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battle10…苛立ち
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雅と離れてもう四ヶ月が過ぎようとしていた。
「……」
「最近さらに三蔵…機嫌悪くねえか?」
「行く先々で聞いていても雅の欠片すら拾えませんからね……」
「それもそうだな…」
「今ごろ…元気かな…雅…」
そんなことを話している。立ち寄る先は大きな街が続いているものの、雅の情報は全くと言っていい程つかめない。
「ねぇ三蔵?」
「…なんだ…」
「このまま出会えなかったら…どうします?」
「言っただろうが、俺は諦めは悪い方だと…」
「えぇ、確かにそうなんですけど…」
「もしかして、俺たちが過ぎてきた街に一歩遅くて雅いたらどうする?」
「…それもあり得る話ですね…」
「それでも俺たちは西に向かう必要がある…」
「そうなんですよね…確かにそうなんですよ…」
「であったのも偶然だったから。次会うのも、会えねえのも、運任せじゃねえのか?」
そういう三蔵。しかし、誰よりも納得のしない言い分だった。
「でもさ…三蔵?」
「……悟空、話しはそれくらいにしておいて方が…」
「え?」
「……チッ…」
そう、フワッと風が一瞬変わった。その次の瞬間だ。
「久しいな…玄奘三蔵…」
「紅孩児!!」
「おいらもいるぞ!」
「てか、いきなり来んのな…」
「…全く……」
「…?」
「あれ、雅いないじゃん?」
そう言い放ったのは李厘だった。
「……おい、雅はどうした」
「貴様らには関係ねえよ」
「…そうかも知れんが…」
「つか、何しに来た」
「野暮な質問だ…」
「さんぞー!!!経文ちょうだい!」
「これ以上俺のもんくれてやるかよ」
「…やぁーっぱ、激おこだな」
しかし、三蔵一行の前に向かう李厘を止める紅孩児。
「行くぞ、李厘」
「えー!!お兄ちゃん!経文は!?」
「今日はいい。どうやらそれどこれじゃないらしい。」
「でも!」
ガウンッッ!
そんな言葉を聞いた三蔵は挑発するかのように一発紅孩児に向けて発砲した。
「ナメんな、王子様」
「本調子じゃない奴らを相手にしたところで意味がない」
「…チッ」
そうしてワァワァと言う李厘を連れて紅孩児は去っていく。唖然とした様子で立ち尽くした一行はガシガシと頭を搔いていた。
「敵にまで同情された俺らって…何?」
「どうしたものですかね…」
「俺、意外と絶好調なんだけどな…」
「そう見えてるだけなのかもしれないですね…意外と彼方さんのが冷静に見えているのかもしれませんね…」
「だからと言ってナメられたものだな…」
そういう三蔵は、徐にジープに持たれながらため息を吐いた。
「三蔵?」
「なんだ」
「紅孩児さん、どうしたんでしょうね」
「知らん」
「でも、確かに三蔵ピリピリしてるもんな」
「…悟空」
「なに?」
「……いや、何でもねぇ」
「なんだよ!」
「うるせえよ」
そういいシャラっと首元からネックレスを握りしめた。
「タク…だせぇな…」
「自覚あり、ですか?」
「…フン」
そのまま三蔵は少し寝るといい、腕を組んで首を倒した。
「全く、困りましたねぇ」
「なんで?」
「こんな状態が続いたら…色々と問題があると思うんですよ。」
「もんだい?」
「まぁ、僕の思い過ごし、考えすぎなだけならいいんですが…」
「言えよ、八戒」
「んー…三蔵の苛立ちが続けば、僕達に色々と八つ当たりもされるでしょうし、それに色々と…」
「八つ当たりなんかしねぇよ」
「三蔵、寝たんじゃないんですか?」
「寝てねぇよ、てか寝れねぇわ」
「…三蔵」
「問題もねぇし、んな事しねぇから安心しろ」
