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第五話 哀が呼んでいる
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ここは、どこかの異空間の路地裏。
渋谷と左右対象になった街並みはどこか仄暗く、視界がぐにゃりと歪んで見えるようであった。
「ぐっ!ぐぞっ!ごんなはんではながだんだ!」
中破したベルダッグを乗り捨て、ジャックの手からも辛辛逃げ延びたニュスペンソは、異空間で体力も精神力も尽き果てていた。
「み、みんだ…みんだを゛やじなばない゛どい゛がんどでぃ…オイのぜいだ…。」
故郷の大家族を想うと、涙が溢れてくる。
モグモグ星人の眼は、あるのか無いのかわからないほど小さいが。
様々な星で暴挙を働いてきた。
それは全て、家族のためであった。
許されることでは到底無いが、彼は彼なりの信念の下、動いていたのである。
「ごんなんじぁ、おっどおと、おっがあに゛…あばぜるがおがでぇだど…!ぉい゛ば…ぉい゛ば、どぶずでば…!!」
絶望が、ニュスペンソを襲う。自分への怒りや憎しみ、家族への懺悔が、付き纏って離れない。
彼は頭を抱え、ついには膝から崩れ落ちた。
そんな時である。彼の目の前に現れたのは…。
「ん?!だ、だんだ、あでば?!ぐぁ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「はぁい、できましたよー!百合子特製クリームシチューと、肉じゃがでーす!」
満面の笑みをほくほくと浮かべた百合子が、制服にエプロン姿、手にはミトンを着け、踊るようにキッチンから現れた。
「うおーぃやったぁー!!シチューと肉じゃがの組み合わせはあんま聞かないけど、めちゃくちゃ肉じゃが食べたかったんだよなー!」
「いぇーぃ僕はめちゃくちゃシチューの気分だった!姉ちゃんのシチューも美味しいんだコレが!」
「俺、両方の気分だった!」
「ホントかよおっちゃん!絶対ウソだろ!」
「ホントだよ!肉じゃがとシチューって、一緒に食べたらイケるんじゃないかなーって今日ずっと考えてた!」
「おじいちゃん、いくら姉ちゃんの料理が美味しいからって~、欲張りだな~。」
「…もう!喜んでくれるのは嬉しいけど、みんな静かにしなさい!レナちゃんがビックリするでしょ?!」
「「「ご、ごめんなさい…。」」」
一瞬にして頬を膨らませ、ムッとしながら百合子は声をほんのりと荒らげる。
どうでもいい言い争いを始めた腹ペコの男連中3人は、百合子に一喝されると、途端に大人しくなった。
それほどまでに腹が減っていたのであろう。
「ごめんねレナちゃん、騒がしくて。
さ、遠慮しないでいっぱい食べて!冷めないうちに!」
「だ、大丈夫…こういうの慣れてないだけだから…あ、ありがとう…えと、いただきます。」
百合子は、ほくほく笑顔に戻ると、恥ずかしげに俯くレナの目の前に、ほかほかのご飯が盛り付けられた茶碗をそっと差し出した。
「「「いただきまーす!」」」
無言でがっつく男連中をよそに、百合子とレナは少しずつ箸を進める。
すると、途端にレナの手が止まり、茶碗がそっとテーブルの上に置かれた。
百合子は、不思議そうにレナの顔を覗く。
すると、先ほどまでの恥ずかしげな表情とは打って変わり、今にも崩れそうなほどの梅干し顔と化していた。
「レ、レナちゃん!どうしたの?!不味かった?!な、何か嫌いなもの入ってた、かな…?!」
百合子も、慌てて箸と茶碗を置き、そしてレナの方にそっと手を移す。百合子の眼にも、わずかに涙が浮かぶ。
「ううん、違うの…!
