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第26話 星占い
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黒髪に黒目をした如何にも日本人と思える容姿をしている女性が話しかけてきた。
「宜しければ私も難民ですので、彼女と一緒に引き取っていただけないでしょうか?その変わりに彼女の面倒は私が見るというのはどうでしょう?」
「どうでしょうと言われても…。見ず知らずの男の元へ行くと言う意味を分かっているのか?それとも面倒をみる代わりに自身の面倒をみれと?」
「どのように受け取ってもらっても結構ですが、これが私の意思です」
俺はこいつの考えがまったくわからない。
「ドーマよ、大人の難民はどうなる?」
「大人の場合は本人の意思次第です。国が難民に食事などの援助はありますが、それ以上はないので各自で生きていかないといけませんので」
「そうか。何故君は俺に話しかけた?」
「星占いですわ」
「星占い?」
「私のスキルで星占いをした所、獣人の少女を引き取る者と一緒に行動することが吉とでましたので」
「その星占いは当たるのか?」
「今まで私が無事に生きてこれたのは全てこのスキルのおかげなので、今までで言えば100%当たっています」
黒髪に黒目、さらには星占いを覚えるスキルとなれば転生者の可能性が高いな。
「俺が断るとは書かれていないのか?」
「占いなので道を示してくれるだけです。後は私の行動と言動次第です」
「そうか、君は何歳だ?」
「15歳になったばかりです」
やはり転生者か?
「成人になった女性、しかもとびきり美人の女性が男の元に行くのは良くないと思うのだが?」
そう、どう見てもこいつは綺麗なのだ。
さらさらなストレートの黒髪にパッチリとした黒目。鼻筋がスッと伸び、プルッとした唇に引き込まれそうなほどだ。アカネやアクアマリンなど美人を見てきた俺でも、日本人形に愛嬌を纏わせた完成体ではないかと思うほどに見惚れてしまうほどだ。
「まあ、美人だなんて嬉しいですわ。それに私はこのスキルを信じているのでご心配には及びません。さらには邪悪な人はそんなこと心配しませんので、貴方様が優しいことが伝わってきます。なのでよかったらこの子と一緒に連れていってくれないかしら?」
どうしよう?俺も男だし、近くにこんな美人がいるのは嬉しいし、獣人の子供も無邪気で可愛いし…。
俺が悩んでいるとドーマが助け船をだしてきた。
「本当にいいのですか?今は安心かもしれませんが、今後も安全とは限りませんよ?」
「その時は逃げるわ。それにね、獣人の子が懐くぐらい貴方の傍は居心地がいい気がするの」
俺は何故にこんなに褒められているのだ?
日本人特有の褒め上手とやらか?
てか、獣人の少女を引き取る者ならば俺じゃなくてもいいのでは?
彼女の言葉を聞いても俺が悩んでいると獣人の子が聞いてきた。
「私、お利こうにするから一緒に連れていって」
そんな真っ直ぐな瞳で見られたら断れない。
「じゃあ、条件付きなら認めることにするよ」
こうして俺は獣人の子と彼女に条件を提示した。
条件とはキーシュとユイに会わせて彼女らが引き取りたいと言った場合はそれに従うこと。
日本人なら見捨てないのでは?という期待を込めて次の日に合わせたのだが…。
キーシュは貴族なので、喜んで面倒を見ると言ってくれたのだが、黒髪のルビーが「私が一緒にいることで彼(キーシュ)が不幸になる」と星占いの結果がでたため、よろしくないと言いだした。
さらには獣人の子のパナナもお兄ちゃん(アカツキ)と一緒がいいと泣きだしてしまった。
その光景をジト目で俺を見てくるルビーとユイ。
しょうがなくルビーに伝える。
「お前がちゃんと面倒みれよ」
「当然よ。こんな可愛い子に寂しい想いはさせないわ」
こうして話は決まったのだが、キーシュの女難の相が気になる。
今ではキーシュとユイは凄く仲がいいので、ルビーがいることで三角関係にでもなるのだろうか?
