メクレロ!

ふしかのとう

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第七章 降臨

第5話

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 博士のばあちゃんは、綺麗な人の多いエルフの中でも美人だ。どっちかというと可愛い方の博士とはあまり似てないと思う。俺の好みで言えば、博士より博士のばあちゃんの方が好きだ。そんなことタキには、っていうか誰にも言えないけど。特にリズに知られた日には…リズに会いてぇな。そんでもって抱き締めてキスしてえっちしてぇ。


 …で。


 「30億。」

 「10億。」

 「…29億。」

 「15億。」

 「25億。」

 「15億。15億なら多分なんとかなるわ。だけど、それ以上は無理。もし、これで駄目なら交渉はお終いね。良いわ、可哀想だけど村の為には仕方ない。私がルタを殺す。」

 「ま、待て!わかった!…17億までなんとかならんか?」

 「…なんで?30から割とするする落ちたけど、そこの2億は駄目なの?」

 「私にも立場というものがある。」

 「15億でも、チウン君が魔族に話をしてくれることに対しての対価としては破格だとは思うわ。勿論ルタのやったことはごめんなさいで済む訳じゃないのは解ってる。だけど、彼に払い切れない金額を提示されたところで、私にはどうすることも出来ないの。」

 「だが、それだと…いや何でもないが。」

 チウンさんには何か事情があるんだろうか?

 「チウン君?何か隠してない?」

 「…いや何も?」

 「隠してるんでしょ?何よ?」


 ーー「ちゅ。本当に嫌だったら嫌って言うんだぞ?止めないけど。」そう言ってタキはオリアに覆い被さる。「いちお、いやって言っておくあっ、みみっ、ふあっ!」……。


 「チチチチウン!?な、なんてことっ!?」

 …オリアちゃん?

 「良く見たらオリアちゃんの首…。」

 リリーディアさんが指差す先には赤い…虫刺されじゃなかったのか?まさかタキのやつ…。

 「えぇっ!?いやいや、いやいやいや!」

 「タキ君に付けられたの?」

 「ま、まぁ?タキちゃんと言えばタキちゃんとも言うけど、違うの!これはタキちゃんがふざけて…。」

 「…ふぅん。ふざけて、ねぇ?」

 「ホントにホントなんです!…もう!チウンからも言ってよ!」

 「……。」

 「チウン!?チウンが何か言わないとホントにホントみたいになっちゃうじゃん!」

 なんだ、違うのか。つまらん。


 ーーオリアの太腿の間にタキが脚を割り入れるとオリアの熱い吐息が漏れ……。


 「きゃあ!だ、駄目だってば!」

 「……。」

 「……。」

 「リリーディアさん!?シン君までそんな目で!?違うの!違うんだったら!」

 「ふーん。」

 「ほーん。」

 「…もう良い。ルタドぶっ殺す。まじでぶっ殺す。私がぶっ殺す。全部、全部あいつのせいだもん。」

 オリアちゃんが切れた。

 「チウンは後でザラに会ったら、いじめられたって言う。知らないから。」

 「なっ!?卑怯だぞ!」

 「どっちが。もう知らないから。チウンなんて頭蓋骨に穴開けられて木の枝で脳味噌かき混ぜられちゃえば良いんだから。」

 オリアちゃん、可愛い顔して怖い。

 「ザラちゃんか…そうね。面倒臭いからザラちゃんと直接話すわ。チウン君?ザラちゃんにス魔法繋いでくれる?」

 「えっ?リリーディアさんはザラ様と会ってるのか?そんな記録は…。」

 「ザラちゃんが、こっそりだからチウン君に知られないって言ってたからね。だから、はい。ス魔法繋いで?」


 すまほう?


 「あの、すみません。すまほうって何ですか?」

 「えっとね、ザラちゃんに教えて貰ったんだけど、離れたところに居てもお話しが出来る魔法なんですって。」

 「ああ、それならチウンさんの家で見ました。黒デンワ魔法ですよね?黒魔法でしたっけ?」

 「ごめんなさい、それは私は知らないわ。ス魔法しか見たこと無いんだけど…ま、とにかくチウン君はザラちゃんと話せる筈。さ、繋いで?」

 「断る。」

 「なんでよ?チウン君が何か知らないけど15億じゃ駄目だって言うから、私がザラちゃんにお願いするの。本当はザラちゃんにこんなこと頼りたくないんだけど、しょうがないじゃない?」

