君が、頭を撫でてきた。

「はは、ケルン。本当にお前は純真というか…天然だな。エフデ殿に遊ばれているぞ?」
「もう、お兄様!ケルン様は、こういうところが、可愛い方なんですよ?きっとエフデお兄様も同じ気持ちです!」

 ミケ君が大人びた笑みで、メリアちゃんはお姉さんっぽくしている…って、二人とも!馬鹿にしないでくれないか!

「むー!」

 見ろ!ケルンの頬っぺが膨らんでゆくぞ…破裂したら、大変なことになるぞ…たぶん。

「ケルン、私達三人をのぞいた七名をみて、どう思った?」
「ぷひゅー…どう?って、んー…貴族なのかな?とは思ったけど」

 苦笑して、ミケ君が、頬っぺを押してきたので、ケルンは空気を出しながら、ミケ君の質問に答える。
 立ち振舞いが、貴族であるぐらいはわかる。問題は、どこの国のどんな地位の子供かと聞かれると、さっぱりなことだ。

「そうだ。しかも、彼らはクウリィエンシアの者たちだ…それもみな建国貴族の子息や令嬢だ」
「え?建国貴族なんだ」

 はぁ!建国貴族の子供達って、マジで!色々おかしいなのいたけど!

「私たちはあまり夜会には出ていませんが、一応、各家の子供たちのことは話を聞いていたのです…ただ…その…」
「みんな、落ちこぼれということになっている…私たちを含めてな」
「落ちこぼれ?」

 なんか、嫌な言葉だな。

「ですが、皆さん…ある種の天才ではありませんでしたか?」
「ある種のな。建国貴族としては…ケルンぐらいではないか?今のところ相応しいというのは」
「確かに…あの魔法ですものね…」

 双子特有といえばいいのか、二人の世界に入ってしまったような気がする。

「なんか、難しい話なのかな?」
 かもしれないが、気になるのはそこか。
「え?二人が仲良しなのはいいことだよ?」
 お前、もうちょっと自己主張してもいいと思うぞ?
「じこしゅっちょう?」
 自己主張な。

 なんで出張するんだよ。

「しかし、精霊も気がきいたことをする。0組とは、中々悪くないと思うが、皮肉がすぎる」

 ん?0組って何か意味があるのか?

「ねぇ、0組って何か意味があるの?」

 ミケ君に尋ねれば、とてもケルンと同じ子供にはみえない笑みを浮かべた。

「0組は、問題児が集まるとされている。そのほとんどが…家を継ぐ資格がないといわれているほどだ。私も…父上の跡を継ぐ資格がないと、精霊からいわれているのだろうな」
「そんなことはありませんわ。大丈夫です、お兄様」
「そうだよ!大丈夫!ミケ君は僕よりしっかりしてるもん!安心だよ?」

 ケルンの言葉に二人がぴたりと止まって見つめてくる。
 まだなにもいわれていないが、いいたいことはすごくわかる。

「すごいな、いっぺんに肩の力が抜けた。さすがだぞ、ケルン」
「本当に…お顔だけではなく全てがかわいらしいお方です」
「あっれぇ?」

 お前よりしっかりしてるって、それは基準が低すぎるよな。
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