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序章 御職がみつかりました。
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職安で働いている新人女性職員である[子照挿]コテサシは、長年弄られていない資料室で、過去の職案内資料の整理をしていた。
先輩が定年で退職してしまったので、後任の子照挿が仕事状況把握の為に、軽く見ておこうと思っての行動だった。
棚からファイルを1冊ずつ取り出し、パラパラペラペラとページを繰り、軽く流し見をして元に戻す。
その時、ひっかかるものがあった。済という印が打たれた髪束の中に1枚だけ、未了の資料があったように見えた。まさかとは思ったが、豊満な胸をおしのけて、右目に掛けた黄土色のモノクルをかけ直して二ページ前の、その資料に目を落として......。
「......こ、これ、もしやヤバイヤツなのでは?」
絶句した。
確実に大事になるだろう。
直接的要因は、子照挿の辞めた先輩のミスだろう。しかし、責任は子照挿に回ってくるだろうと察した。
子照挿はこの案件を誰にもバレないように処分せねばならなくなった。
軽く1000年程ほったらかしにされていたミスのようだ。
????????????????????????
目覚ましもかけず、朝12時を回ってから、男はのそりと起きた。
髭は綺麗に剃っており、サッパリした短髪。掛け布団を身体から引き剥がし、全身ジャージ姿が寝相でシワだらけになっているのが伺える。
「ふわぁ~。あー、もうこんな時間か......」
後頭部をポリポリとかき、小さいあくびを1つ。今度は背中からパンツに手を突っ込み尻をかきながら、昨日の8時間バイトが堪えたのか気だるげにしている。
彼の、御方の名は[処坐和 帋粗 道久]トコロザワ シソ ミチヒサ。
神である。
道久は神である。
日本を治める神様の居住世界、高天原。
高天原、咲球県の処佐和の築80年のアパートに彼は住んでいる。
「今のバイトも辞めるってチーフに言っちゃったしなぁ、早く職探さなきゃ......」
道久はジャーから保温しておいた飯で茶碗に山を作り、冷蔵庫から納豆1パックと卵一つをわしっと掴んで朝飯の支度をした。
もそもそと米を頬張り、終われば、適当に歯を磨き、適当に顔を洗って、スーツを着込んだ。
スーツはシワがチラホラと見え、少々だらし無さが伺える。
彼は今から職探しにゆくのだ。 齢23、大学を卒業したはいいが就職の決まらない就活神である。
昼の13時、ふとんは敷きっぱなしのままで、鍵を閉めて道久の居住するアパートを後にした。
道久はもう、就活生ではない。
就活中である。
今、3年通いつめている就職案内所に来ている。いつものように担当のお姉さん、子照挿さんに「お疲れ様です」と労いの声をかけられ、悲しくなりながら椅子に掛けている。
「おはようございます。子照挿さん。私の仕事見つかりましたかね」
いつもならこの問いかけに、子照挿さんは残念そうに、「すみません、このような仕事しか見つかりませんでした」といって答えて、道久が苦笑いするのだが、今日に限っては、子照挿さんの顔がひきつった。
道久は疑問符を浮かべ。
「どうかしたんですか?」
と聞いた。
とうとう呆れられたか、とも思ったが、彼女に限ってそんなことはないだろうと考えた。
長い(三年を長いと言うのはムツカシイが)付き合いだ、常人ならぬ、常神なら1年で担当から外れている。
「い、いえですね......。」
口の横に手を当て内緒話でもするように、机に身を乗り上げ、ひっそりと道久に話し始めた。
次いでに柔らかな双丘も乗り上げている。
道久自身も、雰囲気に流されあたりを警戒しながら何事かと耳を傾けた。
「え!仕事が見つかったんスか!?」
つい声をあげてしまった。
先輩が定年で退職してしまったので、後任の子照挿が仕事状況把握の為に、軽く見ておこうと思っての行動だった。
棚からファイルを1冊ずつ取り出し、パラパラペラペラとページを繰り、軽く流し見をして元に戻す。
その時、ひっかかるものがあった。済という印が打たれた髪束の中に1枚だけ、未了の資料があったように見えた。まさかとは思ったが、豊満な胸をおしのけて、右目に掛けた黄土色のモノクルをかけ直して二ページ前の、その資料に目を落として......。
「......こ、これ、もしやヤバイヤツなのでは?」
絶句した。
確実に大事になるだろう。
直接的要因は、子照挿の辞めた先輩のミスだろう。しかし、責任は子照挿に回ってくるだろうと察した。
子照挿はこの案件を誰にもバレないように処分せねばならなくなった。
軽く1000年程ほったらかしにされていたミスのようだ。
????????????????????????
目覚ましもかけず、朝12時を回ってから、男はのそりと起きた。
髭は綺麗に剃っており、サッパリした短髪。掛け布団を身体から引き剥がし、全身ジャージ姿が寝相でシワだらけになっているのが伺える。
「ふわぁ~。あー、もうこんな時間か......」
後頭部をポリポリとかき、小さいあくびを1つ。今度は背中からパンツに手を突っ込み尻をかきながら、昨日の8時間バイトが堪えたのか気だるげにしている。
彼の、御方の名は[処坐和 帋粗 道久]トコロザワ シソ ミチヒサ。
神である。
道久は神である。
日本を治める神様の居住世界、高天原。
高天原、咲球県の処佐和の築80年のアパートに彼は住んでいる。
「今のバイトも辞めるってチーフに言っちゃったしなぁ、早く職探さなきゃ......」
道久はジャーから保温しておいた飯で茶碗に山を作り、冷蔵庫から納豆1パックと卵一つをわしっと掴んで朝飯の支度をした。
もそもそと米を頬張り、終われば、適当に歯を磨き、適当に顔を洗って、スーツを着込んだ。
スーツはシワがチラホラと見え、少々だらし無さが伺える。
彼は今から職探しにゆくのだ。 齢23、大学を卒業したはいいが就職の決まらない就活神である。
昼の13時、ふとんは敷きっぱなしのままで、鍵を閉めて道久の居住するアパートを後にした。
道久はもう、就活生ではない。
就活中である。
今、3年通いつめている就職案内所に来ている。いつものように担当のお姉さん、子照挿さんに「お疲れ様です」と労いの声をかけられ、悲しくなりながら椅子に掛けている。
「おはようございます。子照挿さん。私の仕事見つかりましたかね」
いつもならこの問いかけに、子照挿さんは残念そうに、「すみません、このような仕事しか見つかりませんでした」といって答えて、道久が苦笑いするのだが、今日に限っては、子照挿さんの顔がひきつった。
道久は疑問符を浮かべ。
「どうかしたんですか?」
と聞いた。
とうとう呆れられたか、とも思ったが、彼女に限ってそんなことはないだろうと考えた。
長い(三年を長いと言うのはムツカシイが)付き合いだ、常人ならぬ、常神なら1年で担当から外れている。
「い、いえですね......。」
口の横に手を当て内緒話でもするように、机に身を乗り上げ、ひっそりと道久に話し始めた。
次いでに柔らかな双丘も乗り上げている。
道久自身も、雰囲気に流されあたりを警戒しながら何事かと耳を傾けた。
「え!仕事が見つかったんスか!?」
つい声をあげてしまった。
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