メクレロ!

ふしかのとう

文字の大きさ
53 / 118
第四章 父と母

第8話

しおりを挟む

 おっぱいと共に歩んできた。


 俺のそんな幼少期を語るオイちゃんは、酒の力も手伝って全然止まる様子が無い。

 「…それで、タキちゃんが3歳位の頃、私はちょっとだけおっぱいが出てきたの。それに気付いたタキちゃんがザラに、ママ!大変大変!オイタンにおっぱいがチタ!って大騒ぎしてさ。」

 「ほ…。」

 ミコはうっとりとした顔で、時折溜め息をつきながら耳を傾けている。

 「ママ!チイテ?タチ君が最初に見付けたんだよ!とか、もうとんでもない大発見したみたいに興奮しちゃってさ。それで、最初に見付けたのタチ君だからタチ君のだよ!でもママは触っても良いよ?ってね。あはは、何であんたのなの?って。」

 「カワイイ…タキ君はちっちゃい頃からおっぱい大好きなのねぇ。」

 ちっちゃい頃からって、俺は今そんなにミコにおっぱいなんて…ブルゼットはどこまで話したんだ?

 「そう!ホントに好きだったみたいで、ある日ザラがおやつにね、肉まん出してくれたんだけどね…。」


 ん?肉まん?


 「ザラが両手に持った肉まんを胸のところにやって、おっぱい、って言ったらタキちゃんに大受けでね。」


 あれ?


 「それからタキちゃんは肉まんのこと大好きになって、おっぱいって呼ぶようになって、ことあるごとにおっぱい食べるおっぱい食べるって言ってたの。」


 なんか…。


 「うふふ、肉まんがおっぱいですって。タキ君も肉まん…あれ?」

 「ん?ミコちゃん、どうしたの?」

 「タキ君、肉まん好きよね?」

 「…うん。それに、俺は前に、なんでかシンに、肉まんっておっぱいじゃね?って話をしたことがあるんだけど…。」

 「なんて下らない…でも、ちょっと気になるわね。」

 「ん?タキちゃんは今でも肉まんが好きなの?」

 「ロクラーンに居た時、朝昼晩肉まんとかやってた。気付いたらやってたんだけど…覚えてたのかな?」

 「まぁタキちゃん、おっぱい好きだったから。」

 そういうことなの?

 「記憶は消えた筈…なのに覚えてることがあるのかしら?」

 「それこそ、根っこの部分で俺はおっぱいを好きだったとか?」

 言いながら、ついオイちゃんの胸に目が行ってしまった。まずい!やっぱでかい!

 「いやん、タキちゃんたら。」

 「タキ君?」

 ミコが凄い顔してる。可愛いより怖い。

 「違うんです。決して見ようとかそういうつもりでは、決して!」

 「見てた。えっちな目してた。」

 「見られた。えっちな目してた。」

 「ああ!この目が!目が勝手にやったんです!」

 「次見たらその勝手な目…突くわよ。」

 溜めないで。



 「もしかして、他にも今好きなもので実は昔も、みたいなのがあったりするのかしら?」

 「今好きなもの?ミコかな?」

 「…急に言われると。」

 「あの、私もいるんですけど。」

 照れるミコは久々に見た気がする。

 やっぱり可愛い。

 「いやでも、他に思いつかないもん。実は俺が赤ちゃんの時にミコに会ってるとか?」

 「それは無いわね。タキ君は産まれた時からドワーフの村でしょ?私がドワーフの村に行く事なんて無いし、その頃はロクラーンにもう居たかも。」

 「やっぱり偶々なのかもよ?肉まん美味しいし。」

 「うーん、なんかしっくり来ないけどね。なんとなくだけど。」

 ミコの言う通り、なんかしっくり来ないけど、じゃあ何なのかと言われると困る。今ここで話してても…お、そうだ。

 「ミコ、今度またチウンさんとこ行ってみない?」

 「チウンさんか。あんまり気は進まないけど…素敵な方だけど。」

 保険を掛けとくミコ。

 「あれ?タキちゃん達はチウンに会ったことあるんだ?」

 「うん。ひどいことになったけど。」

 「あなたはなってないでしょうが!」

 「あー、まぁしょうがないよね。」

 「オイちゃんも知ってるんだ?」

 「知ってるも何も、ここにタキちゃんが居るって教えてくれたのはチウンよ?」

 「え?そうなの?」
 
 「昨日モーグのところに来て、タキ君がここにいるって住所を書いた紙をくれたの。」

 「こないだ会った時、俺達には父さんのことも、病気のことも教えてくれなかったのに…。」

 「でもあの時チウンさん、もうじき会える、みたいなこと言ってなかった?」

 「…確かに。それじゃ、チウンさんは病気のこと知ってたんだ。なんだよ、あの時言ってくれれば…。」

 もっと早くに知れてれば、助かったのかはわからないけど、何か出来た気がする。

 「タキちゃん?チウンを悪く思わないで?チウンはね、記録するだけなの。ただ、世界中全ての人達のことを記録するだけ。もしそこでチウンが記録を参考にして手を出したら、やろうと思えば世界を動かすことだって出来ちゃうでしょ?だからチウンは、手を出さないっていう決まりを作ってるの。」

