130 / 199
魔導王国アミリ朝クテシア編 〜砂塵と共に流れる因縁の章〜
状況説明
しおりを挟む
アレン達はその後、会議室で美凛からの説明を受けて絶句した。
「幾ら何でも、考え無しに突っ走りすぎだよ…」
苏月はアレンの言葉に額を押さえながら頷いた。
「頼むから心配させないでくれ…」
先程の美凛の悲鳴は、急激過ぎる身体の成長による成長痛だった。今は何ともないようだが、ヌールハーン程ではないとはいえ豊満な身体にはまだ慣れていないらしく、肩凝りしないように肩を回している。
「でも、これで跡取りの心配は無いですよ父上」
少し大人びた声で美凛は言うが、苏月は茶を噴き出した。
「跡取り!?」
「え?作るに決まってなるじゃないですか」
苏月は口をあんぐりと開けた。どうやら、幼いと思っていた娘がそんな事を言い出すのが衝撃だったようだ。
「にへへ、安産型だと思わない?」
そう言うと、同意を求めるようにアレンの方にも顔を向けた。だが、下手な返しをすると次こそ首を折られる。アレンは目を逸らすように茶を飲んだ。
「あ、安産型…相手は…?」
「んー、決めてないです」
苏月は安心したように溜息を吐いた。しかし、ボソボソと何か呟いている。
「安産型とか…何処でそんな言葉を覚えた…?」
最愛の娘には、まだ手元に残っていて欲しいのだろう。何より先の戦闘で梦蝶に遭遇し、そこで来儀の死の真相を聞かされたばかりだ。神経質になって当然だろう。
(しかし、不安要素が多いな)
先の一件で情緒不安定な苏月、回復したは良いが本調子ではないアイユーブ、怠け者亭主のシルヴェストロ、成長した身体に不慣れな美凛。
「…次の戦いは廃都クテシアだけど、大丈夫かこれ」
ラダーンを奪還した事で、残る主要要塞は廃都クテシアとスィナーンになった。しかし廃都クテシアは帝国軍に侵入され、既に制圧されてるに等しい。更に、撤退したオド達がクテシアの方面へ向かったという情報もある。
(帝国軍は魔人が足りないなら魔物で数を補えば良い)
城塞を攻め落とすには、城塞の兵士の三倍は数が必要だと言われている。とは言ってもそれはあくまで普通の城であって、クテシア城のように岩山の上に気付かれた巨大な城塞ともなれば難易度が変わってくる。
ヌールハーンとウサーマ率いる本隊がクテシアに向かって西進しており、クテシアで合流する手筈になっている。同時に海から進軍しているテオクリスやキオネ、社龍達とも合流の予定だ。
(あれ、グラコス軍が一番心強いか?)
グラコスの陸軍大将カルノスは、本隊と共に西進中だ。元盗賊のカルノス達はお綺麗な兵士様達よりも元気に行軍しているらしい。
「クテシアで合流出来るのかな…」
アレンがそう呟くと、先程目を覚ましたフレデリカが言った。
「大丈夫よ。舞蘭、美凛にサラシの巻き方を教えてあげて。このままじゃ戦闘中に捥げるわよ」
何なら私が貰ってあげても良いけど、とフレデリカは付け足した。
「いやいや、お前は自分で創れ」
今まで黙っていたアイユーブがそう口を挟んだ。
「喋った…」
普段なら喚いて反論するフレデリカが、アイユーブを凝視する。
以前のように、若干棘のある声色。会話が出来るまで回復したようだ。
「アイユーブ、予定としては明後日にクテシアに向けて進軍するけど…お前はついて来るか?」
ラダーンの近郊にある飛空艇発着場を守る為にも、兵力は少し残しておくつもりだ。
アレンの言葉に、アイユーブは記憶を辿りながらクテシアという言葉を反芻するように呟いた。まだ本調子ではないが、思考出来るようにはなってきたらしい。目が覚めたばかりの時は、悪夢や幻覚に魘されながら頭痛と嘔吐を繰り返していたが、大分回復したようだ。
「…行く。あいつを、仕留めないと…兄さんの身体を取り戻して、弔ってやらなきゃ」
アレンはその言葉に頷いた。復讐は悪い事だとは思わない。だが、ジェティや梦蝶のやり方では更なる憎しみしか生まない。しかし、アレンが憎しみに駆られた事が余り無いからそう思うだけかも知れない。
(あれ、梦蝶は何で憎しみを感じてるんだ?)