一夫多妻制の国なので、日本人の思考により他の女性を許さないと言ったところだろうか?
それならば、ユイのジト目の理由も理解できる。
そんなことを考えながら、心の中でキーシュに「なんかゴメン」と謝っておいた。
こうして少し休んで帰ろうとした時、この魔法学院都市を統治する侯爵様の代理人より、もう少し様子をみるためにこの地に居て欲しいと頼まれた。
前回は急遽だったので魔道馬車で参加したが、この地にも優秀な者が多くいるだろうにと考えながらも、代理人が姉さんも一緒に連れてきたことで断れない雰囲気となった。
これだから貴族は嫌いなんだよ。
渋々了承したが、納得はしていない。
なので、冒険者依頼としてせめて依頼料と一緒に功績だけ残そうと思う。
依頼と言えど、しばらくこの地で様子をみるだけなので、気分転換にルビーとパナナと一緒に買い物をすることにした。
何故かドーマが一緒にいることは気にしないでおこう。
って、気になるわ。
「何か用か?」
「いえ、緊急の際は討伐にでる可能性もあると思い一緒に行動しようと思いまして」
「おい、俺はキーシュと違って何でもかんでも首は突っ込まないタイプだから大丈夫だ」
「まあ、それは建前として、この地の貴族達がアカツキ殿をどうにか手に入れようと企んでいる見たいなので…」
俺は横にいるルビーとパナナを見た。
俺1人なら最悪どうにかなるが、この二人を人質にされると面倒になるし、しょうがなくドーマと一緒に行動することにした。
それにしてもドーマは本当に気が利くいい男である。
ルビーなどの服を買いに行こうとすると、調べてくれていたのかいい店を紹介してくれる。
さらには女王陛下の近衛騎士の証文を見せることで、どの店も凄く待遇よく買い物ができた。
ルビーも久々の買い物なのか心から喜んでくれていたので本当によかった。
ここだけの話、ルビーの笑顔にドキッとしたことは内緒だよ。
「宜しければ私も難民ですので、彼女と一緒に引き取っていただけないでしょうか?その変わりに彼女の面倒は私が見るというのはどうでしょう?」
「どうでしょうと言われても…。見ず知らずの男の元へ行くと言う意味を分かっているのか?それとも面倒をみる代わりに自身の面倒をみれと?」
「どのように受け取ってもらっても結構ですが、これが私の意思です」
俺はこいつの考えがまったくわからない。
「ドーマよ、大人の難民はどうなる?」
「大人の場合は本人の意思次第です。国が難民に食事などの援助はありますが、それ以上はないので各自で生きていかないといけませんので」
「そうか。何故君は俺に話しかけた?」
「星占いですわ」
「星占い?」
「私のスキルで星占いをした所、獣人の少女を引き取る者と一緒に行動することが吉とでましたので」
「その星占いは当たるのか?」
「今まで私が無事に生きてこれたのは全てこのスキルのおかげなので、今までで言えば100%当たっています」
黒髪に黒目、さらには星占いを覚えるスキルとなれば転生者の可能性が高いな。
「俺が断るとは書かれていないのか?」
「占いなので道を示してくれるだけです。後は私の行動と言動次第です」
「そうか、君は何歳だ?」
「15歳になったばかりです」
やはり転生者か?
「成人になった女性、しかもとびきり美人の女性が男の元に行くのは良くないと思うのだが?」
そう、どう見てもこいつは綺麗なのだ。
さらさらなストレートの黒髪にパッチリとした黒目。鼻筋がスッと伸び、プルッとした唇に引き込まれそうなほどだ。アカネやアクアマリンなど美人を見てきた俺でも、日本人形に愛嬌を纏わせた完成体ではないかと思うほどに見惚れてしまうほどだ。
「まあ、美人だなんて嬉しいですわ。それに私はこのスキルを信じているのでご心配には及びません。さらには邪悪な人はそんなこと心配しませんので、貴方様が優しいことが伝わってきます。なのでよかったらこの子と一緒に連れていってくれないかしら?」
どうしよう?俺も男だし、近くにこんな美人がいるのは嬉しいし、獣人の子供も無邪気で可愛いし…。
俺が悩んでいるとドーマが助け船をだしてきた。
「本当にいいのですか?今は安心かもしれませんが、今後も安全とは限りませんよ?」
「その時は逃げるわ。それにね、獣人の子が懐くぐらい貴方の傍は居心地がいい気がするの」
俺は何故にこんなに褒められているのだ?
