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第五章 影の者たちとケモナー
検証
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授業は混乱もあったが、早々に終えられて、学長先生の元へとむかうことになった。
部屋についてすぐ、俺の姿をみて学長は目をかっぴらいて興奮していたが色々と話をさせてもらった。
話の内容としては、噂を参考にさせてもらった。
エフデはろくに体を動かせず、空気の綺麗な場所で静養中で家族ともあまり接していなかったが、最近は少しよくなってきたので、芸術や発明などの活動をしている。
ここまで自由に動かせるものは初めてなので思念石を貸していただきたい。
結果は条件付きではあるが無事に借用の許可がおりた。
こっそりどうにかして屋敷と連絡をとろうとしていたケルンもニコニコになっている。学長先生が渋ったり、二人で話そうとケルンやナザドを退室させようとしたとき、父様に『コール』しようとしたときはかなり焦った。
サイジャルから屋敷まで『コール』ができるなんてわかってしまえば、ケルンの魔力がかなり多いということが知られてしまう。
いくら家族でも魔力のことは隠しておきたい。
けれども、俺の存在を黙っているわけにもいかないので、父様たちへの連絡をナザドに頼むことにした。俺だからわかるが、ケルンならおそらくだめだからだ。
まず説明ができない。
とにもかくにも、ケルンの喜びぶりが言葉にしにくいほどだった。
ミルデイに紹介したときは、ミルデイも驚いていたが、ミルデイ自身が姿を変えているのもあってか、そこまで警戒もせずすぐに受け入れてくれた。挨拶自体は何も問題はなかった。
問題は食堂で会う知らない人にまで紹介してたのはどうかと思う。
「僕のお兄ちゃんなんだよー!エフデって知ってる?ボージィン様の形になれるんだよ!すごいでしょ!」
と謎の自慢をしまくっていた。腰を抜かしていたり、拝む人も出たんだが…まぁ…そのおかげで、棒人間が動き回っていることを誰も気にしなくなるほどだった。視線は感じまくったけどな。
見物人でごった返した食堂から、出るときに料理人のみなさんに謝罪をした。そのうち、お菓子でも持っていこう。
おそらくミルデイが人波を割るために、何かしたのか…失禁者が続出して食堂がアンモニア臭がたちこめてしまったからな。証拠はないが、ミケ君やアシュ君が身構えたということはなにかのスキルを使ったのだろう。
ケルンの肩に腰かけて寮に帰れば、あのおじリスさんが山ほどの手紙を抱えていた。
全部ケルンと俺宛だった。
ほとんどが依頼やお茶会への誘いだったり…リンメギン王様の分厚い手紙は屋敷に送るように頼んだりもした…父様たちからも一通きていて、明日の午前中にハルハレに行くことが決まっている。
逃げようかな。なんて考えていたんだが。
「ねー、お兄ちゃん。母様が『逃げたら追うわ』って。誰か逃げるの?お兄ちゃん?…いなくなっちゃうの?」
「に、逃げないぞ!いなくなるわけないだろ!」
泣く子にはかなわん。
どうも幼児返りをしているのか、俺に甘えっぱなしなのだ。下手なことをいえば、大泣きしてしまうのはかわいそうだし…いや、ケルンは俺なんだし…んー…ケルンから出ているからか、なんだか変な気持ちがずっとしている。
考えてもわからないことは、後回しだ。今一番の厄介なのは…フェスマルク家の人たちだ。正直なところ屋敷の人たちは俺からすれば…大事な人たちではあるが、俺はケルンの一部なのだ。知識が自我を持った存在が俺なのだ。だからこそ、顔を合わせたくはなかった。
気味が悪い存在だ。けされても仕方ないんだが…なんでだろうか…なんでか痛い。
痛みを誤魔化すように部屋に帰ってすぐに、色々な検証をした。
時間をかけて色々調べたかったがケルンがあくびをしたので、ミルデイに就寝の挨拶をして寝ることにした。
「お兄ちゃーん!あのね…僕ね…お願いがあるの。絵本読んで?」
「おー。それくらいなら、お安いご用だ。それじゃ…これな。昔々。クウリィエンシアには魔法のパン屋さんがいました…」
