ワインボトルを振りかぶれ

呻吟とぼし

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本編

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 テストが終わり、あれがダメだった、これも失敗したと、後悔を山積みにさせながら家に帰る。

 帰ってから、風呂に入ってベッドに逃げ込む。

 夕食はもう無しでいい。母に伝えて、五秒睡眠。既に夢の中。復習や振り返りはしない。面倒くさいし、今はただただ眠かった。


 泥に沈む様にゆっくりと奥深くへ。


 気がついたら異世界だった。
 トリップじゃない、転生の方。

 僕は一も二もなく驚いた。
 なぜなら、死んだ覚えがない。
 僕はただ眠り込んだだけである。


 おそらく夢だと結論づけた十年前。






 今、僕はワインボトルでフルスイングをしようとしている。






 今世の僕は完璧な貴族でもスラム街に住んでいる貧民でもない、そこそこ強い兵士の父と少し家柄のいい母を両親に持つ、親ガチャに成功したタイプの転生者だった。

 金は無くても困るが、ありすぎても困る。
 金持ちは覚えることが多い。礼儀作法から教養、知識、夢の中でまで勉強はしたくなかった。

 とりあえず、幼少期は父の実家でのびのびと育ち、ある程度の年齢になって、両親の仕事場がある首都の学校に行かされた。
 常識から文字まで全部違う。当たり前だが、歴史も違う。すごく苦労はした。お貴族様だとプラス要素が一杯だそうで、心底貴族でなくて良かったと思う。


 そうして学校を卒業する。あと数ヶ月だ。進路は決めてない。

 今世では、魔物もいるし魔法もある王道な異世界ではあるが、前世で有名だった冒険者は正直言って人気の無い職種だった。

 命の危険で溢れかえっている街の外にわざわざ出て、雀の涙程もない給料でその日暮らしなんて僕は嫌だ。
 しかも国同士の戦争になると所属国に呼び出されてあっという間に無給兵士の如く安月給で命をかけさせられる。強制的にだ。それならまだ兵士の方がマシだ。


 今世の僕は一般常識程度の武具の扱いしかできないから兵士は論外だ。

 父に習うのは秒で諦めた。気迫がすごい。怖い。
 前世で、剣道部覗いて声で怖気付いたことを思い出す。

 どうしよっかなぁ、とぼんやりしている僕に父は告げた。


「…いい話があるぞ、ジャッロ」

 いい話、というには、どこか苦い表情に見えた。

「……貴方」

 母が非常に呆れた目つきで父を見る。

 何があったらこうもラブラブカップルの破局みたいな二人が出来上がるのだろうか。


「どうだ。王族の婚約者にならないか?」



「は?」



 訳がわからなすぎて固まった。




 父の話を要約するならこうだ。

 父は仕事上の付き合いで、王族のお偉い様や上司の皆様とご一緒に酒を飲んでいた。

 ちょうど、厄災的な魔物を退治したばかりで全員が泥酔状態にあったらしい。

 そこまでは別にいい。たまには気の抜けることもあるだろう。普段は真面目な人なのだ。

 その酔っ払いたちの間で、こんな会話があったそうだ。


「最近、子供たちが育ってきて、こう、この成長は早いなぁと、寂しくて寂しくてなぁ」

「うちの子もそろそろ学校まで卒業で、独り立ちとか…するのだろうか……」


「我が家のメリィは嫁にやらんぞ!」

「あー、婚約者探し…いい嫁を貰わないと……」


 誰も彼も子供離れの時期だったらしく、ワイワイと話が進んだそうで。

「王宮兵士の希望者がすっくなくて…どこかにちょうどいい、新人転がってないかなぁ……」

「あぁ、貴族付きってイメージが強すぎてなぁ」

「実際はただのバトラーやメイドに近いのに、名称のせいで毎年人手不足って聞きますね」

「名称変更を求めようか…いやしかし……」

 仕事に愚痴も進んだらしい。

 本当に皆さんオフの状態だった様だ。


 その結果、酒を飲みすぎて、気がついたら朝だったそうな。



「そのあと、素面だった方々に、婚約おめでとうと、祝われてな。よく聞いたら、俺は娘を嫁に出していた」



 もう、王から祝電届いて引き返せねぇって、先方が…。


 そんなことまで言われたら、僕にはどうしようもないじゃないか。

 結婚予定なんてないというのに。だいたい恋愛もまだなんだ。友愛ですらきちんと理解していないのに、どうしろというのだ。




 そうして、そこから流れる様に話が進み、今日は顔あわせの日だった。
 父曰く、王の妹の従兄弟の…といった具合に、血の濃い後継ぎだのなんだのとは無関係な王族らしく、年寄りでもなければ顔が悪いわけでもない、至って貴族らしい青年だという。

