メクレロ!

ふしかのとう

文字の大きさ
51 / 118
第四章 父と母

第6話

しおりを挟む

 「なんで?」
 
 「え?」

 なんで?と言われましても。

 「お金は、お母様から貰ってるんでしょ?それだって元々はタキ君が治したお礼、って話だから別に気にしなくても良いと思うけど?」

 「そうなんだけど、自分でも稼ぎたいって思ってさ。」

 「ふぅん?でもそれなら薬じゃなくても良いんじゃない?他にも仕事はあるわ。」

 「でもほら、俺の薬が欲しいって人もいるかもしれないし。」

 「…王様?」

 「…まぁ、そうだけど。よくわかったね?」

 「王様に、薬欲しいって言われたって言ってたじゃない。タキ君が他に誰かと喋ったって言ったらルタくらいだし、ルタはお医者さんだからね…ていうか、考えてみたら私達、ずっと一緒にいるのね。」

 「え?俺はこれからも一緒で良いけど。」

 「…私も一緒で良いけど。」


 とりあえず抱き締めちゃう。


 「…それで、王様に薬なんだけど、駄目かな?」

 「うーん…まぁ、食べたご飯忘れる程度っていうのが本当なら良いと思うけど…。」

 「試しにちょっとだけやってみるのはどうかな?それであんまり俺が忘れちゃうようだったら諦めるから。」

 「それなら…良いけど、どうやるの?」

 「手帳に、脂を固めてってあったからとりあえずお肉屋さんで脂の塊を買おうかと。それで、ミコの魔法紙と同じ要領で、どんな薬か思い浮かべて、呪文唱えるとかなのかなって。」

 「ふぅん。王様は何の薬が欲しいの?」

 「え?」

 「王様の薬よ。何の薬が欲しいって言ってるの?」

 言っても良いのかな?ミコは俺の魔法の協力者ってことにすれば良いか。

 「誰にも言っちゃ駄目だよ?」

 「うん。大丈夫。誰にも言わないわ。」

 「バキーンと長持ちする薬。」

 「バキーンと長持ち?何それ?」

 「夜の戦いに使うやつだって。」

 「夜の…バキーン…えぇっ!?」

 「そう、今ミコが想像した通りのやつだよ。」

 「し、してません。」

 「そうなの?それじゃあ詳しく教えてあげ…。」

 「だ、大丈夫。うん。王様が何の薬が欲しいのかはちょっと解らないけど、ほ、ほら早く、やるならやりましょ?」

 「それは残念。それじゃとりあえず脂を買いに行こうかな?高いもんでもないし。」

 「ちょっと待って?脂で良いの?」

 「え?でも、手帳だと脂でって…。」

 「それは手荒れの薬でしょ?王様の薬は塗るんじゃないんじゃない?」

 そういえばそうだな。

 「え?なんで?」

 「なんで…って、あっ、いや、まぁ、その、なんとなく?そうなんじゃないかって、いえそうねやっぱり塗るのかしらね?」

 「どこに?」

 「どどどこに?どこにって、えぇ!?塗るって、いやいや、どこってそんなの…はっ!?まさか私に言わせようとしてない!?」

 「確かにミコの言った通り、塗るのは違うか。となると飲むのかな?」

 「ちょっと!?」

 「ほら、ミコはバキーンで長持ちが解らない設定でしょ?」

 「設定って言わないでくれる!?もう!」

 「でも真面目な話、水とかで良いのかな?」

 「…魔法紙は聖水で書くけど…そういえばタキ君は魔族だけど、聖水は大丈夫なのかしら?」

 ん?