風呂も一緒に入って体を洗ってやったり、熊さんのパジャマを着せてやって一緒の布団に入る。
というか、ケルンからの要望だった。自分のことだし…まぁ、甘えてくるのもわりと嫌ではないので叶えてやった。
ちなみに、俺は棒人間の姿なので何も着ていない。
絵本を読んで寝かしつけつつ、どうしようか悩んでいれば、ケルンは寝て絵本を片付けて考えていたら、俺もいつの間にか寝ていて朝になっていた。
体を得て一夜開けてわかったことをまとめていくとだ。
まず、飲食が可能だった。
自分で食べるってなると感動する。あれはいいもんだ。食堂は人だらけで落ち着いて食べれなかったがな。
面白いのは、棒人間の丸のところに食べようと思ったものは食べられて、食べたくないものは通りすぎていたのだ。
食べたものはどこに行くかわからなかったが、ケルンに還元されているわけではない。ケルンもいつもどおりに普通に晩飯を食ってたからな。
体の維持に使っていると思うが…どうなんだろうな。今後研究しよう。
他にも軽く検証した中でも重要なことがある。
魔法のことだ。
ケルンに触れていると魔法が使えるが俺単体では魔法は使えなかった。
試しに『オープンカード』を使ってみたが俺だけでは何も出なかった。
ケルンに触れながらだとちゃんと『オープンカード』が使え、何度か見た板が出が、内容はなんだか普通ではなかった。
ケルンの場合だと一部以外は平均的だ。目ぼしいところだと。
ケルン・ディエル・フェスマルク 年齢 六歳
筋力 二十
魔力 七千 (精霊により秘匿中 那由多)
スキル 『身体強化』『造物』『魔法同化』
称号 ボージィンの同好者 精霊の保護対象 寵愛者
筋力がついてきたことに、二人して喜んだ。ムキムキにはなれなくても、少しは欲しいからな。
脱非力を目指したい所存だ。あとの俊敏さとかは見ないことにしている。
少なくても…平均には近くなった。
俺の場合はだいぶ違った。
エフデ・フェスマルク 年齢 自称三十歳
筋力 不明 そもそも筋がない
魔力 測定不明 底無し沼の底を探すようなもの
スキル 『造物』『魔法同化』『地脈誘導』
称号 真なるケモナー イムルの後継者
知識ではなく『エフデ・フェスマルク』としての名称を使っていた。騙すのはいいんだが、俺のアイデンティティーが消失の危機になっている。
とりあえず『オープンカード』を担当している精霊様ってどうやったら文句をいえるんだろうか。教会に行けばいいか?
元が一つだから同じスキルを持っているのは不思議ではない。
おかしな点として、ケルンの持っていた『身体強化』が消えて代わりに『地脈誘導』というスキルが出ていた。
称号は…確かにエフデが『イムルの後継者』といわれていたからわかる。
でも、棒神様。真なるケモナーって称号はどうかと。
ケルンの方にも『寵愛者』というのがあったんだが、主語がない称号だったので、どういうことでつけられたかはわからない。
称号はあると何かしらの効果や恩恵がある。一般的な称号だと『領主』なら領民に対して威圧感を増すとか、かなり地味な効果が多いみたいだが、棒神様や精霊様が絡むと色々な効果が出るみたいだからな…まぁ、称号は全て隠す方向にしよう。
他の魔法の検証はどこかを借りてやってみようと思う。部屋でするもんでもないしな。一応『ウォッシュアップ』で手をきれいにできたから、おそらく使えるはすだ。
そして、今まではケルンが寝れば俺も寝ていたし、起きれば起きていた。昨日は同時に寝ていないし、今日は同時に起きていない。
これも研究対象だな。
さてと…パニックな思考がようやく整理できた。
目を覚まして死ぬかと思った。
今、俺の前にはあり得ねぇくらいの美少年が寝ている。
黒髪に白い透き通る肌。苺のような赤い唇。何かいい夢を見ているのか、やわらかちほほえみを浮かべている。
そんな美少年に抱きしめられているなんて普通にびびる。
いや、ケルンなんだがな。外から見るとこんな顔だったのかと。意識がはっきりすると、誰だぁー!って叫びそうになった。
百人に聞いたら百人が天使か!っていうレベルだ。
体がケルンよりも小さくなっているからか、視界が異なるからそう思うのかもしれない。
確かに母様が異常なほど綺麗な人ではあるんだが、それでも父様に似ているケルンなんだ。
まさかの、いいとこどりとは思ってなかった。
目が潰れる…俺、どこで視界を得ているか謎なんだが…これも検証要項に入れておこう。
ケルンの中にいるときは、ケルンの感情に大きく影響されていたんだが…どんだけ無頓着かよーくわかった。
そりゃ、誘拐とか心配する。この前まではまだまだ幼児っぽかったと思うが…顔立ちがはっきりしてきたからな…いやいや、きっと大人になればもう少し落ち着いた顔になるだろ。よくいうじゃないか。子供の頃はかわいくても大人になればそうじゃないって。
あれ?ケルンの目からも、母様は異常なほど綺麗な人に見えているのなら…俺、心臓が止まるんじゃねえかな。
あ、心臓なんてもんなかったわ。
「んっ…むぅ」
「起きたか。おはよう。早く顔を洗おうぜ」
うっすらと青い瞳がぼーと俺をみている。寝ぼけてるな。
「おはよー…んー…お兄ちゃん、まだ眠いよ…お兄ちゃん!」
「ど、どうした!」
ぱちりと目をまばたかせて、意識がはっきりしたのか、飛び起きて俺の借り物の体を持ち上げる。
「夢じゃなかったんだ!」
「夢じゃないんだよなぁ…」
夢ならどんなによかったか…面倒なことになる未来しか想像がつかないからな。そのためにも今日の話し合いを乗り越えないと。
そんな風に考えている俺の気持ちはケルンにはどうも伝わっていないみたいだ。どこまで伝わるかの検証も追加だな。
「えへへー…お兄ちゃん、あのね」
「なんだよ?」
「いつもありがとう!大好きだよ」
「くっ…!顔面フラッシュだとっ!」
ふらっす?といい間違えて聞き返すケルンの顔は本当にキラキラしていた。もしかしてこれは『寵愛者』の効果なんだろうか。
それも調べないといけないが、まずは俺の視界の場所を探そう。サングラスも必要だな。
部屋についてすぐ、俺の姿をみて学長は目をかっぴらいて興奮していたが色々と話をさせてもらった。
話の内容としては、噂を参考にさせてもらった。
エフデはろくに体を動かせず、空気の綺麗な場所で静養中で家族ともあまり接していなかったが、最近は少しよくなってきたので、芸術や発明などの活動をしている。
ここまで自由に動かせるものは初めてなので思念石を貸していただきたい。
結果は条件付きではあるが無事に借用の許可がおりた。
こっそりどうにかして屋敷と連絡をとろうとしていたケルンもニコニコになっている。学長先生が渋ったり、二人で話そうとケルンやナザドを退室させようとしたとき、父様に『コール』しようとしたときはかなり焦った。
サイジャルから屋敷まで『コール』ができるなんてわかってしまえば、ケルンの魔力がかなり多いということが知られてしまう。
いくら家族でも魔力のことは隠しておきたい。
けれども、俺の存在を黙っているわけにもいかないので、父様たちへの連絡をナザドに頼むことにした。俺だからわかるが、ケルンならおそらくだめだからだ。
まず説明ができない。
とにもかくにも、ケルンの喜びぶりが言葉にしにくいほどだった。
ミルデイに紹介したときは、ミルデイも驚いていたが、ミルデイ自身が姿を変えているのもあってか、そこまで警戒もせずすぐに受け入れてくれた。挨拶自体は何も問題はなかった。
問題は食堂で会う知らない人にまで紹介してたのはどうかと思う。
「僕のお兄ちゃんなんだよー!エフデって知ってる?ボージィン様の形になれるんだよ!すごいでしょ!」
と謎の自慢をしまくっていた。腰を抜かしていたり、拝む人も出たんだが…まぁ…そのおかげで、棒人間が動き回っていることを誰も気にしなくなるほどだった。視線は感じまくったけどな。
見物人でごった返した食堂から、出るときに料理人のみなさんに謝罪をした。そのうち、お菓子でも持っていこう。
おそらくミルデイが人波を割るために、何かしたのか…失禁者が続出して食堂がアンモニア臭がたちこめてしまったからな。証拠はないが、ミケ君やアシュ君が身構えたということはなにかのスキルを使ったのだろう。
