凜恋心 ♢ 転生編 ♢

降谷みやび

文字の大きさ
上 下
21 / 30

battle16.5…確信 (pov三蔵)

しおりを挟む
やっと…見つけた……





それなのに、マジで覚えてねえんだな…




そりゃ、あのクソババァのした事だから




仕方ねえのかも知れねえけど……




悟浄がセッティングしたって場で




俺は聞きたかったのか…




それとも……


二度と戻れない事実を直面したくなかったのか…





「バカだろ…」




なに言ってんだか……




にしても……あれは完全にムカついてる顔だ。



変わってなさすぎて逆に笑えてくる





じっと見る視線に気付かねえとでも思ってるのか?





「さっきからバカバカって……まだ会って数日の人捕まえてそんなに連呼しなくても良いじゃないですか!」

「バカにバカと言って何が悪い」





またこのやり取りかよ…





と何も変わらねえじゃねえか





「お前なぁ…」

「それに!私お前じゃありません!雅って名前があるんです!」





知ってるよ…そんな事……




くそ……


このままここにいたんじゃ……




俺が持たねえ…





部屋を後にして自分の部屋に戻る…




ベッドに仰向けになって寝転べば…




「クソだせえ……」




懐かしさと…



変わらない愛する人と……




それだけで…





「……止まれ…」




涙が止まらない……




抱き締めたくて……できなくて…




『だとしたらさ、何で三蔵、こんなに長期滞在してんだよ』




「んなの決まってんだろ……」





きゅっと首にかかるリングを握りしめ…






一日でも長くいたら……




これを返す事が出来るかも知れない…




「……そう思っちまうだろ……」





こんな所で長期的に足止め食らってる場合じゃねえのにな……






でも…



願わずに居られねえんだよ…




虚勢張ってたって……




ずっと会いたくて……どうしようも無い位…




忘れること何て出来なかった…





そんな相手が目の前に現れたら……





クソだせえけど…




また…手に入れたいって思う…




次こそは…




手放さねえから……





それに…




最後の『言葉』……



聞かねえといけねえから…



「なぁ……解ってんのかよ……雅……」






.
しおりを挟む

処理中です...