元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。

くまだった

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元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。

1.出会い

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 新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。

 金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。

 元と言うのは前世の話だ。



 前世はおれはしがない男爵の息子だった。飲んだくれで賭博まで手を出した父親のせいで、金で売られた。

 オークションにかけられたおれを買い取ったのが、元旦那のこいつだ。

 どんな扱いをされるのかと思ったが、正妻にされた。

 でも考えてみてくれ。オークションで売られていたような身分の低い妻と、お金も権力も持っている侯爵の旦那とが対等になれるわけがない。

 旦那は、なんのためにおれを買ったのか妻にしたのかわからないが、おれを完全に支配しようとした。

 もしかしたらそういう性癖でおれが都合よかったのだろう。
 
 社交にも一切でるな、屋敷の敷地外にでるな、周りにも最低限の話さないメイドしか置かれず、何の楽しみもなくおれは過ごしていた。

 最後の方には庭師と話をしたといって、首を絞められながら怒られたような気が。

 それからは屋敷の敷地内であろうと、出て行けなくなった。夫婦の寝室のみ。話す相手もおらず。

 肝心の旦那は忙しく、滅多に帰って来ず、帰ってきたら誰と話したのか、手紙を交換したのかと、ぐちぐち怒ってばかりなので、おれは本当に嫌になっていた。

 オークション会場からおれを連れ出してくれた時は、粘着だと気づかず王子さまに見えた。

 感謝と感激で、この人のために一生懸命尽くすとか考えていたのが、悪かったんだろうか。

 とにかくアーサー アグレンを見た瞬間に蘇った黒歴史におれは倒れそうになったが、足を踏ん張って耐えた。

 こんな人の多いところで倒れたら目立ってしまう。あいつに気づかれてはいけない。

 悪夢なのか、思い込みなのかわからないが、今世はあいつとは関わらないとおれは決めた。

 アーサー アグレンは鬼門だ!


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