…美味しい。すごく…美味しいよ、百合…。」
レナはその眼の涙を、人差し指でそっと拭うと、改めて置いた茶碗を持ち、百合子へと笑顔を向けた。
「レナちゃん…。」
「そんなに怖い目に合ったんだね、ケミガワさん…。動画で渋谷の映像見て『すげえー!』とか思っちゃった自分が恥ずかしいや…。」
それまでハイテンションだった鉄矢と士郎も、思わずしんみりとしてしまう。
2人はニュースで報道された映像を見て
「アニメか特撮みたいだ!」
とはしゃいでいたのだった。
「うん、じいちゃんも…。ケミガワさん、ごめんな。遠慮しないで、落ち着くまでゆっくり休んでっててくれな。」
渦中にいたレナに対して、反省の色を示す2人。
士郎は少々しょぼくれた後、レナに微笑み、優しく言葉をかけた。
「え、えっと、その、ありがとう…ございます…。」
「そーだ!あとでみんなでマリモパーティしようよ、マリモパーティ!お小遣い貯めて買ったんだ!5人だから、おじいちゃんと総司兄ちゃんは、僕とローテーションで!」
その場を和ませるべく、鉄矢は密かに準備していた対戦ゲームソフトを、懐から取り出した。
1番食いついたのは総司であった。
「え?!マジ?!えらいぞ鉄矢!それ面白そうだと思ってたんだよ!やりたいやりたい!」
「鉄矢ったら、お客さん来るといっつもテンション高くなるんだから…。
そういうのはレナちゃんが落ち着いてから!
まずはお風呂入って、ゆっくりしなきゃ。
レナちゃん、一緒に入ろうね!あ、シチューのおかわりいる?!」
百合子は家族以外の者に手料理を振る舞えるのが嬉しいらしく、やたらとおかわりをすすめる。
普段は学業とアルバイトで忙しいために、百合子の趣味は「家事」と言っても過言ではなかった。
「姉ちゃんもかなりテンション高いけどな。
まぁでも、嬉しそうで何よりだね!」
そんな姉の実情をよく知っている鉄矢は、久しぶりに見る百合子の心からの笑顔を見て、誰よりも一際安心していた。
「あ、え、と、あ…じゃあ、おかわり…!
お風呂も……………入りたい………。」
レナのおかわりは、3杯目に達していた。
「よかったぁ!
着替え用意しておかなきゃ。私のパジャマ、着られるかな?
…鉄矢、覗いちゃダメだからね!」
今日の百合子はいつもと違い、コロコロと表情が変わる。
家の中に、自分以外の「女性」がいることがほぼ無いためであろう。
だがそのとばっちりを受けた鉄矢はたまったものではない。百合子のその言葉に、思わずじゃがいもを喉に詰まらせた。
「げほっ、げほっ!え?!僕?!
それどっちかって言うと、総司兄ちゃんに言うやつじゃないの?!」
「なっ、おまっ…!こっちに振るなよ、誤解を招くだろ?!そんなことしたことねぇし、しねーよ!」
とばっちりは、広がりを見せ始める。
彼らを擁護すると、本当にそんなことをするタイプの人間たちではない。
「僕だってしないよ!!
