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第三章 血
第9話
しおりを挟む「なるほどね。」
途中途中でミコに助けて貰いながらも、俺の魔法と記憶喪失について説明を終えると、リリーディアさんは頷いた。
「今聞いた話から推測すると、タキ君は小さい頃に呪われている。そして管理人というのはミコの予想通り恐らく魔族。その魔族が呪いを掛けたのかは解らないけど、タキ君の呪いについて知ってることがある。そんなとこかしらね。」
「…そもそも呪いって何なの?さっきミコがちらっと言ってたけど、俺が子供の頃に魔族にそんなことされるようなことしたのかな?」
「呪いは確かに魔族が使えるもので、良くない事なんだけど、魔族は小さい子供に理由無くそんなことするような人達じゃない。だから、子供のタキ君が何かしたんじゃなくて、親か先祖の誰かがやった事に対する報復のようなものじゃないかしらね。」
「酷い…そんな、親とかのせいでタキ君がそんな目に遭うなんて酷過ぎる!」
「ミコ。気持ちは解るけど落ち着いて?さっきも言ったけど、魔族は理由も無いのにそんなことをするような人達じゃないの。」
「でも魔族でしょ!?」
「…ミコは魔族を勘違いしてるみたいね。魔族は、人間やエルフとは比べ物にならないくらい力があって、闇と呼ばれる魔法を使い、神に対する存在、と呼ばれてるわよね?」
「勿論知ってるわ。学校でもそう教わったし、本にもそう書いてある。」
「そうね。だけど、別に悪い人達じゃないの。魔族、って呼ばれてるから悪いイメージがあるし、そもそも悪い事をしてたから魔族って呼ばれるようになったんだけど、魔族だから悪いなんてことは無いわ。」
「え?でも…。」
「だって、現に魔族の人達が私達のところやフリジールやロクラーンに来て悪さをしてまわってる、なんて話聞かないでしょ?ちょっと前のロクラーンに攻めるって話は、あれは実はロクラーンが流した嘘なのよ?」
学長の言ってた話と同じだ…。
ふと見ると、同じように思い出したらしいミコたんと目が合った。
「その話はちらっと聞いたことあるけど、でも、小さいタキ君には何の罪も…。」
「そうね。でも、実際は解らないけど。もしかしたら小さい頃にタキ君が何か本当に悪い事をしちゃったのかも知れないし、親も先祖もタキ君も関係無く魔族の誰かがやったのかも知れないし。」
「あれ?リリーディアさん、さっきは魔族はそんなことしないって…。」
「魔族だから悪い、ってことが無いってだけで、魔族にも悪い人は居るわ。でもそれは私達エルフや人間、それにドワーフなんかも一緒よ。」
そっか。当たり前だけど、魔族にも色々居るんだもんな。人間だって学長みたいに気持ち悪いやつもいれば、シンやカンジや俺みたいに良いやつもいる。種族が違うってだけだ。
「だから、会ってくれば?」
「え?」
「だから、ここまで解ってるのは、子供の頃のタキ君が何らかの理由で魔族に呪いを掛けられた、でしょ?だから、その魔族に会って、その理由を聞いて、魔族に謝るのよ。」
「それでタキ君の呪いが解けるの!?」
「それは、ごめんなさい。正直なところ、解らないわ。そもそもなんだけど、タキ君が謝って済む話なのか、もっと全然別の理由があるのか、それ以前に呪いが解けるのかも解らない。だけど、出来る事って言ったらそれくらいしか無いのよ。」
「そっか…でも誰に聞けば良いのか…。」
「私の昔の知り合いでね、魔族の人がいるの。その人は魔族の中でもちょっと特殊な仕事をしている人でね。丁度今回のタキ君の件にぴったりだと思うんだけど…。」
「特殊な仕事?」
「そう。その人はね、世界中の人を記録してるの。」
「え?嘘、そんなこと出来るわけ…。」
「ミコ!しぃっ!もう遅いかもだけど…。」
「え?なに?」
「今からしばらく、私が良いって言うまで2人とも喋っちゃ駄目よ?」
俺とミコが頷く。
「その人はね、チウン君て言うんだけど、世界中の人、全員の出来事を記録している人なの。凄いわ。で、とっても良い人なんだけど、馬鹿にされたり嘘吐きだと言われたりするのを極端に嫌うの。だから、喋る時は気を付けて?解った?」
再び俺とミコが頷く。
「はい、もう良いわよ。」
「私、大丈夫かしら…。」
「あれくらいじゃ流石に…多分大丈夫だと思うけど…。」
「因みに、えっと、気に障るような事を言っちゃったらどうなるの?」
「…ひどいことになるわ…。」
「ひどいこと?」
「それは私の口からは言えない…。」
「そんな、ミコは大丈夫なんですか!?」
「別にいきなり殺されるとか病気になるとかそういう、命に関わるようなことじゃないから安心して?ただ、ひどいことになる。ミコはもう行かない方が良いかも…。」
「…私行く。タキ君の為ってだけじゃなくて、私が知りたいのもあるから。」
「ミコ…でもひどいことになるって、俺は嫌だよ。」
「タキ君?こうなったらミコは引かないわ?だから、あなたが受け止めてあげて?」
受け止める?守るとかじゃないのか?
