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第35話 寮
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マリアを助けてからは何事もなくダンジョン都市に着いた。
もちろん道中にマリアから根掘り葉掘り色々なことを聞かれた結果好感度が上がったことは間違いないだろう。
さらに別れ際に何度も感謝を告げられたのだが、その時の全員の目がキラキラと輝いていたのは気のせいだろうか…。
ちなみに旅の途中でマリアのことを聞いたのだが、まさか同じクラスだったとは…。
マリアのスキルを聞いた時、固有スキルが優秀で班のバランスが良い感じだったので取り敢えずは班候補にと考えている。
ダンジョン都市に着いた感想としては、王都は綺麗で頑丈な門や城壁に圧倒されたが、こちらの方は要塞と言えるほどの分厚い壁に唖然とさせられた。
後、一番は人の違いだろうか?王都は人族が中心的だったのだが、ダンジョン都市には獣人族やドワーフ、そしてエルフなど多種多様な種族で溢れかえっている。
リアムとしても差別がないこちらの環境の方が素敵だと思う。
また、至るところで屋台があり活気に溢れている感じがした。
日本にいる時はお祭りが大好きだったリアムはこの都市を早く見て周りたい気持ちでいっぱいだった。
そんなことを思って見ていれば、気付けば希望の星学園に到着していた。
他にも神のダンジョンや神のビジョンなどが見たかったのだが、まずは手続きを行う。
無事に手続きを終えたのだが、Sクラスの貴族と言うことで従者部屋がついてある大部屋を用意されていた。
従者以外にもメイドや執事も入れることから学院の外の寮にはなるが、リアムには大変有り難かった。
貴族からの寄付金などがある故、無下にはできないのだろう。
部屋に着いて持ち物を取り出し整理しているとココロが話かけてきた。
「リアム様が授業の間、私はどういたしましょうか?」
「部屋の片づけと料理の準備だけしとけば後は好きにしていいよ。あ、後はクルミの相手も宜しくね」
「えっ、それだけですか?」
「そうだけど、それだけじゃダメ?」
「ダメじゃないですが…。」
「まあ、将来の勉強でもしといたら。図書館は従者も使っていい見たいだし」
「私に将来なんて…。」
「あー、言ってなかったっけ?5年後に俺が卒業したら奴隷から解放する予定だから、それまで宜しくね」
「えっ」
唐突に言われたことで、ココロは目が飛び出る程驚いている。
「私、一応は犯罪奴隷の立場なんですが…」
「濡れ衣でしょ、良かったね。これで将来をゆっくり考えられるでしょ?それに綺麗な顔してるんだから、今からでも恋や青春でもして楽しんだら?」
何気ないリアムの一言でココロの顔が真っ赤になる。
「ご、ご主人様、冗談はよして下さい。も、もしかして遠回しに夜伽の相手をしろと言うことでしょうか?もちろん私に断る権利はありませんので、その時は遠慮なくおっしゃって下さい」
「ココロ何を言ってるのかな?ご主人様の夜伽の相手は私一人で十分よ」
「なんでやねん」
急な対応でついついツッコンでしまった。
「ユミル、ココロが勘違いするだろ?それに俺が女性に困ってるとでも思うの?まあ、今まで付き合ったことないけど、アハハ」
日本にいる時にはもちろん経験はあるのだが、流石にこの世界ではないので嘘ではない。
こんなやり取りをしながら、リアムはココロとの距離を徐々に縮めて行くのである。
ちなみに入学式前に神のダンジョンを見に行ったのだが、凄いの一言だった。
ダンジョンからすこし離れたところに8台のモニターがあり、その前にはテーブルや席が用意されていた。それを囲むように出店があり、飲み食いをしながらモニターを食い入るように見ているギャラリーが大勢いたのだ。
モニターからの声は冒険者が大声で叫ばないと聞こえないのだが、見ている人の声や歓声が凄まじい。なので冒険者は大事な話は小声で、魔法やスキルは大きな声で行っているらしい。さらに聞いた話では、トップ冒険者などは実況中継の司会が解説をしながら盛り上げることもあるらしい。
リアムも一日中冒険者の様子を見ながら周りの声を聞いていたのだが、一流の冒険者にはもの凄い賛辞が飛び交いアイドルかと間違えるほどだ。逆に新人冒険者達には厳しい声もしばしば聞こえてきた。
ただ、一つ言えることは見ているだけでもワクワクし、危ない場面ではハラハラ、ドキドキさせられる。気付けば気になる冒険者を目で追っているこの環境はとにかく中毒性があるほどヤバイと思った。