苏月は思い詰めたような顔でカップの中の茶を見詰めている。
「なあ月さん、何で梦蝶はあんたに執着するんだ?李恩は、あんたに大切なものを奪われたらしいって言ってたけど」
「大切なものを奪った…?あれの夫か?だが殺したのは梦蝶の後だ」
頭を捻っても何も出て来ない。そう言えば、彼も人体実験を受けた影響で人格が変わったり記憶が欠落している。聞くだけ無駄のようだ。
「…まあ良いや。美凛、出陣は出来そうか?」
「余裕だね。…装備があればだけど」
美凛の身長は十センチ程伸びて、胸や尻も大きくなった為今着ている装備品では身体に合わない。
アレンは何も考えずに「ダルカン老に作ってもらおう」と言い掛けたが、苏月にじっとりと睨まれて言い直した。
「…ゲフンゲフン…ラヴァに作ってもらおう。希望も詳細に伝えるんだぞ」
「はーい」
アレンは一息吐いた。人の地雷を踏まずに話す事の何と難しい事か。
「美凛、あんまりお父様を心配させちゃ駄目よ」
母に諭された美凛は元気に頷く。大人の身体を手に入れたが、中身は変わっていないらしい。
「苏安軍とライカニア軍も問題無いか?」
問われた二人は頷いた。
「大丈夫ですぞ」
「無い…が、私では理解の及ばない報告が一件。此処に居る皆から意見を聞きたい」
苏月は小さく折りたたまれた紙を長い袖から取り出した。
長い指が紙を開くと、整った文字がびっしり書かれている。しかし、所々字が乱れて誤字と修正がある。
「まず、連合海軍が帝国海軍と鉢合わせたらしい」
「そりゃまあ、戦争だからな…」
「問題は、戦闘が発生しなかったという事だ。そればっかりか、下ッ手糞なプロテアの花が描かれた旗を揚げて、連合軍の後ろを帝国艦隊が飼い主に従順な犬のようについて来ているらしい。しかも一隻や二隻じゃない。二千隻だ」
「…は?それ、どういう事?」
状況が理解出来ない。戦争に関する事はある程度想像出来るが、何も想像出来ない。下手糞なプロテアが描かれた旗に、犬のようについて回る帝国艦隊。情報量が多過ぎて頭が破裂しそうだ。帝国が一枚岩ではない事は知っていたが、どういう事だろう。
「私もそう言いたい。この戦いは何がどうなってるんだ…」
そう言うと、苏月は紙を置いて水晶盤で社龍の水晶盤に繋いだ。程無くして水晶盤に社龍とテオクリス、そしてキオネの顔が映る。社龍の顔は今にも泣き出しそうな程情けないが、テオクリスは状況が理解出来ないとでも言いたげに頭を掻いている。残るキオネはとても愉しそうにワイングラスを掲げている。何か良い事でもあったのだろうか。
苏月は映像を円卓の巨大な水晶盤に転送した。
アレンは困惑しながらも口を開く。
「…えーと社龍達、どういう状況なのか説明してくれ。あと、あればだけど被害状況も」
社龍はこくこくと頷くと、画面の外に向かって手招きした。そしてやって来た四人を見て目を見開いた。
「ラバモア!?何で!?」
ラバモアだけではない。ミロスとアンタルケル、そしてヴィターレが映っている。
『よぉ、生きてたんだなアレン!心配したんだぜ?』
そう気さくに話し掛けるラバモアは、何故かラム酒の入ったジョッキを持っている。
「お、おぅ…生きてる、よ…?えーと、心配…、させてごめんな…?…でもマジでどういうことだよ」
『心配したけど、生きてて良かった。そうだ、今日からあたしらも連合軍の仲間入りするから。また宜しくな!』
そう言うと、海軍を率いる十二神将達はジョッキを掲げた。
アレンは思わず問うた。
「…何だってぇ?」
「幾ら何でも、考え無しに突っ走りすぎだよ…」
苏月はアレンの言葉に額を押さえながら頷いた。
「頼むから心配させないでくれ…」
