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7.時は流れて今に戻る
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"私の居場所はここにはない"
そう強く思ったのはいつからだろう。
父の心が母からあの親子に移っていたことを知った時?
庭でミリアとチャーリーが抱き合っていた時?
それとも………。
xxx
「オホンッ。それでは今から罪人、セレーナの断罪を行う。その前にアトランティス公爵、言いたいことがあるのだろう?」
わざとらしい咳払いをしたチャーリーがそう言うと、来賓席から父が顔を出した。
「セレーナは本日、今この時をもって廃嫡とさせていただきます。殿下、元当家の者がご苦労をおかけしまして申し訳ございません。」
「うむ、よい。今後はミリア共々王家を支えてくれ。」
「はは。ありがたきお言葉。」
そう言うとうやうやしく国王とチャーリーに向かって一礼し、さっさと自分の席へと戻って行った。
最初から最後まで自分の娘であるセレーナを一切見ずに…だ。
(セレーナ、辛いわよね。大丈夫。それも今日まで。これからは幸せになるのよ)
セレーナは今はもう小さくなってしまった過去の自分のカケラに言い聞かせた。
(今日で全てが終わる…)
改めて気を引き締めたセレーナはチャーリーを睨むとチャーリーは嬉しそうにセレーナのペラペラとセレーナの犯した罪とやらを喋り出した。
そしてそのペラペラと並べられたセレーナの罪というものはどれもこれも冤罪やでっち上げばかり。
しかも状況証拠だけと言うなんともお粗末なものだった。
あまりのひどさにセレーナは途中から笑いを堪えるのに必死だった。
頼もしい相棒(扇子)がいてくれてよかったと心から思った。
相棒の扇子がいなかったから今頃扇子の下の笑みが見えてしまい、きっとまたゆでだこのようにチャーリーは怒ってまた話が長くなるだろう。
そして、延々と話される内容に飽き飽きしてきたセレーナは一層左手に力を込めながら、喋り終わるのを静かに待っていた。
その待ち時間約1時間。待ちすぎて足が棒になるかと思った。
そしてようやく終盤に差し掛かったところでチャーリーが言い放ったセレーナの罪状は国外追放だった。
(うんうん。予想通りね~。これなら、思う存分…「だがしかし。」
どうやらまだ続きがあるようだ。
"もったいぶらず早く言え!"とチャーリーとミリア、そして国王と王妃、アトランティス公爵家以外の者達が思った。
「皆のものも知っての通りセレーナは公爵家令嬢。しかも特級魔道士の血を引く。故に魔力は他のものに比べて多い。よって、国外追放などすれば他国に利用されるもしくはその力で他国に自国の不利益になることを示唆して戦争を起こすことを防ぐために、特別に死刑に処する事に決めた」
(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?いったいどう言うこと?!物語…乙女ゲームではそんな展開なかったわよ?!)
そう、セレーナは気づいていた。この世界が乙女ゲームの世界だと言う事に。
そしてとある目的のためにチャーリーとの婚約を解消を申し出なかったのだ。
セレーナは悪役令嬢、つまりヒロインの義姉であるセレーナの末路を知っていた。
ある時は勘当されて平民に。
またある時は修道院に行き修道女になる。
またまたある時は国外追放される。
と言ったゆるーい感じのものだった。
そんなゆるゆるの設定が突然の死刑に変身したのは…十中八九、チャーリーの腕の中でニヤニヤしているミリアのせいだろう。
だが、そうだとしてもチャーリーの判断だけでは死刑は決まらない。
家族であるアトランティス公爵家はもちろんのこと、有力な他家の力、そして王族の力も働いていると見ても良さそうだ。
(一瞬この可能性も考えたけど…さすがにこれは予想外だったわ)
そして、セレーナは決意を新たにした。
「やっぱり…この世界は…い、わね。」
そうセレーナは呟き、今までの月日を反芻した。
(長かった…長かったけどようやく終わるわ)
「ん?なんだ?何か言ったか?」
ニヤニヤするチャーリー。
よくよく見れば会場中の列席者がなんとも言えない顔でセレーナを見ている。
この世界にセレーナの居場所は無い。
セレーナが去った後、滅びゆくこの国を特等席で見ようかと思ったが、やめた。
やっぱり帰ろう。
「言いたいことはそれだけですか?それだけでしたら、そちらの言いたいことも全部言い終わったようですし、私、帰るとしますわ」
「「「「「???」」」」」
皆の頭が一斉にハテナでいっぱいになった。
あれ?今しがたセレーナって罪人にならなかったっけ?しかも特例で死刑になったはず…?と全ての列席者が思った。
そしてそんな中、セレーナに向かって反論したのはやっぱりチャーリーだった。
そう強く思ったのはいつからだろう。
父の心が母からあの親子に移っていたことを知った時?