 貴族間で、少しだけ避けられているから、嫁がいないらしい。

 そういうのは別にどうでもいいんだけど、僕からすれば貴族らしいことの方が心配だ。
 いくらなんでも身分が違う。父が上役の方にいるとはいえ、僕自身は特に価値はない。
 母は嫁入りしたから貴族とは縁が切れてるし…。

 高慢な人だったらどうしよう。
 怖い人だったら嫌だなぁ。



 異世界だから政略結婚だの婚約だの、あるだろうなとは思っていたが、まさか自分の身に降りかかるとは。


 口調も直した方がいいのだろうか、一人称が『僕』って、貴族的にアウト?ねぇ、母さん。



 身分の高そうピカピカした大きなお屋敷に家族三人で案内され、オドオドしながら馬車を降りる。

 馬車、乗ったの初めてだった。本物の馬を見るのも久々かもしれない。

 今世の学校で飼っていたのは、子供の魔狼コボルトだったし…。

 コボルトさんは危なくないらしく、みんなで可愛がっていた。なんだか小学生の頃、ウサギを飼っていた記憶が蘇った。


 ひっろい庭は、庭師が高枝バサミ持って歩いていたり、噴水があったり、公園の様だった。

 一番印象に残ったのは、魚が悠々と泳いでいた場所。
 魔法か何かなのか、少しだけそこの場所だけ水色のオーロラに包まれているように見えていた。空中を体の透明なスケスケの魚が泳いでいて、よく見るとシャボン玉に囲われているようにも見えた。ワカメみたいなモノが地面から生えて、水中のようになびいて。

 異世界を感じた。



 王族様は金かかってるんだなぁと陳腐な感想しか浮かばない僕は、案内人の老齢なバトラーについていく。父と母の後ろから。決して人見知りなわけではない。おしとやかな方がいいかなと考えただけ。



 待合室に案内され、ソワソワしていたら、メイドさんにお茶をもらった。

 特に作法もわからないから、普通に飲んだ。高級な味がしたが、安物とどう違うのか、語彙力がなくて説明ができない。味が濃くて、甘くなくて、僕はシロップをガンガン入れたくなった。流石にまずいだろうと砂糖一つ入れただけだったが。


「あらあら、緊張してしまったの?」


 いつもは飽和するくらい砂糖を欲しがるのに、と母が言う。砂糖はこの世界では安価だった。よくある調味料高い、醤油は?出汁は?なんてことにはならなかったらしい。
 甘党の僕には砂糖がない世界は想像がつかないので、喜ばしい限りである。

 そうとはいえ、普段の生活を知らない人この家の方に聞かれるのも恥ずかしい。

 僕はふいっ、と顔を背ける。

 母がうふふ、と笑っているのが聞こえる。


「お待たせしたね、第八番隊長殿」

「…いえいえ、こちらこそ、お招きいただき、誠に有り難く……」


 ガチャリと音がして人が入ってきた。
 貫禄のありそうな男の人だ。一緒に紫の艶がかかった髪を持つ穏やかな女性と髪色的にその息子のような人が出てきた。


 父は恭しく言葉を述べる。

 僕はぼんやりそれをみる。


 不意に、その息子らしき人と目があった。

 ニカっと、それはもう野球少年のような微笑みを頂いた。
 とりあえず軽く会釈。

 はかなげ美人のイメージは先ほどの表情で一気に体育会系爽やかイケメンにシフトされた。


「御託はいいのよ、貴方、そして隊長殿。今日はあんたたち二人のせいでいろいろと決められてしまった子に子たちについての話し合いなの。まずはちゃんと状況を教えて頂戴。」


 穏やかな女性がピシリといった。その言葉には、僕らへの気遣いと、酔った勢いでやらかした旦那たちへの怒りが込められている。
 その前に、と男性が言う。自己紹介をしようではないか、と。


「王族に血を引いているのは、私なんだ。イルーザ・マルトライアングルだ」

 なんて?