 「…あの、ひとつ聞きたいんですけど、もしかしてミコは、というか普通の人は聖水、というか魔法紙は温かくない?」

 シンは温かくないって言ってたよな。

 「えっ?あったかいの?」

 「うわ出た!俺、試験の紙が温かかったから、魔法紙ってそういうもんだと思ってたわ。なんか皆、話が合わないなと思ってたんだわ。」

 「えぇ!?」

 「シンに、試験の紙あったかいねって言ったら、そんなことあったかい?とか言われたよ。」

 「下らない…。」

 「ミコだって、最初の魔法紙書いてくれた時に俺が、書きたてほやほやだ、みたいなこと言ったら流してたからね?」

 「いやいや、まさかホントに温かく感じてるとは思わないわよ!」

 「…なんだよ、それじゃもっと早くにミコに、人間じゃないから付き合って!って言えてたじゃんかよ…。」

 「ふふっ、まぁ良いじゃない。今はこうして、ちゃんと恋人になれてるんだし。」

 「まぁそうだけど…あっ!?てことは!?」

 「てことは?」

 「俺は教会入れなかったりするのかな?」

 「まぁそうかも。」

 「いやいや!ミコはなんで冷静なの!?結婚が!結婚式が!出来ないんじゃないの!?」

 「エルフ式じゃ駄目なの?人間とエルフの場合でも、村でやる人達も珍しくもないわ。」

 「いやまぁ、ミコがそれで良いなら良いけど。なんとなく、教会でやるもんだとばかり思ってたから。」

 「私は最初から村でやるもんだって思ってたわ。」

 「最初?」

 「え?あ、いや、まぁ、た、タキ君と付き合ってから?」

 「…本当は?」

 「いや、まぁ、もうちょっと前かな?」

 「……ふぅん。」

 「……べ、別に良いでしょ?気になる男の子が出来たらそういうこと考えるのは、と、当然じゃない!歳も歳だし!悪い!?」

 ミコが逆ギレした。

 「あはは、それじゃ俺達はエルフ式だね。でも、エルフ式ってどんな感じなの?」

 「もう、顔があっつい…エルフ式は人間みたいに派手じゃないわ。近所の人達に手伝って貰って料理をいっぱい用意して、村中皆で歌ったり踊ったりしてお祝いするの。ちょっとしたお祭りみたいにね。それで次の日は手伝ってくれた人達にお礼で食事に招待するのよ。だから、2日やるの。」

 「ふぅん…ちなみにミコはいつ頃やりたい?」

 「別に慌ててもしょうがないから…って、今思ったけど、私達、完全に結婚を前提に話してるわね。」

 「え?違うの?俺はするもんだと…。」

 「いや、まぁ、私もそう思ってるけど、自然だなって。もうちょっと、自分でも気負ったりするものだと思ってたんだけど、当たり前みたいに話してたから。」

 「俺の愛ですな。」

 「…私の愛ですけど。」



 ・・・・・。



 「これはなんなの?」

 「見ての通り何の変哲もない、ただの水です。」

 「嘘こけ。」


 昨日あれから、いちゃいちゃちゅっちゅが始まって、もう駄目だ我慢ならん!というところで、ミコに手紙が飛んできた。

 それはカンジの名前で俺宛、デビイが無事に着いた、エルフの医者の先生に頼んで飛ばして貰った、手紙もありがとう、博士のことはおめでとう、結婚式には呼べよ、魔族でも気にしないからこれからも宜しく等々カンジらしい、優しい言葉だらけのものだった。

 それを読んで何となく我に帰った俺達は、さて続きをという雰囲気でも無かったので、お互いに綺麗なケーキは無事、と。

 次の日、薬作りを再開し、何日か分の食事メニューを書き出し、とりあえず小瓶の水に「ママチイテ」と話し掛ける変な人になり、それを聞いたミコが可愛い可愛いとはしゃぎ、デビイと食べた朝食のメニューの一部が言えない程度で済んだことにホッとしたのである。

 その後、さてちゃんと出来てるかどうか確認をせねばならぬとなったのだが、万が一上手くいっていた場合、こんな形でケーキを食べるのもアレなのでシンにお願いしてみようと思った次第である。