庭でミリアとチャーリーが抱き合っていた時?
それとも………。
xxx
「オホンッ。それでは今から罪人、セレーナの断罪を行う。その前にアトランティス公爵、言いたいことがあるのだろう?」
わざとらしい咳払いをしたチャーリーがそう言うと、来賓席から父が顔を出した。
「セレーナは本日、今この時をもって廃嫡とさせていただきます。殿下、元当家の者がご苦労をおかけしまして申し訳ございません。」
「うむ、よい。今後はミリア共々王家を支えてくれ。」
「はは。ありがたきお言葉。」
そう言うとうやうやしく国王とチャーリーに向かって一礼し、さっさと自分の席へと戻って行った。
最初から最後まで自分の娘であるセレーナを一切見ずに…だ。
(セレーナ、辛いわよね。大丈夫。それも今日まで。これからは幸せになるのよ)
セレーナは今はもう小さくなってしまった過去の自分のカケラに言い聞かせた。
(今日で全てが終わる…)
改めて気を引き締めたセレーナはチャーリーを睨むとチャーリーは嬉しそうにセレーナのペラペラとセレーナの犯した罪とやらを喋り出した。
そしてそのペラペラと並べられたセレーナの罪というものはどれもこれも冤罪やでっち上げばかり。
しかも状況証拠だけと言うなんともお粗末なものだった。
あまりのひどさにセレーナは途中から笑いを堪えるのに必死だった。
頼もしい相棒(扇子)がいてくれてよかったと心から思った。
相棒の扇子がいなかったから今頃扇子の下の笑みが見えてしまい、きっとまたゆでだこのようにチャーリーは怒ってまた話が長くなるだろう。
そして、延々と話される内容に飽き飽きしてきたセレーナは一層左手に力を込めながら、喋り終わるのを静かに待っていた。
その待ち時間約1時間。待ちすぎて足が棒になるかと思った。
そしてようやく終盤に差し掛かったところでチャーリーが言い放ったセレーナの罪状は国外追放だった。
(うんうん。予想通りね~。これなら、思う存分…「だがしかし。」
どうやらまだ続きがあるようだ。
"もったいぶらず早く言え!"とチャーリーとミリア、そして国王と王妃、アトランティス公爵家以外の者達が思った。
「皆のものも知っての通りセレーナは公爵家令嬢。しかも特級魔道士の血を引く。故に魔力は他のものに比べて多い。よって、国外追放などすれば他国に利用されるもしくはその力で他国に自国の不利益になることを示唆して戦争を起こすことを防ぐために、特別に死刑に処する事に決めた」
(はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?いったいどう言うこと?!物語…乙女ゲームではそんな展開なかったわよ?!)
そう、セレーナは気づいていた。この世界が乙女ゲームの世界だと言う事に。
そしてとある目的のためにチャーリーとの婚約を解消を申し出なかったのだ。
セレーナは悪役令嬢、つまりヒロインの義姉であるセレーナの末路を知っていた。
ある時は勘当されて平民に。
またある時は修道院に行き修道女になる。
またまたある時は国外追放される。
と言ったゆるーい感じのものだった。
そんなゆるゆるの設定が突然の死刑に変身したのは…十中八九、チャーリーの腕の中でニヤニヤしているミリアのせいだろう。
だが、そうだとしてもチャーリーの判断だけでは死刑は決まらない。
家族であるアトランティス公爵家はもちろんのこと、有力な他家の力、そして王族の力も働いていると見ても良さそうだ。
(一瞬この可能性も考えたけど…さすがにこれは予想外だったわ)
そして、セレーナは決意を新たにした。
「やっぱり…この世界は…い、わね。」
そうセレーナは呟き、今までの月日を反芻した。
(長かった…長かったけどようやく終わるわ)
「ん?なんだ?何か言ったか?」
ニヤニヤするチャーリー。
よくよく見れば会場中の列席者がなんとも言えない顔でセレーナを見ている。
この世界にセレーナの居場所は無い。
セレーナが去った後、滅びゆくこの国を特等席で見ようかと思ったが、やめた。
やっぱり帰ろう。
「言いたいことはそれだけですか?それだけでしたら、そちらの言いたいことも全部言い終わったようですし、私、帰るとしますわ」
「「「「「???」」」」」
皆の頭が一斉にハテナでいっぱいになった。
あれ?今しがたセレーナって罪人にならなかったっけ?しかも特例で死刑になったはず…?と全ての列席者が思った。
そしてそんな中、セレーナに向かって反論したのはやっぱりチャーリーだった。
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