選ばれたのはケモナーでした

竹端景

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第四章 学園に行くケモナー

朝だ

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 魔導ランプの灯りで目が覚めた。窓が一つしかないので、部屋の光を確保する為に、魔導ランプなどの照明が、天井と、ベッドの横についているのだ。
 各部屋に、惜しげもなく魔道具が使われている。それも、魔石は上物を使っているのだから。、イジャルの経済はどうなっているのだろうか。こんなにも、魔石や、魔道具があるのは、少々おかしいのだと思うのだが…とりあえず、顔を洗って、目をちゃんと覚ましてくれ、ケルン。

「んーむー…すー…」

 二度寝しようとすんじゃねぇ!あ…お布団…あたたか…やべぇ…つられる。

「坊ちゃま!起きてください!授業に遅れますよ!」

 はっ!危ないとこだった。起きろ!ケルン!

「んー…ミルデイ…お兄ちゃん…おはよー…うん…」
 おはよう。ほら、用意だ!
「どーん?…くぅ…」
 だから、起きろ!

 ミルデイは寝る前に、お揃いのパジャマだったのだが、もう執事服に着替えている。早起きだな。睡魔との戦い方に詳しいのかな?
 二度寝と洒落込みますかとばかりに、顔まで布団をかぶったケルンを見て、珍しくミルデイは、声を大きくしていった。

「もう!坊ちゃま!…仕方ありません。坊ちゃま?起きれないと、げ!ん!て!ん!ですよ!」
「それは、ダメー!」
 減点はやめてくれ!花丸が!図鑑が!

 ってもう、キャスの授業を受けないんだった…最後の授業は、丸一日、好きな図鑑を使っての授業だったな…ぼんやりとした姿だったけど、前に話で聞いていた大樹の写真を見れたし、いい授業だった。

「起きましたね?顔を洗ってください。制服はここに用意しています。今日からは、このローブを羽織ってください。着方はわかりますか?」
「はーい。制服ありがとう!ネクタイだけは、手伝って?」
「はい、わかりました」

 ミルデイにこの起こし方を教えたのは、カルドではないな…カルドは、寝る子は育つ主義だし。エセニアも同じだ。たぶん、フィオナだな。流石、うちのメイド長だ。ケルンの起こし方もよく知っているわけだ。

 ただ、ケルンはいいとして、俺の目覚め悪いから、あまり使って欲しくない。

「坊ちゃま?今の起こし方は、今後もしますからね?あと、減点はされるそうですよ。キャス様が、図鑑を送るのを辞めると申してましたから」
「えー!キャスがいったの!ぼ、僕、頑張って起きるよ!お兄ちゃんも手伝ってね?」
 お前、あんだけ呼びかけて、起きなかったくせにか?
「お兄ちゃん、頑張って!」
 お前が頑張るんだよ!

 まぁ、今日は昨日の疲れが出たからだと思う…でいいよな?明日からはきちんと起きれるよな?

 とりあえず、顔を洗ってこい。
「はーい…ふぁぁ」

 顔を洗っているときに思い出したが、そういえば、成績が良かったりしたら、本を送るといっていたが、あれは図鑑のことか!
 
 図鑑を送ってくれるぞ!
「え!僕、いい子にしてる!」

 決意するのはいい。だが思わず、歯磨き粉が口から飛び出たぞ。

「今日は、昨日の疲れがでたのでしょうから、内緒にしておきます。ですが、明日からは頑張りましょうね?」
「はーい」

 歯磨き粉で汚れたところを拭いてもらいつつ、ケルンは返事をした。
 昨日のこととは、停学処分になりかけた顛末のことも含まれているのだろう。

 ミルデイは、父様や母様への忠誠心は高くないのだが、ケルンに喧嘩を吹っかけてきた連中のことは、気にくわなかったようで、襲撃をしかけないか少し不安だ。

「カルド様から、坊ちゃまに危害を加えようとする者は、叩きのめせと。それに、坊ちゃまの敵は俺の敵です」

 と、若干、人型がぼやけるほど、怒髪天状態になるからな。

「今日の朝御飯は何かな?」

 ミルデイにネクタイをしてもらいつつ、制服の上着の襟ボタンを留めるのに、わたわたとしている。
ケルンは絵画や彫像は得意なのだけど、ボタンを留めるのと、ネクタイをしめるのが、まだ苦手なのだ。

「そうですね。今日はパンだと思いますよ。蜂蜜のかかったパンケーキか、鳥と季節の野菜を巻いたクレープかのどちらかと思います」
「そう?なんで、ミルデイにはわかるの?」
「坊ちゃまが寝言で食べたいと申されたのを、ハンクさんに伝えておりますから」
「そっかー!どっちもだといいなー!」

 朝から豪勢だな!ネクタイも綺麗にしめてくれたし、さっそく、食堂に行って、ご飯を食べよう!あ、ミケ君達も誘わないとな!

 あれ?何で、ミルデイ、ハンクに伝えれたんだろう?『コール』の魔法が使えても、ここから家まで、一国分の距離だぞ?魔力足りないんじゃないのかな?ああ、父様からでも、『コール』の魔石でももらったんだろうな。
 とにかく、今は食事だ食事!
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