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神殺しなんて俺は知らない
本当のこと?はて、何のこと?
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「…アンタ、何考えてるんだい?」
王との謁見が終わったあと、ほんのりと暗い城の廊下。自室に戻る途中に、シャミィが恐い顔で俺に詰め寄ってきたのだ。
「…何って?」
「あんなにすんなり、目的も伝えないまま話が通るなんて、いくらなんでもおかしいよ。何かの加護、使ったんだろ?!」
俺がとぼけて返事をすると、「あり得ない」とばかりの表情と仕草を交えて、より一層強く詰め寄ってきた。
俺だって、流石にそこはおかしいと思ってるよ。疑われても仕方がない、とも。
確かに俺は、ほぼ
『騎士団を作りたい、と伝えただけ』
と言っても過言ではない。
その内容に関してはほとんど触れられてもいないのだ。
この世界に、今まで大きな組織が無かったこと自体が不思議だし、何より
『未知のものに対して、不信感や疑念を抱く』
のが当然の反応だと思っていたのに、それが無かったことが、俺はおろかシャミィの心に陰を落としているのだ。
だけど今回、俺は何の加護も使っていない。(まぁ、どうにもならなそうなら使うつもりだったけど…。)
その上での、あの物分かりの良さ。
おかしい、と思わない方がおかしいくらいだ。
「ま、信じちゃくれないだろうけど、俺は何もしてないよ。神に、いや、誓う神俺にはいないけど、誓ってね。」
「…アンタのやり方、最近になってやっと解ってきたんだよ。
絶大な力を持ちながら、使うのはどっちかってーと、狡っからいモンばかりじゃないか。
それに、いくらアタシだって、王に対してのあの態度は許せん。
この感情、どこにぶつけてやろうか、って感じさ!」
そそくさと城の廊下を歩きながら、後ろを歩くシャミィにちらっと眼を向けてみる。
拳を握り、ワナワナと震えているようだ。
「じゃあ、どうするの?ここでお別れするか?」
淡々と、無機質に告げる。
背中に冷たい視線を感じていたのは言うまでもない。
「アンタってやつは…!アタシはね!
アンタのこと認めてんだ!それに…
そんなに女の気持ちを踏み躙って、楽しいのかい?!」
その言葉と同時に俺は、ふっと立ち止まる。ここで煽れば、下手したらシャミィは俺に刃を向けかねない。
できるだけ、今はそれを避けたかった。
「本当のこと、教えてもいいよ。
…でもさ、俺が喋ったらシャミィ。
それを誰かに言わない、って、約束できるのか?」
「…できるさ。仲間だろ、アタシたち。
ここまで来たら、一連托生だよ。」
黙りこくる俺。
「そうだな、わかった。
…その代わり、喋ったら…。」
「…ああ。」
壁に灯る燭台の炎が、チラチラと揺れる。振り向いた俺の顔はそれに照らされて、光と影のコントラストが絶妙になっていたことだろう。
「この世界を、俺のものにするのさ。」
王との謁見が終わったあと、ほんのりと暗い城の廊下。自室に戻る途中に、シャミィが恐い顔で俺に詰め寄ってきたのだ。
「…何って?」
「あんなにすんなり、目的も伝えないまま話が通るなんて、いくらなんでもおかしいよ。何かの加護、使ったんだろ?!」
俺がとぼけて返事をすると、「あり得ない」とばかりの表情と仕草を交えて、より一層強く詰め寄ってきた。
俺だって、流石にそこはおかしいと思ってるよ。疑われても仕方がない、とも。
確かに俺は、ほぼ
『騎士団を作りたい、と伝えただけ』
と言っても過言ではない。
その内容に関してはほとんど触れられてもいないのだ。
この世界に、今まで大きな組織が無かったこと自体が不思議だし、何より
『未知のものに対して、不信感や疑念を抱く』
のが当然の反応だと思っていたのに、それが無かったことが、俺はおろかシャミィの心に陰を落としているのだ。
だけど今回、俺は何の加護も使っていない。(まぁ、どうにもならなそうなら使うつもりだったけど…。)
その上での、あの物分かりの良さ。
おかしい、と思わない方がおかしいくらいだ。
「ま、信じちゃくれないだろうけど、俺は何もしてないよ。神に、いや、誓う神俺にはいないけど、誓ってね。」
「…アンタのやり方、最近になってやっと解ってきたんだよ。
絶大な力を持ちながら、使うのはどっちかってーと、狡っからいモンばかりじゃないか。
それに、いくらアタシだって、王に対してのあの態度は許せん。
この感情、どこにぶつけてやろうか、って感じさ!」
そそくさと城の廊下を歩きながら、後ろを歩くシャミィにちらっと眼を向けてみる。
拳を握り、ワナワナと震えているようだ。
「じゃあ、どうするの?ここでお別れするか?」
淡々と、無機質に告げる。
背中に冷たい視線を感じていたのは言うまでもない。
「アンタってやつは…!アタシはね!
アンタのこと認めてんだ!それに…
そんなに女の気持ちを踏み躙って、楽しいのかい?!」
その言葉と同時に俺は、ふっと立ち止まる。ここで煽れば、下手したらシャミィは俺に刃を向けかねない。
できるだけ、今はそれを避けたかった。
「本当のこと、教えてもいいよ。
…でもさ、俺が喋ったらシャミィ。
それを誰かに言わない、って、約束できるのか?」
「…できるさ。仲間だろ、アタシたち。
ここまで来たら、一連托生だよ。」
黙りこくる俺。
「そうだな、わかった。
…その代わり、喋ったら…。」
「…ああ。」
壁に灯る燭台の炎が、チラチラと揺れる。振り向いた俺の顔はそれに照らされて、光と影のコントラストが絶妙になっていたことだろう。
「この世界を、俺のものにするのさ。」
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