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第五章 system『Sieben Geists』 ~七人ミサキ~
【三十五丁目】「貴様、面白いな」
黒い軍服・軍帽を身に付けた六体の貌の無い死霊“七人ミサキ”の一団が、僕…十乃 巡を取り囲む。
完全に包囲されてしまったため、最早完全に逃げるすべはない。
だが、仕事柄こんな状況は過去に何度かあった。
器物の小妖怪“猪口暮露”の一団を説得しに行った時は、爪楊枝みたいな尺八で合奏され、高周波攻撃を受けた。
あの時は頭が割れるかと思った。
凶暴な性格の“ノウマ”に行政執行で出向いた時は、相手が怒り、追い掛け回された揚句、危うく頭から齧られるところだった。
あの時は、間車さん(朧車)が駆けつけるのが遅かったら、命は無かったかも知れない。
他にも、似たような状況を枚挙すればいくらでもある。
僕みたいな、特別住民に関わる仕事している職員には、そう珍しくない日常なのだ。
そもそも、彼ら妖怪はいずれも人間を超越した能力を持っている。
本来、人間である僕達には立ち向かう方法はないのだ。
だが、それでは仕事にもならない。
だから、僕の様な何の力も持たない人間の職員は、とっておきの装備が与えられていた。
「畏くも是、上意也!」
僕は背広の内ポケットから取り出したものを、高く掲げた。
それは小型の絵馬のような木札で、表面には何やら古い文字が書かれ、複雑な形をした朱印が押されている。
この木片、名前を「天霊決裁」という。
特別住民支援課に配属された時に役場から支給された備品で、僕のような人間の職員にしか扱えない装備である。
この木片には、ある高位の神霊…即ち「神様」による勅令文と、その神霊の意思を伝える朱印が決裁印として押されているという。
何でも、この勅令文は妖怪や怨霊といった怪異達に向けて「おう、お前ら、コイツの言う事聞けよ?聞かなかったらどうなるか分かってんだろうな、あぁーん!?」(訳:間車さん)というメッセージを発する効果がある。
つまり「水戸黄門の印籠」と同じような効果があり、これのおかげで僕達のような非力な人間でも、妖怪達は下手に危害を加えることが出来なくなるという訳である。
「むっ!?」
エルフリーデさんとはじめとする「SPTENTORION」の無貌達が、ピタリとその動きを止める。
妖怪ではないものの、伝承に名を残す死霊軍団“七人ミサキ”にも効果はあったようだ。
「この凄まじい霊圧…そうか、聞いたことがあるぞ。それが『天霊決裁』か…!」
僕を睨みつけながら、そう呟くエルフリーデさん。
「すみません。個人的にはあまりこれには頼りたくないんですが、貴女達はこうでもしないと話もできなさそうなんで」
「謝る必要はないだろ、まったく」
間車さんが、口を尖らせる。
「こいつらが連続失踪の犯人なのは間違いないんだし。とっとと口を割らせて、警察に突き出しゃいいんだよ」
「それはそうですが…この人達には何か理由があるのかも知れません。人間を攫うのは犯罪ですが、結果、開放しているのは辻褄が合わないですし」
そう。
誘拐して家族を脅すでもなく、人質を殺害するのでもなく、彼らは一定期間をおいて、ただ開放している。
その行為に何の意味があるのだろう。
「僕達特別市民支援課は、特別住民と人間の共存を守るための仕事をしています」
僕はエルフリーデさんを真っ直ぐに見つめ、語りかけた。
「死霊とはいえ、貴方達も特別住民に連なる存在です。だから、僕達は貴女達の力になりたいんです」
翡翠の瞳が見開かれる。
僕は続けた。
「話してくれませんか?何故、こんなことをしているのか。そして、僕達に力になれることがあるなら、ぜひ相談して欲しいんです」
「…」
エルフリーデさんは、無言で僕を見つめ返している。
そして、不意に微笑した。
「貴様、面白いな」
「えっ?」
「気に入ったぞ」
それまで不動だったエルフリーデさんが、不意にその手にある馬上鞭を振るった。
鞭は一瞬で長さを増し、僕の身体に巻きついて自由を奪う。
「うわっ!」
「巡!?」
「おっと、動くな妖怪。動けば、この男の身体が八つ裂きになるぞ」
咄嗟に反応した間車さんを、エルフリーデさんが牽制する。
間車さんは、動きを止めると悔しげに歯を剥き出しにした。
「何で動けるんだ、テメェ!」
「『天霊決裁』か?まぁ、簡単な話だ」
ニヤリとエルフリーデさんが笑う。
「確かに『天霊決裁』の効果は絶大だ。だが、その決裁はこの国の神霊のものだろう?異国の出で、異なる信仰を持つ私には、いささか効果が落ちているのだろうな」
…そんなんアリかっ!?
