140字短編集

ソメイヨシノ

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こんな日

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雷が鳴っているあの大雨の日。

私は、あなたに「怖いから」と抱きついた。

あなたは、「子供だなぁ。」なんて笑ったけど、それでもよかった。
あなたの隣にいられるなら。


久しぶりの快晴のあの朝。

あなたは、私に「幸せになってな。」と合鍵を返した。

私は、「なんで」と繰り返した。
わかってくれ、なんて言われてもわからなかった。

あなたが隣にいないことなんて、受け入れたくない。

雷は、もう怖くない。
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