LARGE NUMBER SQUAD

エルマー・ボストン

文字の大きさ
18 / 18
第ニ章 スカラー化、頻発の兆し

下っ端・白石 源ニの危険

しおりを挟む
あー、やっべぇなー…。

あの中尾さん…

羽花ちゃんとデート、ってだけでも心臓爆発モンなのに、2人っきりの時間長すぎンよぉー!

わ、悪ィなどこか知らないところのみんな…。
お、女の子とデートなんて初めてだから、間が保たなくてさ…。こうやって誰かに話しかけてないと、平静を装っていられなさそうなんだ!!もう少し付き合ってくれ!!


「…美味しい…!クレープ…!」


あまり人気の無い街角のクレープ屋で、俺の隣りで中尾さんが初クレープ食べてる!!すっげー頬張ってる!!
口元に生クリームくっつけてさ!
くそー!可愛すぎだ!!


「そ、そう?!よかった!!!今日、俺が奢るからさ!そんなに気に入ったなら、もう1個いってもいいよ?!」


フォローはこんな感じでよかったかな?!大丈夫か?!俺!!

…にしても、普段から「クールビューティー」系だけど、甘いモノ食べてる時も全然表情変わらないのな…。本当に喜んでくれてるのか…?
不安だ!!!


「…え…それは悪いから、いいよ…。

 …もう1個は、食べたいけど…。」


…満足してくれてるっぽい!!!
よかったーーーーーー!!


「い、いやいや大丈夫だって!俺、バイトしてるし!!気にしないでよ!!」


なんて奥ゆかしいんだ!!
そんな一面もあったのか!!
さらに好きになっちまうぜぇ!!


「…そうなんだ。でも、それなら私も…」


「えっ、中尾さんも何かバイトしてる、ってこと?!初耳ー!
どんなバイト?!」


意外だ!!
ウチの学校あんまりバイト推奨してないからなー!
生徒会役員の羽花ちゃんはそーゆーの無縁だと思ってた!!
秘密を共有して、さらに仲良くなるチャンスだ!!


「……ち、違うよ。私は…。

 …それよりも、白石くん。進学校でバイト、あんまり推奨できないよ。生徒会としても。」


…やべ…地雷踏んじゃったか。
でも、普段感情を表に出さない彼女から怒られるなんて…レアすぎる!!

…いやいや!機嫌を損ねないようにしなきゃ!!


「そ、そっか!!そ、そうだよね!!
い、いやー!勉強も頑張るって!大丈夫だよ!!」


ちなみにラージナンバースクワッドへの加入は、フツーのバイトと違って、学校もけっこーノリノリなんだぜ!
所属してる人間がいると学校も鼻が高いし、それに俺も大学入試にも有利になるし、な!すげーだろ!

…欠点があるとすれば、

「人にそのことを話してはいけない」

ってことかな…。だから、羽花ちゃんにもこのことは話せねー。

学校でも、知ってるのは校長先生とか、一部の先生だけらしい。


…くっそー!コレ話せたら、俺を見る目変わるんだろなー!

『すごい!源ニくん!カッコいい!』

なんてね、なんてねー!

ちなみにうちの学校にはもう1人いるらしいぜ!
…「スクワッド」の隊員だから、俺は誰だか知らないけどな…。

…あ!だけどだけど!俺なんかスカウト来たからね?!なかなか無いらしいぜ、スカウト!!

すげーだろ!!




「……オイオイオイィ!!コノオレサマノマエデいちゃツクナンテ!!

イイゴミブンダナァァくそがき!!

オレサマ、てめーミテェナウカレやろーヲミルト!!

アバレタクテシカタナクナルンダよナ!!!」



…え?!


な………


…え…?!


ど、どうして?!

いつの間に、スカラー化した怪人が…?!

しかも、こんな近くに…すぐ後ろに!!

ありえねー…ありえねーよ!!

いくらなんでも、気配無くなりすぎだろ!!

それも、何mあるんだコイツ…俺の3倍くらいはデカくねーか?!
なのに気配が無い、って事は…!


「うおォわァァァァッ?!な、なんだお前…!」


くそっ!
突然すぎて、つい羽花ちゃんの前でみっともない声出しちまった…!
「バイト中」なら、どーってことねぇ相手なのに!!


「あー!ウルセェウルセェ!!
ジャマダッイッテイルンダゼ!!」


「ッ?!中尾さん!危ないッ!」


き、聞こえるか、どこか知らないところのみんな…!
俺は咄嗟に羽花ちゃんを突き飛ばしたんだ。まぁ、言っちゃえば「庇った」ってことだな…。

怪人が目の前から消えたモンだから、イヤな予感がして、さ…。そしたらやっぱり、羽花ちゃん狙ってタックルカマしてきた、ってワケ。

すごいスピードだったな…。
組織から支給されてる「超軽量アーマー」制服の下に着てなかったら、マジでヤバかった…。
で、今俺は思いっきり吹き飛ばされて、信号機の支柱にぶつかってようやく止まったところさ。


「ぐえぇっ?!」


ま、またみっともない声を。
ちくしょー、コイツぜってー許さねー…。
せっかくの初デートを邪魔したばかりか、俺に恥ばっかかかせやがって…!