日本人特有の褒め上手とやらか?
てか、獣人の少女を引き取る者ならば俺じゃなくてもいいのでは?
彼女の言葉を聞いても俺が悩んでいると獣人の子が聞いてきた。
「私、お利こうにするから一緒に連れていって」
そんな真っ直ぐな瞳で見られたら断れない。
「じゃあ、条件付きなら認めることにするよ」
こうして俺は獣人の子と彼女に条件を提示した。
条件とはキーシュとユイに会わせて彼女らが引き取りたいと言った場合はそれに従うこと。
日本人なら見捨てないのでは?という期待を込めて次の日に合わせたのだが…。
キーシュは貴族なので、喜んで面倒を見ると言ってくれたのだが、黒髪のルビーが「私が一緒にいることで彼(キーシュ)が不幸になる」と星占いの結果がでたため、よろしくないと言いだした。
さらには獣人の子のパナナもお兄ちゃん(アカツキ)と一緒がいいと泣きだしてしまった。
その光景をジト目で俺を見てくるルビーとユイ。
しょうがなくルビーに伝える。
「お前がちゃんと面倒みれよ」
「当然よ。こんな可愛い子に寂しい想いはさせないわ」
こうして話は決まったのだが、キーシュの女難の相が気になる。
今ではキーシュとユイは凄く仲がいいので、ルビーがいることで三角関係にでもなるのだろうか?
一夫多妻制の国なので、日本人の思考により他の女性を許さないと言ったところだろうか?
それならば、ユイのジト目の理由も理解できる。
そんなことを考えながら、心の中でキーシュに「なんかゴメン」と謝っておいた。
こうして少し休んで帰ろうとした時、この魔法学院都市を統治する侯爵様の代理人より、もう少し様子をみるためにこの地に居て欲しいと頼まれた。
前回は急遽だったので魔道馬車で参加したが、この地にも優秀な者が多くいるだろうにと考えながらも、代理人が姉さんも一緒に連れてきたことで断れない雰囲気となった。
これだから貴族は嫌いなんだよ。
渋々了承したが、納得はしていない。
なので、冒険者依頼としてせめて依頼料と一緒に功績だけ残そうと思う。
依頼と言えど、しばらくこの地で様子をみるだけなので、気分転換にルビーとパナナと一緒に買い物をすることにした。
何故かドーマが一緒にいることは気にしないでおこう。
って、気になるわ。
「何か用か?」
「いえ、緊急の際は討伐にでる可能性もあると思い一緒に行動しようと思いまして」
「おい、俺はキーシュと違って何でもかんでも首は突っ込まないタイプだから大丈夫だ」
「まあ、それは建前として、この地の貴族達がアカツキ殿をどうにか手に入れようと企んでいる見たいなので…」
俺は横にいるルビーとパナナを見た。
俺1人なら最悪どうにかなるが、この二人を人質にされると面倒になるし、しょうがなくドーマと一緒に行動することにした。
それにしてもドーマは本当に気が利くいい男である。
ルビーなどの服を買いに行こうとすると、調べてくれていたのかいい店を紹介してくれる。
さらには女王陛下の近衛騎士の証文を見せることで、どの店も凄く待遇よく買い物ができた。
ルビーも久々の買い物なのか心から喜んでくれていたので本当によかった。
ここだけの話、ルビーの笑顔にドキッとしたことは内緒だよ。
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