ケミガワさん!みんなが僕をイジメるよ!うわーん!!」
鉄矢は半泣きでレナに詰め寄ると、腕を掴んであからさまに泣いて見せた。
「え?!あっ、えっと、その…
よしよし…。」
「…あ。………ふへへ。」
歳下の子どもの相手をしたことがないレナは、思わず鉄矢の頭を、そっと撫でた。
すると鉄矢は、思いがけない姉以外の女性のその行動に、キョトンとしつつ、頬を赤く染めた。
「がはは。照れてんのか?鉄矢。
よかったなー、お姉ちゃんがもう一人できたみたいな感じだわな。」
食卓に、笑い声が響き渡る。
その後、百合子とレナは一瞬に仲良くお風呂に入り、レナは百合子の窮屈なパジャマを着て、みんなでマリモパーティに興じたのであった。
「ごめんね百合、迷惑だったでしょ。」
「え?何が?どうして?」
夜も更けた頃。
百合子の小さな部屋に、なんとか敷いた2枚の布団。
その中で、レナはまだ自分の中に閉じこもっていた。
「急に来て、みんなに気を遣わせちゃってさ。」
今になって後ろめたさが勝ってきてしまったレナは、母星での周囲の対応を思い出していた。
王女である。
ただそれだけで、自分を見る目がどんな心情から来るものか、痛いほど分かっていた。
そのため、坂田家、そして総司がそのことを知らないとは言え、つい重ねて考えてしまう。
「ああ。
そんなことないよ。おじいちゃんも鉄矢も、そういうの全然気にしないし。
寧ろ、賑やかで楽しい!って喜ぶくらいだよ。
総司さんだって…。
それに、私が無理やり来させたようなものだから。私の方こそ、気を遣わせちゃって…。」
百合子は諭すように、レナに告げる。
そして最後は、少し困ったような口ぶりで、寝転がるレナに顔を向けて、眉を下げながら微笑む。
「そ、そんな!百合が謝ることないって!」
「そしたら、レナちゃんが謝ることだってないよ。」
慌てて声を上げるレナと、百合子は含み笑いを堪えるように返事をした。
豆電球のほのかな明かりが、うっすらと2人を包む。
「…なんか、おかしいな。お互いに気を遣い合ってる。こういうのって、やっぱり慣れてないから…なんて言ったらいいのかな。」
「ふふ、そうだね。私には…
私たちには、そんなに気兼ねしなくていいんだよ。私が好きでやってることだもの。」
「…アタシ、百合子に、みんなに会えてよかった。」
「大袈裟だなぁ。…でも、私もだよ。それにきっと私の家族も、桃ちゃんも…クラスのみんなも、みんなそう思ってるよ。
疲れたでしょ。さ、もう寝よ!
朝ご飯も、張り切って作っちゃうからね。」
「…うん…ありがと。」
心から笑い、怒り、そして嬉しくて、泣いた。
今まで、こんなにも心を変化させ続けた一日はあっただろうか。
ジャネットはこの日、自らの心に、恐らく初めて触れ、気づいたのであった。
「はぁ…。」
「おんやぁ山田さん。どうされました?珍しくめちゃくちゃテンション低いですね?」
渋谷と左右対象になった街並みはどこか仄暗く、視界がぐにゃりと歪んで見えるようであった。
「ぐっ!ぐぞっ!ごんなはんではながだんだ!」
中破したベルダッグを乗り捨て、ジャックの手からも辛辛逃げ延びたニュスペンソは、異空間で体力も精神力も尽き果てていた。
「み、みんだ…みんだを゛やじなばない゛どい゛がんどでぃ…オイのぜいだ…。」
故郷の大家族を想うと、涙が溢れてくる。
モグモグ星人の眼は、あるのか無いのかわからないほど小さいが。
様々な星で暴挙を働いてきた。
それは全て、家族のためであった。
許されることでは到底無いが、彼は彼なりの信念の下、動いていたのである。
「ごんなんじぁ、おっどおと、おっがあに゛…あばぜるがおがでぇだど…!ぉい゛ば…ぉい゛ば、どぶずでば…!!」
絶望が、ニュスペンソを襲う。自分への怒りや憎しみ、家族への懺悔が、付き纏って離れない。
彼は頭を抱え、ついには膝から崩れ落ちた。
そんな時である。彼の目の前に現れたのは…。
「ん?!だ、だんだ、あでば?!ぐぁ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「はぁい、できましたよー!百合子特製クリームシチューと、肉じゃがでーす!」