「まぁ、解りました。チウンさんのところへはどうやって行けば良いんですか?」
「ここからフリジールを挟んで反対の、魔族の森に行きなさい。入り口で手続きをする時にチウン君の名前を出せば案内して貰えると思うわ。」
「リリーディアも一緒に来てくれない?」
「私はちょっと止めておくわ。大丈夫、取って食べたりはしないって。ただ、くれぐれもさっき言ったこと、忘れないようにね?」
「解った…リリーディア、色々ありがとね。それじゃタキ君、帰ろっか?」
「そうだね。リリーディアさん、色々と…。」
「え?ミコ達帰るの?」
「帰るけど?」
「フィーロが今夜はご馳走だって張り切ってたけど?」
「え~?良いのに。」
「ミコ。久しぶりに帰ってきたんだから、偶には2人の相手してあげなさい。何も言わなくたって、子供が帰ってきて嬉しいに決まってるじゃない。私だって同じ。だから、ね?」
それを聞いてミコの顔が曇る。
「…リリーディア、ごめん。タキ君がご両親のこととか忘れちゃってるのに、私だけ家族と楽しくなんて出来ないよ。」
「ミコ?俺のことは気にしないで?ホント、リリーディアさんの言う通り、偶にはゆっくり話でもしてきなよ。何なら泊まってけば?帰ってくるのは明日でも明後日でも良いし。」
「何言ってるの?タキ君も当然食べてくし泊まるのよ?」
「え?」「え?」
俺とミコがハモる。
「え?じゃないわよ。当たり前でしょ?どうせタキ君も家族になるんだから。」
「かかか家族ぅ?えっ、いやいや、そんな、急にいきなり何を言い出すのかしらリリーディアったらもう。」
「あら?違うの?…そっか。じゃあタキ君、私と結婚しましょ?それならもうタキ君も家族だし問題無いわね。子供が産まれたらミコの叔父か叔母になるのか。ふふっ、面白い!」
「だ、駄目!」
「なんで?」
「えっ?なんでって、それはその、タキ君の家族には、その、私が…。」
「はい、決まりね。着替えとかは準備してあるから大丈夫。2人とも無職で良かったわね。急に泊まっても良いし、私も沢山いじれるし。」
・・・・・。
「ふぅ…。」
フィーロさんが腕を奮って作ってくれたご馳走を頂き、練習の成果として娘が欲しければ酒で勝負しなさい!と言ったリアンさんが下戸で早々に退場し、俺の家に2人で住み始めたことをフィーロさんとリリーディアさんにからかわれ、押し込められた部屋がここだ。因みに、ミコは自分の部屋。
…なんかフリジール来てから、いやロクラーンからか?色んなことが一気に来て頭が追い付いてない感じがする。間違いなく疲れてる。こんな時はきっと…。
コンコン。
ほらね?
「タキ君?起きてる?」
ガチャリ。
「ミコ?起きてるよ。けど、どうしたの?」
「えっと、月が出てるから、少し散歩でもどうかなって…。」
見ると、お風呂に入った筈なのに髪を整えているミコ。
…話だ。
「そうだね、行こうか。」
「…うん。」
月明かりの滲むような白い光は、ミコの白い肌を余計に白く見せて、神々しさや儚さなどがないまぜになった危険な美しさがあった。
「今日は月が大きいから明るいね。」
「…うん。」
「リアンさん、下戸なのに酒で勝負っておかしいね。」
「…うん。」
「夜のデートって感じだね。」
「…うん。」
「うんばっかりだね。」
「…うん…あ、いや、まぁ、うん。」
緊張してるのが伝わってくる。
…そういうこと、なんだろうな。好きだよ!付き合って!チュッ!に違いない。
「お?」
村の中心に来ると、大きな切り株があった。さぞや大きな木だったのだろう。
「丁度良い、座ろっか。」
「…うん。」
「ほい、よいしょと。」
「…実は私、タキ君に伝えたい事があるの。」
早速来た!
