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第六章 ケモナーと水のクランと風の宮
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ふわっと風をまとって降りてくる。
少女にも少年にも見えるが、何ともいえない気品があった。
それは絶対的な強者が持つ余裕にも取れるほどの威圧感すら混ざっている。
人外。その二文字が的確な存在だ。
こういう存在はこれで三度目の遭遇となる。天使のおねぇさんと最初に出てきた水の精霊様。そして、今回だ。
マリーヌさんも美人だったが、同程度の威圧感かと聞かれたら、違うと答えるだろう。
鈴のような声とかしていそうだ。似合いそうなのは、聖歌隊だろうな。聖歌隊とかに混ざっていても目立つほどの美形だけど。
体のラインを隠すほど大きめな真っ白なワンピースみたいな服だから神秘さもでているんだろうか。
草原に足をつけ、風の精霊様は口を開いた。
「あぁぁーん!待ってたわよぉー!」
声、ひっく!
は?待って、嘘だろ!めちゃくちゃ声が低いぞ!高めに出してるつもりなんだろうが、どうやってもおっさんじゃねぇか!
「というか、何でおっさん声でその見た目でしかも女言葉とかどこからつっこめばいいんだよ!チェンジだ、チェンジ!」
黙っていようと思ったが黙っていられない。
ケルンがつっこみとかしないから、そのまま流される気がしてならないんだが…チェンジで!
「ちょっと…あんた誰よ?…その姿でここに喚ばれるなんて」
眉をひそめ、声もさらに低くなりながら、風の精霊様は俺を指さす。その指し方なんだが、普通にまっすぐ指すのではなく、一度唇に人差指をあててから、二、三度空中で指先を振ってから俺を指さした。
つんつんなんて小声でいいつつだ。
背筋に寒気が走った。
「僕のお兄ちゃん!エフデっていうの!借り物?の体なんです!元気な体は今度貰うの!それで僕はケルンです、初めまして!精霊様!」
「お兄ちゃん?健康な体?…ちょっとわかんないんだけどぉ…ケルンに兄なんていたの?」
「いたよ?ね?」
実はケルンの心臓には毛でも生えているのか、スルースキルとか生えてきたんじゃなかろうか。いや、こういう存在を知らないから普通に対応をしていると考えるべきか。
仮にも精霊様なんだし…挨拶だけはしておこう。
「エフデといいます…どうも」
頭を下げて挨拶をすれば、風の精霊様は眉をよせていた。
「ちょっと待ってなさいねぇん。かわいい風の子たち教えなさい」
ふわっと風とともに初級の精霊様たちが集まってきた。たくさんいるんだな。ん?ケルンがクスクスと笑っている。
「何で笑っているんだ?」
「え?だって、お兄ちゃんが有名人だって…はつめいおう?っていわれてるんだって」
「発明王?」
「でもね、知らないって」
発明王っていわれてるなんて初めて聞いたぞ。
知らないって何だ?
そう思うとケルンが右手で俺に触れる。
『お兄ちゃんがどこにいるかって。体の場所とかわからないって…ないんだね、やっぱり』
『そりゃ、知らないだろ…ないんだよ。当たり前だろ』
しょぼくれた顔になるから右手をぽんぽんと、軽く叩く。あんまり俺にこだわるなっていってんのにな。
「誰も知らないのぉん?変ねぇん…噂ならあるのね?」
「噂?風の噂とかですか?」
「そうよぉ。風の噂もあたちたちの管轄なのよぉ。だって、あたちは風の精霊様なのよ?」
風の噂とかも精霊様の管轄なのか。ってことは風の精霊様と契約したら風の噂とか聞いたりできるようになるのかな?
一人称があたちなのは、スルーしよう。
「よっぽどなとこに隔離されてんのね…あたちたちでもわからないなんて…え?何よ?」
不信感がつのりだしたのか、嫌な気配を出しはじめた風の精霊様だったが、途中から空中を見上げて話し出した。
本当に誰と話しているんだろか。
「やだぁぁん!一度くらいいいじゃないのよぉ!あたちはぁ、こういうかわいい男の子と…わかったわよぉ!あんっ!あの方にいうんじゃないわよ!…わかってるわよ、時間があまりないんでしょ。わかってるわよぉ」
えーと…一人称があたちで、声が低く、かわいい男の子が好きと。
ここって地脈とか流れてねぇ…ケルンの魔力を借りるか。
いやいや、落ち着け。ぶっとばしたらケルンが契約をできず風の攻撃魔法が使えない。それはよくないからな。
あと、あの方って存在がいるってのは気になるな。
もしかして、棒神様?…でも、この精霊様は属神の精霊様だったら嫌だなぁ。それでも一応、契約をしたら聞いておこう。
誰かと話していた精霊様は、くねくねした動きをやめ、背筋を伸ばし真顔でケルンに問いかける。
「それじゃぁ、ケルンに問います。貴方にとっての自由って何かしら?」
自由か。また難しい問いだ。
自由というのは人によって捉え方が異なる質問の一つだろう。何に視点を置いて考えるかで答えはかわる。
ケルンにとっての自由。俺が提案すべきなんだろうけど、俺には自由がわからない。
ならば、任せるしかない。さてケルンの答えはなんだろうか。
「お兄ちゃんといること!」
「なんでやねん」
思わずマティ君のように小声でつっこんでしまった。
少女にも少年にも見えるが、何ともいえない気品があった。
それは絶対的な強者が持つ余裕にも取れるほどの威圧感すら混ざっている。
人外。その二文字が的確な存在だ。
こういう存在はこれで三度目の遭遇となる。天使のおねぇさんと最初に出てきた水の精霊様。そして、今回だ。
マリーヌさんも美人だったが、同程度の威圧感かと聞かれたら、違うと答えるだろう。
鈴のような声とかしていそうだ。似合いそうなのは、聖歌隊だろうな。聖歌隊とかに混ざっていても目立つほどの美形だけど。
体のラインを隠すほど大きめな真っ白なワンピースみたいな服だから神秘さもでているんだろうか。
草原に足をつけ、風の精霊様は口を開いた。
「あぁぁーん!待ってたわよぉー!」
声、ひっく!