満面の笑みをほくほくと浮かべた百合子が、制服にエプロン姿、手にはミトンを着け、踊るようにキッチンから現れた。
「うおーぃやったぁー!!シチューと肉じゃがの組み合わせはあんま聞かないけど、めちゃくちゃ肉じゃが食べたかったんだよなー!」
「いぇーぃ僕はめちゃくちゃシチューの気分だった!姉ちゃんのシチューも美味しいんだコレが!」
「俺、両方の気分だった!」
「ホントかよおっちゃん!絶対ウソだろ!」
「ホントだよ!肉じゃがとシチューって、一緒に食べたらイケるんじゃないかなーって今日ずっと考えてた!」
「おじいちゃん、いくら姉ちゃんの料理が美味しいからって~、欲張りだな~。」
「…もう!喜んでくれるのは嬉しいけど、みんな静かにしなさい!レナちゃんがビックリするでしょ?!」
「「「ご、ごめんなさい…。」」」
一瞬にして頬を膨らませ、ムッとしながら百合子は声をほんのりと荒らげる。
どうでもいい言い争いを始めた腹ペコの男連中3人は、百合子に一喝されると、途端に大人しくなった。
それほどまでに腹が減っていたのであろう。
「ごめんねレナちゃん、騒がしくて。
さ、遠慮しないでいっぱい食べて!冷めないうちに!」
「だ、大丈夫…こういうの慣れてないだけだから…あ、ありがとう…えと、いただきます。」
百合子は、ほくほく笑顔に戻ると、恥ずかしげに俯くレナの目の前に、ほかほかのご飯が盛り付けられた茶碗をそっと差し出した。
「「「いただきまーす!」」」
無言でがっつく男連中をよそに、百合子とレナは少しずつ箸を進める。
すると、途端にレナの手が止まり、茶碗がそっとテーブルの上に置かれた。
百合子は、不思議そうにレナの顔を覗く。
すると、先ほどまでの恥ずかしげな表情とは打って変わり、今にも崩れそうなほどの梅干し顔と化していた。
「レ、レナちゃん!どうしたの?!不味かった?!な、何か嫌いなもの入ってた、かな…?!」
百合子も、慌てて箸と茶碗を置き、そしてレナの方にそっと手を移す。百合子の眼にも、わずかに涙が浮かぶ。
「ううん、違うの…!
…美味しい。すごく…美味しいよ、百合…。」
レナはその眼の涙を、人差し指でそっと拭うと、改めて置いた茶碗を持ち、百合子へと笑顔を向けた。
「レナちゃん…。」
「そんなに怖い目に合ったんだね、ケミガワさん…。動画で渋谷の映像見て『すげえー!』とか思っちゃった自分が恥ずかしいや…。」
それまでハイテンションだった鉄矢と士郎も、思わずしんみりとしてしまう。
2人はニュースで報道された映像を見て
「アニメか特撮みたいだ!」
とはしゃいでいたのだった。
「うん、じいちゃんも…。ケミガワさん、ごめんな。遠慮しないで、落ち着くまでゆっくり休んでっててくれな。」
渦中にいたレナに対して、反省の色を示す2人。
士郎は少々しょぼくれた後、レナに微笑み、優しく言葉をかけた。
「え、えっと、その、ありがとう…ございます…。」
「そーだ!あとでみんなでマリモパーティしようよ、マリモパーティ!お小遣い貯めて買ったんだ!5人だから、おじいちゃんと総司兄ちゃんは、僕とローテーションで!」
その場を和ませるべく、鉄矢は密かに準備していた対戦ゲームソフトを、懐から取り出した。
1番食いついたのは総司であった。
「え?!マジ?!えらいぞ鉄矢!それ面白そうだと思ってたんだよ!やりたいやりたい!」
「鉄矢ったら、お客さん来るといっつもテンション高くなるんだから…。
そういうのはレナちゃんが落ち着いてから!
まずはお風呂入って、ゆっくりしなきゃ。
レナちゃん、一緒に入ろうね!あ、シチューのおかわりいる?!」
百合子は家族以外の者に手料理を振る舞えるのが嬉しいらしく、やたらとおかわりをすすめる。
普段は学業とアルバイトで忙しいために、百合子の趣味は「家事」と言っても過言ではなかった。
「姉ちゃんもかなりテンション高いけどな。
まぁでも、嬉しそうで何よりだね!」
そんな姉の実情をよく知っている鉄矢は、久しぶりに見る百合子の心からの笑顔を見て、誰よりも一際安心していた。
「あ、え、と、あ…じゃあ、おかわり…!