先程の美凛の悲鳴は、急激過ぎる身体の成長による成長痛だった。今は何ともないようだが、ヌールハーン程ではないとはいえ豊満な身体にはまだ慣れていないらしく、肩凝りしないように肩を回している。
「でも、これで跡取りの心配は無いですよ父上」
少し大人びた声で美凛は言うが、苏月は茶を噴き出した。
「跡取り!?」
「え?作るに決まってなるじゃないですか」
苏月は口をあんぐりと開けた。どうやら、幼いと思っていた娘がそんな事を言い出すのが衝撃だったようだ。
「にへへ、安産型だと思わない?」
そう言うと、同意を求めるようにアレンの方にも顔を向けた。だが、下手な返しをすると次こそ首を折られる。アレンは目を逸らすように茶を飲んだ。
「あ、安産型…相手は…?」
「んー、決めてないです」
苏月は安心したように溜息を吐いた。しかし、ボソボソと何か呟いている。
「安産型とか…何処でそんな言葉を覚えた…?」
最愛の娘には、まだ手元に残っていて欲しいのだろう。何より先の戦闘で梦蝶に遭遇し、そこで来儀の死の真相を聞かされたばかりだ。神経質になって当然だろう。
(しかし、不安要素が多いな)
先の一件で情緒不安定な苏月、回復したは良いが本調子ではないアイユーブ、怠け者亭主のシルヴェストロ、成長した身体に不慣れな美凛。
「…次の戦いは廃都クテシアだけど、大丈夫かこれ」
ラダーンを奪還した事で、残る主要要塞は廃都クテシアとスィナーンになった。しかし廃都クテシアは帝国軍に侵入され、既に制圧されてるに等しい。更に、撤退したオド達がクテシアの方面へ向かったという情報もある。
(帝国軍は魔人が足りないなら魔物で数を補えば良い)
城塞を攻め落とすには、城塞の兵士の三倍は数が必要だと言われている。とは言ってもそれはあくまで普通の城であって、クテシア城のように岩山の上に気付かれた巨大な城塞ともなれば難易度が変わってくる。
ヌールハーンとウサーマ率いる本隊がクテシアに向かって西進しており、クテシアで合流する手筈になっている。同時に海から進軍しているテオクリスやキオネ、社龍達とも合流の予定だ。
(あれ、グラコス軍が一番心強いか?)
グラコスの陸軍大将カルノスは、本隊と共に西進中だ。元盗賊のカルノス達はお綺麗な兵士様達よりも元気に行軍しているらしい。
「クテシアで合流出来るのかな…」
アレンがそう呟くと、先程目を覚ましたフレデリカが言った。
「大丈夫よ。舞蘭、美凛にサラシの巻き方を教えてあげて。このままじゃ戦闘中に捥げるわよ」
何なら私が貰ってあげても良いけど、とフレデリカは付け足した。
「いやいや、お前は自分で創れ」
今まで黙っていたアイユーブがそう口を挟んだ。
「喋った…」
普段なら喚いて反論するフレデリカが、アイユーブを凝視する。
以前のように、若干棘のある声色。会話が出来るまで回復したようだ。
「アイユーブ、予定としては明後日にクテシアに向けて進軍するけど…お前はついて来るか?」
ラダーンの近郊にある飛空艇発着場を守る為にも、兵力は少し残しておくつもりだ。
アレンの言葉に、アイユーブは記憶を辿りながらクテシアという言葉を反芻するように呟いた。まだ本調子ではないが、思考出来るようにはなってきたらしい。目が覚めたばかりの時は、悪夢や幻覚に魘されながら頭痛と嘔吐を繰り返していたが、大分回復したようだ。
「…行く。あいつを、仕留めないと…兄さんの身体を取り戻して、弔ってやらなきゃ」
アレンはその言葉に頷いた。復讐は悪い事だとは思わない。だが、ジェティや梦蝶のやり方では更なる憎しみしか生まない。しかし、アレンが憎しみに駆られた事が余り無いからそう思うだけかも知れない。
(あれ、梦蝶は何で憎しみを感じてるんだ?)
