凜恋心

降谷みやび

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rest4…キス (pov悟浄)

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誕生日だって言って…







三蔵に無理言って雅を借りて…








デートに誘った…










「悟浄!」

「おぅ」

「ごめんね?待たせちゃって」

「俺を待たせていいのは雅位なもんだ」

「誰にでも言いそうな台詞…」

「はは…」










俺待たされんのそう得意でもねえけど…










雅ならどれだけでも待ってれそうだわ……










それからいろいろ街中歩いて…









誕生日に託つけて手、繋いで……











回りの視線も気になるけど、そんなもん今日はどうだって良い……










「……悟浄って……イケメンだよね」

「は?」










突然何の前触れもなく言われた……









「…今気付いた」










しかも今って……









「遅っ!!」










今まで気付いてなかったんかよ……











「だって…!!皆ほとんどの子がすれ違うと悟浄の事振り返ってる……」









そういう雅が



なんだか申し訳なさそうに言ってくる。










でもよ?もっと他の視線も気付いた方がいいぜ?











行き交う男の視線は雅に向いてんの…












どうせ気付いてねえだろ?












いろんなくだんねえ話して…











なんでか罰ゲームとかでジュース渡され…?











それでもじっとみてくる視線が痛ぇっつうの










飲みたいんだろうけど……











それでも無邪気に自分が飲んだ飲みかけと交換とか言ってくる始末だ












「あの…雅?…解ってる?」

「意味?…何それ、悟浄、バカにしてる?」

「いや……知ってて?」

「知ってるよ!!!」











………ですよね…そうなるわな…












間接キスなんだけど?これ……











しかもめっちゃくちゃドヤ顔で、









不正解、、、、いや、ある意味正解なんだけど…











言われたら俺どうしたら良いのよ…











あぁでもねえ、こうでもねえなんてそれこそ話してたらいつのまにか時間も過ぎて…











最後に目の前に現れた観覧車…











乗ってけって言わんばかりのシチュエーションだな…










雅に目をやれば 乗りたそうだし……











最後に乗ってくか……












二人で乗り込んで…











はしゃぐ雅をみればきゅっと胸が締め付けられる












楽しかったかと聞かれて





楽しかったと答えたら……






本当になんて疑われるし…











…で、急に隣に座ってくるし……












めっちゃゴンドラ傾いてるぜ?これ……










それでもコツリと肩に凭れてくる雅がどうしても愛おしくて…










気付けば頭撫でてた……













わりいな三蔵…少しは多目に見逃してくれよ…














「…欲しいの無い?…あ、あるって言っても私買ってあげれないから……お願いは?」












これでも十分だけど…?








マッサージだとかうまいめしだとか……










そんなんどうでも良いんだよ……











俺は……ただひとつしかない……












「…キスして?」

「…ご…じょ?」











ほら…固まった…











解ってるから…










「……フフ…クックッ…冗談だよ…エロなしって言ってんのにそんなこと言えるわけねえだろうが…」











雅に言ってるはずが









自分に言い聞かしてるんじゃ世話ねえよ……











そう思ってるとクンっと袖が引っ張られる










なんだ…?











外でも見てなきゃマジでキスしたくなるだろ……








次の瞬間…








唇ギリギリ外れたところに






キスそれは降ってきた。










マジ…かよ……











でごめんね?」

「み…やび?」

「お誕生日おめでと…悟浄…」










唇じゃねえのが惜しいけど……










十分だろ……









めっちゃくちゃレアだろ……











「…ハァ…さんきゅ」









こりゃ、三蔵にはいえねえな……










マジでぶち殺されそうだわ……









ま…








言うわけねえけど…








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