間車さんがエルフリーデさんを睨みつける。
「巡をどうするつもりだ!?」
「どうするか、か…そうだな」
グイッと鞭を引くエルフリーデさん。
大した力を込めた風ではなかったが、僕の身体はコマのように回り、鞭ごと引き戻された。
一瞬後には、エルフリーデさんの腕に抱きかかえられるように捕まってしまう僕。
その拍子に、手にしていた天霊決裁を落としてしまう。
「巡っ!」
追い掛けようとして踏み止まる間車さん。
先程より悪い状況に、間車さんにも成すすべがなかった。
「ふう…効き目が落ちていたとはいえ、なかなか堪えたぞ」
額を拭いながら、動けない僕を見降ろすエルフリーデさん。
そして、氷の様な微笑を口元に湛える。
美人の腕に抱えられるというのは、男なら本来喜ぶべきシチュエーションなのだろう。
だが、伝承に恐怖を刻む“七人ミサキ”が相手では、肝が冷えるだけだ。
鞭で捕縛されているので、親指を隠すまじないで姿を眩ましても、もはや逃げようがない。
「…僕を、どうする気ですか…?」
情けないが、声が震える。
言うまでもなく、生殺与奪の権利は、完全に彼女の手の中にある。
エルフリーデさんは、その様を楽しむように告げた。
「そうだな…とりあえず、先程の偉そうな口上が二度と叩けぬよう…」
エルフリーデさんが、艶めかしく唇を舐めた。
「憑り殺して、永遠に私の男にしてやろうか」
そして、そのまま。
彼女は僕の唇を奪った。
完全に包囲されてしまったため、最早完全に逃げるすべはない。
だが、仕事柄こんな状況は過去に何度かあった。
器物の小妖怪“猪口暮露”の一団を説得しに行った時は、爪楊枝みたいな尺八で合奏され、高周波攻撃を受けた。
あの時は頭が割れるかと思った。
凶暴な性格の“ノウマ”に行政執行で出向いた時は、相手が怒り、追い掛け回された揚句、危うく頭から齧られるところだった。
あの時は、間車さん(朧車)が駆けつけるのが遅かったら、命は無かったかも知れない。
他にも、似たような状況を枚挙すればいくらでもある。
僕みたいな、特別住民に関わる仕事している職員には、そう珍しくない日常なのだ。
そもそも、彼ら妖怪はいずれも人間を超越した能力を持っている。
本来、人間である僕達には立ち向かう方法はないのだ。
だが、それでは仕事にもならない。
だから、僕の様な何の力も持たない人間の職員は、とっておきの装備が与えられていた。
「畏くも是、上意也!」
僕は背広の内ポケットから取り出したものを、高く掲げた。
それは小型の絵馬のような木札で、表面には何やら古い文字が書かれ、複雑な形をした朱印が押されている。
この木片、名前を「天霊決裁」という。
特別住民支援課に配属された時に役場から支給された備品で、僕のような人間の職員にしか扱えない装備である。
この木片には、ある高位の神霊…即ち「神様」による勅令文と、その神霊の意思を伝える朱印が決裁印として押されているという。
何でも、この勅令文は妖怪や怨霊といった怪異達に向けて「おう、お前ら、コイツの言う事聞けよ?聞かなかったらどうなるか分かってんだろうな、あぁーん!?」(訳:間車さん)というメッセージを発する効果がある。
つまり「水戸黄門の印籠」と同じような効果があり、これのおかげで僕達のような非力な人間でも、妖怪達は下手に危害を加えることが出来なくなるという訳である。
「むっ!?」
エルフリーデさんとはじめとする「SPTENTORION」の無貌達が、ピタリとその動きを止める。
妖怪ではないものの、伝承に名を残す死霊軍団“七人ミサキ”にも効果はあったようだ。
「この凄まじい霊圧…そうか、聞いたことがあるぞ。それが『天霊決裁』か…!」