「こりゃー、熱狂的なファンができるのも分かるな。まあ、早くても2年後かな、まってろよ神のダンジョン」
いつか俺もアイドルなみの人気がでたらいいなと密かに夢見るリアムであった。
もちろん道中にマリアから根掘り葉掘り色々なことを聞かれた結果好感度が上がったことは間違いないだろう。
さらに別れ際に何度も感謝を告げられたのだが、その時の全員の目がキラキラと輝いていたのは気のせいだろうか…。
ちなみに旅の途中でマリアのことを聞いたのだが、まさか同じクラスだったとは…。
マリアのスキルを聞いた時、固有スキルが優秀で班のバランスが良い感じだったので取り敢えずは班候補にと考えている。
ダンジョン都市に着いた感想としては、王都は綺麗で頑丈な門や城壁に圧倒されたが、こちらの方は要塞と言えるほどの分厚い壁に唖然とさせられた。
後、一番は人の違いだろうか?王都は人族が中心的だったのだが、ダンジョン都市には獣人族やドワーフ、そしてエルフなど多種多様な種族で溢れかえっている。
リアムとしても差別がないこちらの環境の方が素敵だと思う。
また、至るところで屋台があり活気に溢れている感じがした。
日本にいる時はお祭りが大好きだったリアムはこの都市を早く見て周りたい気持ちでいっぱいだった。
そんなことを思って見ていれば、気付けば希望の星学園に到着していた。
他にも神のダンジョンや神のビジョンなどが見たかったのだが、まずは手続きを行う。
無事に手続きを終えたのだが、Sクラスの貴族と言うことで従者部屋がついてある大部屋を用意されていた。
従者以外にもメイドや執事も入れることから学院の外の寮にはなるが、リアムには大変有り難かった。
貴族からの寄付金などがある故、無下にはできないのだろう。
部屋に着いて持ち物を取り出し整理しているとココロが話かけてきた。
「リアム様が授業の間、私はどういたしましょうか?」
「部屋の片づけと料理の準備だけしとけば後は好きにしていいよ。あ、後はクルミの相手も宜しくね」
「えっ、それだけですか?」
「そうだけど、それだけじゃダメ?」
「ダメじゃないですが…。」
「まあ、将来の勉強でもしといたら。図書館は従者も使っていい見たいだし」
「私に将来なんて…。」
「あー、言ってなかったっけ?5年後に俺が卒業したら奴隷から解放する予定だから、それまで宜しくね」
「えっ」
唐突に言われたことで、ココロは目が飛び出る程驚いている。
「私、一応は犯罪奴隷の立場なんですが…」
「濡れ衣でしょ、良かったね。これで将来をゆっくり考えられるでしょ?それに綺麗な顔してるんだから、今からでも恋や青春でもして楽しんだら?」
何気ないリアムの一言でココロの顔が真っ赤になる。
「ご、ご主人様、冗談はよして下さい。も、もしかして遠回しに夜伽の相手をしろと言うことでしょうか?もちろん私に断る権利はありませんので、その時は遠慮なくおっしゃって下さい」
「ココロ何を言ってるのかな?ご主人様の夜伽の相手は私一人で十分よ」
「なんでやねん」
急な対応でついついツッコンでしまった。
「ユミル、ココロが勘違いするだろ?それに俺が女性に困ってるとでも思うの?まあ、今まで付き合ったことないけど、アハハ」
日本にいる時にはもちろん経験はあるのだが、流石にこの世界ではないので嘘ではない。
こんなやり取りをしながら、リアムはココロとの距離を徐々に縮めて行くのである。
ちなみに入学式前に神のダンジョンを見に行ったのだが、凄いの一言だった。
ダンジョンからすこし離れたところに8台のモニターがあり、その前にはテーブルや席が用意されていた。それを囲むように出店があり、飲み食いをしながらモニターを食い入るように見ているギャラリーが大勢いたのだ。
モニターからの声は冒険者が大声で叫ばないと聞こえないのだが、見ている人の声や歓声が凄まじい。なので冒険者は大事な話は小声で、魔法やスキルは大きな声で行っているらしい。さらに聞いた話では、トップ冒険者などは実況中継の司会が解説をしながら盛り上げることもあるらしい。
リアムも一日中冒険者の様子を見ながら周りの声を聞いていたのだが、一流の冒険者にはもの凄い賛辞が飛び交いアイドルかと間違えるほどだ。逆に新人冒険者達には厳しい声もしばしば聞こえてきた。
ただ、一つ言えることは見ているだけでもワクワクし、危ない場面ではハラハラ、ドキドキさせられる。気付けば気になる冒険者を目で追っているこの環境はとにかく中毒性があるほどヤバイと思った。
「こりゃー、熱狂的なファンができるのも分かるな。まあ、早くても2年後かな、まってろよ神のダンジョン」
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