メクレロ!

ふしかのとう

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第二章 魔法使い

第6話

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 「へぇ~。タッ君はこんなとこに住んでるんだ?綺麗にしてるのね。」

 「あの、マキさん?」

 「あら?いやね、タッ君たら。記憶が無いってことは聞いてるけど、前みたいにマキ、って呼んでよ。ね?」


 今、俺の家にはシン、リズィちゃん、そしてシンの姉ちゃんであるところのマキさんがいる。一応言っておくと俺もいる。

 ーーすまんタキ、リズィがやっちまったらしい。えへへすみません、やっちまいました。

 リズィちゃんはさりげなくタッ君情報を調べて手紙で連絡するという任務遂行中にマキさんにバレて、追及され、俺の事を話してしまった。話を聞いたマキさんはすぐさまリズィちゃんを連れてロクラーンに飛んできた。ロクラーンに着いたマキさんはシンの家へ行って昼寝してるシンを叩き起こし、俺の家まで連れて行くように命じ、その途中で俺の姿を見付けて全力疾走し、俺を捕獲し、お腹におっぱいを教えたのである。

 んで、とりあえず俺の家に来て貰った。シンは眠そう、リズィちゃんはばつが悪そう、マキさんは元気。


 「そうは言っても、マキさんは年上だし…。」

 「あのね?タッ君は忘れちゃってるかも知れないけど私達、結婚する約束してたんだよ?」

 「え?」

 横を見るとシンとリズィちゃんが、うわぁ…って顔でドン引きしてる。俺も多分同じ顔をしてるだろう。俺の記憶が無いのを良いことになんてこと言うんだ、この人。

 「…マキさん、あの、私マキさんのこと全部話しちゃってまして…。」

 「…全部?」

 「はい、全部…。」

 「…告白する予定とか全部?」

 「…はい、全部。」

 「……あら私ったら、とんだ勘違いを。」

 「姉ちゃん…。」

 シンが心底呆れた顔をしてる。

 「…でもね?私達、その、1度だけ、寝たことがあって、だから、責任取って付き合って欲しいかなって。」

 「え?でも俺に告白するとか…。」

 「その、その場の雰囲気というかで、ね?だから告白はその、順番が逆なだけで、ね?」

 「…姉ちゃん、それも嘘だろ?」

 「何でよ!?う、嘘じゃないもん!」

 「寝た、って自分で言うだけで顔赤くしてるような姉ちゃんが告白前にそんなことする訳ないだろが。もうさっさと大人しく帰れ。ばあちゃんやおやじ達によろしく。」

 冷ややかに言い放つ弟。

 「とりあえず、マキって呼んでたのはホントよ?だからマキさん、は止めてこれからはそうして?ね?」

 無視する姉。

 「解った。そしたら俺、マキちゃんに聞きたいことがあるんだけど。」

 無視する俺。

 「マキちゃんて呼ばれたの、2ヶ月ぶり…記憶が無くてもそこは同じなのね…。」

 しんみりハメようとしてた姉。

 「とりあえずマキちゃんは一回ちゃんと謝って。2人にも。」

 「ごめんなさい。タッ君にまた会えたのが嬉しくて、つい結婚したくなっちゃいました。」

 反省の色が見えない。

 「まぁ良いや。それじゃマキちゃんに聞きたいことがあるんだけど…。」

 「ん?なぁに?マキ・オズ22歳、好きな人はタッ君です。」

 どこかで聞いたような自己紹介だ…。

 「ごめんなさい。俺、好きな人いるんで。それでさ…。」

 「ちょっと!?今、私のこと好きって…。」

 「言ってません。それで俺の居なくなった…。」

 「たった2ヶ月やそこらで他の女に手を出すってどういうこと!?」

 「…俺が居なくなった日のことを知りたいんですけど。」

 「あの日のことは忘れたくても忘れられないわ…。」

 流石シンと姉弟だけあるな。同じ扱いすれば良い。

 「あの日私達は出掛けていて、仲良くなってきたからそろそろかなって、お互いにキスをするタイミングを窺っていたの。それで、すわ!キスだ!って時に前の方で勢いよく走ってた馬車が横転したの。」

 すわ。

 「それで通りに居た近くの人達が巻き込まれたんだけど、その中に重傷の子が居てね…。」

 「話の途中でごめんね?重傷っていうのは?」

 「詳しく説明したくはないけど、横転して滑って来た荷台に挟まれて、誰が見ても生きている筈がない状態。皆その子のことは諦めて、他の息のある人を助けに行ってたの。でもタッ君がその子にすっと近寄って話し掛けてて。」