 「それはそうだろうけど…。」

 「チウンはちょっと前に買い物に来た筈なのに、わざわざまた来てタキちゃんの居場所を教えてくれたのは、その決まりを破るぎりぎり、もしかしたら破っているのかもしれない。それでも来てくれたんだから、悪く思っちゃ駄目だよ。」

 「そっか…今度会ったら謝っておくよ。」

 「お礼を言ってあげて。チウンとモーグはタキちゃんが産まれる全然前から友達だったから、死ぬのは仕方ないにしても、死ぬ前くらい何かしてあげたかったんだと思うな。」

 「そっか。それじゃお礼にしとく…それにしても、オイちゃんがチウンさんと知り合いだったとは。」

 「チウンは、というか魔族は何か作って欲しいものがある時、よくドワーフのところに来るの。その時チウンは必ずモーグのところに寄るからね。」

 「そうなんだ。」

 「…ふうん。」

 「ん?ミコ?どうしたの?」

 何か、妙に納得したような顔してるミコ。なんだろ?チウンさんと父さんが友達なことで何かあるのか…。

 「ううん、別に。ただ、親子かもって。さっ、そろそろ寝ましょうか?」

 「親子?」

 ミコは何言ってるんだろう?

 「タキちゃんの話はもう良いの?まだあと100個くらいあるけど?」

 早く寝ろ!

 「いやいや、明日は早いんだし、山登るんでしょ?寝よう!つうか俺は寝る!」

 「良いの良いの。オリア、続きは私の部屋で聞かせて、ね?それじゃタキ君、おやすみなさい。」

 ミコはこれ以上、俺のどんな話を聞こうってんだ?

 「タキちゃんおやすみ!」

 「うん、ふたりともおやすみ。俺は少し片付けてから寝るわ。」

 「ありがと。大好き。」

 「うん、俺も大好き。」

 「あの…。」


 肉まんか…お土産にオズの家の肉まんでも持ってくか。シンに挨拶もしとかなきゃならんし。



 ・・・・・。



 「駄目ね。」

 「駄目ね。」

 駄目だそうで。

 もしかしたら父さんの気が変わって、やっぱり治してくれなんて言うかも知れないし、場合によっちゃ勝手に治すことだって考えてたし、それにはミコも賛成してくれるって思ってた。

 …んだけども。

 「タキ君?あなた、肉まんついでにシン君に別れの挨拶するつもりでしょ?」

 「ミコちゃん凄い!話してた通りだね!」

 「話してた通り?」

 「昨日ミコちゃんが、タキちゃんは病気を治す覚悟でシン君に別れの挨拶しに行こうとするけど、そう言わずにお土産とか買って行こうって言うって。」

 「何故ばれたし…。」

 「え?え、えっと、あ、愛のやっぱ無理!」

 「愛の力?」

 「うぅ…。」

 「もう!ミコちゃんが照れてどうすんの?作戦失敗じゃん!」

 「作戦?」

 「タキちゃんにやられっぱなしは駄目だから作戦練ったんだよ。名付けて、タキちゃんを不意打ちで照れさせよう作戦。」

 大して変わってねぇじゃん。

 「昨日、タキちゃんがなんで解ったの?って聞いてきたらこう返そうとか決めてたのに、ミコちゃんが先に照れちゃってさ。まぁ良いけど。」

 「2人で何話してたのよ…でもそこまで解ってて、ミコも反対するの?」

 ミコなら解ってくれると思ってたんだけど。

 …解った上でそう言ってるなら、昨日オイちゃんと話してて何か考えが変わったのか。

 「そうね。寝ながらオリアと話して、ちょっとね。」

 「ふぅん。なら良いや。」

 「…随分あっさりね。」

 「なんで?」

 「その、お父様の病気を治すなら仕方ないだろ、とか言うのかなって。そしたら、喧嘩みたいになるんじゃないかって、ちょっと思ってた。」

 「うーん、ミコがそう言うならその方が良いんでしょ?なら、仕方ないかなって。」

 「ふぅん。タキちゃんはミコちゃんのこと、信じてるんだね。」

 「愛してるからね。」

 「……。」

 「…こりゃミコちゃんじゃ勝てんわ。」



 ・・・。



 オイちゃん凄いな。あんなちっちゃい身体で、なんでこんなキツい山道登れるんだよ?おっぱいに山登り用の体力が詰まってるのか?確かにミコは俺より辛そうだ。

 …俺が言ってたって言っちゃ駄目だぞ?

