天使を殺した話

むーたんぽんぽん

文字の大きさ
1 / 3

1-1

しおりを挟む
「天道は知ってる? 天使を殺す方法」

 高原のあまりに突飛な発言に、天道はお弁当を食べていた手を止めて顔をあげた。

「天使? あの、翼が生えた人間の」

 一瞬聞き間違いかと思ったが、高原はいつになく真剣な顔をしていた。

「うん。天使。翼が生えてて金髪で美人でカッコいい」
「はぁ……そもそも、天使なんて存在がこの世にいるとは思えないんだけど。それに、その天使とやらはお前みたいな造形なの?」
「はは、バレた? っていうのは冗談で。例えばさ、天道ならどうやるかなって気になっただけ」
「どうやる、と言われてもさ、そんな物騒な事考えたことない。天使でも人間でも、殺すだなんて」
「……だよね。うん、やっぱり俺の好きな天道だわ」

 途端に高原の表情は明るくなり、子供をあやすように天道の髪を撫でたあと、それっきり話は別の話題に移った。
 高原がサッカー部に入ったのはこの春のことだった。転校生だった高原はクラスでも浮いていて、そんな時日直で同じになった天道が声を掛けたのがきっかけだった。それが縁で二人でよく昼ごはんを食べるようになり、部活も一緒だから仲良くなるのに時間はかからなかった。高原は三人兄弟の末っ子らしく甘えん坊で、スキンシップも激し目だったが、一人っ子の天道にはそれが可笑しいだなんて一ミリも考えた事がなかった。
 だが日に日その距離は近くなっていて、外国の挨拶ばりに頬にキスをされるようになってからは、なんとも言えない不思議な気分だった。だから、今日の突飛な発言も何か裏があるんじゃないかと思ったが、それ以降高原の口からその話題が出ることはなかった。
 そんな事があったのもすっかり忘れていたある日、天道の身の回りで不思議なことが起こるようになった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

一軍男子と兄弟になりました

しょうがやき
BL
親の再婚で一軍男子と兄弟になった、平凡男子の話。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

人気アイドルが義理の兄になりまして

BL
柚木(ゆずき)雪都(ゆきと)はごくごく普通の高校一年生。ある日、人気アイドル『Shiny Boys』のリーダー・碧(あおい)と義理の兄弟となり……?

それはきっと、気の迷い。

葉津緒
BL
王道転入生に親友扱いされている、気弱な平凡脇役くんが主人公。嫌われ後、総狙われ? 主人公→睦実(ムツミ) 王道転入生→珠紀(タマキ) 全寮制王道学園/美形×平凡/コメディ?

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...