苏月は思い詰めたような顔でカップの中の茶を見詰めている。
「なあ月さん、何で梦蝶はあんたに執着するんだ?李恩は、あんたに大切なものを奪われたらしいって言ってたけど」
「大切なものを奪った…?あれの夫か?だが殺したのは梦蝶の後だ」
頭を捻っても何も出て来ない。そう言えば、彼も人体実験を受けた影響で人格が変わったり記憶が欠落している。聞くだけ無駄のようだ。
「…まあ良いや。美凛、出陣は出来そうか?」
「余裕だね。…装備があればだけど」
美凛の身長は十センチ程伸びて、胸や尻も大きくなった為今着ている装備品では身体に合わない。
アレンは何も考えずに「ダルカン老に作ってもらおう」と言い掛けたが、苏月にじっとりと睨まれて言い直した。
「…ゲフンゲフン…ラヴァに作ってもらおう。希望も詳細に伝えるんだぞ」
「はーい」
アレンは一息吐いた。人の地雷を踏まずに話す事の何と難しい事か。
「美凛、あんまりお父様を心配させちゃ駄目よ」
母に諭された美凛は元気に頷く。大人の身体を手に入れたが、中身は変わっていないらしい。
「苏安軍とライカニア軍も問題無いか?」
問われた二人は頷いた。
「大丈夫ですぞ」
「無い…が、私では理解の及ばない報告が一件。此処に居る皆から意見を聞きたい」
苏月は小さく折りたたまれた紙を長い袖から取り出した。
長い指が紙を開くと、整った文字がびっしり書かれている。しかし、所々字が乱れて誤字と修正がある。
「まず、連合海軍が帝国海軍と鉢合わせたらしい」
「そりゃまあ、戦争だからな…」
「問題は、戦闘が発生しなかったという事だ。そればっかりか、下ッ手糞なプロテアの花が描かれた旗を揚げて、連合軍の後ろを帝国艦隊が飼い主に従順な犬のようについて来ているらしい。しかも一隻や二隻じゃない。二千隻だ」
「…は?それ、どういう事?」
状況が理解出来ない。戦争に関する事はある程度想像出来るが、何も想像出来ない。下手糞なプロテアが描かれた旗に、犬のようについて回る帝国艦隊。情報量が多過ぎて頭が破裂しそうだ。帝国が一枚岩ではない事は知っていたが、どういう事だろう。
「私もそう言いたい。この戦いは何がどうなってるんだ…」
そう言うと、苏月は紙を置いて水晶盤で社龍の水晶盤に繋いだ。程無くして水晶盤に社龍とテオクリス、そしてキオネの顔が映る。社龍の顔は今にも泣き出しそうな程情けないが、テオクリスは状況が理解出来ないとでも言いたげに頭を掻いている。残るキオネはとても愉しそうにワイングラスを掲げている。何か良い事でもあったのだろうか。
苏月は映像を円卓の巨大な水晶盤に転送した。
アレンは困惑しながらも口を開く。
「…えーと社龍達、どういう状況なのか説明してくれ。あと、あればだけど被害状況も」
社龍はこくこくと頷くと、画面の外に向かって手招きした。そしてやって来た四人を見て目を見開いた。
「ラバモア!?何で!?」
ラバモアだけではない。ミロスとアンタルケル、そしてヴィターレが映っている。
『よぉ、生きてたんだなアレン!心配したんだぜ?』
そう気さくに話し掛けるラバモアは、何故かラム酒の入ったジョッキを持っている。
「お、おぅ…生きてる、よ…?えーと、心配…、させてごめんな…?…でもマジでどういうことだよ」
『心配したけど、生きてて良かった。そうだ、今日からあたしらも連合軍の仲間入りするから。また宜しくな!』
そう言うと、海軍を率いる十二神将達はジョッキを掲げた。
アレンは思わず問うた。
「…何だってぇ?」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる