182 / 229
第六章 ケモナーと水のクランと風の宮
風の精霊の契約先
しおりを挟む
「つぅわけで、風の精霊様と契約したいんだけど、やり方はどうすりゃいいんだ?」
「急に何をいいだすんですか」
ケルンの特訓を終えて暇しているナザドにいうと、じとっとした目でみられた。
気持ちのよい午前の風が冷えた気がするぜ。
今日は午前中に時間ができたから朝からケルンは特訓をしていた。今はミルデイに膝枕されて寝ている。夜泣したら寝不足になるからか、それとも特訓をしたあとエネルギー切れしたからかは判断しにくいが、大人しく寝ている。
寝るまで側にいたが、ミルデイが世話をしてくれているからか、安心した寝顔を浮かべている。
起こさないように離れて特訓の結果を手帳に書き込みも終えて暇しているからこそナザドに聞ける話だ。
「本とかで調べるよりナザドに聞いた方が早いかと思ってよ」
「もちろん知ってますけど、それより一ついいですか?」
「何だ?」
手帳を俺に見せながら聞かれた。
やべぇやつだが、ナザドは魔法の天才だ。あの手帳には効率的な魔力の伸ばし方や、魔法の使い方を書いてある。しかもケルン専用に組み立てている。
けれどあまり上手くいっていない。
「坊ちゃまの魔法が…行使されないのと契約することは関係あるんですか?」
「…変か?」
まだずっと先の魔法の詠唱を教えてくれたりもしたが、ケルンは水の中級以外は使えない。他の中級魔法は発動しないのだ。
水の精霊様から許可を貰ったときに攻撃には使えない魔法は俺も知識に追加されたんだが、攻撃魔法は詠唱が多い。ナザドの詠唱を聞いて俺が覚えたりしているが、おそらく杖が補助をしてくれ…こっちにむけて葉をぶんぶんするな。ミルデイに気づかれるだろうが!
あの杖のことは置いておこう。
他の中級魔法が使えない理由は、単純に魔法の属性の精霊様から許可がおりていないからだろうけど、ナザドには説明できない話だ。
もしも、棒神様の頼みごとを知られたら猛反対をくらうのはわかりきっているからな。
心配なのは、サイジャルでは他にも職員がいることだ。ケルンの特異性に気付かれてはいないが、気をつけねばならないだろう。なるべくしたくはないが、攻撃手段が水だけなのは心許ない。いくら魔力が多くても多種多様な魔法で攻撃されたら、身を守れない。
気付かれないうちにせめて風の精霊様から許可を取りたいが、ナザドの顔をみるかぎり難しいのかもしれない。
「旦那様ですら坊ちゃまが急に魔法を使えるようになった理由もわかってませんし…僕も似たようなものですから誰からも不審には思われないでしょう…けど風の精霊ですか…ここでは厳しいですね」
「厳しい?」
手帳をしまい、難しい顔のままナザドは声をひそめた。
「大きな声ではいえませんが、サイジャルは水の精霊が多い場所でそれを利用する陣もあります。ですが風の精霊は気ままというか…留まらない性質なんです。特定の場所以外ではよほど運がいいか相性がよくなければ契約はできません」
「特定の場所か…遠かったりするのか?」
新入生でも簡単に水の精霊様と契約できたのは、サイジャルという場所と細工のおかげってわけか。
サイジャルでできたら助かったんだが、遠い場所だとケルンには無理だ。
「近くでしたら…ポルティでしょうね」
「ポルティ?」
って思ってたらポルティかよ。屋敷から近いから、帰省のときに行けるな。
「あそこは風の精霊が降り立つ場所とされています。古代の王が人として初めて臣下として風の精霊を従えたという伝説もありますからね」
「だから風の精霊様を祀る大聖堂があんのか…」
他の建物が新しい中で大聖堂は立派だけど古いんだよな。外壁とかは塗り直しているが、内装が昔なデザインなのだ。本とかで流行りの模様をまとめたものを読んだことがあるが、かなり昔に流行ったデザインだった。
「坊ちゃまなら喜んで精霊が契約するでしょう。あそこなら相性がよければ中級精霊が来るかもしれません」
ナザドが嬉しそうで、少し寂しそうにして笑った。ケルンが魔法を使えて嬉しい反面で、心配なんだろう。
残念だが、ケルンが魔法を使えるからといってもナザドをいらないとはいわない。もしナザドが魔法を使えなくなっても同じだ。見捨てたりしないってのに。
「そうなったらしっかり教えてやってくれ。ナザドがケルンの先生なんだから」
「はい」
らしくないな。疲れでも出てきてるんだろうな。
咳払いをして、しんみりした空気をなくしてから、ナザドは自信ありげにいう。
「坊ちゃまが契約している水の精霊は初級ですが、中級に近い精霊でしたから期待していいですよ」
「そう…だな」
ケルンが呼び出した精霊様はルシーネさんではなかった。水色のカワウソで初級精霊様らしい。