 「…断る。」


 ーー鬼ババが来たぞぉ!鬼ババが来たぞぉ!鬼ババが来たぞぉ!……。


 「……。」

 「それ、ス魔法じゃないの?」

 リリーディアさんがチウンさんの帯のところに挟んでる紐を指差す。確かにそこからチウンさんの声がする。

 「…違う。」


 ーー鬼ババが来たぞぉ!鬼バ。


 止まった。


 ーー鬼ババが来たぞぉ!鬼ババが来たぞぉ!鬼ババが来たぞぉ!…。


 「あっ!ザラちゃん!」

 「えっ!?」

 リリーディアさんがそう言って入り口の方に手を振った。釣られて見るチウンさん。

 「貰った!」

 「あぁっ!しまっ…。」


 ーーザラちゃん?あ、ごめん、もしもしザラちゃん?うん、そう私、こないだはどぅもぅ!ねえぇ?美味しかったぁ、うん、そぉ?ええそうね、また行きましょ?でも、今度はまた違うとこで良いとこがあるのよ!うんうん、そう、そこもね……。


 リリーディアさんがチウンさんの隙を突いてス魔法?を奪い取ってザラさん、タキの母ちゃんらしき人と喋ってる。


 ーーうふふ、そぉ?やぁだぁもう!え?うん、ミコに?良いの良いの!偶にはがつんと言ってやった方がね、あの子もまだまだ子供で、そぉ?なら良いんだけど、うん、あ、でね?オリアちゃんがね?そう、今一緒だから、え?うんわかった言っておくね、え?買い物?こないだ割としてたみたいだけど……。


 あれ?本題…。


 ーーそう、そっか、ザラちゃんも大変ねぇ、でもちょっと羨ましいかな?え?ううん、うちのは駄目駄目、家に篭ってるんだか、家を作ってるんだか解らないのよ、え?あははそうね、良いかも!喜んで作るわよあの子好きだから……。


 …長い。ばあちゃんが近所のおばさんに会った時と同じだ。多分、同じ様にいっつも同じ事喋ってるんだ。


 ーーそぉだ!ごめんなさい、あのね今チウン君の、そう、そう、そうなの、うん、それでこないだの、え?もう?もう!ザラちゃんにはお世話になりっ放しでぇ、え?それでその2億がね、ううん、そうなんだけど、え?ザラちゃんはそれで良いの?え?内緒?うん、うふふ、楽しみにしとく!えぇ、そうね、私が連れてくからまた、うん、それじゃまた……。


 チウンさんの話はそれで終わりなのかな?


 ーーうん、今度は私も着てみようかな?ちょっと恥ずかしいけど、え?ミコが?あの子ったら、ほんとごめんねぇ、そお?まぁ確かに?私も可愛いと思ってるけど、そうなの?そう、うん、ザラちゃん?ほんと、これからもミコを宜しくお願いします、うふふ、そうね、あら?でもそしたら私がお母さん?あはは、やだやだ!駄目よ!そうそう!ねー?ねー?うん、うふふ、え?そうだ!そうだった!そうよ!うんわかった!それじゃね!……。


 これはまだ終わらないやつ。


 ーーうん、そう今度はお土産でアレ持っていくから、ア・レ!うふふ、ザラちゃん好きでしょ?小分けに出来るからこないだの、そう、喜んで貰えると良いんだけど、え?まぁザラちゃんがそう言うなら安心ね、あの人は、そうよきっと、お酒、そうよ、だからあの人は違うのにして、え?無いけど、ほんとに?やだ、私酔わせてどうするのよ?なんちゃって?あはは、もうザラちゃんたら!……。


 「…長いね。」

 「うん、長い。ザラとリリーディアさんて仲良しなんだね。チウンは知らなかったの?」

 「ああ。ザラ様の記録は取れないんだ。恐らくリリーディアさんの記録にも残らないようにしたんだな。」

 「ふぅん。チウンでも知らないことあるんだね。」

 「そういうものだ。しかし長い…。」


 ーーうん、うん、それじゃ、うん、うん、またね、うん、うん、そうね、また私から飛ばすから、それは大丈夫よ、ザラちゃんも、うん、またね、はーい……。


 「…ふぅ。ちょっと長くなっちゃったかしらね?」

 ちょっと?

 「それじゃ、オリアちゃん?ザラちゃんから伝言。タキ君のお家に向かってくれって。ミコ達ももうじきだろうからって。」

 「え?でも、こっちのことは…。」

 「大丈夫よ。ザラちゃんがやってくれるって。だから早くタキ君のお家に行くと良いわ。1人で帰れる?」

 「大丈夫です…それじゃタキちゃんのこと、本当に宜しくお願いします。起きちゃったら、優しく抱っこしてあげて下さい。」

 「ええ。あと、例のものは今度ね。」

 「例の?…ああ、はい!そっちも!それじゃ、皆さんまた今度!」

 たったったっ…。


 オリアちゃんが元気に出て行った。
 
 「リリーディアさん、例のものって?」

 「ないしょ。うふふ…にしてもオリアちゃん、可愛いわね。ミコもほんと、うかうかしてられないわね。」

 うかうか?