お風呂も……………入りたい………。」
レナのおかわりは、3杯目に達していた。
「よかったぁ!
着替え用意しておかなきゃ。私のパジャマ、着られるかな?
…鉄矢、覗いちゃダメだからね!」
今日の百合子はいつもと違い、コロコロと表情が変わる。
家の中に、自分以外の「女性」がいることがほぼ無いためであろう。
だがそのとばっちりを受けた鉄矢はたまったものではない。百合子のその言葉に、思わずじゃがいもを喉に詰まらせた。
「げほっ、げほっ!え?!僕?!
それどっちかって言うと、総司兄ちゃんに言うやつじゃないの?!」
「なっ、おまっ…!こっちに振るなよ、誤解を招くだろ?!そんなことしたことねぇし、しねーよ!」
とばっちりは、広がりを見せ始める。
彼らを擁護すると、本当にそんなことをするタイプの人間たちではない。
「僕だってしないよ!!
ケミガワさん!みんなが僕をイジメるよ!うわーん!!」
鉄矢は半泣きでレナに詰め寄ると、腕を掴んであからさまに泣いて見せた。
「え?!あっ、えっと、その…
よしよし…。」
「…あ。………ふへへ。」
歳下の子どもの相手をしたことがないレナは、思わず鉄矢の頭を、そっと撫でた。
すると鉄矢は、思いがけない姉以外の女性のその行動に、キョトンとしつつ、頬を赤く染めた。
「がはは。照れてんのか?鉄矢。
よかったなー、お姉ちゃんがもう一人できたみたいな感じだわな。」
食卓に、笑い声が響き渡る。
その後、百合子とレナは一瞬に仲良くお風呂に入り、レナは百合子の窮屈なパジャマを着て、みんなでマリモパーティに興じたのであった。
「ごめんね百合、迷惑だったでしょ。」
「え?何が?どうして?」
夜も更けた頃。
百合子の小さな部屋に、なんとか敷いた2枚の布団。
その中で、レナはまだ自分の中に閉じこもっていた。
「急に来て、みんなに気を遣わせちゃってさ。」
今になって後ろめたさが勝ってきてしまったレナは、母星での周囲の対応を思い出していた。
王女である。
ただそれだけで、自分を見る目がどんな心情から来るものか、痛いほど分かっていた。
そのため、坂田家、そして総司がそのことを知らないとは言え、つい重ねて考えてしまう。
「ああ。
そんなことないよ。おじいちゃんも鉄矢も、そういうの全然気にしないし。
寧ろ、賑やかで楽しい!って喜ぶくらいだよ。
総司さんだって…。
それに、私が無理やり来させたようなものだから。私の方こそ、気を遣わせちゃって…。」
百合子は諭すように、レナに告げる。
そして最後は、少し困ったような口ぶりで、寝転がるレナに顔を向けて、眉を下げながら微笑む。
「そ、そんな!百合が謝ることないって!」
「そしたら、レナちゃんが謝ることだってないよ。」
慌てて声を上げるレナと、百合子は含み笑いを堪えるように返事をした。
豆電球のほのかな明かりが、うっすらと2人を包む。
「…なんか、おかしいな。お互いに気を遣い合ってる。こういうのって、やっぱり慣れてないから…なんて言ったらいいのかな。」
「ふふ、そうだね。私には…
私たちには、そんなに気兼ねしなくていいんだよ。私が好きでやってることだもの。」
「…アタシ、百合子に、みんなに会えてよかった。」
「大袈裟だなぁ。…でも、私もだよ。それにきっと私の家族も、桃ちゃんも…クラスのみんなも、みんなそう思ってるよ。
疲れたでしょ。さ、もう寝よ!
朝ご飯も、張り切って作っちゃうからね。」
「…うん…ありがと。」
心から笑い、怒り、そして嬉しくて、泣いた。
今まで、こんなにも心を変化させ続けた一日はあっただろうか。
ジャネットはこの日、自らの心に、恐らく初めて触れ、気づいたのであった。
「はぁ…。」
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