触るとふわふわではなく、もにゅっとした弾力でスラ吉に近い感触だった。水風船に近いが、顔は傷だらけで歴戦の兵隊ですか?傭兵ですか?みたいな鋭い眼光をしていた。
『きゅー』
というかわいい声で鳴いていたがギャップがすごい。そこがまたいいんだが。
「ルシーネさんじゃないね?」
「だな…やわっこいな…」
ケルンと二人でもふったが、俺ぐらいのサイズだったからこれから暑くなると俺の抱き枕になってくれるように頼んだ。
断られた。
ケルンが翻訳してくれたが、初級精霊様からいわれたのだ。
『誰とも寝ない。俺の後ろに立つんじゃねぇ…今回は依頼されたから代理の代理できたまでだ』
とのことだ。つらい。
そばかす少女の精霊様は無理でもルシーネさんは出てくるかと思ったが、忙しいんだろうな。それとも人がいるところでは出ないのかもしれない。恥ずかしがりやな精霊様もいるかもしれないから、無理強いはしない。
あのとき、初級っていっても中級に近いってのはケルンが優秀だからとナザドが喜んで説明してくれたが、俺たちはカワウソをもふっていてほとんどきいてなかったのは、悪かったと今でも思う。
土産を買ってきてやるか。
「クラン戦が終わったら一度帰るから、そのとき行ってみるか」
「あ、僕も休みとりますね!兄さんは軍に連行されてますから!ね!」
「ん?いや、ティルカが護衛してくれるって母様から手紙もらってるし…お前居残り組って聞いたんだけど?」
「えっ?」
何をいい出すんだ?
母様からの手紙ではナザドはサイジャルの仕事をさせるから帰省しないとかいてあったんだけど。父様からもそうだって聞いてたし。
手伝いをしてくれたあの人は爆笑してたけど。
普段からは想像できないけど、かなりきれいな字を書くティルカからも護衛をするって手紙がきちんとした文章できてたから、てっきり話を聞いてるもんとばかり思ってたんだけど。
固まったままなのはいいけど、そろそろ帰ってこいよ?
ゴーンと鐘の音が聞こえた。時計をみればそろそろ約束の時間か。
「おっと、時間か。ケルン!教室に行くぞ!仕上げの手伝いをしないと!」
ケルンに声をかければ、ミルデイが起こしてくれる。ちょっとは寝たから元気になったろうか?
「坊ちゃま。お時間ですよ」
「んー…むー…おはよ…ミルデイ、ありがとう!」
「い、いえ…坊ちゃまのお疲れがとれたなら嬉しく思います」
「ミルデイはやわらかくて、いい匂いだから、僕好きだよ!」
近づけない雰囲気なんだけど。まだ年齢二桁もいっていないのに、あそこだけ少女漫画かな?描くべきか?描けねぇけど。
膝枕しているときのミルデイは確かに女の子みたいだった。
まだ体は男の子だけど、エセニアからも女の子扱いをほどほどにしてあげるようにっていう注意があったから、気にしているが…ケルンに任せた方がいいな。俺はそういう知識はない。ケルンの感性に任せる。
実際それで上手くいってるみたいで、こうして離れてみれば、ミルデイがどれほどケルンを好きかわかるほどだ。
懸念材料として、からだのことがある。まだ子供だからいいけど…思春期のときにミルデイが変わらなかったら俺たちが頑張るしかない。
ミルデイならケルンの世話もできるし、ケルンを守れるぐらいにはなってきてるから安心だ。
正直なところ、山のような婚約者候補の話を聞いては鼻で笑いたいところだ。
前ではフェスマルク家なのに魔法が使えないからと馬鹿にされていたのに、今では貴族や商人から娘や姪を婚約者にって話がでている。
全て断っているけどな。
思わず笑ったのは俺にまで来ていることだ。ケルンの少し上くらいの年齢から二十歳そこそこまで。
エセニアが処分してくれているらしいと、母様からの手紙で知ってるけど…財産目当てにしろ、俺にまで来るとは思わなかった。あと、エセニアの機嫌が悪くなるから婚約者候補はやめてほしい。
だいたい婚約者ってのは、イチャイチャしているか、口喧嘩するほど仲がいい関係の方がいいと思う。
ケルンの周囲をみれば特に。
たらしなのか。お兄ちゃんは心配です。
ミルデイのこともあるから、棒神様に相談したいんだけどなぁ。
杖のやつも葉だけじゃ会話にならないし、寝ているときもあるのか反応しないときもある。
わさわさ。ぶんぶん。
『エフデ!ほら自分の裸みたっす!責任とるっす!』
って伝わってきた気がするが、まともな会話にならん。また出てくるのを待つしかないか。
それまでに右ストレートを鍛えるかな。
今日の仕上げを終えてしまえばあとはクラン戦だけだ。五日間あるっていうクラン戦をしたら、その後四日ほど自由に外出していい許可を貰っている。
この体になってサイジャルから出るのは初めてだから楽しみではある。里帰り…っていうんだろうか?