「うん。」
「私ね?話したとおもうけど、魔法が上手くなくて、ロクラーンに行ったの。それは、フリジールにいるとエルフだけじゃなくて人間も魔法を使える人達ばっかりで、ずっと劣等感みたいなのを感じてて嫌だったからなの。」
「うん。」
「仲の良い友達も、もしかしたら私のことを馬鹿にしてるかも知れないとか考えちゃうのが嫌でね?そんな気持ちだから、恋なんかも憧れはしても、例え誰かと恋人になっても私のことを馬鹿にするんじゃないかって思ったらなんだか怖くて。」
「うん。」
「それでロクラーンに逃げて、偶々学長が研究室を用意してくれて、まぁ理由はあんなだったけど、それでも魔法が上手くなるようにって研究を出来たのはとても助かったわ。」
気持ち悪いやつだったけど、それでミコは助かったんだ。そこは褒めて良いよな。
「私は人間の男を近付かせないように指輪を嵌めて、魔法の研究に没頭して、上手く行ったらフリジールに戻って、エルフの男の人の集まりとかに行ったりして恋人を探そうと思ってたの。考えてみたら不純な動機ね。」
ミコには悪いけど、上手くいかなくて良かった。
「だけどある時、研究室にひとりの男の子が来たの。その男の子は指輪なんて気にせず、好きですとか可愛いとか言ってくれたの。それも毎日。人間とはいえ、男の子にそう言われるのは悪い気はしなかったから、良い気になって嘘を吐いたまま過ごしてたの。その子は付き合わなくても、嘘を吐いたままでも、いつも言い続けてくれてたから。」
架空旦那より多く言ってやるつもりだったからな。
「それでも最初はね?本当に、人間なんだから人間と付き合えば良いのにって思ってたのよ?だけどある日その男の子から恋愛相談をされてね?これはもしかしたらもう二度とこの子から好きって言って貰えなくなるかも、って思ったら、急に惜しくなっちゃってね。嫉妬心を煽ればこのまま私の側にいてくれるんじゃないかって。」
上手いこと転がされてたんだな。
全然有難いけど。
「そしたらその男の子が私に青いパンジーをくれたの。花言葉は、あなたの事で頭がいっぱい。ほっとして、胸がいっぱいになって、嬉しかった。これでまた、この男の子は好きって言ってくれるって。」
可愛がってくれてたもんなパンジー。
フリジールにも持って来てるのかな?
「私は自分がその男の子に好きって言われることにすっかりのめり込んじゃってたことに気付かなくてね。そのうち、好きって言われない日が何日かあったんだけど、なんだかつまらなくて物足りないなって思ってたの。」
恋愛シン様の作戦通りだ。
「ある時、その子のことでリリーディアに手紙を送ったら、今まで無かったくらい上手くいってね。それで喜んでたら、リリーディアからの返事の手紙に、私に好きな人が出来たんだろうって書いてあってね。そんな筈は無い、私は人間を好きにならないって決めてるんだからって思って、これはまずいことになってるらしいって気付いたの。これ以上好きって言われてたら私は駄目になっちゃうって。だから、もう好きって言わないでってお願いしたんだけど、それはもう全然遅くて。」
リリーディアさん、ナイスです。
「その頃丁度テスト期間で会えなくなるから安心って思ってたんだけど、その男の子の友達が、私から手紙を飛ばすようにって言うから飛ばしたら、やっぱり上手く飛ぶの。その時もまだ、私は上手く飛ばせて嬉しいんだって思ってた。短い手紙のやり取りも学生の頃みたいで楽しかったしね。」
楽しかったなぁ。
「その男の子は魔法が使えなかったのに、飛ばすのが上手くてね。それが1通1通飛んでくるのが、私のこと好きでいてくれるんだって思えて、凄く嬉しくて。だけど雨の日に飛ばせなかった日があってね。人生であんなに雨を恨んだ事は無かったわ。それで次の日、好きですって書いた手紙を貰った時、私は解ったの。なんだ、もうとっくに手遅れだったんだって。」
あの雨の日は最低だった。
「それから私はどうしたら良いか全然判らなくてね。一度その男の子とその友達が家で飲み会をやってる時に、フリジールの友達として招待するだけだからって書いた手紙を飛ばしてくれて、会いに行く理由を作ってくれたんだけど、いざ顔見たら緊張しちゃって。私は本当に駄目になってた。」
シンの気遣い、すげー。
「それから私は、その男の子のことばかり考えるようになって、そんな自分に気付いたらなんだか恥ずかしくてね。でも、意地を張っても、誤魔化しても、その男の子は私に好きだって言ってくれる。言われる度に嬉しくて蕩けちゃって幸せでどうにもならなくなってしまうの…タキ・トルト君。」
「はい。」
「私、ミコーディア・ミックは、あなたのことが好きです。知ってると思うけど。」
ひゃっほーい!
「だからね、私と…。」
来た来た!
「私とつ、つ、つ…。」
頑張って!
「月が綺麗だね!」
ずこー。
言わんのかい!
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