 「来たと思ったらこれでも飲めって、ただの水な訳無いだろうが。」

 「話せば長くなるが。」

 「簡潔にどうぞ。」

 「これを飲めばリズィちゃんに勝てる。かもしれない。」

 「…なんだと?」

 「例の俺の魔法で、薬を作ってみたのね。バキーンと長持ちの。でも、上手くいったか解らなくてさ。それで、俺達は、まだじゃん?お前は、もうじゃん?しかも、リズィちゃんに負けてるみたいじゃん?よし、シンだ!」

 「よしシンだ!じゃねぇ。大丈夫なのか解らんだろ?俺が変になったらどうするんだよ?」

 「あまり変わらんじゃないの。一杯奢ってやるよ。まぁ、上手くいってなかったらただの水だ。問題無いだろう。」

 「いやいやタキ君?それで俺が今晩勝負を挑んだとする。上手くいってたら、まぁ問題無い。だが、上手くいかなかったら俺は挑んだくせに負けるんだぞ?」

 「あまり変わらんじゃないの。」

 「なんてこと言うんだ!確かに!まぁそれなら、少しの可能性に賭ける価値はありそうだな。もし俺が勝てたら奢ってやるよ。そのかわり…。」

 「ああ、偶に渡すことを約束しよう。」

 「うむ、頼むぞ。いや、ちょっと楽しみになってきたわ。」

 「俺もお前の勝利を祈っておく。」

 「それで?魔法使ってどうだった?」

 「前日の朝食を少し忘れた程度だったわ。」

 「ふぅん。そんなもので済んで良かったな。まぁやり過ぎると良くないんだろうけど。」

 「うん。だから、ちょっとだけしかやらないんだ。ミコにも心配掛けちゃうし。」

 「今、博士は?」

 「生々しくなる話になるからな。家でご飯作ってくれてるよ。」

 「新婚みたいだな。でも、なんでこんな薬にしたの?」

 「詳しくは言えんが、ちょっと、欲しいって人がいてね。」

 「まぁこんな話は他の人に詳しく言う話でもないからな。なんとなく想像は付くけど、お元気で何より。」

 「そうだな。お国の為とも言える…それじゃ帰るから、また明日の昼にでもご飯食べに来るから、勝敗の結果教えてくれよ。勝ったらマル、負けたらバツで良いや。」

 「2人で来るのか。いやお前、隠す意味無くない?博士だって解るだろうが。」

 「それもそうだな。俺一人で来るわ。ほいじゃ、いくら?」

 「お茶だけだから良いよ。俺も丁度休憩だし。」

 「それならご馳走様になっておくわ。今度食いに来るってことで。まぁその前に明日の昼、今日と同じくらいが良い?」

 「そだね。今くらいなら多分大丈夫。」

 「了解。それでは、ご健闘を。」

 「おう。博士に宜しく。」




 ・・・・・。




 「人払いを。」

 ーーはっ!……。


 俺は今、王様に薬を渡しに城に来ている。試しにということで小瓶1本、気に入って貰えそうなら買って貰えるか聞いてみようかと思っている。

 シンに渡した薬は上手く出来ていたのだ。

 …なのにやつは負けた。薬はもう要らない、天国のような地獄が長引くだけだと、哀しい目で言っていた。挙句、2桁達成が薬によるものだとばれて、これからは真面目に狙おうと宣告されたらしい。


 リズィちゃん…。

 
 「さてトルト君。今日はどうした?何か困りごとでもあったか?なるべく手短に頼むよ。」

 「はい。それが、例のものを…。」

 「なんじゃと!?魔法を思い出したのか!?」

 「いえ、詳しくは話せませんが、再び使えるようになりました。ただ、今日はお試しということで、これだけお持ちしました。効果はちゃんとあるようです。」

 「え!?こんなに!?」

 「え?」

 「これだけあれば、しばらく持つ筈じゃ。」

 え?そうなの?

