窓際の不思議な彼

tatudoshinosasoriza

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窓際の不思議な彼-part48-家族

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「窓際にいる不思議な彼に」
「困っていることを話すと」
「解決するらしいよ」
「なんで窓際?」
「窓際社員的な?」
「ホントかよ?」
「窓際ってだけじゃ分かんねー」
「窓際にいるわけでもないらしい」
「なおさら分かんねー!」
「一目見れば分かるってさ!」
「イケメンらしい」
「可愛い女の子」
「女の子なら彼じゃないじゃん」
「やっぱり学校にいるらしいよ?」
「それは嘘情報だよ」
「学校じゃないところでも噂があるし」
「てか、あそこにいるんでしょ?」
「あの、隠れスポットみたいなとこ」
「すごい狭いとこ」
「どこ?」
「〇〇町の〇〇っていうビルの二階」
「怪しい看板が目印だって!」
街の様々な所でそんな噂の話がされている。

■家族
「おや?こんばんは」
「良かったら、どうぞ」
「お話したいことがあれば、なんでも」
「聞き役になりますよ」
「ええ。もちろん。どうぞどうぞ」
「お菓子もあるし、ジュースにします?お茶?」
「はい。どうぞ」
「ええ、本当に、なんでも良いですよ」
「お気軽にどうぞ」
「ほうほう。ファッションデザイナーの?」
「専門学校?」
「それはスゴイ!カッコいいですね」
「もしかしてですけど・・・」
「今、着ていらっしゃる服も?」
「ああ!やっぱり!」
「オシャレですねー。中々、見ない感じでしたから」
「学校はこの近くですか?」
「ああ、はいはい。ふたつ隣の」
「ええ。聞いたことがありますよ」
「テレビのCMでもやってますよね?」
「はは。良かった。正解だった」
「お住まいもこの近くで?」
「違う。ご実家は・・・」
「大分、離れているんですね」
「では、今は、お一人で?」
「祖母?ほう?」
「おお、随分とお若いのですね」
「それにしても・・・」
「お母様の方ではなく、祖母様と?」
「ほうほう。お母様は駄菓子屋さんですか!」
「良いですねー。駄菓子屋さん」
「夢のようだなー。実家が駄菓子屋さん」
「うん。良い」
「ああ、すいません。一人で盛り上がってしまいました」
「ふむふむ。それで、祖母様の方が」
「デザイナーだったと」
「良いですねー。デザイナー」
「うん。良い。響きが良い」
「おっと、失礼しました」
「むむ?祖母様のお名前」
「もしかして、えーと、この方、ですか?」
「おお!ちゃんとしたホームページがあるじゃないですか」
「おお!雑誌にも載ってらっしゃる」
「いやー、凄いですね。みなさん、個性溢れる職業ですなー」
「ん?ああ・・・それは・・・」
「まあ・・・反抗期は誰にでもあるものですし・・・」
「お母様のお仕事が・・・嫌で・・・」
「そう、ですか・・・」
「でも、今は、反省もされてるし」
「嫌だということも無い・・・と」
「それは、良かったですね」
「いやいや、お母様は嫌な思いはしていないと思いますよ?」
「逆に・・・」
「嬉しいんじゃないですか?」
「うーん。僕は子供いないですけど・・・」
「自分の子がいたら・・・」
「自分のやりたいこと・・・」
「進むべき道を見つけてくれるのは・・・」
「嬉しいんじゃないかなー・・・」
「と、勝手なことを言ってみました」
「はは。笑っていただけてなにより」
「お母様のところに帰ったりは?」
「おお!なら、なにも問題ないじゃないですか」
「良いですねー。三世代に渡って仲良くやれてるなら」
「ええ!?曾祖母様も?」
「みなさん、お元気で?」
「素晴らしいじゃないですか!」
「ええ、ええ。元気が一番です!」


「良いんですか?もう、お話をしなくても?」
「ふふ。まあ、来た時よりも、なんだか、元気に見えます」
「ん?ホントは?」
「才能・・・」
「才能ですか・・・」
「それは・・・難しいですね」
「やはり、大変な世界なのですね・・・」
「その割には・・・」
「随分と、吹っ切れた顔をしてますよ?」
「え?誰かに?」
「聞いてもらいたかった?」
「ああ・・・お母様とのこと・・・」
「そうですよね・・・」
「ご家族同士で話すには・・・」
「少し、デリケートですもんね・・・」
「ご家族以外には・・・」
「もっと話しにくいですもんね」


「いえいえ、こちらこそ、良いお話を聞けましたよ」
「家族は仲良しが一番です」
「ん?僕の家族ですか?」
「うーん・・・」
「少々、複雑でして・・・」
「もし、また来ていただけたら・・・」
「お話しましょうかね・・・」
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