 「それはどんなことかわからない?」

 「うん、聞こえなかったから。他の人も大きな声出してたし、私も他の人の手当てのお手伝いを始めてたしね。で、どうしたのかな?って思ってたら私のとこに来て、一緒に手伝ってくれるのかと思ったら、ごめんねって呟くように言って走って行っちゃった。薬でも取りに行ったのかと思って私は手当てを続けようと思ったら、横に子供が立ってたの。事故を見に来た子供が近くに寄って来たのかと思って、子供に見せられるようなもんじゃないでしょ?あっち行っててって言おうかと思ったんだけど、よく見たらもう駄目だと思ってた子供でね。服は破れて全身血だらけなんだけど本人はケロッとしてて、びっくりした~とか言ってるの。こっちがびっくりして声が出なかったわ。」

 「で、そのあと俺は戻って来ないで今に至る…と。」

 「ええ。何か事情があるんだろうと思ってたけど、凄く心配したわ。」

 「ごめん。覚えてないけど、ごめんね。」

 「別にタッ君が悪い訳じゃないのよ。記憶が無くなってるのは多分、その魔法のせいだと思うから。」

 「やっぱりそうかな?」

 「多分。今にして思えば、ごめんね、って言ってる時ももうどこかぼんやりしてて、なんか変な感じだったわ。今更だけど、あの時私がタッ君をちゃんと追い掛けてたら…。」

 「マキちゃん…。」

 「結婚出来てたのに…。」

 「……。」


 マキちゃんは放っておくとして、とりあえず俺が以前フリジールに居て、治癒ではなく蘇生の魔法を使ったことは間違いないようだ。そして恐らく、その時に記憶を無くし、その後ロクラーンに来ている。博士に会ったら相談してみよう。


 「そういえばタッ君さっき、好きな人って言ってたけど。」

 「うん、居るよ。その、申し訳ないけど。」

 「誰なの?」

 「俺がシンと同じ学校に行ってるのは知ってると思うけど、そこで俺が研究生として入ってる研究室の博士。」

 「博士?てことは年上なの?」

 「うん。43歳。」

 「43…って、タッ君と倍以上違うじゃない!」

 「更に、一応その人は結婚してることになってたり?」

 「悪いこと言わないわ。私にしなさい。」

 「タキの記憶が無いのを良いことに騙そうとする女も充分悪いぞ。」

 「おだまり、シン!…ねぇタッ君?冗談抜きでそんな人、止めといた方が良いわよ?言っちゃ悪いけど、おばさんじゃない?私なら年上って言っても2つしか変わらないし、まだまだ若くてぴちぴちよ?」

 「その人エルフだから。4分の1は人間だけど。見た目はマキちゃんより若いかな?」

 「なんですって!?エルフ…でもでも、エルフってスレンダーな子が多いじゃない?私はほら、おっぱいだって…。」

 確かにマキちゃん、中身はアレだけど、顔は美人で身体も出るとこ出てる素晴らしい見た目だ。なんで今まで周りの男達がこんな素敵な人を放っておいたのか。中身がアレだからか。

 「確かにそうかも知れないけど、俺は別におっぱいで博士を好きになった訳じゃないから。」

 まぁ、見た目で好きになったんだけど。

 「…会わせなさい。」

 「え?」

 「その博士に会わせなさい。私がびしっと言ってあげるわ。こんな若い子に手を出すなんてって。」

 「いや、手を出してるのは俺の方で…。」

 「おだまり。その人が結婚してるなら、タッ君は幸せになれない。だったらそういうことを話して、きちんと振って貰いなさい。言い難いなら私が言ってあげます。私はそれくらい、出来るわ。」

 「いや、もう好きとかは結構言ってあるんだ。」

 「あっきれた。気のあるふりして、若い男の子にちやほやされて良い気になってるんじゃないの?とんでもない泥棒猫だわ。会ってガツンといってやるんだから!その博士とやらのところに連れて行きなさい!」

