となりの芝生が青いのは神様が結んだ縁だから

ゆうひゆかり

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始まりの始まり(十二)

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クロは鈴木黒之助すずきくろのすけに名前が変わり、神職の仕事を覚え、冠婚葬祭もそれらしく行えるようになってた。

特に天正二年・クロが十八歳のとき執り行われた昌綱の葬儀は盛大なもので。

参列者は三百人にものぼって、狭い本殿の外にも長い長い列ができた。

クロの立派な祭詞と祭文ーー仏教で言う読経ーーに昌綱の嫡男の宗綱むねつなが葬儀が終わったあとで

「有り難う。
 父上もきっとあの世で喜んでいる」

ってクロに頭を下げたのを鮮明に憶えてる。
 
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