猜疑心の塊の俺が、異世界転生して無双するとかマジあり得ない

エルマー・ボストン

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神殺しなんて俺は知らない

騎士団作って、対抗できる?

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「はぁ…あっという間に王都に着いちまったよ…。まさかここまで諸々端折るとは…。
アンタは覚醒したのか、ただのめんどくさがりなのか。」

目的地に到着するなり、シャミィは大きく溜め息を漏らし、肩を落とした。

お答えしよう。どちらもだ。



王都の玄関、とでも言えばいいだろうか。恐らくぐるりと城壁に囲まれたその大きな街の入り口に、俺は立っていた。
港町と比較しても、比ではない人の流れの多さだ。
美しい石畳みに、やはりヨーロッパを思わせる素朴な家屋、さらには前の街には無かった大きな建築物も、数多く立ち並んでいる。これぞ「都」というのだろうか、壮大な威厳を称えている。


「で、ここからどうするかな。正攻法で行かないと、流石にまずいよな…。」


凝った首をコキコキと左右に鳴らし、俺は周囲を見回した。
大きな城門の両端には、曲がりなりにも門番らしき者が2人、それぞれ立っていた。が、かなりヒマそうにしている。


お腹も空いたし、俺はとっとと王様に謁見させてもらうことにした。
というわけで、俺は速やかに門番さんとコンタクトを取ることに。


「え?ちょ、アンタどこ行くんだいそんな速さで…いきなりどうすんのさ?!」


慌てるシャミィを差し置いて、足速に門番さんに近づき、そして






「すみませぇん。俺、勇者なんですけどォ。王様に会わせてもらうことって可能ですかァ?」

俺にできる限りの愛想笑いをキメて、ダルそうに欠伸をしていた門番さんの1人に、謙虚さアピールのために後頭部を掻きながら話しかけた。


「………は?」


ちょび髭を蓄えたその男は、まぁ当たり前の反応を見せた。突然の俺の登場を、明らかに怪しんでいる。
それにしても、門番だというのに、どうにも身軽な出立ちだ。
胸当てに、まるで鍋のようなヘルメット状の帽子。そして棒。
そんな装備で大丈夫か。


「この世界を救うためにやって来たんですぅ。それで、王様にご助力を賜れないかと思いましてぇ、参上した次第なんですぅ。」


作り笑いで顔をヒクつかせる俺。
その姿を見て、門番さんは


「坊主ゥ…。バカな遊びは子ども同士でやんなよ。こっちゃあ忙しいんだ。
さ、行った行った。」

と、シッシッ、と払い退ける仕草をしつつ、気怠そうに言い放つと、また大きな欠伸をかました。

少しだけイラッとしたが、ここでそれを顔や言動に出してはいけない。


「本当なんですぅ、今証拠を見せますからぁ。(なぁ。なぁ、シャミィ。何か無いの、勇者の証みたいなやつ。魔法使ってもいいけど、お腹減ってるから楽な方がいい。)」


俺は小声で、シャミィへと問いかけた。


「え、…え?あぁ。(いやアンタ、何も聞いてないのかい、その…神から。)」


俺の顔の近くまで口元を寄せるシャミィ。いや、そこまでくっつかなくてもよくない?

「(き、聞いてねーんだよ。そのへんすごいテキトーにされて…調べてもよくわかんなくてさ。)」

「(あー…まぁアタシも詳しくは知らないけど、『右手の甲に勇者の紋章宿る』みたいな伝承は聞いたことあるよ。」


「(ふーん、ホントかな。調べても出てこなかったけど、とりあえずやるか…どうやるんうわマジだ出た、なんか気合い入れたら出たわ何コレすごっ。)」


会話の流れで、ついに俺の手の甲には偉大なる勇者の輝きを体現するかのような、なんか良い感じの紋章が浮かび上がったのだった。

あたり一面に、眩ゆいばかりの神々しい光が広がる。


「こ、これは…?!正しく勇者様の輝き…?!大変だ!勇者が降臨された…!あわわわわわわわ!!」

ちょび髭さんは、俺のオーラに当てられたのか、ゆっくりと腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。その顔は、先ほどまでの気の抜けた表情とは打って変わり、まるで神でも見つめるかのような、希望に満ち溢れたものに昇華していた。


「勇者様、大変失礼をいたしました。至急、王様に報告をさせていただきます。
して、恐れ入りますが、ご用件はどのような…?!」

隣りで呆気に取られて口を大きく開けるシャミィと、土下座のポーズで俺を崇めるように見上げるおじさん。
すごく気まずい。

が、ここで躊躇しては、今後の行動にも支障が出てしまう。



「はい。『騎士団を作りたいから、協力してくれないか?』と、お伝えください。」
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