ケルンの肩に腰かけて寮に帰れば、あのおじリスさんが山ほどの手紙を抱えていた。
全部ケルンと俺宛だった。
ほとんどが依頼やお茶会への誘いだったり…リンメギン王様の分厚い手紙は屋敷に送るように頼んだりもした…父様たちからも一通きていて、明日の午前中にハルハレに行くことが決まっている。
逃げようかな。なんて考えていたんだが。
「ねー、お兄ちゃん。母様が『逃げたら追うわ』って。誰か逃げるの?お兄ちゃん?…いなくなっちゃうの?」
「に、逃げないぞ!いなくなるわけないだろ!」
泣く子にはかなわん。
どうも幼児返りをしているのか、俺に甘えっぱなしなのだ。下手なことをいえば、大泣きしてしまうのはかわいそうだし…いや、ケルンは俺なんだし…んー…ケルンから出ているからか、なんだか変な気持ちがずっとしている。
考えてもわからないことは、後回しだ。今一番の厄介なのは…フェスマルク家の人たちだ。正直なところ屋敷の人たちは俺からすれば…大事な人たちではあるが、俺はケルンの一部なのだ。知識が自我を持った存在が俺なのだ。だからこそ、顔を合わせたくはなかった。
気味が悪い存在だ。けされても仕方ないんだが…なんでだろうか…なんでか痛い。
痛みを誤魔化すように部屋に帰ってすぐに、色々な検証をした。
時間をかけて色々調べたかったがケルンがあくびをしたので、ミルデイに就寝の挨拶をして寝ることにした。
「お兄ちゃーん!あのね…僕ね…お願いがあるの。絵本読んで?」
「おー。それくらいなら、お安いご用だ。それじゃ…これな。昔々。クウリィエンシアには魔法のパン屋さんがいました…」
風呂も一緒に入って体を洗ってやったり、熊さんのパジャマを着せてやって一緒の布団に入る。
というか、ケルンからの要望だった。自分のことだし…まぁ、甘えてくるのもわりと嫌ではないので叶えてやった。
ちなみに、俺は棒人間の姿なので何も着ていない。
絵本を読んで寝かしつけつつ、どうしようか悩んでいれば、ケルンは寝て絵本を片付けて考えていたら、俺もいつの間にか寝ていて朝になっていた。
体を得て一夜開けてわかったことをまとめていくとだ。
まず、飲食が可能だった。
自分で食べるってなると感動する。あれはいいもんだ。食堂は人だらけで落ち着いて食べれなかったがな。
面白いのは、棒人間の丸のところに食べようと思ったものは食べられて、食べたくないものは通りすぎていたのだ。
食べたものはどこに行くかわからなかったが、ケルンに還元されているわけではない。ケルンもいつもどおりに普通に晩飯を食ってたからな。
体の維持に使っていると思うが…どうなんだろうな。今後研究しよう。
他にも軽く検証した中でも重要なことがある。
魔法のことだ。
ケルンに触れていると魔法が使えるが俺単体では魔法は使えなかった。
試しに『オープンカード』を使ってみたが俺だけでは何も出なかった。
ケルンに触れながらだとちゃんと『オープンカード』が使え、何度か見た板が出が、内容はなんだか普通ではなかった。
ケルンの場合だと一部以外は平均的だ。目ぼしいところだと。
ケルン・ディエル・フェスマルク 年齢 六歳
筋力 二十
魔力 七千 (精霊により秘匿中 那由多)
スキル 『身体強化』『造物』『魔法同化』
称号 ボージィンの同好者 精霊の保護対象 寵愛者
筋力がついてきたことに、二人して喜んだ。ムキムキにはなれなくても、少しは欲しいからな。
脱非力を目指したい所存だ。あとの俊敏さとかは見ないことにしている。
少なくても…平均には近くなった。
俺の場合はだいぶ違った。
エフデ・フェスマルク 年齢 自称三十歳
筋力 不明 そもそも筋がない
魔力 測定不明 底無し沼の底を探すようなもの
スキル 『造物』『魔法同化』『地脈誘導』
称号 真なるケモナー イムルの後継者
知識ではなく『エフデ・フェスマルク』としての名称を使っていた。騙すのはいいんだが、俺のアイデンティティーが消失の危機になっている。
とりあえず『オープンカード』を担当している精霊様ってどうやったら文句をいえるんだろうか。教会に行けばいいか?