「妻のメルシーです。そしてこの子が……」


「セタ・マルトライアングルだ」

 よろしくな、お日様のように笑うその人に、僕の頭はついていけなかった。

 マルトライアングル…丸トライアングル…丸三角…。

 どんな名字だよ、と思う。いや、王族ってことは王様の苗字もこれなの?大事な儀式の時とか笑っちゃいそうで怖い。


「王国騎乗隊、第八部隊、隊長タロです」

 平民の出なので、苗字はない。
 総じて僕らにも苗字はない、しかし母には旧姓がある。


「妻のアリシアです。それでこの子は……」


 僕に目が向く、待って、ちょっと待って。皆で見つめないで、声が出ないから。


「……ジャッロ、です」


 小声ですみません。心の中で謝っておいた。


「おや、聞いていたより大人しい子なのだね」


 いいえ、昨日も元気に学校で友人と馬鹿騒ぎできる明るい子です。やりすぎて先生に怒られました。


「私の実家にも連れて行っていないから、貴族や王族の住む世界に驚いてしまったみたいで」


 せやで、魚すごかった。

 語彙力のない感想しか浮かばない。
 これ、どこの方言だったかな。

「あらぁ、可愛いわねぇ」

 先方の奥様に褒められた。
 美人に言われても褒められてる気がしない。今いくつなんだこの人。若作りすぎて怖い。


 場が和んだところで、早速話に入った。


「まずは、本当にすまなかった。軽率な私の…我々の発言で、君たちの将来が決まってしまって……」

「本当に申し訳ない……」

 ファーザーズが謝り始めた。
 マザーズは呆れた目線。

「父様。俺は気にしてないですよ。……むしろ」


 目線がこちらに向く。非常に申し訳なさそうな表情をされた。そんな顔されると僕まで申し訳なくなる。


「俺の婚約者にされたこの子の方が……」

 彼には何かあるらしい。
 ネガティヴになった彼に、さてなんと反応しようかと考える。


 首でも傾げておくか。


 コテン。



 微妙な反応をされた。失敗したらしい。


「貴女にも話しておかなくてはいけないね……我が子、セタは、なんというか……その」

 旦那さんが言いづらそうな表情を浮かべる。



「傷物なんだ……」


 ぱっと見怪我はないように見えるがいったいどういうことだろう。治ってないなら病院に行ったほうがいいのでは?


「傷物?」


 母が首を傾げる。


「小さい頃に、魔物事故に遭ってね。腕や足に傷痕が残ってしまって……」


 こんな感じなんだけど…と、腕をまくって見せてくせる。
 マッチョだ。痩せマッチョだ。傷よりもそこに目がいく。
 鍛えてるなぁ…。
 切り傷が多いが…火傷跡などはなく…もしかしたらこれは負けた傷痕というより…。

「もしかして魔物倒した…?…あ、倒しましたか?」


 口調がわからないのであたふたしながら喋る。

 驚いたように目を開かれた。


「いや、倒してはないけど……やり返しに行ったら、ひどい目に遭ったんだ。」


 やっぱり。
 この人きっと昔っから腕っ節が良い男なのだろう。
 これはどれもこれも傷痕が残ってるとはいえ、致命傷の治った傷にしては薄いのだ。父が戦闘する職業だからすぐにわかった。

「勇敢なんですね?」

 やり返しに行けるなら、ヤンチャな方なのだろう。太陽みたいな笑みを見せる彼ならわかる気がした。


 ひどく嬉しそうに笑うものだから、つられて僕も笑ってしまった。


 若者はいいねぇなんて年寄りぶるなよ両親たち。見目だけなら全員若い。いや、父さん以外。父さんは渋顔だ。よくあるおっちゃんといった雰囲気がある。

「怖がられなかったの初めてだ」


「それくらいなら父さんもよく傷痕つくって帰ってきますから、気にもなりませんが……」

 火傷のケロイド状の肌とかは怖いのかもしれないが、斬撃の痕なんかには抵抗感はない。痛そうだなとは思うけど。


「はははっ、相性が良いみたいで助かった……」

「ははは、じゃありませんよ。今では恋愛結婚も多いのに……貴方達片思いの相手とか居るの?後々になって、引き返せなくなっても戻れないのよ?」


 嘆いたようにため息をつく奥様。

 僕は恋愛の意味もよくわからないですと首を横に振る。


「俺も居ないかなぁ…というか異性の友人すらいない……」


 いても身内か知り合い程度だ、と彼はいう。
 こんなに明るいのだから、もっと人に好かれてもいいと思うのだけど。

 話は温和に終わった。


 夕食にお呼ばれしたので、三人で食べて帰ることにした。
 とりあえず、豪華だった。

 葉っぱの飾りとか、ソースで文字が書いてあるとか、なるほどこれは洋風高級レストラン。

 作法は気にしなくていいと言われたので普通に食べる。食器同士でカチャカチャ音を鳴らさないようにだけは気をつけた。前世の二次創作知識で得た産物だ。
 一番美味しかったのは、デザートのケーキ。チョコケーキだった。美味しかった。




 そんなことがあってから、卒業したら嫁入りだからと多少の作法を元貴族の母に習って、とうとう昨日卒業した。

 父と母がお祭りモードに突入した。
 父はこの日のためにと僕と飲むために買ったワインを開けている。
 そしてワインの中身は空になった。
 僕は数杯しか飲んでない。

 父はもう完全な酔っ払いである。


「ところでジャッロ。孫の予定とかは……」


 父がもう爺面してる。

 野暮だからそういうのは聞くなよ。
 その予定はまだまだ先だ。


 それにしても……と、丸く収まってホッとした顔で父は言い放った。



「胸も無いのによく気に入られたものだ……」



 いくら血縁でも、これはセクハラに値する。


 無言でワインボトルを振りかぶった僕は悪くない。
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