「さっさと仕上げて帰る準備をしないとな…エセニアが来るんだし、どこを見るかの確認をしないと」
別にあいつが来るから考えているわけじゃない。色々みたり買ったりする効率を考えているだけだ。
いつの間にか復活しているやつからの視線を感じたのでにらんでやる。
だからナザドよ、にやつくな。殴るぞ。
「急に何をいいだすんですか」
ケルンの特訓を終えて暇しているナザドにいうと、じとっとした目でみられた。
気持ちのよい午前の風が冷えた気がするぜ。
今日は午前中に時間ができたから朝からケルンは特訓をしていた。今はミルデイに膝枕されて寝ている。夜泣したら寝不足になるからか、それとも特訓をしたあとエネルギー切れしたからかは判断しにくいが、大人しく寝ている。
寝るまで側にいたが、ミルデイが世話をしてくれているからか、安心した寝顔を浮かべている。
起こさないように離れて特訓の結果を手帳に書き込みも終えて暇しているからこそナザドに聞ける話だ。
「本とかで調べるよりナザドに聞いた方が早いかと思ってよ」
「もちろん知ってますけど、それより一ついいですか?」
「何だ?」
手帳を俺に見せながら聞かれた。
やべぇやつだが、ナザドは魔法の天才だ。あの手帳には効率的な魔力の伸ばし方や、魔法の使い方を書いてある。しかもケルン専用に組み立てている。
けれどあまり上手くいっていない。
「坊ちゃまの魔法が…行使されないのと契約することは関係あるんですか?」
「…変か?」
まだずっと先の魔法の詠唱を教えてくれたりもしたが、ケルンは水の中級以外は使えない。他の中級魔法は発動しないのだ。
水の精霊様から許可を貰ったときに攻撃には使えない魔法は俺も知識に追加されたんだが、攻撃魔法は詠唱が多い。ナザドの詠唱を聞いて俺が覚えたりしているが、おそらく杖が補助をしてくれ…こっちにむけて葉をぶんぶんするな。ミルデイに気づかれるだろうが!
