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いつものように目が覚めて自室のカーテンを開けると、どういうわけか電線に真っ白な鳩が十匹以上並んでいた。
「は、鳩?」
鳩自体は珍しくもなんともない。しかし、真っ白い鳩となると話は別だ。普段でもあまり見慣れないというのに、それが十匹以上。あまりに不思議な光景に、自分がまだ夢の中にいるのかとさえ思ったが、見間違えじゃなかった。きっとどこからか逃げ出してきたか、今日はそういう日なのだろう。そう無理矢理自分を納得させ、制服に着替えて一階へ降りると、既に父の姿はなく、台所では母が朝食を作っていた。
「あ、祐也はおはよう。今目玉焼き作るから待っててね」
「うん、顔洗ってくる」
踵を返し洗面所で顔を洗っていると、突然母の驚いた声がして慌てて台所へ戻った。
「母さん、何があった?」
「あ、驚かせてごめんなさい。でもね、お母さんこんなの初めてでびっくりしちゃって」
母は興奮気味にフライパンを指差した。そこには、白い卵白の真ん中に二つの黄身が乗っかっていたのだ。
「双子の卵?」
「そうなの! スーパーで買った普通の卵なのに、これだけ二つで思わず声が出ちゃった。ごめんなさいね?」
「いや、多分オレでも驚くと思う。さっきは外に白い鳩が居て普通にびびった」
「あらそうなの? まぁ、今日はそういう日なのかも知れないわね。あぁ、もうこんな時間。早く席に着いて、ご飯食べて学校行っちゃいなさい」
「あ、うん」
そうあっけらかんと話す母に、天道はそういう日もあるのかと無理強い自分を納得させ、ダイニングテーブルに着いて、出された双子の目玉焼きをしばらく見つめた。
二度あることは三度ある。しかも、今日に限ってそんなに続くものだろうか? 天道は三度目になる迷子のてんとう虫を校庭に咲いていた四葉のクローバーに下ろしてやり、この不思議な出来事に疑問を抱くようになった。
今朝は鳩から始まり双子の卵に三匹のオッドアイの白猫の親子、何をしても離れないてんとう虫、それを下ろして見つけた四葉のクローバー。鞄にいつの間にか入っていた純白のウール100%のマフラー、白い馬で登校する同級生と、かなりバラエティに飛んでいた。
そのどれもが白、そして幸運と呼ばれるものと関連付けない方がむしろ難しいだろう。本当によくわからない。そんなことを考えていると、いつの間にか屋上へ辿り着いていた。今日は高原との約束はないが、この時間ならいるかもしれない。半ば確信を持ちつつ屋上の扉を開けた天道は、突如目の前に広がる光景に己の目を疑った。
「高原?」
そこには、同じ学ランに身を纏っている高原が立っていたが、その背中からは汚れのない真っ白な翼が生えていたからだ。それはまるで小説の中に出てくる天使の姿そのものだった。
「は、鳩?」
鳩自体は珍しくもなんともない。しかし、真っ白い鳩となると話は別だ。普段でもあまり見慣れないというのに、それが十匹以上。あまりに不思議な光景に、自分がまだ夢の中にいるのかとさえ思ったが、見間違えじゃなかった。きっとどこからか逃げ出してきたか、今日はそういう日なのだろう。そう無理矢理自分を納得させ、制服に着替えて一階へ降りると、既に父の姿はなく、台所では母が朝食を作っていた。
「あ、祐也はおはよう。今目玉焼き作るから待っててね」
「うん、顔洗ってくる」
踵を返し洗面所で顔を洗っていると、突然母の驚いた声がして慌てて台所へ戻った。
「母さん、何があった?」
「あ、驚かせてごめんなさい。でもね、お母さんこんなの初めてでびっくりしちゃって」
母は興奮気味にフライパンを指差した。そこには、白い卵白の真ん中に二つの黄身が乗っかっていたのだ。
「双子の卵?」
「そうなの! スーパーで買った普通の卵なのに、これだけ二つで思わず声が出ちゃった。ごめんなさいね?」
「いや、多分オレでも驚くと思う。さっきは外に白い鳩が居て普通にびびった」
「あらそうなの? まぁ、今日はそういう日なのかも知れないわね。あぁ、もうこんな時間。早く席に着いて、ご飯食べて学校行っちゃいなさい」
「あ、うん」
そうあっけらかんと話す母に、天道はそういう日もあるのかと無理強い自分を納得させ、ダイニングテーブルに着いて、出された双子の目玉焼きをしばらく見つめた。
二度あることは三度ある。しかも、今日に限ってそんなに続くものだろうか? 天道は三度目になる迷子のてんとう虫を校庭に咲いていた四葉のクローバーに下ろしてやり、この不思議な出来事に疑問を抱くようになった。
今朝は鳩から始まり双子の卵に三匹のオッドアイの白猫の親子、何をしても離れないてんとう虫、それを下ろして見つけた四葉のクローバー。鞄にいつの間にか入っていた純白のウール100%のマフラー、白い馬で登校する同級生と、かなりバラエティに飛んでいた。
そのどれもが白、そして幸運と呼ばれるものと関連付けない方がむしろ難しいだろう。本当によくわからない。そんなことを考えていると、いつの間にか屋上へ辿り着いていた。今日は高原との約束はないが、この時間ならいるかもしれない。半ば確信を持ちつつ屋上の扉を開けた天道は、突如目の前に広がる光景に己の目を疑った。
「高原?」
そこには、同じ学ランに身を纏っている高原が立っていたが、その背中からは汚れのない真っ白な翼が生えていたからだ。それはまるで小説の中に出てくる天使の姿そのものだった。
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