は?待って、嘘だろ!めちゃくちゃ声が低いぞ!高めに出してるつもりなんだろうが、どうやってもおっさんじゃねぇか!
「というか、何でおっさん声でその見た目でしかも女言葉とかどこからつっこめばいいんだよ!チェンジだ、チェンジ!」
黙っていようと思ったが黙っていられない。
ケルンがつっこみとかしないから、そのまま流される気がしてならないんだが…チェンジで!
「ちょっと…あんた誰よ?…その姿でここに喚ばれるなんて」
眉をひそめ、声もさらに低くなりながら、風の精霊様は俺を指さす。その指し方なんだが、普通にまっすぐ指すのではなく、一度唇に人差指をあててから、二、三度空中で指先を振ってから俺を指さした。
つんつんなんて小声でいいつつだ。
背筋に寒気が走った。
「僕のお兄ちゃん!エフデっていうの!借り物?の体なんです!元気な体は今度貰うの!それで僕はケルンです、初めまして!精霊様!」
「お兄ちゃん?健康な体?…ちょっとわかんないんだけどぉ…ケルンに兄なんていたの?」
「いたよ?ね?」
実はケルンの心臓には毛でも生えているのか、スルースキルとか生えてきたんじゃなかろうか。いや、こういう存在を知らないから普通に対応をしていると考えるべきか。
仮にも精霊様なんだし…挨拶だけはしておこう。
「エフデといいます…どうも」
頭を下げて挨拶をすれば、風の精霊様は眉をよせていた。
「ちょっと待ってなさいねぇん。かわいい風の子たち教えなさい」
ふわっと風とともに初級の精霊様たちが集まってきた。たくさんいるんだな。ん?ケルンがクスクスと笑っている。
「何で笑っているんだ?」
「え?だって、お兄ちゃんが有名人だって…はつめいおう?っていわれてるんだって」
「発明王?」
「でもね、知らないって」
発明王っていわれてるなんて初めて聞いたぞ。
知らないって何だ?
そう思うとケルンが右手で俺に触れる。
『お兄ちゃんがどこにいるかって。体の場所とかわからないって…ないんだね、やっぱり』
『そりゃ、知らないだろ…ないんだよ。当たり前だろ』
しょぼくれた顔になるから右手をぽんぽんと、軽く叩く。あんまり俺にこだわるなっていってんのにな。
「誰も知らないのぉん?変ねぇん…噂ならあるのね?」
「噂?風の噂とかですか?」
「そうよぉ。風の噂もあたちたちの管轄なのよぉ。だって、あたちは風の精霊様なのよ?」
風の噂とかも精霊様の管轄なのか。ってことは風の精霊様と契約したら風の噂とか聞いたりできるようになるのかな?
一人称があたちなのは、スルーしよう。
「よっぽどなとこに隔離されてんのね…あたちたちでもわからないなんて…え?何よ?」
不信感がつのりだしたのか、嫌な気配を出しはじめた風の精霊様だったが、途中から空中を見上げて話し出した。
本当に誰と話しているんだろか。
「やだぁぁん!一度くらいいいじゃないのよぉ!あたちはぁ、こういうかわいい男の子と…わかったわよぉ!あんっ!あの方にいうんじゃないわよ!…わかってるわよ、時間があまりないんでしょ。わかってるわよぉ」
えーと…一人称があたちで、声が低く、かわいい男の子が好きと。
ここって地脈とか流れてねぇ…ケルンの魔力を借りるか。
いやいや、落ち着け。ぶっとばしたらケルンが契約をできず風の攻撃魔法が使えない。それはよくないからな。
あと、あの方って存在がいるってのは気になるな。
もしかして、棒神様?…でも、この精霊様は属神の精霊様だったら嫌だなぁ。それでも一応、契約をしたら聞いておこう。
誰かと話していた精霊様は、くねくねした動きをやめ、背筋を伸ばし真顔でケルンに問いかける。
「それじゃぁ、ケルンに問います。貴方にとっての自由って何かしら?」
自由か。また難しい問いだ。
自由というのは人によって捉え方が異なる質問の一つだろう。何に視点を置いて考えるかで答えはかわる。
ケルンにとっての自由。俺が提案すべきなんだろうけど、俺には自由がわからない。
ならば、任せるしかない。さてケルンの答えはなんだろうか。
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「なんでやねん」
思わずマティ君のように小声でつっこんでしまった。
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