あの杖のことは置いておこう。
他の中級魔法が使えない理由は、単純に魔法の属性の精霊様から許可がおりていないからだろうけど、ナザドには説明できない話だ。
もしも、棒神様の頼みごとを知られたら猛反対をくらうのはわかりきっているからな。
心配なのは、サイジャルでは他にも職員がいることだ。ケルンの特異性に気付かれてはいないが、気をつけねばならないだろう。なるべくしたくはないが、攻撃手段が水だけなのは心許ない。いくら魔力が多くても多種多様な魔法で攻撃されたら、身を守れない。
気付かれないうちにせめて風の精霊様から許可を取りたいが、ナザドの顔をみるかぎり難しいのかもしれない。
「旦那様ですら坊ちゃまが急に魔法を使えるようになった理由もわかってませんし…僕も似たようなものですから誰からも不審には思われないでしょう…けど風の精霊ですか…ここでは厳しいですね」
「厳しい?」
手帳をしまい、難しい顔のままナザドは声をひそめた。
「大きな声ではいえませんが、サイジャルは水の精霊が多い場所でそれを利用する陣もあります。ですが風の精霊は気ままというか…留まらない性質なんです。特定の場所以外ではよほど運がいいか相性がよくなければ契約はできません」
「特定の場所か…遠かったりするのか?」
新入生でも簡単に水の精霊様と契約できたのは、サイジャルという場所と細工のおかげってわけか。
サイジャルでできたら助かったんだが、遠い場所だとケルンには無理だ。
「近くでしたら…ポルティでしょうね」
「ポルティ?」
って思ってたらポルティかよ。屋敷から近いから、帰省のときに行けるな。
「あそこは風の精霊が降り立つ場所とされています。古代の王が人として初めて臣下として風の精霊を従えたという伝説もありますからね」
「だから風の精霊様を祀る大聖堂があんのか…」
他の建物が新しい中で大聖堂は立派だけど古いんだよな。外壁とかは塗り直しているが、内装が昔なデザインなのだ。本とかで流行りの模様をまとめたものを読んだことがあるが、かなり昔に流行ったデザインだった。
「坊ちゃまなら喜んで精霊が契約するでしょう。あそこなら相性がよければ中級精霊が来るかもしれません」
ナザドが嬉しそうで、少し寂しそうにして笑った。ケルンが魔法を使えて嬉しい反面で、心配なんだろう。
残念だが、ケルンが魔法を使えるからといってもナザドをいらないとはいわない。もしナザドが魔法を使えなくなっても同じだ。見捨てたりしないってのに。
「そうなったらしっかり教えてやってくれ。ナザドがケルンの先生なんだから」
「はい」
らしくないな。疲れでも出てきてるんだろうな。
咳払いをして、しんみりした空気をなくしてから、ナザドは自信ありげにいう。
「坊ちゃまが契約している水の精霊は初級ですが、中級に近い精霊でしたから期待していいですよ」
「そう…だな」
ケルンが呼び出した精霊様はルシーネさんではなかった。水色のカワウソで初級精霊様らしい。
触るとふわふわではなく、もにゅっとした弾力でスラ吉に近い感触だった。水風船に近いが、顔は傷だらけで歴戦の兵隊ですか?傭兵ですか?みたいな鋭い眼光をしていた。
『きゅー』
というかわいい声で鳴いていたがギャップがすごい。そこがまたいいんだが。
「ルシーネさんじゃないね?」
「だな…やわっこいな…」
ケルンと二人でもふったが、俺ぐらいのサイズだったからこれから暑くなると俺の抱き枕になってくれるように頼んだ。
断られた。
ケルンが翻訳してくれたが、初級精霊様からいわれたのだ。
『誰とも寝ない。俺の後ろに立つんじゃねぇ…今回は依頼されたから代理の代理できたまでだ』
とのことだ。つらい。
そばかす少女の精霊様は無理でもルシーネさんは出てくるかと思ったが、忙しいんだろうな。それとも人がいるところでは出ないのかもしれない。恥ずかしがりやな精霊様もいるかもしれないから、無理強いはしない。
あのとき、初級っていっても中級に近いってのはケルンが優秀だからとナザドが喜んで説明してくれたが、俺たちはカワウソをもふっていてほとんどきいてなかったのは、悪かったと今でも思う。
土産を買ってきてやるか。
「クラン戦が終わったら一度帰るから、そのとき行ってみるか」
「あ、僕も休みとりますね!兄さんは軍に連行されてますから!ね!」
「ん?いや、ティルカが護衛してくれるって母様から手紙もらってるし…お前居残り組って聞いたんだけど?」
「えっ?」
何をいい出すんだ?
母様からの手紙ではナザドはサイジャルの仕事をさせるから帰省しないとかいてあったんだけど。父様からもそうだって聞いてたし。
手伝いをしてくれたあの人は爆笑してたけど。
普段からは想像できないけど、かなりきれいな字を書くティルカからも護衛をするって手紙がきちんとした文章できてたから、てっきり話を聞いてるもんとばかり思ってたんだけど。
固まったままなのはいいけど、そろそろ帰ってこいよ?
ゴーンと鐘の音が聞こえた。時計をみればそろそろ約束の時間か。
「おっと、時間か。ケルン!教室に行くぞ!仕上げの手伝いをしないと!」
ケルンに声をかければ、ミルデイが起こしてくれる。ちょっとは寝たから元気になったろうか?