 「効果は前と違うかもしれませんが…。」

 「ふむ、確かに。では少し試してみるか。」

 王様はそう言って、小指の先に付けてペロリ。

 「ふぉぉぉぉっ!この感じは!これじゃ!いや、むしろ前より効くかもしれん…おぉっ!?」

 「ど、どうなさいました!?」

 「…我が王子が早速、戦の準備を始めた。」

 効き目は抜群だな!

 てか、シンは丸々1本飲んで負けたのか。

 リズィちゃん…。

 「王子様がわんぱくで何よりです。気に入って頂けましたか?」

 「気に入ったとも!前よりも効くのが早いからアレを待たさずに済むというのは非常にありがたい!」

 「それではご相談なのですが、定期的にですね…。」

 「ここに100万ディミある。」

 「え?」

 そんなに?

 「足りぬか?君の管理人にはそれくらい渡したんじゃが。しかし、今回はそれで勘弁してくれい。アレに話せばもう少しなんとかなるから。」

 「いえ、逆にそんなに貰えるとは…良いんですか?」

 「勿論良いとも!トルト君。若い君にはまだ解らないかも知れんが、夫婦というのはやはり会話、特に夜の会話が不可欠じゃ。例えどれだけ最悪な喧嘩をしていても、一晩過ごせば大概は乗り切れる。それは国王たるわしでも同じじゃ。だからの、君にはそんなに価値の無いものと思ってるかもしれんが、この薬はわしにとってはどんな宝よりもありがたいんじゃ。じゃから、遠慮無く受け取ってくれい。」

 良い話のような、そうでもないような、よく分からないけど、お金を頂いた。

 「ありがとうございます。それでは、次はいつ頃お持ちしますか?」

 「しばらくはこれで大丈夫じゃ。無くなりそうになったら手紙を送る。出来上がったらまた持ってきてくれい。」

 「解りました、では、これにて失礼しま…。」

 「待て。」

 「はい?」

 「このままでは公務に支障が出る。」

 王子様か。

 「でも王様?その分厚いローブなら多少王子様が張り切っていてもバレないですよ?」

 「でも、落ち着かないじゃろ?」

 じゃろ?って言われましても…。

 「公務は明日にして、王妃のところへ行く。しかしまだ陽も高い。じゃから、一緒にお願いしてくれぬか?わしが、今から如何?と言うから、君は、偶には昼からも良いものですよって言ってくれぬか?」

 「いや流石にそれは…また怒られますよ?」

 「大丈夫じゃろ、薬もあるし。一緒に来てくれぬか?」

 「いやしかしですね…。」

 「…どうしても駄目か?」

 「いやそこまでではないですけど…怒られても知りませんよ?」

 「うむ。先程言った通り、始まれば勝ちじゃ。」





 ・・・。



 無論、王様はしこたま怒られた。でもお付きの女の人達はすぐ居なくなった。そして王妃様から大きな青い石の付いた指輪を頂戴した。ミコにあげよっと。お菓子も貰った。あとでミコと食べよっと。


 …ん?


 門の前に女の子が居る。何か紙を見てるから、誰かの家でも探してるのかな?でも俺の家の前で立ち止まってる。俺の知り合いか?

 知り合いじゃないな、俺は知らないから。

 俺の知りだ。おれのしり。


 「あの、ウチに何かご用ですか?」

 「え?あっ!タキちゃん!」

 「え?」

 「忘れちゃってるよね?知ってるよ!」

 「あ、そうなんですか。それじゃえっと、どちら様?」

 「私はね…。」

 そう言って溜めに溜めて。



 「なんとなんと!タキちゃんの幼馴染みだよ!」




 得意げな顔で自己紹介をしてくれた。

 …してくれたんだが、なんだろう?

 これがミコの言っていた、最近色々あり過ぎて、だな。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...