僕を睨みつけながら、そう呟くエルフリーデさん。
「すみません。個人的にはあまりこれには頼りたくないんですが、貴女達はこうでもしないと話もできなさそうなんで」
「謝る必要はないだろ、まったく」
間車さんが、口を尖らせる。
「こいつらが連続失踪の犯人なのは間違いないんだし。とっとと口を割らせて、警察に突き出しゃいいんだよ」
「それはそうですが…この人達には何か理由があるのかも知れません。人間を攫うのは犯罪ですが、結果、開放しているのは辻褄が合わないですし」
そう。
誘拐して家族を脅すでもなく、人質を殺害するのでもなく、彼らは一定期間をおいて、ただ開放している。
その行為に何の意味があるのだろう。
「僕達特別市民支援課は、特別住民と人間の共存を守るための仕事をしています」
僕はエルフリーデさんを真っ直ぐに見つめ、語りかけた。
「死霊とはいえ、貴方達も特別住民に連なる存在です。だから、僕達は貴女達の力になりたいんです」
翡翠の瞳が見開かれる。
僕は続けた。
「話してくれませんか?何故、こんなことをしているのか。そして、僕達に力になれることがあるなら、ぜひ相談して欲しいんです」
「…」
エルフリーデさんは、無言で僕を見つめ返している。
そして、不意に微笑した。
「貴様、面白いな」
「えっ?」
「気に入ったぞ」
それまで不動だったエルフリーデさんが、不意にその手にある馬上鞭を振るった。
鞭は一瞬で長さを増し、僕の身体に巻きついて自由を奪う。
「うわっ!」
「巡!?」
「おっと、動くな妖怪。動けば、この男の身体が八つ裂きになるぞ」
咄嗟に反応した間車さんを、エルフリーデさんが牽制する。
間車さんは、動きを止めると悔しげに歯を剥き出しにした。
「何で動けるんだ、テメェ!」
「『天霊決裁』か?まぁ、簡単な話だ」
ニヤリとエルフリーデさんが笑う。
「確かに『天霊決裁』の効果は絶大だ。だが、その決裁はこの国の神霊のものだろう?異国の出で、異なる信仰を持つ私には、いささか効果が落ちているのだろうな」
…そんなんアリかっ!?
間車さんがエルフリーデさんを睨みつける。
「巡をどうするつもりだ!?」
「どうするか、か…そうだな」
グイッと鞭を引くエルフリーデさん。
大した力を込めた風ではなかったが、僕の身体はコマのように回り、鞭ごと引き戻された。
一瞬後には、エルフリーデさんの腕に抱きかかえられるように捕まってしまう僕。
その拍子に、手にしていた天霊決裁を落としてしまう。
「巡っ!」
追い掛けようとして踏み止まる間車さん。
先程より悪い状況に、間車さんにも成すすべがなかった。
「ふう…効き目が落ちていたとはいえ、なかなか堪えたぞ」
額を拭いながら、動けない僕を見降ろすエルフリーデさん。
そして、氷の様な微笑を口元に湛える。
美人の腕に抱えられるというのは、男なら本来喜ぶべきシチュエーションなのだろう。
だが、伝承に恐怖を刻む“七人ミサキ”が相手では、肝が冷えるだけだ。
鞭で捕縛されているので、親指を隠すまじないで姿を眩ましても、もはや逃げようがない。
「…僕を、どうする気ですか…?」
情けないが、声が震える。
言うまでもなく、生殺与奪の権利は、完全に彼女の手の中にある。
エルフリーデさんは、その様を楽しむように告げた。
「そうだな…とりあえず、先程の偉そうな口上が二度と叩けぬよう…」
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そして、そのまま。
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