…でも、一つ分かったことがある。



コイツ…やっぱりフェーズ3以上だ。


下級部隊の隊員とはいえ、アーマー着込んでるし、訓練だってちゃんと受けてる。

それを、こんな…

信号機がブチ折れるまでの勢いで吹っ飛ばされるなんて…。



「…し、白石くん!!」


あ~…羽花ちゃんが心配してくれてる…

って、そんなこと言ってる場合じゃねー!


「ウザイ、ウザイナァァ!メノマエデいちゃいちゃサレルトサァ!
オイネーチャン!
ソンナヤツホウッテオイテ、オレトアソボウゼェ!ナァおい!」


お、思った通りだ…。
アイツの狙いは、羽花ちゃんなんだ!
そうだよな、可愛いもんな…。


ってだからそうじゃねーよ!


あの木偶の棒に…羽花ちゃんが捕まっちまった…!


「…!」


「オゥオゥ、オモシロクナイナァ?
ネーチャン、ひめいノヒトツモアゲネーナンテヨ?
コワイダロ?!ナァ?!」


羽花ちゃん、アイツのデカい手に握られながら…苦しそうな表情をしてる…。
きっと、恐怖のあまり声も出ねーんだ…!
くそっ!汚ねぇ手で羽花ちゃんの身体を…ベタベタ触りやがって変態ヤローが…。


このままじゃヤベー…非常時だ、バレてもいいから、装備の転送を…



「て、てん、そ…」


「キコエテんゼェー!!オマエ、アノいきリマクッテルそしきノニンゲンカァァ?!」


俺、こっそり転送機能オンにしようとしたら、バカでけー脚で踏みつけられちまった…!
なんでバレたんだよ…!コイツの能力、スピード系じゃねーのか?!


「ぐアァァァァァァァァッ!!」


「ザマァァネェェーナいきリヤロー!!
コノオレヲ、ナメテッカラダ!!
ブハハハハハ!!!」


「…羽花ちゃんを…離しやがれ…!」


ヤツの脚にしがみついて、殴ってみたり、噛みついてみたりしたけど、
かないっこねーよ…な…。

あー、羽花ちゃんが、何か言ってる…。
…俺を…呼んでるのか…?

ははは、嬉しい、かも…。



き、こえる、か…どこか知らないところのみんな…
どうやらおれは、ここまでらしい…
フェーズ3にここまで力入れられりゃ…
アーマー着てても耐えられねー…

羽花ちゃんと…もっと仲良く、なりたかった、な…

じゃあ、な、どこか、知らない、ところの…

…死にたく…ねぇな…



















「…やれやれ。イキりまくってるのは貴方の方じゃあないかしら。



…変身。」



「ナ、ナンダ?!オレノウデガ…

ナニガオコッタ…?!」



「全く。せっかくのクレープが台無しだわ。すごく…イライラする。」


「?!オマエ…ソノスガタ!!
オマエモアノいきリヤロードモノ…

クソォ!!カレシともども、タノシソウニシヤガッテヨォォォォ!!!
ムカツクヤツダァァァァァァァァァァァァァァ!!!」



「彼氏じゃないわ。あれもお仕事なの。
別に…楽しくなんか。」


「ホ…ホザクナァァァァァァァァァァァァ!!!


…ア…?!」



「『解除』終わり。じゃあね。」


「ナ…ナニガ…

ナにが、起こっ…」












「司令、お疲れ様です。『スクワッド特殊隠密部』の中尾です。
『観察任務』中に怪人と遭遇、白石くんが負傷。
至急医療班の手配をお願いします。

…ええ、彼には悪いことをしました…。
はい、気絶させる前に私を庇って。

…もう。からかうのはやめてくださいよ。違います。

……そうですね。
この状況でも、彼の『異能』が効力を発揮しないので…本当に
『ただ異次元に語りかけるだけ』なのかもしれません。
…ふふ、ええ。
『彼がバカだから』、ですね。

異次元からエネルギーを抽出しているとは、とても考えられないかと。
…はい、引き続き『観察』任務に当たります。


…それと、恐らくなのですが…

私の『超適応』、もう異次元に適応し始めているみたいで…



異次元からの観測者の気配を感じます。
…彼が異能を発動したまま気絶したからでしょうね。」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

真実の愛を見つけたとおっしゃるので

あんど もあ
ファンタジー
貴族学院のお昼休みに突然始まった婚約破棄劇。 「真実の愛を見つけた」と言う婚約者にレイチェルは反撃する。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

処理中です...