 「オリアちゃんとタキはもう、じゃないです?」

 「あれは違うわね。あの子はまだ、よ。」

 「そうなんですか?」

 「乙女の勘よ。」

 乙女ねぇ…。


 「まぁ良いや。それで?タキの母ちゃんと話してどうなったんですか?」

 「何か言いたそうだけど…とりあえず、15億で許して貰えることに決まったわ。エルフの村は無事。」

 「んなっ!?ザラ様!?」

 チウンさんが焦ってる。

 ホントに、何の事情があるんだろ?

 「リリーディア?その、15億って言うのは?ルタも、流石に持ってないだろ?」

 「無い。そんな大金どうすれば良いのか…やっぱり俺は…。」

 「ザラちゃんの知り合いで、エルフの医者を住み込みで欲しいって言うお金持ちの人が居るの。その人が引き取ってくれるというか、まぁ、要は買ってくれるみたいな?とにかく、自由は無くなると思うけど、15億分働けば良いだけよ。ただまぁ、額が額だけに医者として以外にも色々働かされるだろうけど、それは頑張って頂戴。」

 「でも、それでは魔族に対してには納得させられるかも知れないけど、タキ君を始めとした俺が迷惑を掛けた全ての人達に対する償いは出来ないのでは?」

 「それは全部、ザラちゃんがやってくれる。いつか、ザラちゃんに会う時があるかもしれない。その時はちゃんとお礼を言いなさい。」

 「…わかりました。宜しくお願いします…シン君。」

 「はい。」

 「本当に申し訳無いことをしました。許して貰えるとは思いませんが、これから精一杯償いたいと思います。すみませんでした。」

 先生がそう言って床に顔を擦り付ける様に頭を下げた。そして、横に居るメラマさんも頭を下げた。

 「シン君。幼馴染みが大変なご迷惑をお掛けしました。僕の方からも出来る限り償います。」

 …メラマさんは関係無いだろ。幼馴染みと言っても、所詮は他人だ。だから…。

 「俺はメラマさんに償われても、どう受け取って良いのか分かりません。だから、今まで通りに接してくれて、まぁ、今まで以上にお店に来て食べて飲んで貰えたら嬉しいです。」

 「だが…。」

 「メラマ?シン君がこう言ってくれてるんだから、あなたは言われた通りにすれば良いのよ。アッちゃん連れて、盛大に飲み食いしなさいよ。ついでに私にも奢ってくれても良いわよ。」

 何故か乗っかるリリーディアさん。

 「…本当にそれで良いのかい?」

 「ええ、勿論!」

 「ありがとう、是非そうさせて貰うよ。」

 メラマさんは良いんだけど。

 「ルタさん。」

 「はい。」

 「俺は、まぁもう良いです。でもタキやオリアちゃんにあなたがした事は、見た訳じゃないですけど、それは忘れないで下さい。忘れた時こそ、俺は絶対に許しませんから。」

 「…はい。心に刻み付けておきます。」

 「…宜しくお願いします。」

 「さぁ、ルタ。早速行きましょ?私がちゃんと責任持って連れてくわ。」

 「リリーディア…宜しくお願いします。皆さん…。」

 言葉に詰まるルタド先生。

 「ルタ。もう良い。早く行け。またいつか。頑張れよ。」

 「……すみませんでした。」


 リリーディアさんとルタド先生が出て行った。ルタド先生がこれからどんな生活を送ることになるのかわからないけど、頑張って貰いたい。まぁ、多分俺は2度と会わないんだろうけど。


 「あ!ちょっ、リリーディアさん!?」

 ーーもう!何よ?

 階段の上から返事してるらしい。

 「その、ザラ様は何かこう、私について言ってなかったかと…。」

 ーーああ、忘れてた!2億は私が出すわ、貸すだけだけど、ですって。

 「貸すだけ…。」

 ーーあとは本人から聞きなさい!またね?


 「本人だと?ここに来る手筈では…。」

 「来ちゃ駄目かしら?」

 「うわわ、で、出た!」


 いやはやとんでもない美人が来た。

 髪はつやっつやの真っ直ぐの長い黒髪で、前髪ぱっつんで、こんなに整ってる人って居るんだって感じの顔の造形。そんでもって目がやばい。吸い込まれそうだし、でも目が合ったら石になっちゃいそう。魔族のところで女の人が着てたのと同じような仕立ての黒い服が、またよく似合うこと。美しい人ってこういう人、というかこの人だ。


 これがタキの母ちゃんなのか…。


 ……。


 こんな母ちゃん居る家って想像出来ないな。


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