 「オイちゃん?少し休憩しない?」

 「え?ああ、ごめんごめん。そだね、キツいかも。ミコちゃんは…ミコちゃんもキツそうね。」

 汗で髪が張り付いている。ちょっと色っぽい。

 「私は狩りなんかしなかったからね。山もちっちゃい頃に遊んだくらいだし、大人になってからは本読んだりしてるだけだったから…運動不足を痛感するわね。」

 「ふぅん。本読んでって、ミコちゃんは何勉強してたの?」

 「ロクラーンで魔法の研究してたの。ほら、ロクラーンって魔法が消えちゃったでしょ?それに、私もあんまり魔法が得意じゃなかったから、誰でも魔法を使えるようにって。」

 「ロクラーン?今は辞めちゃったの?」

 「うん、まぁ色々あってね。」

 「結婚するから?」

 「うん、まぁ。」

 「なんでタキ君が答えるのよ!?それに違うでしょ!?」

 「まぁでも、俺と一緒にこっち来て、俺と一緒に住んで、いずれ俺と結婚するんだから、あながち間違いでもないでしょ?」

 「まぁ、そうだけど…。」

 「あれ?タキちゃんもロクラーンに居たの?」

 「うん。学校でミコの研究室に入ったんだ。色々あって辞めちゃったけど。」

 「ふぅん。それじゃ2人はそこで出会ったのか。魔法がきっかけで恋って、なんかロマンチックだね!」

 ロマンチック魔法だからな。てか、昨日ミコの部屋でそういう話はしなかったのかな?

 「オイちゃんは恋人とか居ないの?」

 「んぐ…。」

 んぐ?

 「今居ないんだって。昨日聞いてみたのに、つまんないの。」

 「ふぅん。オイちゃん可愛いのに、勿体無い。」

 おっぱい大きいし。

 「うっわ~、出た!口説き魔だ!タキちゃん本当に気を付けなよ?ミコちゃんに怒られるんだからね?」

 「そんなところも親子なのよ。」

 「なんなの親子って。オイちゃんには悪いけど、ミコは可愛さのレベルが違うから。」

 今日のミコは一本の三つ編みにしてる。言うまでもなく可愛い。

 「タキちゃんたら、隙を見付けるとすぐ惚気るんだから、ミコちゃんも堪んないわね。さっ、タキちゃんの惚気聞いてたら日が暮れちゃうから、そろそろ行きましょ。モーグの前で一杯惚気てあげて。」

 「ちょっ!そんなの止めてよ恥ずかしい…。」

 流石に俺も恥ずかしいわ。

 …でも。

 俺が覚えてないとは言え、父親だ。ミコを見て、ちょっとでも安心してくれたら良いな。



 ・・・。



 かたん、きぃぃぃ…。


 「モーグ?オリアよ?」


 ーーオリア?…。


 この人が、俺の父さん…。


 背は俺と殆ど同じだが、山での生活のせいか、他のドワーフと同じように身体はがっしりしている。濃い茶色の髪の毛は後ろに撫で付けてある。鼻は高く、つぶらな瞳は如何にも優しそうだ。病気で死にそうという割には元気そうだが、俺に心配かけないようにという空元気なのかもしれないから、注意深く見ておかないといけないだろう。


 「ニル!モーグはどう?」

 父さんじゃないらしい。

 父さん!って抱き付かなくて、本当に良かった。


 ーーモーグは…ん?タキか?来てくれたんだな、驚いたなモーグにそっくりだ、会ってやってくれ、モーグなら昨晩真ん中に移した。俺はこれから準備しておくから何かあったら知らせてくれ……。


 「そんな、昨日朝出る時はまだ大丈夫そうだったのに、真ん中…。」

 「オイちゃん?真ん中って?」

 「最期の挨拶に来る人達が顔を見易いように、ベッドを真ん中に移すの。モーグはタタミにしてるからベッドじゃないけど。」

 「もう長くないってことか…ま、生きてるうちで良かった。それで、父さんは何処に?」
 
 「こっちよ。」

 オイちゃんの後に着いていくと、チウンさんの居た部屋と同じような造りになってる部屋があり、その部屋の真ん中に寝床が敷いてあり…。


 「おかえり、オリア…タキ?」


 俺が老けたらこうなるんだろうな、というくらいに俺にそっくりな男が居て、父さんだとか本当に病気なんだとかより驚きが先に来た。

 今度こそ、父さん!って言って抱き付いても間違いじゃないが、よく見ると大分細いので、そんなことをしたら冗談抜きで死んでしまいそうだ。


 「ただいま…父さん。」




 ……。


 …。


 何話せば良いの?




 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。

猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。 復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。 やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、 勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。 過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。 魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、 四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。 輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。 けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、 やがて――“本当の自分”を見つけていく――。 そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。 ※本作の章構成:  第一章:アカデミー&聖女覚醒編  第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編  第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編 ※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位) ※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

処理中です...