 「いやでも今日学校休みだし、家知らないし。」

 「くっ、じゃあ今度!今度来た時は絶対に会わせてよね!」

 面倒臭いことになるに決まってるよな。

 「はいはい、それじゃそういうことで。姉ちゃん達帰るんだろ?送ってくよ。」

 「え?今から帰ったら深夜だし、折角来たから一泊して観光でもするつもりよ?ねぇリズ?」

 「え?あ、はい。そうなんですけど…急だったし、すぐにタキさんのところに来ちゃったからまだ宿取ってなくて…。」

 「リズはシンのとこに泊まるのかと思ってたけど、違うの?」

 「泊まらねぇ。今までも泊まったことねぇよ。」

 「え?あんた達付き合ってるのよね?まさか…してないの?」

 そう言われてリズィちゃんが真っ赤になる。

 「してません。そういうのは俺が結婚してからにするの。」

 「うわぁ、古っ!あんたそんな昔気質の男だったの?向こうでも今そんなこと言ってる若い男は珍獣扱いよ?」

 「姉ちゃんも充分珍獣なんですけど。」

 「私はほら、その、タッ君がいるから…。」

 「死ぬまで言ってろ。」

 「シン?あんた、姉ちゃんの恋を応援するつもりは無いの?」

 「無い。姉ちゃんが男関係でこんなに馬鹿になるとは思わなかったからな。そんな馬鹿に友達を差し出すような真似はせん。」

 「なんてことなの!昔は姉ちゃん姉ちゃんって言って可愛かった弟が…よよよ。」

 「何言ってんだよ…大体、気まずいだろ?友達と姉ちゃんとか。」

 「別に。私がタッ君に会った時はあんたまだタッ君と友達じゃないでしょうが。そもそも、タッ君歴なら私の方が遥かに長いのよ?つまりあんたがタッ君と親しいなら、私はもっとタッ君と親しい訳。つまり、恋人と言っても過言ではないわ。」

 「こっちに泊まるなら宿取らないといかんな。リズ、見に行くか?もうこんな時間だし、急がないと入れなくなるぞ?」

 無視する弟。

 「あ、うん…でもシン君の家でも良いかなって、ダメ?」

 「いや、ダメじゃないけど俺んちに3人は狭いだろ?」

 「私に良い考えがあるわ。」

 「駄目だ。」シン。

 「駄目だ。」俺。

 「駄目だ。」何故か乗っかったリズィちゃん。

 「何よ?私まだ何も言ってないんだけど?」

 「リズ?あんたはシンの家に泊まりなさい。私は大丈夫、タッ君にお願いして泊めて貰うわ。」

 シンがマキちゃんの声真似をして言う。

 「何でバレて…はっ?まさかあんたは私?」

 「そんな訳あるか。姉ちゃんが解り易過ぎるの。」

 「あのさ、今日一晩の話だろ?ならリズィちゃんとマキちゃんがシンの家に泊まって、シンはウチ来いよ。」

 「そうだな。」

 「え?でも…。」

 「なんだよリズ。姉ちゃんと2人はイヤか?そりゃ恥ずかしい姉だけど、寝ちゃえば静かだぞ多分。」

 「えっと、そうじゃないんだけど…。」

 なんかもじもじしてるリズィちゃん。

 「なんだ?何か要望があるんなら…。」

 「偶にはその、シン君の寝顔とか見てみたいなぁって…。」

 「おーう…。」

 2人で真っ赤になってる。なんだこのバカップル。

 「その、ね?友達が、彼氏の寝顔って可愛いよっていうから、ちょっと私も見てみたいなって…ダメ?」

 リズィちゃん!その友達はイチャコラした次の日の朝の話をしてるんだと思うぞ!

 「…しょうがないな。姉ちゃんとリズは俺んちだな。2人でベッド使え。俺は床で寝る。これで良いだろ?」

 甘い。シンが甘い。雰囲気が甘い、甘過ぎる。

 「むむ、しょうがないわね。それでいっか。」

 「マキちゃんは大丈夫なの?俺は今のこの2人と一緒とか、当てられて精神が死ぬんだけど。」

 「大丈夫よ。私はこの子達が付き合ってからもう何年も知ってるからね。まさか未だにキス止まりとは思わなかったけど。」

 「キスもしたことない姉ちゃんに言われたくないんだけど。」

 「私はほ、ほら、タッ君がいるから…。」

 「目を覚ませ姉ちゃん。タッ君など居ない。」

 「なんでよ!?私は絶対タッ君を諦めないからね!てか、タッ君の言う通り、私やっぱりあんた達の横にいるの辛いことにしてタッ君に泊めて貰おうかしら?」

 「はいはい。それじゃ行くぞ?」

 「どこ行くのよ?」

 「俺んちに決まってるだろ?片付けだよ。流石に今のままだと狭過ぎるからな。今からやらんとホントに寝れないぞ?」

 「ふぅん。じゃ、行ってらっしゃい。」

 「姉ちゃんも行くんだよ。タキが食われちまう。」

 「あんた乙女に向かってなんてこと言うのよ?そんなことする訳ないでしょ?」

 「はいはいすみませんでした。ほら行くぞ。」

 「まったく、しょうがないわね…じゃタッ君。またね。」

 「馬鹿姉がご迷惑をおかけしました。それじゃ週明けにでも。」

 「すみません、私がやっちゃったせいで…ではまた。お邪魔しました。」

 「ほいではまた。リズィちゃんはもう気にしないで。俺がタッ君だって解ったのは良かったからね。」




 そう、俺はタッ君だった。

 危うくシンと気まずいところだった。

 マキちゃんは確かに、美人なのに男の前だと恐ろしい性格だった。



 
 
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