「……三蔵がある意味怖えぇ」
「……」
言うだけ言って三蔵は次の街まで目を閉じた。
「……」
「最近さらに三蔵…機嫌悪くねえか?」
「行く先々で聞いていても雅の欠片すら拾えませんからね……」
「それもそうだな…」
「今ごろ…元気かな…雅…」
そんなことを話している。立ち寄る先は大きな街が続いているものの、雅の情報は全くと言っていい程つかめない。
「ねぇ三蔵?」
「…なんだ…」
「このまま出会えなかったら…どうします?」
「言っただろうが、俺は諦めは悪い方だと…」
「えぇ、確かにそうなんですけど…」
「もしかして、俺たちが過ぎてきた街に一歩遅くて雅いたらどうする?」
「…それもあり得る話ですね…」
「それでも俺たちは西に向かう必要がある…」
「そうなんですよね…確かにそうなんですよ…」
「であったのも偶然だったから。次会うのも、会えねえのも、運任せじゃねえのか?」
そういう三蔵。しかし、誰よりも納得のしない言い分だった。
「でもさ…三蔵?」
「……悟空、話しはそれくらいにしておいて方が…」
「え?」
「……チッ…」
そう、フワッと風が一瞬変わった。その次の瞬間だ。
「久しいな…玄奘三蔵…」
「紅孩児!!」
「おいらもいるぞ!」
「てか、いきなり来んのな…」
「…全く……」
「…?」
「あれ、雅いないじゃん?」
そう言い放ったのは李厘だった。
「……おい、雅はどうした」
「貴様らには関係ねえよ」
「…そうかも知れんが…」
「つか、何しに来た」
「野暮な質問だ…」
「さんぞー!!!経文ちょうだい!」
「これ以上俺のもんくれてやるかよ」
「…やぁーっぱ、激おこだな」
しかし、三蔵一行の前に向かう李厘を止める紅孩児。
「行くぞ、李厘」
「えー!!お兄ちゃん!経文は!?」
「今日はいい。どうやらそれどこれじゃないらしい。」
「でも!」
ガウンッッ!
そんな言葉を聞いた三蔵は挑発するかのように一発紅孩児に向けて発砲した。
「ナメんな、王子様」
「本調子じゃない奴らを相手にしたところで意味がない」
「…チッ」
そうしてワァワァと言う李厘を連れて紅孩児は去っていく。唖然とした様子で立ち尽くした一行はガシガシと頭を搔いていた。
「敵にまで同情された俺らって…何?」
「どうしたものですかね…」
「俺、意外と絶好調なんだけどな…」
「そう見えてるだけなのかもしれないですね…意外と彼方さんのが冷静に見えているのかもしれませんね…」
「だからと言ってナメられたものだな…」
そういう三蔵は、徐にジープに持たれながらため息を吐いた。
「三蔵?」
「なんだ」
「紅孩児さん、どうしたんでしょうね」
「知らん」
「でも、確かに三蔵ピリピリしてるもんな」
「…悟空」
「なに?」
「……いや、何でもねぇ」
「なんだよ!」
「うるせえよ」
そういいシャラっと首元からネックレスを握りしめた。
「タク…だせぇな…」
「自覚あり、ですか?」
「…フン」
そのまま三蔵は少し寝るといい、腕を組んで首を倒した。
「全く、困りましたねぇ」
「なんで?」
「こんな状態が続いたら…色々と問題があると思うんですよ。」
「もんだい?」
「まぁ、僕の思い過ごし、考えすぎなだけならいいんですが…」
「言えよ、八戒」
「んー…三蔵の苛立ちが続けば、僕達に色々と八つ当たりもされるでしょうし、それに色々と…」
「八つ当たりなんかしねぇよ」
「三蔵、寝たんじゃないんですか?」
「寝てねぇよ、てか寝れねぇわ」
「…三蔵」
「問題もねぇし、んな事しねぇから安心しろ」
「……三蔵がある意味怖えぇ」
「……」
言うだけ言って三蔵は次の街まで目を閉じた。
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