「坊ちゃま。お時間ですよ」
「んー…むー…おはよ…ミルデイ、ありがとう!」
「い、いえ…坊ちゃまのお疲れがとれたなら嬉しく思います」
「ミルデイはやわらかくて、いい匂いだから、僕好きだよ!」
近づけない雰囲気なんだけど。まだ年齢二桁もいっていないのに、あそこだけ少女漫画かな?描くべきか?描けねぇけど。
膝枕しているときのミルデイは確かに女の子みたいだった。
まだ体は男の子だけど、エセニアからも女の子扱いをほどほどにしてあげるようにっていう注意があったから、気にしているが…ケルンに任せた方がいいな。俺はそういう知識はない。ケルンの感性に任せる。
実際それで上手くいってるみたいで、こうして離れてみれば、ミルデイがどれほどケルンを好きかわかるほどだ。
懸念材料として、からだのことがある。まだ子供だからいいけど…思春期のときにミルデイが変わらなかったら俺たちが頑張るしかない。
ミルデイならケルンの世話もできるし、ケルンを守れるぐらいにはなってきてるから安心だ。
正直なところ、山のような婚約者候補の話を聞いては鼻で笑いたいところだ。
前ではフェスマルク家なのに魔法が使えないからと馬鹿にされていたのに、今では貴族や商人から娘や姪を婚約者にって話がでている。
全て断っているけどな。
思わず笑ったのは俺にまで来ていることだ。ケルンの少し上くらいの年齢から二十歳そこそこまで。
エセニアが処分してくれているらしいと、母様からの手紙で知ってるけど…財産目当てにしろ、俺にまで来るとは思わなかった。あと、エセニアの機嫌が悪くなるから婚約者候補はやめてほしい。
だいたい婚約者ってのは、イチャイチャしているか、口喧嘩するほど仲がいい関係の方がいいと思う。
ケルンの周囲をみれば特に。
たらしなのか。お兄ちゃんは心配です。
ミルデイのこともあるから、棒神様に相談したいんだけどなぁ。
杖のやつも葉だけじゃ会話にならないし、寝ているときもあるのか反応しないときもある。
わさわさ。ぶんぶん。
『エフデ!ほら自分の裸みたっす!責任とるっす!』
って伝わってきた気がするが、まともな会話にならん。また出てくるのを待つしかないか。
それまでに右ストレートを鍛えるかな。
今日の仕上げを終えてしまえばあとはクラン戦だけだ。五日間あるっていうクラン戦をしたら、その後四日ほど自由に外出していい許可を貰っている。
この体になってサイジャルから出るのは初めてだから楽しみではある。里帰り…っていうんだろうか?
「さっさと仕上げて帰る準備をしないとな…エセニアが来るんだし、どこを見るかの確認をしないと」
別にあいつが来るから考えているわけじゃない。色々みたり買ったりする効率を考えているだけだ。
いつの間にか復活しているやつからの視線を感じたのでにらんでやる。
だからナザドよ、にやつくな。殴るぞ。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】長男は悪役で次男はヒーローで、私はへっぽこ姫だけど死亡フラグは折って頑張ります!
くま
ファンタジー
2022年4月書籍化いたしました!
イラストレータはれんたさん。とても可愛いらしく仕上げて貰えて感謝感激です(*≧∀≦*)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
池に溺れてしまったこの国のお姫様、エメラルド。
あれ?ここって前世で読んだ小説の世界!?
長男の王子は悪役!?次男の王子はヒーロー!?
二人共あの小説のキャラクターじゃん!
そして私は……誰だ!!?え?すぐ死ぬキャラ!?何それ!兄様達はチート過ぎるくらい魔力が強いのに、私はなんてこった!!
へっぽこじゃん!?!
しかも家族仲、兄弟仲が……悪いよ!?
悪役だろうが、ヒーローだろうがみんな仲良くが一番!そして私はへっぽこでも生き抜いてみせる!!
とあるへっぽこ姫が家族と仲良くなる作戦を頑張りつつ、みんなに溺愛されまくるお話です。
※基本家族愛中心です。主人公も幼い年齢からスタートなので、恋愛編はまだ先かなと。
それでもよろしければエメラルド達の成長を温かく見守ってください!
※途中なんか残酷シーンあるあるかもなので、、、苦手でしたらごめんなさい
※不定期更新なります!
現在キャラクター達のイメージ図を描いてます。随時更新するようにします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
異世界ママ、今日も元気に無双中!
チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。
ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!?
目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流!
「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」
おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘!
魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!
魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。
それは、最強の魔道具だった。
魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく!
すべては、憧れのスローライフのために!
エブリスタにも掲載しています。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる