窓際の不思議な彼

tatudoshinosasoriza

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窓際の不思議な彼-part57-三連休①

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■三連休①
「あのさあ・・・」
「君達・・・」
「世間は三連休だよ?」
「なんで・・・」
「こんな狭苦しいところに・・・」
「みんなで集まって・・・」
「ゲームをしてるんだい?」
「およそ若者の行動とは思えないよ・・・」
「お兄さんは悲しいよ・・・」
「もっと外に出て・・・」
「買い物するとか・・・」
「どこかに遊びに行くとか・・・」
「もっと、こう・・・」
「青春を謳歌しなよ・・・」
「はい!その顔!その目!駄目!」
「禁止です!」
「僕の方が正論だから!」
「はい!論破!」
「はい!そこ!ウゼーって言わない!」
「何?何だって?」
「そういう自分は?」
「いいかい?僕はお仕事!」
「人のお話を聞くお仕事があります!」
「もちろん、君達が何か話したいなら」
「聞きましょう!でもね!」
「もう一時間経つけど」
「ゲームばっかしてるでしょうが!」
「ここは君達の溜まり場ではありません!」
「さあ、外に出て若者らしく・・・ん?」
「ちょっと・・・外に出てくるよ・・・」


「おう」
「彼、大丈夫そうか?」
「そっか・・・」
「お前に連絡して良かったよ・・・」
「サンキュ」
「そっちは?三連休は?」
「相変わらず、お疲れ様です」
「え?今度?メシ?」
「なんだよ・・・珍しい・・・」
「え?ホルモン?美味しいとこ?」
「・・・」
「悪い・・・俺、ホルモン苦手・・・」
「ホルモン以外も?美味しい?」
「レバー?」
「・・・」
「悪い・・・俺、レバー苦手・・・」
「カルビ!なら、行く!」
「お前の奢り?」
「なんだー・・・」
「おう。じゃあ、また」


「おっ、君達、ゲームはやめたね」
「お昼に?良いね!行ってらっしゃい!」
「え?僕も一緒に?」
「いや、良いよ・・・」
「うん。面倒なのもあるけど・・・」
「次の外食は・・・」
「あのナポリタンって決めてるから・・・」
「僕はね・・・あの日・・・」
「自分の愚かさを思い知ったよ・・・」
「せっかく開店前に行ったのに・・・」
「まさかの・・・定休日だなんて・・・」
「分かるかい?あの時の僕の気持ちが!」
「・・・誰もいない」
「・・・グスっ」


「ギョギョっ!?」
「あ・・・いえ、なんでも・・・」
「いえ・・・どうぞ・・・」
「あ、あの・・・なにか・・・飲みます?」
「ええ・・・ありますよ・・・」
「紅茶にします?」
「お待ちを・・・」
「どうぞ・・・」
「ええ。アドバイスどおりに・・・」
「え?物が散乱している?」
「汚い?」
「ああ・・・」
「実は、先程まで人がいたもので・・・」
「いえ、依頼人ではなく・・・」
「ここは探偵事務所ではないので・・・」
「いいです!いいですから!」
「掃除を始めようとしないでください!」
「ふう・・・」
「そ、それにしても・・・」
「三連休でもお休みは無いんですか?」
「え?三連休だからこそ?」
「ああ、平日来られない方が?大勢?」
「・・・」
「こんなところに来ていて良いんですか?」
「お忙しいのでは?」
「はい?いえ・・・敬語のままで・・・」
「え?事件を?解決?僕が?」
「?」
「何のお話でしょう?」
「・・・」
「何故、ご存じで?」
「いや、別に・・・」
「解決したとかではなく・・・」
「連絡だけしたというか・・・」
「いや、僕からしたら・・・」
「あなたが、それを知っている方が恐いですよ」
「もしかして・・・あいつに?」
「え、ええ・・・僕の幼馴染というか・・・」
「腐れ縁の奴がいまして・・・」
「え?違う?」
「では、どうやって?」
「守秘義務・・・」
「そ、そうですか・・・」
「ええ・・・」
「いや・・・」
「そんな、大層なもんじゃないですよ・・・」
「待っているだけで解決できるなんて・・・」
「小説とかテレビの中だけですよ・・・」
「いや、その・・・ライバルでは・・・」
「あ、帰られる?」
「頭の中が整理できた?」
「お疲れ様です・・・」


「あの人・・・」
「頭の中を整理する為にここに来るのか?」
「つ、疲れた・・・」
「もう、ゆっくりしよう・・・」


「君達・・・」
「帰ってくるなり・・・」
「ゲームをするんじゃない!」
「公園とか、図書館とか、デパートとか」
「書店とか、ゲーセンとか、カラオケとか」
「クラブとか、バーとか、レジャー施設とか」
「とにかく!」
「青春を謳歌しなさい!」
「な、なん・・・だと・・・」
「な、なんだぁ・・・テメエら・・・」
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