元が一つだから同じスキルを持っているのは不思議ではない。
おかしな点として、ケルンの持っていた『身体強化』が消えて代わりに『地脈誘導』というスキルが出ていた。
称号は…確かにエフデが『イムルの後継者』といわれていたからわかる。
でも、棒神様。真なるケモナーって称号はどうかと。
ケルンの方にも『寵愛者』というのがあったんだが、主語がない称号だったので、どういうことでつけられたかはわからない。
称号はあると何かしらの効果や恩恵がある。一般的な称号だと『領主』なら領民に対して威圧感を増すとか、かなり地味な効果が多いみたいだが、棒神様や精霊様が絡むと色々な効果が出るみたいだからな…まぁ、称号は全て隠す方向にしよう。
他の魔法の検証はどこかを借りてやってみようと思う。部屋でするもんでもないしな。一応『ウォッシュアップ』で手をきれいにできたから、おそらく使えるはすだ。
そして、今まではケルンが寝れば俺も寝ていたし、起きれば起きていた。昨日は同時に寝ていないし、今日は同時に起きていない。
これも研究対象だな。
さてと…パニックな思考がようやく整理できた。
目を覚まして死ぬかと思った。
今、俺の前にはあり得ねぇくらいの美少年が寝ている。
黒髪に白い透き通る肌。苺のような赤い唇。何かいい夢を見ているのか、やわらかちほほえみを浮かべている。
そんな美少年に抱きしめられているなんて普通にびびる。
いや、ケルンなんだがな。外から見るとこんな顔だったのかと。意識がはっきりすると、誰だぁー!って叫びそうになった。
百人に聞いたら百人が天使か!っていうレベルだ。
体がケルンよりも小さくなっているからか、視界が異なるからそう思うのかもしれない。
確かに母様が異常なほど綺麗な人ではあるんだが、それでも父様に似ているケルンなんだ。
まさかの、いいとこどりとは思ってなかった。
目が潰れる…俺、どこで視界を得ているか謎なんだが…これも検証要項に入れておこう。
ケルンの中にいるときは、ケルンの感情に大きく影響されていたんだが…どんだけ無頓着かよーくわかった。
そりゃ、誘拐とか心配する。この前まではまだまだ幼児っぽかったと思うが…顔立ちがはっきりしてきたからな…いやいや、きっと大人になればもう少し落ち着いた顔になるだろ。よくいうじゃないか。子供の頃はかわいくても大人になればそうじゃないって。
あれ?ケルンの目からも、母様は異常なほど綺麗な人に見えているのなら…俺、心臓が止まるんじゃねえかな。
あ、心臓なんてもんなかったわ。
「んっ…むぅ」
「起きたか。おはよう。早く顔を洗おうぜ」
うっすらと青い瞳がぼーと俺をみている。寝ぼけてるな。
「おはよー…んー…お兄ちゃん、まだ眠いよ…お兄ちゃん!」
「ど、どうした!」
ぱちりと目をまばたかせて、意識がはっきりしたのか、飛び起きて俺の借り物の体を持ち上げる。
「夢じゃなかったんだ!」
「夢じゃないんだよなぁ…」
夢ならどんなによかったか…面倒なことになる未来しか想像がつかないからな。そのためにも今日の話し合いを乗り越えないと。
そんな風に考えている俺の気持ちはケルンにはどうも伝わっていないみたいだ。どこまで伝わるかの検証も追加だな。
「えへへー…お兄ちゃん、あのね」
「なんだよ?」
「いつもありがとう!大好きだよ」
「くっ…!顔面フラッシュだとっ!」
ふらっす?といい間違えて聞き返すケルンの顔は本当にキラキラしていた。もしかしてこれは『寵愛者』の効果なんだろうか。
それも調べないといけないが、まずは俺の視界の場所を探そう。サングラスも必要だな。
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